今までレマコムRCS-100冷蔵庫を日本酒用として使うための色々な対策をしてきましたが、今回その最終案をご提案します。今まで提案してきた対策の中であまり意味のないものと重要なものがありますので、整理した上で新しい対策を提案します。
まずその前にレマコムRCS-100の温度制御がどうなっているのかを説明します。
レマコムの内部は冷却板、それを制御するセンサーとダイヤルから構成されています。このダイヤルは数値を設定することができます。
このダイヤルの数値を上げれば、温度が下がることは間違いないですが、温度制御しているわけではありません。 どうやら冷凍機を動かす時間間隔を制御しているようです。ですからこの数字が大きくなれば、冷凍機が動く時間が長くなるので、庫内の温度は下がりますが何℃になるかは成り行き任せです。
2013年の冬に温度記録計を購入し、ダイヤル設定を変えながら最適設定値を探して、この時はダイヤルの数値を4~5にすれば、0℃~3℃でコントロールできることを書きましたが、間違いであることがわかりました。その時の内容は下記のブログを見てください。
http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-73dd.html
この実験をしたのは冬場でしたので、このダイヤルの数値で冬場は0℃~3℃で安定していたのですが、夏場になると気温が上がり庫内の温度が上がってきて、このダイヤルの数値だと2℃~7℃の大きくぶれることがわかり、場合によっては冷蔵庫の冷却機の表面に氷がついてしまい、急に冷却能力が下がる事態が起きました。この時は冷蔵庫の物を外に出して一度氷を解かさないと復帰しないことがわかりました。この状態になることは絶対に避けなくればなりません。夏場でも何とか安定して凍りつかない温度3℃~5℃くらいに維持できる方法がないか考えました。
そこで思いついたのが冷蔵庫の中にFANを入れることです。この冷蔵庫はFANがないので冷却機の表面温度と庫内の温度には差があるので、外気が高い夏の時期は外からの熱により庫内の温度が上がると考えたのです。
それでは庫内に入れられる適当なFANがあるでしょうか。色々検索した結果、見つけました。それはSANWA SUPPLY USB横型扇風機 ブラック USB-TOY75BKです。設置場所や大きさや能力から考えて、現在これ以外の適切なFANはありません。価格は3000円から4000円で売っています。検索してみてください。
このFANの欠点は音がうるさいことと、電源がUSBというところです。もともとデスクの上で使う扇風機として売られているものなので、その耐久性は心配でした。でも下図に示す通り、冷蔵庫の奥の冷凍機の上部にぴったり置くことができましたし、1年間使っても今のところトラブルはありません。
一度セットすると電源を抜かなければFANを止めることができませんし、扉を開けないと動いているかどうかの確認が難しいですが、幸いFANの音がうるさいので、外から音で確認できます。FANのスイッチ類はFANのサイドにあります。
黒いポッチがスイッチで、上から電源、FANの強さ、最後が首振りのスイッチです。FAN強度最高、首振りで使っています。
ではFANを動かしたときと、停めたときの庫内温度変化の様子を示します。
ダイヤル数値が一定でもFANがない場合は6℃~7℃になるのに対して、FANがある場合は3℃~6℃に下がってきます。明らかに温度は下がってきますが、振れ幅は大きくなります。これは僕の推定ですが、FANが動くと庫内の温度分布が均一になり、冷却機表面温度と庫内温度が近づくのに対して、FANのない場合は庫内温度がゆっくり変化するためではないかと思っています。
庫内温度が均一になって、温度の平均値が2℃くらい下がるので、FANがある方が日本酒冷蔵庫としてはよいと思いますが、ダイヤル値はどの位が適切なのでしょうか。庫内温度の最低値が2℃を下回らないのを基準にしたらどうかと考えます。
ダイヤル設定を3.0~4.0での時の庫内温度の状況をお示しします
ダイヤル3.5や4.0の場合は0℃~5℃と温度は下がるのですが、稼働状況が少し不安定になるようです。ダイヤル3,0の場合は動きは安定していて温度は3℃~6℃で平均温度は4.5℃です。以上のことからダイヤル設定は3.0が良いと思います。これは冷蔵庫一つ一つで違いがあるものと思われますので、3,0から3.5ぐらいで調整してみてください。
今まで行ってきた各種の対策についての僕なりの評価をしますと以下のようになります。
1.表のガラス扉の断熱について
これについては僕は窓ガラス断熱シートフォーム(E1590)という名前で売っている厚み7mmのシートをガラス扉の裏に張り付けました。写真のようにお酒が入っている様子は見えますので、見てくれはいいです。でも、当初は窓ガラスの結露防止が目的でしたので、これでもよかったのですが、現在は冷蔵庫自体の断熱性能の向上のためには窓ガラスの断熱が絶対必要と考えていますので、透明性はなくなりますが、ウレタンフォームを使う方がいいと思っています。自分は実行していません。
2.保冷カーテンの設置について
冷蔵庫のドアの内側に幅150mm長さ880mmの透明の断熱シートを取り付けます。冷蔵庫の幅は410mmありますので、150mm幅のものが2枚と100mm幅のものを1枚用意してそれを冷蔵庫の内部に取り付けます。こうすると冷蔵庫のドアを開けた時に冷気が外に流れるの防ぐので、省エネになるのが本来の目的ですが、ドアを閉めている時もガラス窓に直接冷気が当たらないので結露対策にも役立ちます。
これは冷蔵性能を上げるのに本当に役立っているかはわかりませんが、精神的にはこれがあると冷気が逃げない気がしますので、安心です。
詳しいことは下記のブログを見てください。http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-8af8.html
3、結露対策
この冷蔵庫の結露は露の時に起こりやすいです。ひどい時はガラス面の露が滴れ落ちで、床がびしょびしょになります。それを下で受ける装置を考えました。その方法は下記のブログを見てください。
http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/rcs100_3960.html
1年を通してみると、露が滴れ落ちるのは夏場の雨の時だけで、他の時期はそれほどではありません。ですからその時だけまめに拭くとか下に布を置いておき床が濡れないようにするだけで十分なことがわかりましたので、今は何もしていません。
以上がレマコム冷蔵庫対策のすべてです。結論を簡単にまとめると以下のようになります。
ガラス窓には断熱材をはり、さらに保冷カーテンをつけ、庫内にはFANを設定し庫内温度を均一にして、庫内温度が0℃以下にならないダイヤル数値に設定する
レマコムを使う方はこれを参考に使ってみてください。
最後にメーカーの人に一言いたいのは、日本酒冷蔵庫用としてレマコムRCS-100の扉をガラス扉でない断熱の良い扉の使用を製品を出し、庫内温度を外に表示できるようにしてもらいたいと思います。そして温度制御がもっと細かく制御できるようにしてもらいたいです。
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