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三千櫻と黒松仙醸の蔵元の酒を楽しむ会 (安藤杜氏の秘密?)

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用賀のなかむらやで黒松仙醸と三千櫻の蔵元と美味しいお酒を楽しむ会が開かれましたので参加しました。用賀のなかむらやは中村直人さんが取り仕切る居酒屋ですが、料理もお酒もこだわりのあるお店で、酒通の人が集まる店(もしかしたら酒の変人が集まる店かも)として今では名が知られています。

Dscn16161jpgこの方が店長の中村直人さんです。鼻眼鏡の奥から人の良さそうな、でもチョットとぼけた感じのお顔が見えます。どう見てもシェフの格好をしていますが、もともとあるホテルのシェフをしていたそうで、その名残です。それから自力でこのお店を開いたとのことですから、その努力は大変なものです。

声はどすの利いた低音でチョット枯れた声ですが、声の雰囲気とは違ってとてもユー、モアがあって誰からも好かれる方ですね。

今回の会は三千櫻の山田社長が今日は東京にいるので、お酒の会をやりませんかと申し入れがあったのですが、三千櫻さんだけではとチョット渋っていたら、黒松仙醸に新しく杜氏としてやってこられた安藤宏幸さんを連れてくるからということで、急遽まとまった会のようです。

どうも山田社長と安藤杜氏とは何か特別な関係がありそうなので、これについては後でじっくりとその謎をご紹介します。

というわけで、この日集まった蔵元さんはとても豪華な取り合わせとなりました。

Dscn1613まず、三千櫻酒造からは山田耕司社長兼杜氏と奥様の山田和江さんが出席されました。

山田社長のトレードマークのスキンヘッドが光りますね。お隣におられるのは奥様の和江さんですが、沖縄生まれの大変活発なお方で、この日は山田さんとは別々にお客様のところをまわってお酒の説明をされておられました。可愛い人です

お二人の関係のことなら僕のブログをご覧ください。http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-87ee.html

黒松仙醸からは社長の黒河内貴さんと杜氏の安藤宏幸さんが参加されました。

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右の方が黒河内社長で、左の方が安藤杜氏です。皆さんご存じでしょうが、黒松仙醸では今まで丸山杜氏がおられましたが、湯川酒造の湯川尚子さんと結婚されることになり、去年の22BYの造りで杜氏をやめられることになり、その代りの方を探していて、去年の秋から安藤さんが杜氏になったというわけです。ここに至るまでは色々と大変なことがあったので、今回のブログはその経緯と安藤さんの人となりを主に紹介したいと思います。

でもいつもの通り最初にお酒の紹介をしますが、いつもとは違って簡単にしたいと思います。会の流れで1本1本の写真が取れなかったこともありますね

まずは三千櫻のお酒をご紹介します

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写真の左から順番にご紹介します紫のラベルが袋吊で、ベージュのラベルは生酒か火入れですが、ラベルではわかりません。今回は生酒のようです。酒質の酒度と酸度はラベルには書いてないので、店長の中村さんが変人のお客のために書いてくれたものです。・・・・間違いがあったよ。渡船の23BYの精米度は50%ですから間違えないでね。

① 五百万石 純米酒 袋吊 60%精米、酒度+2 酸度1.9

三千櫻の定番の酒ですっきりしたお酒ですうっと入ってきて余韻が楽しめます。今回は飲めなかったけど、家呑みなら僕は火入れがお勧めです

② 渡船 純米酒 50%精米 酒度-2 酸度2.6

渡船は滋賀県のお米ですが、硬い米なので味を出しにくいので優しく扱わないと味を引き出せないそうです。去年は55%精米でチャレンジしたのですが、滋賀県の松の司の味に負けないよう今年は松の司と同じ50%精米にしたそうです。軽いきれいな旨みが広がり全体的にはややシャープなイメージで柔らかく広がるお酒です

③ 愛山 純米酒 60%精米 酒度-1 酸度2.4

愛山らしいドンとした甘みが特徴で、味わい深いお酒です。愛山の旨みがよく出ています。さすが山田杜氏の腕ですね。

④ 愛山 純米酒 袋吊 60%精米 酒度-1 酸度2.4

袋吊にすると愛山の甘みがきれいになり、優しさが出てきます。口当たりがよく、シルキーな感じになります。愛山買うならお勧めは袋吊ですね。

⑤ R改 純米酒 五百万石・あさひの夢 60~70%精米 酒度+5 酸度2.0

もともとRichTasteのつもりで名付けたR改ですが、今ではReasonableとかRegularと言われるほど、価格も安いし、普通に飲める味のしっかりしたお酒でした

三千櫻のお酒はすべて同じ作りをしてるそうで、お米に合わせた麹造りをしているだけで、後はお米が酒の味を自然と造りだしてくれるので、特に何もしていないと山田杜氏は言われますが、お米の特徴をうまく出している蔵としては日本でもトップクラスではないでしょうか。一番不思議なのは酸度がこんなにも高いのに口の中であまりさんを感じないことです。日本酒度も+0くらいと甘めですが甘さは感じません。

あくまでも食中酒を狙った造りをしているので、出品酒は造らないそうです。造りの秘密は下記のブログを見てください。少しはわかるかもしれません。

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-87ee.html

次に黒松仙醸のお酒に行く前に、この二つのお酒を見てください。

右が渡船6号の純米酒うす濁り活性です。ピンクのラベルは季節商品を意味します。今回の乾杯酒でした。ピチピチの舌触りと鼻に抜けるあじわいが特徴でしたね

左のお酒は山田錦40%精米の大吟醸斗瓶囲いスーパームーンの金賞受賞酒です。(22BY)もちろん丸山杜氏のお酒です。酵母は1801系でこんな夜にとは造りが違います。ラベルはこんな夜にの純米大吟醸のデザインに似ていますが、下地の紙が白ではなく、銀色なので違いがわかります。

さすがに1年熟成していので、口に含むと柔らかい舌触りとともに後からひゅうっと香りがたち、とろっとした旨みを感じる美味しいお酒でした。

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この日飲んだこんな夜にシリーズのお酒を紹介します。こんな夜にはすべて美山錦かひとごとちの純米酒で精米度合いによってラベルの絵が違っています。

・ 満月   ひとごこち40%精米 純米大吟醸

・ 山椒魚 ひとごこち 50%精米 純米吟醸

・ 山女  美山錦 55%精米 純米吟醸 

・ 鹿   ひとごこち 60%精米 純米

・ 雷鳥  美山錦 70%精米 純米

こんな夜にのお酒は下の写真を見てください。

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右から満月、山女、鹿、山椒魚、雷鳥です。わかりやすいですね。

 満月 これは23BYで安藤さんの造ったお酒です。きれいで素直な旨みがフラットに広がり、すごくおいしいお酒です。でもちょっと後味が気になりました。寝かせてみたいですね。

・ 山椒魚 こんな夜にシリーズの最初に出したお酒です。以前は長野県のお酒といえば美山錦とリンゴ酵母とのイメージがあったので、ひとごこちと1701酵母で長野県らしくないさわやかな酸と上品な味を目指したものです。今回は22BYのお酒で、口に含むと酸味と旨みを同時に感じる絶妙なバランスのお酒でした。酸度は1.7ですが三千櫻より酸味を感じるけど、これが普通だと思います。

・ 山女 山椒魚の次に出したお酒で、美山錦と長野D酵母を使ったお酒で、山椒魚よりしっかりした味を狙ったものです。今回飲んだのは23BYのおりがらみのお酒です。安藤さんのお酒で、今年は少し味が出過ぎたとのことでしたが、オリとの絡みで飲みやすいお酒だったと思います。

・ 雷鳥 美山錦70%のベーシックなお酒を狙ったもので、今回のお酒は丸山さんと安藤さんが一緒に造った酒だそうで、70%にしては雑味がなく、味もしっかり出ていて酸味もあり辛さも感じないので、これはお買い得ですね。1升2400円です

・ 鹿 21BYの熟成酒で、熟成のフラットでふんわりとした旨みが広がり、ボデーがしっかりしてお燗に合いそうなお酒でした。もともと熟成して美味しくなるように造った丸山さんらしいお酒のようです。

これでお酒の紹介は終わりますが、こんな夜にのお酒と前の杜氏の丸山さんのことについては下のブログをご覧ください。

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-16ce.html

最後にこのたび黒松仙醸の杜氏になった安藤さんがどんな人で、これからどんなお酒造りをしていきたいかをご紹介します。ひげが濃い人ですが、和やかな笑い顔が素敵ですね。この日に安藤さんと会話した内容をインタビュー形式で紹介したいと思います。

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・ 酒造りをする前は何をしていたのですか

 スーパーマーケットの食品売り場の売り子をしていたそうで、その関係で味とか料理には関心があったそうです。でもある時親友が突然事故で亡くなってショックを受けて、好きなことをして今を生きなければと思いなおして、スーパーをやめて北海道に旅に行ったけど何も見つからず、戻ってきてアルバイトで地元の蔵で酒造りの手伝いをしたそうです。最初は南部杜氏の方言がわからず苦労したけど、やっているうちに次第に酒造りが好きになったそうです。

・ どこの蔵でどのくらい酒造りをしたのですか。

中津川駅の近くの「はざま酒造」(五味饗宴、恵那山)で17年間働き、後半の12-3年間は杜氏として酒造りをしていたそうです。最初は酒造りを何も知らなかったので、蔵の南部杜氏に教わって、その後は能登杜氏の勉強会や越後杜氏の勉強会に参加して、色々な酒造りを学んだので、特に独自の流儀があるわけではないそうですが、全国新酒鑑評会では4回も金賞を取るほどの腕前があるようです。でも2008年に長い間同じ蔵で酒造りをしていたので新しい体験を求めて蔵をやめたそうです

・ はざま酒造をやめで何をしていたのですか

20BYの造りのときに1シーズンだけ、三千櫻の山田さんのところでお世話になったそうです。その時の経験が非常に印象深かったそうです。三千櫻に始めて蔵に入った時、直ぐに昔からいた仲間内のような雰囲気で酒造りができたのは山田さんの不思議な魅力だし、付き合えば付き合うほど発見がある人だったとのことでした。その後飛騨高山の久寿玉の蔵から声を掛けられて、平瀬酒造に2009年10月に入ったのですが、蔵に入って3日めに専務が交通事故で亡くなったため、そのシーズンでやめることになったそうです。その後は夫婦で山登りが好きだったので、松本に引っ越して生活していたそうです。

・ どんなきっかけで黒松仙醸に入ることになったのですか

直接のきっかけは地酒屋こだまのたけちゃんが直接のお仲人になったようですが、たけちゃんに聞いたら山田社長から松本に住んでいる安藤さんをどこかの蔵の杜氏として紹介したいから、どこか知っているかと電話が入ったそうです。たけちゃんは黒松仙醸の丸山さんがやめるのを知っていたので、さっそく丸山さんに連絡をしたそうです。それで直接丸山さんと会うことになって決めたそうです。やっぱり裏に山田社長がいたのですね

・ 黒松仙醸で杜氏をやろうと決めたのはどうしてですか

黒松仙醸ははざま酒造に比較すると比べ物にならないほど機械化されて蔵なので、手作りしか知らない自分では無理だと最初はお断りしたのですが、丸山さんから手作りでおいしいお酒を作るのは当たり前で、機械化された蔵で最高の酒を作るのが面白いのではないかといわれて、納得して引き受けることになったそうです。丸山さんが黒松仙醸で苦労した心を安藤さんに伝えたかったのですね。

・ これからどんな酒造りを目指しますか。

去年の秋から23BYの造りを担当しましたが、黒松仙醸は力量を持った蔵人がいて、社長をしっかり支えている会社で、トップがいなくても仕事が進む人的にバランスの良い蔵なのがわかったそうです。だから酒を作るだけでしたらそんなに心配はないけど、蔵人をまとめるためには、目標をを明確にして酒造りをする必要があると思ったそうです。黒松仙醸の会社の方針のお酒は従来通り造るけど、丸山さんが造ったこんな夜にのお酒は自分流の味にしていくつもりだそうです。また、丸山さんのように自分流のブランドのお酒も探しながら新しい酒造りをやっていくそうですが、それがいつになるかはわからないけど、あわてず高い目標を定めて努力するそうです。楽しみですね

・ 酒造りのほかに趣味はありますか

自転車のロードレース(ヒルクライムレース)に出るのが趣味で、そのために週に1-2回トレーニングをしているそうです。だから体脂肪率10%以下とスリムな体をしています。冬場は酒造りで練習ができないので、造りが終わればめいっぱい練習をして、年に4回ほどレースに出るとのこと。実力は6000名参加した乗鞍のロードレースで200位位の実力があるそうです。このように高い目標を定めて努力するのが好きな性格なので、達成できなくても絶えず努力するのが好きだそうです。これは酒造りにも通じているのかもしれませんね。

 まとめ

基本的には興味あることには何でも取り組むチャレンジ精神が旺盛で、ちょっと個性的で好き嫌いははっきりしているけど、何事にも素直にチャレンジできる柔軟性があると思います。きっと黒松仙醸でも丸山さんとは違った方向性の新しい酒造りをしていける人だと思います。

山田社長も安藤さんに教えることはないというほどの腕があるので、これからを期待していますよ。頑張ってください。

最後にこの会のお料理をチョットお見せします。ここはお酒だけではなくお料理もおいしいのです。

お刺身盛り合わせ      サーモンの南蛮付け

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和牛ステーキ         おろしうどん

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黒糖仕立ての甘味

Dscn1634_2写真を撮りそこなっただけでそのほかにも、天婦羅や串焼きが出ていたことを付け加えておきます。時々店長がお料理の説明をしましたが、すべてのお料理についてそのたびに説明してもらいたいな。

そのためにはマイクとスピーカーがある方がいいですね

今回の会の進め方でよかったのは、杜氏が席に来たときに杜氏のお酒を飲めたことで、こんな進め方ができると楽しいですね。中村さん色々と工夫をしていきましょう。

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若駒酒造酒造を囲む会 期待の若手杜氏

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先日神田の醇さんのお店で、栃木県の若駒酒造を囲む会がありましたので参加してきました。蔵元からは6代目蔵元の柏瀬幸裕(かしわせ ゆきひろ)さんが来られていて、お酒の説明をしていただきました。ご覧のようにとても若い人ですが(29歳独身)、杜氏として頑張っておられます。写真のお姿はチョットなよなよしているように見えますが、とても明るい方で、しっかりと自信を持って、酒造りをしていて、今や若手のホープとして評価されている人のようです。

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幸裕さんはちょっと変わった経歴をお持ちで、蔵の次男だったので蔵を継ぐつもりはなく、一般の大学に進みましたが、兄が蔵を継がないことが決まったのと、銘酒居酒屋で日本酒の良さを認識して、蔵の後を継ぎ酒造りをやることを決意したそうです。でも酒造りの経験がないことから、風の森で知られる奈良県の油長酒造で3年間修業をして3年前に蔵に戻ったそうです。油長酒造以外には東京の酒造研究所で1カ月研修をしたそうですが、毎日家から通いで勉強したそうです

僕が彼に初めて会ったのは、2009年の4月に行われた新世代栃木の酒の会です。その時の写真をお見せします。右の方が幸裕さんで、左の方がお父さんで社長の柏瀬福一郎さんです。目が大きくて髭が特徴のとてもユニークなお顔をしているので、良く覚えていたのですが、幸裕さんのことは忘れていました。幸裕さんも僕のことは忘れていましたが、名刺交換をしたら、見覚えがあるとおっしゃっていました。新世代栃木の会の時はたぶん幸裕さんが蔵に戻ったばかりで、まだ酒造りをしていなかったときではないでしょうか。幸裕さんが酒造りを始めたのは21BYからだと聞いていましたから

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この写真で見る通り、展示されているお酒はかねたまる、善十郎、万延の三種類ですが、今回飲んだお酒はほとんど若駒です。若駒はもともとあったブランドですが、幸裕さんが造りを始めた21BYからラベルも中身もリニューアルして、新しい若駒を立ち上げたそうです。最初は3銘柄でしたが、23BYから6銘柄に増えたそうです。それが下記のお酒です

・ 純米大吟醸の雄町(50%精米)

・ 純米吟醸の五百万石(55%精米)

・ 純米の雄町(70%精米)

・ 純米のあさひの夢(65%精米)

・ 純米の五百万石(80%精米)

・ 特別純米の とちぎ酒(60%精米)

の6種類だと思いますが、今回はそのすべてのお酒を飲むことができました。お酒によってはしずく搾りと槽搾りを楽しむことができましたので、後でご紹介したいと思います。目指す酒質はきれいな旨みと透明感のある酸だそうですが、それを飲んで確認をしましょう。

Dscn16461ラベルもリニューアルしました。このラベルはあさひの夢のお酒のラベルです。

若いという字と走っている馬で、若駒のイメージを出したものと思われます。飛び跳ねているイメージが若々しさを表しているのでしょう。

お酒によってラベルの色が違いますが、お酒の種類が増えた時はどうするのでしょうね。

この会のお酒を提供してくれた酒屋さんも紹介します。かねゑ越前屋の藤井雄一郎さんです。お父さんは社長の藤井康誠さんです。二人ともスキンヘッドですがお父さんの方がピカピカです。雄一郎の話では父の頭はカミソリで、自分はバリカンで剃っているそうです。ですから父は時々頭から血を出していることがあるようですが、自分はまったくないとのことです。

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やっぱりお父さんの頭はすごいでしょう。でも似ていますね。裕一郎さんは29歳で幸裕さんと同い年だそうですが、貫禄がありますね。もう息子さんがいるそうです。

二人でお店を切り盛りしているそうで、お酒の語りになると似たような言葉がでるのは、父親譲りでしょう。

では今回飲んだお酒の一覧をお見せします。

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必ずしもお米で色を分けてるわけではありません。この写真でお酒の銘柄を当てられる人は若駒ファンと言えますね。それでは飲んだ順ではなく銘柄別にご紹介します

0.純米大吟醸雄町しずく搾り  4.純米大吟醸雄町槽搾り.

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両方ともラベルに緑の線が入っているのが特徴ですが、肩かけのラベルがあるのがしずく搾りで、何もないのが槽搾りです。この蔵は薮田を持っていないので、しずく以外はすべて槽搾りだそうです。酵母はT-Fのとちぎ酵母です。

0番のお酒はしずく搾りの6番目の斗瓶取りです。トロリとした雄町らしい旨みがどっと感じて、果実のような香りとともに口の中に広がってくる酒でしたが、後口の切れは良かったです。価格は3885円です。

4番のお酒は0番のお酒を槽で搾ったお酒なので、0番とはバランスは似ていますが、厚みは少なくなっていましたが、全体的にソフトとになって飲みやくなっていました。価格は3465円です。どちらを選ぶかは微妙なところで、旨さを味わうなら0番、たくさん飲みたいのなら4番かな。

1. 純米 雄町70%精米 無加圧搾り

Dscn1642_2槽搾りで無加圧で出てきた限定のお酒です。栗のような香りと雄町のうまみを感じつつ、後に酸味を感じるお酒でした。酸度の表示はしていませんが、直接杜氏に聞いたら2.2もあるそうです。でも嫌な酸ではありません。藤井さんの話では旨みの酸だから良いのですということでした。

普通の雄町とは違ったバランスですが、70%精米にしては きれいに仕上がっています。価格は2835円だそうです。

2.純米吟醸五百万石しずく搾り  7.純米五百万石槽搾り

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同じ五百万石ですが、2番は55%精米の純米吟醸で、しずく搾りの斗瓶取りです。7番は80%精米の低精米、槽搾り純米酒です

2番のお酒は雄町のようなドンとした旨みはないけど、果実系の優しい香りと酸を感じる、繊細できれいなうまみを感じるお酒でした。価格は1升3360円です

7番のお酒は新たに今年からチャレンジした低精米のお酒ですが、思った以上に雑味を感じずきれいな味になっていました。香りは今までのお酒とは少し違う独特の香りがしましたが、嫌な香りではありません。このきれいさは吸水率が少ないことからできるようです。価格は2415円ですから飲んでみる価値はあります。

3.純米あさひの夢無加圧搾り 8.純米あさひの夢槽搾りです

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両方とも栃木県の一般米のあさひの夢65%精米の純米酒ですが、3番は槽搾りで最初に無圧で出た酒で、8番は槽で普通に絞った酒の違いがあります。酵母はどちらもNEWデルタT-Sです。

一般米なのでやはり味という点では物足りなさを感じますが、クリアーな感じに仕上がっていますが、甘みが少ない分辛みを感じてしまいます。8番の酒は香りがチョット違いますが、酒質的には同じですが、チョット舌に残る感じがしますが、旨く作っていると思います。価格は1升2450円です。

5.特別純米 とちぎ酒14 無加圧搾り

Dscn1657このお酒は栃木県酒造好適米のとちぎ酒14を使った酒です。毎年60%精米の特別純米酒として、どんなお米がよいかを調べるためにやっているもので、去年は雄町で、今年はきれいな酒質になりやすいと言われるとちぎ酒14のコメに挑戦したそうです。

フレッシュな香りとおりがらみを含んだ適度なうまみを感じて、口当たりが柔らかく呑みやすかったけど、普通の槽搾りだったらどうなるのかなと思いました。価格は1升2625円です。

6.かねたまる 純米大吟醸 槽掛け袋絞り

Dscn1660かねたまるはこの蔵で昔から造っている木桶造りの純米大吟醸です。かねたまるはこの蔵の屋号で金尺に太に○でかねたまると呼びます。この印は蔵のシンボルとして瓦とか提灯についているそうです。

木桶造りは木の中に住み着いた微生物の力を旨く利用して造るお酒で、木桶の手入れが大変なので、毎年1本だけ造るそうです。去年まではきれいな資質になるように造ってきたそうですが、今年はちょっと変えたそうです。どこを変えたかは秘密だそうです。

お米は一般米のあさひの夢50%精米です。口に含むと木の香りではない独特の香りがして、旨みと酸が口の中でフラットに広がります。味のバランスが良いので、今まで味わったことにない味に気を取られながら、どんなおお酒なのかなと思っているうちに、つい飲んでしまうようなお酒です。

以上でお酒の紹介は終わりますが、社員は従業員一人とパートだけで年間100石しか造っていない小さな蔵ですが、蔵に入ってたった3年で色々なことにチャレンジしながら酒造りをしていて、しかもきちっと自分の味のお酒を作っているのはすごいなと思いました。この会が始まる最初に店長の醇さんが幸裕さんを時代を背負う日本酒業界のエースと紹介したのは、まんざら嘘ではないなと思いました。

一人で大変でしょうが、新しいことにチャレンジしながらさらに美味しい酒を作ってくれることを期待したいます。

いつも紹介しているお料理はいつもの通り素晴らしいものでしたが、残念ながら写真がうまく取れていなかったので、今回は省略します。醇さんごめんなさい。・・・・

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初めての田植え体験(蓬莱泉 関谷醸造)

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練馬の地酒屋のうえも商店が主催する関谷醸造のオーダーメイドのお酒造りの一環として田植えから稲刈り、酒造りを体験する企画があり、その初回として田植えに参加してきました。6月11日月曜日の朝9時30分に名古屋駅に集合、そして車で関谷醸造のアグリ事業部に移動して、その近くにある田植え用の田圃に歩いていき、午後2時から5時半まで約3時間半行いました

その後近くの旅館の設楽山荘に泊まって、翌朝は関谷醸造の本店蔵を見学し、その後、オーダーメードのお酒を造っている吟醸工房を訪問し、どんなお酒を作るかを決めた後解散する企画でした。

名古屋駅9時30分集合でしたので、初めて夜行バスで名古屋駅に向かってみました。初めてなので3シート一列のゆったりバスを選んだのですが、やはりなかなか寝られないものですね。しかも夜11時半新宿発で名古屋駅には6時前についてしまい、名古屋駅でどう時間を使えばいいか悩んだ末に、これも初めての経験で24時間やっているインターネットカフェに入ってみました。インターネットカフェはパソコンもテレビも見ることができるところですが、個室ならゆったりとした椅子なので、寝ることもできます。30分200円程度のものですから、時間つぶしにはいいところ発見した思いです。呑み過ぎて家に帰りたくないときにも使えるかな。でも歳だから止めておこう・・・・・・

名古屋駅では関谷酒造の営業の関谷匡史(せきやまさふみ)さんが迎えてくれました。下の写真の右の方です。左の方はうえも商店の上田さんです。結局関谷さんがこの企画のすべてを案内してくれることになりました。

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参加費は旅館の食事および名古屋からの送り迎えの車代を入れて12400円ですから割安です。それは送り迎えのバスを旅館のバスで送り迎えしてもらったからです。参加者は酒菜家グループの各お店から2人ずつと、うえも商店グループから6人と合計14人でした。下の写真が送り迎えの車です。設楽山荘と書いてありますね。

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名古屋駅からアグリ事業部までは約2時間かかりました。いやいや・・・遠いものですね。途中のパーキングで見つけた案内版です。ちょっと見難いけどクリックして大きく見てください。

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大きく見ると中央の上に伊勢神トンネルがありますが、それを出たところに吟醸工房が示されています。アグリ事業部があるのはまだその先の設楽町名倉地区にあります。

アグリ事業部は関谷酒造が使用する酒米を管理している会社で、購入したお米の管理だけではなく、地元で生産する酒米の種籾からの育苗と田植え、収穫後の籾の分別乾燥も自社で行えるような設備を持っています。平成22年には16ヘクタールの面積を耕作するに至ったそうです。

単に自分の会社の酒米を確保するというだけではなくて、高齢化や後継者不足などさまざまな事情で離農する地元の農家の方から田んぼや遊休農地を預かりながら耕作することで、地域社会をサポートしていく役割があるそうで、酒米の価格としてはむしろ割高になっているかもしれないとのことでした。

まずアグリ事業部を写真で紹介しましょう。

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左のハウスは細かい作業をする作業場で右のハウスは苗を育成する温室で田植えのための工作機が置いてあり、この大きさの温室が二棟ありました

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温室の反対側には新しい建屋があり。その中にはお米の自動分別できる最新鋭機が設置されていました。それが右側の写真です。お米の中の不純物を自動的に分別する色別選別機も設置していました。すごい装置だと思います。

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左の建物がお米の倉庫で、中には去年のお米がこんな感じできれいに保管されていました。このお米は今年の酒造りの最初に使われるもののようです。

これから歩いて田植えの田圃に向かいました。下の写真がその田圃です。

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広さは測ったわけではないけど、14人の人が約2m間隔で並ぶ広さですから30M×25Mはありそうです。700aぐらいでしょうか

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このように一定の間隔で目印の付いた糸をはり、その部分に4-5本の苗をちゃんと安定してまっ直ぐ立つように植えていくですが、田圃の土壌によっては立てにくい場合もあるので、結構大変です。中腰なので腰に負担がかかり辛いものがあります。

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これが僕の写真です。未だ最初のころで少し余裕がありますが、何しろ70歳に近い年なので、最後までいけるか心配でしたが、なんとか最後まで行けたのでほっとしています

この田植えの服装について考えてみたいと思います、短パン、半そでなのは当然ですが、汗をかくので手ぬぐいや帽子は必要だと思うけど、このように首にかけるのは手ぬぐいが落ちそうになるのでやめた方がいいです。

田植えの場合場長靴をはくのは、あまり良くないと思います。長靴をはいていると足を上げにくいので動きづらいからです。でも裸足だと蛭に血を吸われることもあるので、長めの靴下をはいてみたのですが、これは結構良かったです。お勧めですね

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2時間半ほど経ったときのようすです。8割がたできていますね。このころにはチョット小雨がぱらつき始めました。さあ最後のひと踏ん張りです。

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すべて終えって皆で歓声をあげました。このときは腰は少し張りがありましたが、足の方は意外に大丈夫でした。しかし、翌日には膝の上の腿の裏側の筋肉に痛みが出始め、二日目の朝が一番痛かったと思います。3時間半スクワットをやったようなものですから、仕方ありません。良く頑張りました。良い経験でしたが、もう一回やる気にはなりませんね

田植えをした苗は酒造好適米ではないけど酒米として良くつかわれている千代錦ですが、翌日このお米をお酒にしてくれる吟醸工房に行って皆で相談して、お酒の種類が決まりました。

山田錦を麹米、千代錦を掛米とした純米吟醸で、精米度は55%、NSK搾りの無濾過生原酒で、酵母は1800系と701系の2種類のお酒を発注しました。1つの仕込みが1.8Lで40本分ができるそうです。1仕込みの価格は15万円だそうです。ちょっと高いね。

これからの予定ですが、9月半ばに稲刈りをして、10月22日が仕込みの開始、12月上旬に出荷の予定です。どんなお酒ができるのでしょうか。10月22日には全員で仕込みに出かけることになりそうです。どんなお酒になるのでしょうか?楽しみです。

最後に出来上がった鮮やかな田圃を見てください。

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赤い屋根の建物の前にあるチョット鮮やかな緑をした棚田の田圃が僕らの田圃です。その成長ぶりを見たいものです。

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蓬莱泉の関谷醸造本社蔵はすごいところだ

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先日の田植え体験の翌日関谷酒造本社蔵を見学させていただきました。本社蔵は愛知県設楽町にあり、一番近い駅の豊橋からも蔵まで1時間20分もかかるところにあります。生産量は本社蔵が3500石で、吟醸工房の稲武工場が500石だそうです。3500石と言えば中堅の大きさの蔵ですが、驚いたのは昔から機械化を勧めていて、徹底的に人の労力がかからないように合理化を図っていたことです。さっそくその様子をご覧ください。

僕たちが蔵を訪問した時に、会長の関谷 徹さんと、社長の関谷 健さんがワザワザ出迎えていただきました。社長は前の晩から風邪をひいて熱があるのに出てきていただいて恐縮いたしました。

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中央左の方が会長、右の方が社長。右端の黒い服を着た方が酒菜家グループの総括店長の野崎さんです。後ろの建物が本社蔵の事務所兼店舗です。蓬莱泉の看板が見えます。

工場はこの事務所の左奥にありました。

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色々な屋根を持った複雑な形をした建物が見えますが、これは年々建屋を増築したために複雑な形をしているそうです。それでは中に入ってみます。

蔵の入口にはアーケードがあってその奥には3階の会議室に行くエレベーターがありました。アーケードの左手には何やらドアのようなものが見えますが、これはなんでしょう。後で説明しますね。エレベーターのところに、1階が玄関フロア、2階が仕込みフロア、3階が会議室と書いてあります。

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この工場は3階建で、3階で原料が洗米され蒸され、2階で麹部屋と仕込みフロアがあり、1階と地下1階が貯蔵庫となっていて、上から下へと流れるようになっています。3階建ですが、天井が高いので、実際の高さはふつうのビルの5階ぐらいあるのではないでしょうか。

Dscn17841jpg蔵の案内は杜氏の荒川貴信さんにしていただきました。荒川さんは名古屋の国際工業専門学校を出て、20歳で 明眸で知られた柴田酒造に入られたそうです。 明眸が関谷酒造に買い取られたときに関谷酒造に移られました。

荒川さんの酒造りの腕は 明眸時代から評判だったらしく、関谷酒造では直ぐに吟醸工房の杜氏となり、最近本社工場の杜氏となったそうです。本社工場の元杜氏の遠山久男さんはいまでもご健在で、荒川さんを温かく見守っておられるようです。

最初に3階の洗米の部屋に行きましたが、去年導入したばかりの最新鋭の回転式自動洗米浸漬装置がありました。ここは最新鋭機なので、写真は撮りませんでした。

洗米されたお米が5つのバケットに自動的に入り、指定通りの浸漬時間になると、水切りをして、重量が測定され、袋にためられます一定の温度の水を使うので、設定さえしっかり行えば、手をかけずに目的通りの吸水率のお米になるそうです。

1日の2トンのお米を洗うことができるこの装置は、1台でイタリアの高級車が買えるそうです。確かに手はかからないので便利ですが、どこの蔵でもできるわけではありませんね

次の工程は甑ですが、意外にも連続蒸米機ではなくスチームで下から炊き上げるステンレス製の和釜でした。1000Kgと1500Kgの2台ありました。お米を蒸すのは和釜がいいそうです。この和釜が自動的に反転して放冷機に移されます。和釜が自動的に反転する実演がありましたが、皆凄いと驚いていました

釜に入れるお米はクレーンで行うし、機械化することにより人手を省いていますので、女性でも問題なくできるそうです。確かに蔵人のなかに女性が多いような気がしました。

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放冷された蒸米はエアーシューターで麹造りに送られます。普通の蔵にある麹室はなく、自動製麹装置の置いてある部屋があるだけです。2種類の自動製麹機が設置されていました。

左の写真は大吟醸・吟醸以外の酒造りに使っている自動製麹機で20年前に導入したものだそうです。手前に製麹用の棚に温度制御用の空気を送る機械が見えます。階段の上に蒸米に麹菌を振りかけるための大きな棚が見えます。種きりは手で行っているそうです。

そしてこの麹米が自動的に右の写真で見られる製麹の棚に送られるようですが、その仕組みはわかりません。20年前にこんな装置が導入されているのは驚きです。使い勝手が良いので、いまでも現役として頑張っているそうです。

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もっと驚いたのは、吟醸・大吟醸用の製麹機です。

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左に見えるのが麹蓋の役割をする自動製麹用箱で、右側が麹蓋を並べる棚式の自動製麹装置ですが、自動的に温度を見ながら麹蓋の入れ変えをしたり、麹米を掻き混ぜたりする装置で、自動製麹機というよりは製麹ロボットと言ってよいものだと思いました。この装置は10年前に導入したもので、これが2台ありました。種きり以外はまったく手を出す必要がないそうです。全くの驚きです。

次が酒母室です。完全に空調の利いた部屋に小型のステンレス製の酒母タンクがあります。腹の部分と底の部分に冷水や温水をまさせるようになっているので、暖気は使わないそうです。なんでも自動化していますが、酒母タンクの前に何やら見えますが、これはステンレスの蓋で、温度コントロールのために適宜人の手で使うようです。

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次は仕込みタンクです。仕込みタンクは1階に設置してあり、2階のフロアに上部の口のところが見えています。下の写真のようにフロアは完全に固定された床になっていました。

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左の写真が2トン用の仕込みタンクで、右が6トン用の仕込みタンクです。蓋に容量が書いてあるので、確認できます。両方のタンクとも同じフロアに並んでいたので、仕込みタンクの高さは同じで胴周りが違うのでしょう。仕込みタンクの上からのぞくと、中に撹拌用の羽根が付いているのがわかります。これで仕込み中に撹拌するようですが、櫂を入れることもあるようです。

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タンクの胴周りと底はジャケットになっていて、冷水で温度コントロールできるようになっています。下の写真が底部の構造です。これは6トンタンクの底部ですが、このタンクは意外なところにありました。あの工場入口にアーケードところなのです

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この写真を見てください。

Dscn1809アーケードの後ろに下部が黒白の袴のようなものがついているタンクが見えます。なんとこれが6トンの仕込みタンク1階部分だったのです。タンクの底の部分が8角形の部屋になっており、点検用のドアがついています。このブログの始めの方にお見せしたアーケードに見えた扉が点検用のドアだったのです。

仕込みタンクが外から見えるようにして、しかもそれが建物と一体となった形となっているのは、だれの発想だったのでしょうか。遊び心とデザイン性がありますね

Dscn1792次に行ったのは搾りです。藪田と同じようなマキノ製の搾り機が2台ありました。特に変わったところはないけど、機械そのものが結構高いところに設置されていましたが、これははぎ取った酒粕を下で直接受けられるようにしたためだそうです。これなら作業しやすいですね。

工場の1階と2階には貯蔵タンクがありました。この貯蔵タンクが凄いタンクでしたので、ご覧ください。

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これが貯蔵タンクです。ステンレス製の四角いタンクです。普通の蔵では貯蔵タンクは丸い形状ですが、四角い方が詰めて配置できるので、これを採用したそうです。5000Lと1万Lの2種類あって、プレートフィン熱交換機で火入れしたお酒をここに暖かいまま、貯蔵し、この部屋で冷却するそうです。タンクを直接冷却するのではなく、部屋全体を1約10度くらいに空調して間接的に冷却するようです。ここの貯蔵庫だけで60万L貯蔵できるそうです。

驚いたのは貯蔵タンクの形と量だけでなく、免震構造になっていたことです。

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こん説明板を見つけました。タンク全体がボールの上に乗っていて、地震のときは水平に30センチも動くようです。ですから地震のときに通路にいるとつぶされる恐れがあります

Dscn17991ですから、こんな緊急避難口が用意されていました

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これが台の下にあるボールです。見えますか。良く見るとわかります。

関谷酒造では季節商品として生酒製造販売していますが、生酒はサーマルタンクで冷却保存しているようです。

古い工場の方に精米機がありました。自前で酒米を確保している蔵ですから全量この精米機で精米しているようで、最大35%精米ができるそうです。この精米機の地下にも貯蔵タンクがありました。初期に建てられたタンクなので、完全免震ではなかったけど、ゴムを使った免震機能は持っているようです。

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最後に訪れたのは瓶詰め工場です。1升瓶から4合瓶、カップ酒、缶酒まで同じラインでお酒の注入、瓶の傷の調査、ラベル張り、箱詰めまで完全に自動化していました。僕らが行ったときは、カップ酒の瓶詰めが行われていました。

酒注入機              箱詰めとラベル張り

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酒を詰め込んだ箱をフォークリスト台に乗せるロボット。これは導入したばかりの最新鋭機です。

Dscn1828_2 

これで工場見学は終わりますが、考えられるところは殆ど自動化しているように思えました。いままでは毎年のように新しい装置が導入されているようなので、これからもまだ新しいものが導入されるかもしれませんね。楽しみですね・・・・・

ここまで自動化すると、酒造りの技能は教育できても、基本技術を現場OJTで教育できるのか少し心配ですが、それについてもちゃんと用意していました。それが吟醸工房の稲武工場のようです。この工場は完全に手造り工場なので、ここを教育の場として持っているのだと思います。

これだけの設備を持っていれば、安定したお酒を作れることは間違いないし、美味しいお酒を色々出していることは知っていますが、個人的には安くておいしいお酒をどんどん出してもらいたい気がします。よろしくお願いいたします。

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全国女性蔵人の美酒を味わう夕べ

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6月の24日の日曜日の早稲田のリーガルロイヤルホテル東京のロイヤルホールで全国女性蔵人の美酒を味わう夕べが開かれましたので参加してきました。この会の第1回はどこで行われたのかは知りませんが、第2回からはリーガルロイヤルホテルで2年おきに行われるようになり、今年は第4回ということらしいです。僕は始めての参加で女性の蔵人とお会いできるということで心をときめかせて参加してきました。

Dscn2002この会はリーガルロイヤルの宴会予約部が主催しているもので、会費がひとり9500円ですが、蔵の案内のパンフレットも各蔵2ページも使った豪華なものでこれだけでも価値があります。

蔵のお酒の説明だけでなく、お酒の飲める東京の飲食店やお酒の買える東京の酒販店まで出ているものです。これは役に立ちます。

また会場に各蔵が持ってきているお酒の肴や珍味の説明まで載っていました。実はこの大切なパンフレットを会の後どこかで落としてしまったのですが、翌日ホテルに電話したら、快く送っていただけました。ありがとうございます。

こんな会場でテーブル席をぐるっと回る形で蔵のブースがあり、テーブルには松花堂のお弁当があり、他にビュフェ形式で食べるお料理もありました。

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まず最初にアナウンサーの紹介で本日参加した蔵人全員の紹介がありました。

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皆着物姿での参加です。後で聞いた話ですが、普段着物なんて着ていないので、その日の準備は大変だったそうです。

今回はお料理もそこそこに全員の蔵を廻りまして試飲をしましたが、24蔵も回ると味も定かでなかったので、今回は参加蔵人の紹介だけを行います。手抜きではありませんよ。皆さんへのデータベース造りの提供です。パンフレットの順番に紹介します。

1.月の輪酒造 ・ 月の輪

1オーナー杜氏の横沢大造さんの後を継いで、杜氏となった蔵元の横沢裕子さんです。酒蔵の3姉妹の長女に生まれ、酒造業に入る事にはずっと抵抗しておりましたが、東京の学校に進学し、東京で生活しているうちに「伝統的なもの」に対する興味が湧き、1997年に岩手に戻り、杜氏見習いとして蔵で過ごし、2005年に「杜氏」となったそうです。

・ 特別純米 生原酒 月の輪 (麹米掛米とも ぎんおとめ55% 酵母ゆうこの想い)

2.月山酒造 ・ 銀嶺月山

Photo_2・ 月山酒造は昭和47年に鈴木酒造と設楽酒造と八幡酒造が共同瓶詰め会社としてできた会社で、月山酒造の元となるお酒を作っている鈴木酒造の社長でかつ月山酒造の役員をしている蔵元の鈴木和香子さんです

・ 純米吟醸 銀嶺月山 月山の雪(出羽燦々50% 山形酵母)

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3.喜多の華酒造場 ・ 蔵太鼓

Photo_3・ 喜多の華酒造の社長兼杜氏の星敬志さんの娘さんの星りえさんです。お父さんと同じように明るい笑顔が素敵ですね

・ 特別純米 無濾過 生原酒 星自慢(麹米五百万石50%、掛米ちよにしき60% 福島酵母TUA)

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4.木内酒造 ・ 菊盛

Photo_6・ 女性蔵人の中村幸代さんです。杜氏の矢代健一郎さんとほとんど2人で頑張って酒造りをしているそうです。この蔵は地ビールでも有名ですが、中村さんはビールの醸造もやったそうです。

・ 木桶造りの山廃原酒 菊盛 (麹米掛米とも 若水65%、自家酵母)

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5.五十嵐酒造 ・ 天覧山

Photo_7・ 蔵人の吉野暁子さんです。 東京農業大学を卒業後、なんとしても酒造りの世界に入りたく、五十嵐酒造の蔵元社長さんに直接売り込んで、採用してもらったという異色の蔵人です

・ 古流純米酒 天嵐山(麹米吟ぎんが65%、掛米酒むさし65%、埼玉G・K1001酵母)

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6.若駒酒造 ・ 若駒 かねたまる

Photo_8・ 若手の蔵元杜氏の柏瀬幸裕さんのお母様の柏瀬栄子さんです。いい息子さんを持っているので、これからが楽しみですね。息子さんの紹介を下記のブログに書いておきました

・ 右手のお酒は木桶仕込み かねたまる しずく搾り 無濾過生原酒(麹米掛米とも あさひの夢65% 栃木県酵母T-F) 左手の酒は若駒 純米大吟醸 しずく搾り斗瓶取り(麹米掛米とも 雄町50% 栃木県酵母T-F)

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-4d47.html

7.町田酒造店 ・ 町田酒造

Photo_9・ 蔵元杜氏の町田恵美さんです。恵美さんは後継ぎがいないということで会社をやめで蔵に入り、8年前に杜氏になってます。会社勤めをしていた時のお付き合いしていた人と結婚し、今では一緒に酒造りをしています。「町田酒造」は二人で手掛けた新しいブランドです

2008年には日青協きき酒選手権大会で準優勝するほどの舌を持っている方なのですね

・ 「町田酒造」 特別純米55 生酒 (麹米掛米とも 五百万石55% 群馬KAZE1801号酵母)

8.山梨銘醸 ・ 七賢

Photo_10・ 蔵人の丸山智香さんです。平成6年に東京農業大学を卒業し、3年生の時に実習をした山梨銘醸にお願いして入社しています。蔵に入ってすでに18年ですから、ベテランの蔵人です。

・ 七賢 甕口 本醸造原酒 (麹米五百万石65%、掛米あさひの夢65% 協会7号酵母)

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9.高沢酒造 ・ 豊賀

Photo_11・ 蔵元杜氏の高沢賀代子さんです。父親の高沢博さんの指示で家族で酒造りをやろうということで、2000年から蔵に入り酒造りを始め、2005年に杜氏になったそうです

旦那様は高沢暁彦さんで、夫婦で蔵の切り盛りをしているそうです。

・ 豊賀 特別純米22BY (麹米掛米とも しらかば錦59% 長野酵母)

10.酒千蔵野 ・ 川中島 幻舞

Photo_12・ 蔵元杜氏の千野麻里子さんです。蔵元の一人娘として育ち、東京農業大学で勉強した後 国税局醸造試験所の研修を受け蔵に戻る。その後蔵の杜氏に酒造りを教わり2000年に長野県で最初の女性杜氏になっています

・ 川中島 幻舞 純米大吟醸 無ろ過生原酒(山田錦 麹米35%掛米39%の純米大吟醸と美山錦49%精米の純米大吟醸を半々でブレンドしたもの)

11.岡崎酒造 ・ 亀齡(きれい)

Photo_13・ 蔵元杜氏の岡崎美都里さんです。岡崎酒造の3姉妹の末っ子でしたが、後継ぎを目指して東京農業大学を卒業後大手酒販売会社に就職した。蔵の杜氏が高齢化したことから蔵に戻り酒造りを修行し、2003年に杜氏になったようです。大学時代の同期生と結婚し、子育てしながらの杜氏は大変だと思いますね。

・ 亀齡 発芽玄米酒 「双葉」五年貯蔵 (麹米美山錦59%、掛米美山錦100% 協会14号酵母)

12.湯川酒造店 ・ 15代九郎右衛門

Photo_14・ 湯川酒造店の代表取締役社長の湯川尚子さんです。伝統ある酒蔵の長女としてうまれ、2005年に意を決して蔵に入り杜氏見習をしていましたが、父親の具合いが悪くなり去年7月代表取締役に就任しました。

その後今年の5月に仙醸の杜氏の丸山慎一さんと結婚され、丸山さんは湯川慎一となり、湯川酒造店の杜氏となったようです。(でも仕事上は丸山で通すそうです)。歳は一回りも違うようですが、幸せそうですね。

・ 十五代九郎右衛門 特別純米 長野酵母(麹米掛米とも ひとごこち59% 長野酵母D)

13.澤田酒造 ・ 白老

Photo_15・ 蔵の当主の澤田健一さんの奥さまの郁子さんと娘さんの薫さんです。薫さんは6代目になるそうです。郁子さんはお料理がお得と聞きました。一度ごちそうになりたいですね。

・ 郁子さんが持っているのがH23BY 常滑産若水純米生原酒(若水60%、901号酵母)、薫さんが持っているのが純米大吟醸3年古酒 万寿白老(山田錦55%、9号系酵母)、

14.白木恒助商店 ・ 達磨正宗

Photo_16・ 白木恒助商店の6代目蔵元の3人姉妹の次女の白木滋里さんです。昔から酒造りを見てきたそうですが、東京の醸造試験所の講習会で秋田のある蔵の研究職だった人と知り合い、その人を婿養子にもらい、今ではその方が7代目蔵元兼杜氏をしています。

今では蔵の女将として酒造りの色々な支援をしていますが、女性ならではの発想で、アイスクリームにかけるお酒を開発したのは滋里さんです。

・ 達磨正宗 10年古酒 (日本晴れ70%、7号酵母)

15.田嶋酒造 ・ 福千歳

Photo_17・ 田嶋酒造の6代目蔵元で社長のの田島徳彦さんの奥さまの田嶋智恵さんです。この蔵は昔から山廃仕込みの専門の蔵でしたが、最近は東京農大を卒業をした7代目蔵元になる田嶋雄二郎が蔵見習として新しい酒造りをしているようなので、今後が楽しみですね。

・ 福 山廃純米大吟醸 (麹米越の雫40%、掛米越の雫50%、自家酵母)

16.美川酒造 ・ 舞美人

Photo_18・ 美川酒造の蔵元兼杜氏の美川欽哉さんの奥さまの美川久美子さんです。女将として、店長、サイトの運営のほか 蔵人としても活躍されています。

・ 舞美人 純米吟醸 吟香系 (福井県産五百万石50%、FK301福井うらら酵母)

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17.吉田酒造 ・ 白龍

Photo_19・ 蔵元の吉田智彦さんの奥さまの吉田由香里さんです。女将としてブログを書いたり、Facebook を書いたりしてインターネットをフル活用して大活躍をしています。女将さんでここまでやる人はあまりいないかも。

女将のブログhttp://www.jizakegura.com/yoshidasyuzou/kuramoto.html

 大吟醸斗瓶囲い 白龍 (自社栽培山田錦40%、金澤酵母)

18.平井商店  ・ 浅茅生(あさじを

Photo_20・ 蔵元の娘さんで蔵人の平井弘子さんです。平井商店は江戸時代からの老舗の蔵元で、父親は17代目の平井八兵衛さんで蔵元杜氏です。弘子さんは家を継ぐつもりはなく大学は建築を学んだそうです。大学3年のときに亡くなった祖父が弘子さんを跡取りにしたいと思っていたことを知り、卒業した2008年の春から杜氏見習の修業をして、現在は杜氏を目指して頑張っているそうです。いいお婿さんが見つかるといいね。

・ 右手のお酒は浅茅生 大吟醸 (山田錦40%、自社酵母)左手の酒は浅茅生 特別純米滋賀渡り船6号(滋賀渡り船6号60%、協会901号酵母)

19.森喜酒造場 ・ るみ子の酒

Photo_21・ 蔵元杜氏の森喜るみ子さんです。蔵元の跡取り娘として生まれたるみ子さんは大学卒業後製薬会社に勤めていた時、父親が脳こうそくで倒れたので、お付き合いしていた方と結婚し急遽後を継ぐことになったそうです。

その時は大変だったそうですが、当時尾瀬あきら先生が書いた夏子の酒に感激して、先生にお手紙を書いたところ、苦労をして造った純米酒に先生がるみ子の酒と命名して、ラベルまで造ったくれたそうです。今では主人の森喜秀樹さんが社長で、るみ子さんが専務杜氏でやっているようです

・ 純米吟醸 るみ子の酒 るみ子の酒のラベルがない特別なお酒かも

20.元坂酒造 ・ 酒屋八兵衛

Photo_22 元坂酒造の蔵元の女将さんの元坂桐子(とうこ)さんです。ご主人の元坂新さんは東京農大出身の純粋技術屋タイプの優しい感じの人ですが、桐子さんは根っから営業メンというか、お酒大好きのちゃきちゃきとした性格の明るくて楽しい方です。特に桐子さんの書く「とうこのほろ酔いブログ」は今は「前略八兵衛様」というブログになっていますが、とても面白いブログです。見たことない人は是非読んでみてください。桐子さんのハートがよく出ています。

http://gensaka.seesaa.net/

僕のミスで眼がとじた瞬間を撮ってしまいました。ごめん

・ 酒屋八兵衛 伊勢錦 山廃純米酒 (伊勢錦60%、MK-1酵母)

21.灘菊酒造 ・ 灘菊

Photo_23・ 灘菊酒造の杜氏の川石光佐さんです。灘菊酒造は代々川石家が継いできて、現在の当主は3代目の川石雅也さんです。光佐は蔵元の3女に生まれ、東京農大を卒業したものの、未だ後を継ぐつもりはなかったそうですが、蔵に戻って杜氏に教わるうちに杜氏になる気が出たそうです。3年間杜氏に学んだあと平成16年に杜氏になったそうです。

自分でも末っ子杜氏の酒造日記を出しています。http://www.nadagiku.co.jp/

・ ラベルが見えないのでわからないけど、紫黒米酒 ほほ ほんのりだと思います。

22.旭日酒造 ・ 十旭日

Photo_24・ 旭日酒造の副杜氏の寺田栄里子さんです。栄里子さんは蔵元の佐藤誠一さんの娘さんで、大学を卒業後事情があって蔵の仕事をすることになり、大学のお付き合いしていた寺田幸一さんは別の会社に勤めていたそうですが、栄里子さんと結婚して蔵に入ることを決心したそうです。その後蔵のベテラン杜氏、原田公一氏に指導を受け、現在は寺田幸一さんが杜氏に、栄里子さんが副杜氏として一緒に酒造りをしているそうです。

・ 純米吟醸原酒十旭日 木槽しぼり (島根県産改良雄町60%、島根K-1酵母9

23.辻本店 ・ 御前酒

Photo_25・ 蔵元杜氏の辻麻衣子さんです。六代目蔵元 辻均一郎の長女である辻麻衣子は備中杜氏組合長を務めた前杜氏の原田巧の熟練の技を引き継いで、平成19年に岡山県では女性初の杜氏になりました。でもその父親が今年の4月に急死されたそうで、大変お悲しみのことと思います

・ 菩提もと にごり酒火入れ (備前雄町65%、協会9号酵母)

24.若波酒造

Photo_26・ 若波酒造の杜氏の今村友香さんです。友香さんは若波酒造の三代目の次女として生まれて、同志社大学を出たのですが、23歳の時に蔵に戻ることを決意して、東京や広島の酒類総合研究所で研究生活をした後、蔵の杜氏について勉強したそうです。そして8年前に杜氏としての酒造りを始めたそうです。今では杜氏の仕事だけでなく商品開発や、ラベルデザインや販売の死後までやっているそうです

・ 若波 純米吟醸 (福岡産山田錦55%、NO4酵母)

最後に蔵が持ってきた肴を少しだけお見せしましょう。クリックして大きくしてから見るとわかりますよ。

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初雪盃を楽しむ会 in オール・ザット・ジャズ

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地酒屋こだまの主催で愛媛県の小さな蔵・協和酒造の初雪盃(はつゆきはい)を楽しむ会が四谷3丁目のオール・ザット・ジャズで開かれましたので参加しました。オール・ザット・ジャズは荒木町にある日本酒バーであることは知っていたのですが、今まで行ったことがなく始めての訪問でした。

四谷3丁目の駅から外苑東通りを曙橋の方に歩いていき、目印の四谷荒木町ソリテリアビルは見つかったのですが、それらしき看板が見当たりません。実はそのビルの裏側の2階ににありました。階段を上がるとこんな入口が見えてきました。

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予想外の和風の入り口でした。そしてドアを開けてみましたらカウンターが見えました。左がカウンター、右がテーブル席、中央に今日の主催者のこだまたけやさんがいました

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お店の中の雰囲気はこんな感じでした。テーブル席とカウンターを含めて18人程度しか入れないこじんまりとした居酒屋さんでした

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オール・ザット・ジャズという名前なので、洋風の日本酒バーだと勝手に思っていましたので、ちょっと驚きました。オール・ザット・ジャズとは「なんでもあり」とか「あれもこれも」という意味だそうで、日本酒を安価に飲もうという意味で名付けられたのだそうです。そうだったのだ・・・・

このこじんまりとした中で、こだまたけやさんの司会でスタートしました。最初に蔵元杜氏の三谷茂さんが紹介されました。

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茂さんはなかなか面白い経歴の持ち主なので、まずは茂さんの紹介をしたいのですがその前に蔵の紹介をします。協和酒造の起源は創業時は三谷酒造店でしたが、戦争の影響で廃業になっていまいましたが、昭和30年に酒造家4社で合同で設立されたのが協和酒造株式会社です。当時の銘柄は黒松初雪でしたが、商標登録の不備で黒松初雪はなくなり、昭和46年から初雪盃として現在にいたっています。所在地は愛媛県の砥部焼で有名な砥部町で、焼き物の町になかにあるようです。

三谷茂さんは三谷家の6代目に当たる人で、その期待を背に東京農業大学の醸造学科に入ったものの、ほとんどアルバイトばかりして、酒造りの勉強はしないで卒業したそうです。卒業後家に戻ったものの、ご両親と喧嘩して家を出て5年ほどデザイン事務所に勤めて30歳の時に蔵に戻ったそうです。これだけ聞くと大変なドラ息子のようですが、非常にまじめな性格だそうです。ほんとうかな・・・・・

蔵に戻ってから最初に広島の醸造試験所で勉強してから、蔵の伊方杜氏に2年ほど学んだあと、再び広島の醸造試験所で本格的な勉強をして32歳のときに杜氏になったそうです。現在37歳ですから5年間杜氏をしてきたわけです。今三谷茂流の酒造りを目指しているそうです。

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この写真はホームページからお借りした蔵の写真です。こじんまりとした蔵のイメージですね。その通りで生産高は外部から依頼の普通酒の量によって違うので、一定はしていませんが、100石強程度だそうです。ですから造りは自分と父親と姉の3人のほか二人のパートを使っているそうです。でも父親は瓶詰と出荷だけなので、実質は自分と姉の二人ということになるそうです。あれ、奥様は営業ですか?

今茂さんが目指している酒造りの方向をまとめてみました。

・ 昔から扱っているお米は兵庫県の山田錦と愛媛県の松山三井で、旨みがあるけど、比較的穏やかですっきりしたお酒が多く、でも、造りたてはちょっと硬い感じなので寝かせるとちょうど良くなるお酒が多かったそうです。

・ 酵母が山田錦の吟醸系はEK-1で、そのほかは7号系や9号系のブレンドが多いそうです。

・ 現在狙っている吟醸系の造りは初年度から直ぐ味が出て、寝かせなくても楽しめるお酒だそうです。

・ 年々扱うお米を増やしていて、まず始めたのが松山三井の改良選抜してできた愛媛県初の酒造好適米のしずく媛です。今年から福井産の五百万石と広島産の八反錦を扱うようになって米の味をどうやって引き出すかを勉強中だそうです。

・ おりがらみはこの蔵のヒット商品のようですが、季節商品なので毎年人気があり、直ぐ売れてしまうそうです。残念ながら今回は飲めませんでした。

この日に出た9種類のお酒を紹介します。

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左から

① 山田錦40%袋吊斗瓶囲い 大吟醸無ろ過生原酒 2012

② 五百万石55%精米 純米吟醸酒 生原酒 2012

③ 五百万石555精米 純米吟醸酒 「醇」 生原酒 2012

④ 初雪盃 媛 佳撰 2012

⑤ 八反錦60%精米 特別純米酒 火入れ 2012

では簡単にコメントしておきます。

① 山田錦40%袋吊斗瓶囲い 大吟醸無ろ過生原酒 2012

  パイナップルのような香りときれいな味わいがパット広がるなかに 裏にそれを支える酸味を感じます。良いバランスで確かに良く味乗りはしているけど、温度が上がってきたり、呑み続けるとチョット飲み飽きしてしまうかも。

② 五百万石55%精米 純米吟醸酒 生原酒 (甘口)

  もともと五百万石は使ってみたいと思っていたそうで、始めてのチャレンジだそうです。五百万石らしいきれいなうまみを感じます。日本酒度が-2だけどそんなに甘くは感じません。温度が上がるとパワーが出てきます。

③ 五百万石55%精米 純米吟醸酒 「醇」 生原酒 (辛口)

  口に含むとこちらの方が、あじわいが少しう後ろに広がるけど、全体的にはストレートでシャープな感じです。日本酒度は+2だけど辛口には思えません。温度が上がると凄く甘くなってきたのはどうしてかな。

④ 初雪盃 媛 佳撰 2012

  富士山がラベルに書いてある昔からの普通酒です。媛というのは佳という意味で一番安いお酒という意味です。アルコール添加した辛みは感じるけど、糖類の添加をしながらきれいなうまみを出しています。普通酒としては旨く出来ていると思います

⑤ 八反錦60%精米 特別純米酒 火入れ 2012

  今年初めてチャレンジした八反錦です。八反錦は山田錦に比較的似ていると聞いていたのでチャレンジしたそうです。このお酒は後から加水してアルコール度を15%にしているそうです。アルコール度の割には味があり口の奥の方に膨らんできます。

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⑥ しずく媛60%精米 特別純米 火入れ 2012

⑦ 山田錦・松山三井50%精米 純米吟醸 無ろ過生原酒 2012

⑧ 松山三井70%精米 純米 無ろ過生原酒 2012

⑨ 山田錦・松山三井50% 袋吊斗瓶囲い 吟醸酒 無濾過生原酒 2011

⑥ しずく媛60%精米 特別純米 火入れ 2012

  愛媛県の酒造好適米のしずく媛100%の特別純米で、口に含んだときにはあまり甘みを感じないけど、後味が甘く感じます。その中に、どこかに苦みを感じるのは松山三井の特徴を持っているためかもしれませんね。このお酒は醪の段階で加水をして15%にしているそうです。色々なテクニックを使っているのですね。しずく媛のお酒はラベルにお米の柄があるので、直ぐわかります。

⑦ 山田錦・松山三井50%精米 純米吟醸 無ろ過生原酒 2012

   麹米が山田錦、掛米が松山三井のお酒です。山田錦らしい旨みが最初に来て、後味がきれいで余韻の良い味になっています。その中に松山三井らしい苦みを感じるので、全体的には複雑な印象をだしているように思えました。この松山三井の特徴を引き出しているのが茂さんの狙いなのでしょう。

⑧ 松山三井70%精米 純米 無ろ過生原酒 2012

  松山三井だけで70%精米という野心的なお酒です。この酒は7号酵母を使っているためか、かなり酸味を感じる酒で、今までのお酒とは全く違う酒でした。この酸のため松山三井のもつ苦味渋みが抑えられた感じがするので、食中酒としては良いと思います。ジャコ天がピッタリでした。

⑨ 山田錦・松山三井50% 袋吊斗瓶囲い 吟醸酒 無濾過生原酒 2011

  このお酒がこの蔵で造りつずけてきた蔵の味を代表するお酒だそうです。新酒の場合少し線が細い感じがするので、寝かせているそうですが、凄く旨みがきれいに広がる呑みやすいお酒でした。膨らみがあるけど、透明感があって松山三井の苦みを感じないのはどうしてでしょうか。袋吊りのせいなのでしょうか。僕の好みのタイプの酒です。いくらで買えるのかな…・1升5千円もするようだと4合瓶かな。

以上でこの会で飲んだお酒の紹介は終わりますが、今日の印象を述べると、色々な味のお酒を飲ませていただいたという感じです。こんなに小さな蔵がこれだけ色々なお酒を作る余裕はどこから来るのでしょうか。まさにこの原動力となっているのが三谷茂さんの思いなのでしょうね。

三谷さん、今後も新しいものにチャレンジしてください。そしてその中から今までにない次の柱となるような新しいお酒を造ってもらうことを期待しています

最後にオール・ザット・ジャズのユニフォームをご覧ください。

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ユニフォームを作るなんて凄いと思いますよ。

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無銘良酒との夕べの会 in 東京デズニーランドホテル

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無銘良酒との夕べの会は葛西にある平三郎商店が開催する会で、今年で9回目になるそうですが、僕は一度も行ってことのなかった会です。友人のセリセリさんの紹介で、始めて参加しました。参加費が12000円ですから、このような会としてはかなり高めです

開催されたのは7月8日の日曜日でしたが、京葉線の舞浜駅で降りて、東急デズニーランドホテルに向かいました。デスニーランドに行ったのはいつだったか忘れてしまったほどの昔のことですが、いかにもデズニーランドの街といった雰囲気です。でもホテルは見えません。

地図を頼りに歩いて行くといかにもデズニーといった雰囲気のホテルが見えてきました。左の写真です。近づいてから撮ったホテルの正面が右の写真です。

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このホテルに泊まってデズニーランドを訪問する人が多いのですね。ほとんどの人が半ズボンのリゾートスタイルです。この建物のシンデレラドリームで無銘良酒との夕べの会が開かれていました。

Dscn2007会場の入り口は何の飾り付けもなく事務局の机があるだけで、とても簡素な雰囲気でした。参加者も皆さん軽装で、さすがデズニーホテルのパーティだなと思いましたね

普通の服をしてきた僕がちょっと恥ずかしかったね。

参加した蔵元は17蔵でした

① 吾妻嶺(岩手県) 吾妻嶺酒造店

② 天明(福島県) 曙酒造

③ 川鶴(香川県) 川鶴酒造

④  開運(静岡県) 土井酒造場

⑤ 黒龍(福井県) 黒龍酒造

⑥ 日高見(宮城県) 平孝酒造

⑦ 金陵(香川県) 西野金陵

⑧ 笑四季(滋賀県) 笑四季酒造

⑨ 鶴齢(新潟県) 青木酒造

⑩ 豊盃(青森県) 三浦酒造

⑪ 雁木(山口県) 八百新酒造

⑫ 東力士(栃木県) 島崎酒造

⑬ 岩の井(千葉県) 岩瀬酒造

⑭ 明鏡止水(長野県) 大澤酒造

⑮ 扶桑鶴(島根県) 桑原酒造

⑯ 梅の宿(奈良県) 梅の宿酒造

⑰ ハーヴェスト・ムーン(千葉県) イクスピアリ

この参加蔵を見ると良酒なのはわかるけど、ほとんどが無銘蔵ではなく有銘蔵が多いのはちょっとがっかりしました。でも参加者も少ないし、たっぷりお料理はあったし、会の雰囲気がのんびりしていてゆっくり蔵の人とお話しできたのは良かったと思います

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この写真は会が始まった時の写真ですが、ご覧のように部屋の中央に蔵元がずらりと並んでいますが、ゆったりとしているでしょう。

今回は比較的無銘蔵を中心に気に入ったお酒を紹介することにしました。

・ 岩の井(千葉県) 岩瀬酒造

Dscn2016岩瀬酒造は千葉県の御宿にある生産高600石の比較的小さな蔵で、今までは越後杜氏で山廃造りをしてきた蔵です。写真の方は3年前に岡山の歓びの泉の蔵からこの蔵に杜氏としてきた横坂安男さんです。この方は現在52歳ですが、東京農大を卒業した後、越後杜氏10年、広島杜氏5年、能登杜氏2年、備中の蔵で10年と、幅広い経験を持っておられる杜氏で、今はやりのハイブリッド杜氏の典型の人だと思います。

この蔵に来る前は歓びの泉の杜氏でしたが、蔵が店を閉めることになった時に、山廃造りができることと、自宅の畑で造ったお米が使えるとことから、岩の井に移ることを決めたようです。(小川町の泉屋の社長のコメントから

まずはこの酒を飲んでくださいと出されたのが、山廃吟醸一段仕込みのお酒です。口に含むと旨みと強い酸味を感じますが、旨みとのバランスが良くてついまた飲みたくなります。でもつまみがほしくなりますね。横川さんのお話ですと、イワシの酢漬けとはピッタリだそうです。 このお酒を持っていただきました。日本酒度は-10、酸度は3.8だそうです。

このお酒は造るのが非常に難しいそうで、もろみの日本酒度がー20近くになると、いつ介錯をするかのタイミングが難しいのだそうです。チョットでも間違えると狙いの酒ができないそうです。介錯はどうやってやるのでしょうね。

坂さんの名刺には杜氏&百笑と書いてあります。大いに笑うという意味でしょうか。笑うことが良い酒を造る秘訣なのかもしれませんね。でも泉屋さんの話では百姓の笑いという意味だそうですが、本当はどうなんでしょね。

一度蔵にお邪魔したいと思っていますので、よろしく。

・ 笑四季(滋賀県) 笑四季酒造

Dscn2025随分ユニークな髪形と、お酒の瓶ですね。このお酒を持っている人が笑四季(えみしき)酒造の5代目蔵元兼杜氏の竹島充修(あつのり)さんです。たぶん33歳の若さです。

笑四季酒造は滋賀県の甲賀地にある200石くらいの小さな蔵です。今までは有能な但馬杜氏がいて、大吟醸で10年連続金賞を取っているほど(確認は取っていません)の実力ある蔵だそうです。

その蔵の4代目の竹島健三さんの次女の竹島加奈子さんは東京農大の醸造学科を卒業して、蔵の杜氏を目指して勉強をしていたのですが、農大時代に知り合ったのが充修さんだったのです。充修さんは農大を出た後は越の誉の原酒造に入社していたのですが、その後、二人の仲が良くなり、加奈子さんのお婿さんとなるために原酒造を退社して、笑四季酒造の蔵元になったという経緯があります。今では二人で杜氏をしているという珍しいカップルです。

この蔵で5年前に充修さんが造ったお酒が貴醸酒のLaMoussonシリーズです。持っていただいているのはLaMousson特別編越神楽シロッコ本生原酒の貴醸酒です。今回4種類の貴醸酒を持ってきていただきました。貴醸酒と言えは華鳩の貴醸酒が有名ですが、それを超える新しい貴醸酒造りをしているそうで、蔵の生産高の半分は貴醸酒になっているとのこと。

この蔵の貴醸酒は元の醪の早仕込みの責めの部分の純米酒を添加用のお酒とし使っていて、甘さを出すというよりは酸と香りを引き出すための手段として貴醸酒を作っているそうです。

飲んだ感じでは甘みと酸と香りを感じるので、日本酒よりはワインのような味と言えるでしょう。でも4種類とも明らかに味わいが違います。この酒は県外向けに販売しているそうですが、すでに販売先がすべて決まっているそうです。食べ物に合わせて飲む新しい日本酒としてブレークする感じもします。デザインもワインのようですね。

是非この蔵ならではの新しい貴醸酒を確立して、日本一の貴醸酒メーカーになってもらいたいな。

来年は加奈子さんのお酒も飲ませてください

・ 吾妻嶺(岩手県) 吾妻嶺酒造店

Dscn2012吾妻嶺酒造は岩手県の紫波町にある生産高500石くらいの小さな蔵です。この辺りは南部杜氏の発祥の地です。

写真の方は第13代蔵元の代表取締役の佐藤元さんで、持っていただいたお酒は純米吟醸生酒「雄町」です。

口に含むと雄町らしいふくらみが柔らかく広がってきます。この雄町は冷えていてもしっかり味があるけど、温度が上がり過ぎるとややだれてきますが、美味しいです。

今回は美山錦もいただきましたが、美山らしい米のうまみを感じますが、共通して言えるのは酒の柔らかさでしょうか。決してきれいな感じではなく、米のうまみを出しながら柔らかく広がって嫌みがないお酒でした。これはお燗でもいいかもね。

・ 扶桑鶴(島根県) 桑原酒造

Dscn2018この蔵は島根県の石見地方にある益田市にある生産高400石ぐらいの小さな蔵です。扶桑とは中国の伝説で東の日の日出るところにある神木という意味で日本のことを意味するそうです。

この日は山田錦の大吟醸や雄町の純米吟醸もあったけど気に入ったのは島根県産の佐香錦50%精米の純米吟醸でした。ドンとした味わいではなく、飛び出た感じでなないけどけど優しい味わいを感じて、後味がきれいに消えていくかと思うと、また波を打ったように余韻が戻ってくるといった、何とも言えないなバランスの良いお酒でした。1升2990円ですから買い得ですね。

写真の方は専務取締役の大畑朋彦さんですが、佐香錦の純米吟醸を持ってもらいました。この蔵の造りは石見杜氏だそうですが、この佐香錦はこの杜氏の良いところが出ているような気がしました。

・ 川鶴(香川県) 川鶴酒造

Dscn2020川鶴酒造は香川県の徳島よりにある観音寺にある蔵です。この地は弘法大使の生誕の地で、日常的にお遍路さんが立ち寄る場所のようです。一日の疲れを癒し、明日への活力となるようなお酒を作ることをモットーとしているそうです。

ですから生産高は1500石もあり決して小さな蔵ではありません。でもおもしろかったのは、、専務の越田達夫さんのやり方でした。専務が持ってきたのは香川県産さぬきよいまい65%精米の純米酒の槽屋だけでしたが、袋絞り初垂れ、袋絞り中垂れ、袋しぼり末垂れ、の3種類だけを持ってきて、その差を味わってもらいたいということでした。

飲んでみたら全然違ったお酒を味えました。初垂れはすうっと口に入るけど、最初に口の上あごの方にふわっと膨らん消えていきした。中垂れは口に含んだときにチョット後の方に膨らんできて、後味も余韻が残るけど、バランスはいいと思いました。末垂れは口に含んだときはあれという感じですが、後の方でしっかり膨らんできます。同じ酒の袋吊でも、最初と、中と、末では違ったお酒になることを初めて実感しました。

お酒って難しいものですね。

他にも紹介したいお酒は色々ありましたが、ほとんど有名な蔵のお酒ばかりなので、敢えて紹介するのはやめておきます。うちは小さいよという蔵があったら名乗り出てください。来年は取り上げます。

でもこの会はとてもゆったりした会なので、、結構蔵元さんとゆっくり楽しめたので、参加して良かったと思います。最後にその証拠となるような写真を紹介します。

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右から東力士の島崎さん、岩の井の横坂さん、最後の人はこの会に参加された居酒屋さんの方のようです。みんなハイな感じですね。

あっ そうだ、この会場に地ビールの蔵が出ていたのですが、飲み忘れていたので最後にお見せしましょう。来年は飲むぞ・・・・・・

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分福酒造の味の秘密は?

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先日大塚の居酒屋さんのきの字で分福の「秘めたる思い」に触れる会が開かれましたので、参加してきました。この会は大塚の地酒屋こだまのたけさんが企画した会です。「秘めたる思い」とは何でしょうね。こだまさんらしい表現です。秘めたる思いというのは分福酒造の社長兼杜氏の毛塚征幸さんの酒造りに対する思いということなのでしょう。この秘密の思いを調べてご報告しますので、最後まで読んでください。

分福酒造は館林にある老舗の蔵です。1825年に丸木屋という屋号で酒造りを始めて昭和29年に館林にまつわる伝説の分福茶釜にちなんで分福酒造に社名を変えたそうです。昭和50年には蔵を市内の野辺市に移転しましたが、元の蔵の店舗部分は、本社店舗兼資料館となって、館林駅のすぐそばにあります。この店舗は館林の旧城下町に現存する数少ない町屋の一つでしたので、平成9年から保存修理工事が行われ、平成10年に登録文化財となったそうです。ごく最近のことなのですね。ホームページから撮った写真をお見せします。

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昔の町屋の雰囲気が出ていますね。もちろんお酒造りをする広い土地も存在していたのです。老朽化のために工場の移転をしたのですが、その際に店舗部分だけをこのように残したそうです。一見する価値はありそうです。

どんなお酒を造っている蔵なのでしょうか。この蔵の跡取りであった征幸さんが蔵に戻ってから大きく変わったようですが、まずは飲んでみましょうね。

この会が開かれたのは大塚のきの字ですが、最近2チャンネルで話題となった店です。この事件については触れませんが、お酒の種類も多いし、お料理もおいしい日本酒を主体とした良いお店です。特に店長の小暮さんの料理の腕は素晴らしいですよ。

Dscn2079この方が小暮宏行さんです。明るい感じ好男性でしょう。トラブルを起こすなんて考えにくいですけど。

このお店は地下鉄丸ノ内線の新大塚から歩いて2-3分のところにあるお店です。でも意外と入口が見えにくいのです。それは入口がビルの地下に合って、外から見難いからです

この日のお店の外を写真で撮ってみましたので、お見せします。入口に手書きに看板が見えます。底に見える階段から下のお店を見た写真が右の写真です。お店の看板が見えます

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まず最初に分福酒造の代表取締役兼杜氏の毛塚征幸さんをご紹介します。

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この方が征幸さんです。 見た目はチョット怖そうなおじさんに見えますが、心の熱い方です。征幸さんはちょっと変わった経歴を持っています。蔵に戻る前は大阪の大手繊維会社で6年間営業をしていたのですが、父親からお前が帰ってこなかったら蔵を閉じるからと言われて蔵に戻ったのが19年前だそうです。

その当時は生産高は1000石くらいあったそうですが、ほとんど安価な普通酒を主体にしか造っていない蔵だったそうで、蔵に戻った時、杜氏に吟醸酒を作ってくれと言ったら、そんなものは造れないといったので、父親とけんかをしてお前の好きにしろと言われて、直ぐ首にしたそうです。それ以後杜氏をしているのですが、酒造りの経験にない中、特に醸造研究所に行くこともなく、独自で試行錯誤で酒造りを勉強したそうです。今の分福の味を出せるようになったのは10年くらい前からだそうです。その最中色々な経験をされているのですが、その話は後にして、まずは本日の会のお酒を飲んでみました。

1.大吟醸 生原酒

Dscn2057山田錦40%精米、酵母1801系、日本酒度+4 酸度1.4の大吟醸です。

結構味が載っていて、旨いのですが、1801系とは違う香りがします。でもこの味わいが分福らしいとも言えます。杜氏の説明では普通の蔵よりは麹割合が高いのと、もろみの時間が38日と長いので、出てくる香りではないかなとのことでした

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2.純米吟醸(山田錦)生原酒

Dscn2064山田錦50%精米、酵母1801系、日本酒度+3、酸度1.3の純米吟醸です。

1.のお酒よりは山田錦らしい味がして、旨みもきれいさもあるけど分福らしくない味とは言えます。杜氏の話では蒸米を少し締めることなどして、一般に好まれるお酒を作れる証拠として造ったお酒だそうです。アルコール度は加水して16%にしています。

このようなお酒を作ると、いい酒だと言われて売れてしまうのが不本意だそうです。また酒造りの腕が上がったねと言われるのがもっと嫌なことだそうです

3.本醸造 生酒

Dscn2062山田錦を麹米、一般米60%精米を掛米とした本醸造で、日本酒度+6、酸度1.2、アルコール度15.5です。

口当たりに甘みがあり、軽やかさを感じる切れのあるお酒に仕上がっています。地元で一番飲んでもらいたいお酒だそうです。このお酒で1升2000円弱ですが、地元ではもっと安い普通酒がまだまだ一般的だそうで、この本醸造はアルコール添加量が少なく、ほとんど純米に近い酒なので、せめてこの本醸造を晩酌用に使ってもらいたいそうです。

4.純米 生原酒

Dscn2058_4麹米が山田錦60%、掛米が一般米のあさひの夢60%の純米生原酒で、日本酒度+4、酸度1.6.、アルコール度17-18%です。

このお酒は去年の11月に初しぼりとして造ったお酒で、最初は線が細く、酸味がきいてスキットとしたお酒でしたが、約半年以上熟成したので、大分味が整ってきたという酒でした。お酒を寝かせてから飲む標準のお酒と言えます。

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次の3酒類のお酒は分福酒造の定番のお酒です。

5.純米吟醸(玉栄&日本晴)生原酒 1年熟成

Dscn2067滋賀県で栽培を依頼している有機米の玉栄を麹米とし、日本晴れを掛米としている純米吟醸酒生原酒です。精米度は50%です。日本酒度+4、酸度1.5、アルコール度17-18度です。

酸味と旨みと柔らかさをもった独特の香りを持つチョットトロリ感のあるお酒でした。これが分福の味と言えるような気がします。

玉栄はとても硬いお米で、初年度はどうしても渋みや苦みがですので、熟成したほうがいいのはわかっていたのですが、これを逆手にとって、最初はカチカチに造って、生のまま熟成して初めて飲める酒を狙ったお酒だそうです

ですから日本酒度も+5、酸度は1.6位を狙っているそうで、12年前から造っているのですが、最近やっとその価値を認めてくれるところが多くなってきたとのことでした。

6.純米吟醸(玉栄&日本晴)生原酒 3年熟成

Dscn20695.と全く同じ酒ですが、+1度の冷蔵庫で3年寝かせたお酒です。

この酒を飲んだ時皆アレ?という感じでした。3年熟成した割にはとても奇麗な熟成酒でした。杜氏にも飲んでもらったら、最初本人もアレ?という顔をしていましたが、結論は冷やしすぎだということになりました。確かに温度が上がって来ると、熟成らしい旨みの余韻が口の中に広がってきました。

僕の勝手な推測ですが、このシリーズのうち3年熟成酒が一番売れて、もう蔵にもないそうです。ですからこの年の酒の出来栄えがよく、熟成がきれいになったのではないかと思っています。買えないのが残念・・・・・

7.純米吟醸(玉栄&日本晴)生原酒 5年熟成

このお酒の写真は撮るのを忘れてしまいましたが、肩のラベルに違いしかありませんのでお許しください。5年物はやや色がついてきて、熟成の香り、甘み、とろみが強くなっていますが、雑味は感じません。明らかに熟成は進んでいます

僕個人は3年ものが好きですが、もう買えないのならあきらめるしかないですね。

8.大吟醸原酒 10年貯蔵

Dscn2072山田錦40%精米の大吟醸を仕入れして、11BYの10年以上熟成したお酒です。日本酒度は+4、酸度1.4、アルコール度17-18度です。

飲んでみると、きれいな熟成で、あまり熟成が進んでいない感じでした。火入れ熟成は1度くらいの温度ではあまり熟成が進まないのかもしれません。

飲んだときには温度が低すぎて、熟成の良さが出ていなかった気がしましたので、温度を上げて飲んでみましたが、未だ熟成の味が引き出せていない気がしました。何らかの工夫で熟成を進めてもらう方が良いような気がします

9.全麹仕込み 純米原酒

Dscn2076このお酒は一般米65%の100%麹米だけで造った純米原酒です。日本酒度-19、酸度2.8、アルコール度16-17度、とても変わったバランスのお酒です

氷の入ったワイングラスで飲みましたが、香りが高くきれいな甘みと酸味がバランスして、ワインのようなお酒でした。でも氷がなくなると、甘さと酸味が強くなるので、こうやって氷を入れて飲むのが一番合っている気がしました。面白い・・・・

杜氏の話では全麹の3段仕込みでしたそうですが、醪期間は15日で終わるそうです。ラベルに遊と書いてあるのですから、遊び心で造ったのかもしれません

500mlの瓶しかないようです。でも気に入りました・・・・

これで今回飲んだお酒の紹介は終りますが、全体を通じて感じるのは世間に出まわっている普通のお酒に近いのは2.の酒だけで、他のお酒は分福特得の味わいがあります。でもまだ完成されていないような気がしましたので、杜氏に直接色々と聞いてみました

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このお顔は生き生きして素敵ですね。今熱中してお話しているところだと思います

征幸さんが杜氏になってから、何があって今何を考えているかをご紹介したいと思います。

前の杜氏をやめさせた時に頭(かしら)が残っていたのですが、彼は前の杜氏の親せき筋だったので、自分も止めると言ってきたそうです。その時は自分の酒造りの夢をを説明して、そのシーズンだけ酒造りを手伝ってもらったけど、その後彼も辞めて、もうゼロからの酒造りが始まったそうです。

最初は営業に力を入れて、従来の安い酒造りを増量して一時は2500石まで上げた時があったのですが、ある人に君は自分のお酒を飲んだことがあるのかと言われ、自分の酒の味を再認識し、酒造りの方向を転換したそうです。

でも酒造りは独学で勉強したそうですが、神亀酒造の勉強会に出たり、静岡酵母の生みの親の河村傳兵衛さんの話を聞いたり、自分にとってはどちらが正しいのかわからなくてうろうろした時期もあったようです

安酒を作るのをやめて、蔵の石数はどんどん減り、今では350石しかないそうですが、自分の酒らしさが出てきたのが10年くらい前からだそうです。何しろゼロから始めたので、何でも受け入れなんでもやってみてから自分だけを信じて、少しずつ進歩してきているので、まだまだ発展途上だと思っておられるようです。

もともとお酒が好きではないので、お酒だけを楽しめるお酒ではなく、、食べ物を食べながら飲むお酒を求めてきたそうです。ですから教科書通りに造れ、ある程度美味しいお酒を作れることはわかっていても、それでは満足できないそうです。ですから、まだまだこれから求めていくお酒は変わっていくかもしれないと思うと語っていました

これが彼のお酒の秘密の原点だと思います。どんなお酒が好きかという場合、自分の好みに合う味を求めるのは確かに大切かもしれないが、造る人の思いを信じてその変化も受けいれて好きになることもあるように思えます。分福のお酒はそんなお酒かもしれません。

征幸さん、ますます面白いお酒を作ってください。僕のお願いは食べ物の合わせに特化したお酒を作ってもらいたいな。他には遊び心のあるお酒も好きだな・・・・

それからラベルのデザインを変える気はありませんか。ラベルを見ただけで酒のイメージが出るのもおもしろいと思うけど。

最後にこの日に出たお料理の一部を紹介します

・変わり刺身(燻しかつお・・・)   ・冬瓜とあさりスープ煮

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・ イカ刺しとニラの和えもの  ・おっきりこみ(群馬郷土料理)

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・ラムだっちゃ(ジャガイモ煮)

Dscn2075_2もっと色々出たのですが、写真を撮るのを忘れてしまいました。

何しろ創作料理ばかりです。それがまた酒に合うのだな…

これからも変な中傷にめげずに頑張ってください。応援しますよ

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第4回雄町サミット 今年の優秀賞は?

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8月1日水曜日に椿山荘(1階)で第4回の雄町サミットが開かれましたので参加してきました。この会は岡山県酒造組合、岡山県酒造好適米協議会、JA全農おかやまが主催する会で、岡山県産の雄町米を使った市販のお酒を審査し、それを利き酒し懇親をする会です。

第1回目は2008年の秋にベルサーユ九段で開催されたようで、その後、2009年に神田神保町のベルサールで、2010年には六本木の泉ガーデンで開催されましたが、去年は東日本大震災のために中止されております。年々参加人数や趣向が変わってきていますが、基本的スタイルは変わっていません。

午前中に出品酒のブラインドテストによる優秀賞の選出、午後からお酒に関する講演会そして夕方から出品されたすべてのお酒の利き酒会と懇親会という形式です。午前中の審査については僕には何の情報も入りませんが、醸界協力新聞のブログである民酒党本部からその様子を知ることができました。その写真がこれです

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松崎先生や小関先生のお姿が見えます。こんな形で試飲しているのですね。審査委員は7人のようですが、お名前ははっきりとは覚えていません.。講演会の終わりに審査員の紹介がありました。日本酒通の人はわかるでしょうね。

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2010年の雄町サミットの会は下記のブログをご覧ください。今年との違いがわかります

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/2010-976f.html

今年の公演は民俗学者の神崎宣武さんによる「神と酒と人」というお話で、日本の昔からのお酒のかかわりの珍しいお話が聞けました。今までは利き酒会と懇親会は別々であったのですが、今年から一緒の時間帯になったけど、懇親会の会場としては大いに改善されたし、お料理も質が高かったように思えました。

懇親会場での試飲の仕方はこんな雰囲気でした。これも民酒党本部のブログを使わせていただきました。断りもなく使うのは行けないことかもしれませんが、お許しを・・・・

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こんな感じで2列のテーブルに出品酒が並んでいましたが、出品酒一覧通りに並んでいたので、わかりやすく飲むことができましたが、吟醸酒と純米酒は分けてもらいたかったな

出品されたお酒は約105点で優秀賞として選ばれたものが吟醸の部が17点、純米酒の部が11点と例年より多めに選出されていました。約と書いたのは酒品酒一覧の中にはないお酒もあったからです。たぶん飛び入りで入ったものと思われます。

お酒を鑑評できるような力量は持っていませんので、とりあえず入賞したお酒をご紹介します。

<吟醸酒の部門>

秀鳳純米吟醸雄町        十四代純米吟醸 高木酒造

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日高見吟醸 平孝酒造    あぶくま純米吟醸雄町 玄葉本店

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純米吟醸きもと 辻善兵衛商店   酒王銀盤 銀盤酒造

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翠露純米吟醸中取り生酒    舞姫純米大吟醸 舞姫酒造

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瀧自慢純米吟醸雄町    純米吟醸雄町うごのつき 相原酒造

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純米大吟醸雄町 白菊酒造   櫻室町純米大吟醸 室町酒造

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粋鯨純米吟醸備前雄町     川亀純米吟醸 川亀酒造

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七田純米吟醸雄町 天山酒造   鍋島雄町純米吟醸 富久千代酒造

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<純米の部門>

秀鳳無濾過雄町 秀鳳酒造場  東北泉ちょっとおまち辛口

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山廃特別純米橘屋仕込み12号13号   磯自慢特別純米

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正雪特別純米備前雄町 神沢川酒造   瀧口水 洛伝 東山酒造

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百楽門純米古酒 葛城酒造   雄町純米備前蒼海 十八盛酒造

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燦然特別純米雄町 菊池酒造   純米白菊 白菊酒造

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以上で優秀賞のお酒の紹介は終わりますが、決して入賞したお酒だけが旨いわけではありません。鑑評の基準は良く知りませんが、雄町らしい旨みと柔らかさを持っているというだけでなく、渋みや辛みや後味の悪さなどがない、きれいなバランスのものが選ばれているように思えました。小関先生にお聞きしたのですが、全く飲みこまないで鑑評しているので、飲んでおいしいお酒を選んでいることにはなりませんから、その点はご理解したくださいとのことでした。

この会の参加者は今年は少なく、200人弱と思われます。でも蔵の人の参加が多く、色々な人と出会いました。蔵の方もどんなお酒が入賞するのか大変興味を持っておられるようです。僕がお会いした蔵の方は、屋守の田中孝治さん、会津中将の向井洋年さん、くどき上手の今井専務、辻善兵衛の辻寛之さん、燦然の菊池大輔さん、浪花酒造の成子嘉一さん、極聖の宮下晃一さん等とお会いしましたが、きっともっと大勢の方がおられたと思います。

蔵の方とお話して、貴重な意見をいただきましたので、それについてご紹介します。それは屋守の田中さんの話です。田中さんは今年初めて雄町のお酒を作って、出品したそうです

Photo残念ながら今年は入賞しませんでしたが、旨みはあるし、僕は結構気に入ったお酒でした。雄町らしいどっしりさも柔らかさもあるし、後味も良かったので、好きなタイプのお酒でした。

田中さんの話では入賞した雄町の酒はきれいさがあると感じたそうです。だから来年はお米が溶けすぎないように浸漬の時間を管理し、生で詰めた後の瓶燗するまでの時間をもっと短くしてもっとクリアさを出すようにすると明言されていました。

田中さんは今回の試飲だけでそこまで断言できるとは凄いですね。来年の屋守の雄町は楽しみですね。

Photo_2もうひとつ面白い話があります。それは燦然の特別純米の雄町ですが、入賞したお酒ですが、試飲会で飲んでみたら味はいいのですが、何か変な香りが出ていたので、小関先生に飲んでみてもらいました。

飲んで即座にこれは火入れするまでの時間がかかり過ぎて出る味だそうです。それを菊池さんに聞いてみたら、確かに火入れまでの時間が長かったそうです。直接先生に指導を受けられたいましたので、燦然の酒はこれからグンと良くなるかもしれませんね。

この会には色々なお酒の専門家が見えていて、第1回目の雄町サミットの審査委員でもあり、食と酒のジャーナリストとして活躍している山同敦子さんともお会いしましたら、有名な先生と仲良く懇親されていましたので、写真をお見せします

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山同さんは有名な先生にもてますね。僕は山同さんとお会いするのは初めてですが、相手の先生は左の方が日本酒漫画家の高瀬斉さんで、右の方は日本酒ジャーナリストの松崎晴雄さんです。

最後に僕の感想ですが、僕は雄町といえば赤岩雄町純米大吟醸を外せないですね

Dscn2131昔から利守酒造の純米大吟醸の赤岩雄町は始めてであったときから気に入っています。今年は生で出ていましたが、入賞していませんでした。チョットパワーがあり過ぎなのかな

今年から東北泉雄町が出ていて、ちょっとおまちが入賞しましたが、どうして瑠璃色の海を出してくれないのかな。比較してみたいお酒です。

僕が手に入りやすくて、気にいったお酒は正雪の特別純米と屋守の純米吟醸でした。升新の山ちゃん取っておいてね。

それからこの会の結果については色々な批評があるみたいなので、下記の人のブログも参考してみたら。僕の意見とも違うけど。

http://blogs.yahoo.co.jp/qoopontan2/36652848.html

いずれにしてもこのような企画は大変良いと思うので、今後も続けてください。毎年参加します。

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亀の尾のお酒だけを飲める会 in きの字

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8月25日の土曜日に大塚のきの字で亀の尾のお酒だけが楽しめる「亀の尾の会」が開かれました。この企画は酒匠で彩醸の会の事務局長をしている兵道俊美さんが、大潟村で亀の尾を栽培している鈴木秀則さんとのコラボレーションしてできた企画です鈴木さんのお話ではこの企画が持ち上がってから実施できるようになるのに1年かかったそうです。それだけ亀の尾のお酒を集めるのが大変だったのでしょうね。

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この方が兵道さんです。酒匠、日本酒学講師として日本酒を皆様にわかりやすくお伝えるるメッセンジャー役を目指しているそうで、最近は埼玉県のお地酒のPRに力を入れているようです。この様な企画はとても良いと思います。僕は行ったことがないけど、以前亀の尾サミットがあったようですが。

きの字の入口には亀の尾の会の看板があり、店内には亀の尾の会、亀の尾を仕込んだ酒を呑み、亀の尾を食べる会と書いてあります。これは楽しみですよね。最近では珍しい会だと思います。

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お酒を紹介する前にやはり亀の尾というお米を紹介しなくてはいけませんよね。調べてみると深い歴史があることがわかりました。

亀の尾は山形県庄内地方の阿部亀治さんが明治の半ばごろ、冷害に強いお米として開発した品種で、冷害や病気に強く収量も上がるということから噂を聞いて訪ねてくる百姓にこの種もみを無償で分け与えたそうです。そのおかげで大正14年には東北地方や北陸地方を中心に19万ヘクタールに作付され、当時の代表的な品種となったお米です

その後公立研究機関で純系分離法で「亀の尾1号」や「亀の尾4号」などが育成され、これから生まれた陸羽132号を通じてササニシキやコシシヒカリなど多くの品種に受け継がれたようです。

育成当時としては冷害に強い品種としてもてはやされたが、害虫に弱いとか化学肥料を使うと割れやすくなるなどの欠点があり、次第に栽培されなくなり、昭和40年代にはほとんどなくなったようです

その後新潟の久須美酒造の久須美さんが昔亀の尾で造ったお酒が素晴らしかったという話を聞いて、新潟の農業試験所から種子を譲り受け栽培を続けた結果、昭和58年に醸造に足りる収穫ができたので、亀の尾を原料としたお酒「亀の翁」が生まれたようです。

ちょうど同じころ山形県の余目町の鯉川酒造でも亀の尾の復活を目指していました。阿部亀治のひこ孫であった阿部喜一が保有していたわずかな種もみを譲り受け、試験栽培から始めて4年かかって、久須美酒造の亀の翁ができた翌年に亀の尾の酒ができたようです

亀の尾のお米は粒がが大きめなので、吟醸酒や大吟醸酒を作るのに向いていることも幸いして各地で造られるようになってきていますが、不思議なことがあります

お米の品種銘柄は農産物検査法に基づいて農林水産省が指定しています。醸造用のお米については醸造用玄米として毎年見直されています。最近出た新潟の越淡麗は平成17年には設定されていますが、亀の尾は今まで一度も認定されていません。

亀の尾はもともと食料用のお米なので、水稲うるち玄米として表記されているかを調べてみますと平成21年に秋田県の亀の尾4号が表記されたのが初めてのようです。この亀の尾こそが鈴木秀則さんが造ったお米なのです。鈴木さんのお話では17年もの長い間、申請続けた結果やっと認定されたのが「亀の尾4号」だそうです。

実際には新潟でも山形でも亀の尾のお米が栽培されていることは事実のようですが、法律上正式に亀の尾を表示できるのは大潟村の亀の尾だけといえます。今回亀の尾の会で呑めるお酒は必ずしも大潟村の亀の尾ではなく、大潟村の種から栽培しているものもあるようですが、これも厳密には生産した県の認定がいるので、亀の尾とは言えないわけです。しかし、亀の尾の認定を受けるためには大変な壁があるようで、鈴木さん以外は未だ認定を受けていないようです。これからは僕の推測ですが、食料用とする場合は表示が厳しいけど、醸造用はあまり厳密にしていないような気がします。調べてみると原料米品種名の記載は任意記載事項なので罰則はないのかもしれません。

硬い話はこれくらいにしましょう。

まず鈴木さんを紹介します。

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鈴木さんは大潟村で専業農家をやっており、米造りのほかには大豆、鶏、イチゴジャムなど幅広く取り組んでいますが、お金になるのは米造りだけだそうです。今回試飲するお酒はほとんど鈴木さんが集めたものと思われます。

試飲した写真をざっとお見せします。

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これではわからないですね。わかる範囲で1本1本紹介します

Dscn2177このお酒は兵庫県姫路の田中酒造の亀の甲 寿亀神韻で、 8%精米の純米大吟醸です。田中酒造で栽培した亀の尾では10%以下に精米できなかったので、鈴木さんのお米を使ったようです。ここまで来ると田中酒造の趣味の世界かもしれません。

8%も磨けるのは山田錦以外では亀の尾だけでのようですね。

とても奇麗な甘みがあり、まろやかでつるりとした味わいのあるお酒で、8%も磨いてもちゃんと味わいのあるお酒でしたが、4合瓶で10500円だそうですが、とても採算が取れる値段ではないそうです。手に入れた人はお買い得かもしれません。

Dscn21881このお酒は青森県弘前市にある三浦酒造の純米吟醸の豊盃です。これは鈴木さんの亀の尾をつかっています。

なめらかな口当たりに深みのある味わい、ほどよい甘みの裏にしっかりした酸味があり、バランスの良いお酒に仕上がっていました

いかにも亀の尾という感じといえるかもしれません。

このお酒は温度が上がってもあまりバランスは変わらず、よりソフトになりさんが消えてきました。温度が上がった豊盃もいいですね

Dscn21871このお酒は秋田県五城目にある福禄寿酒造の一白水成の純米酒22BYです

このお米も大潟村の亀の尾を使っていますが、鈴木さんのお話だと大潟村の亀の尾としてはこれが最後のお酒とのことです。どういう意味かはわかりませんが、もう鈴木さんのお米は使わないという意味ですかね。

このお酒は通常冷やおろしで販売されていますが、今回のお酒は22BYの熟成酒です。とても22BYとは思えないほどのフレッシュさがあったけど、口に含んでもすぐには旨みが広がらず、弱い酸味だけを感じましたので、温度を上げてから飲んでみたらずっと味が膨らんできました。でもちょっとパワー不足かな。

Dscn21861このお酒は秋田県横手市増田町にあるまんさくの花で有名な日の丸酒造の純米大吟醸 亀寿生ですこれは鈴木さんの亀の尾ではないそうです。

日の丸酒造は地元米を使うとことを大切にしているので、地元の契約米の亀の尾を使っていることは確かでしょうすが、昔は鈴木さんの種もみからのお米を使っていても、今では特定しにくいようですね

少し生塾ぽい味はするけど、バランスの良いお酒ですが、美味しいけど、特徴が少ない感じでした。後味のきれがほしいところです。亀の尾にしてはチョット酸が少ないように思えました

Dscn21851このお酒は秋田県横手市平賀町にある浅舞酒造の天の戸の純米吟醸 天亀生で。地元の契約米の亀の尾を使っていますが、鈴木さんの話では出所を教えて蔵なかったので、亀の尾かどうかもわからないそうです。鈴木さんは非常に厳密な人ですね。

味は結構柔らかく酸味がほどほどあるけど、旨みも抑え気味でまろやかで軽やかなお酒でした。温度を上げてもそんなにバランスは変わりませんでした。僕は好きなタイプです

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Dscn21821このお酒は山形県余目にある鯉川酒造の純米大吟醸生原酒 亀治好日です鯉川酒造は亀の尾発祥の地で、今でも地元で亀の尾を作っていますが、山形県が亀の尾と認定していないので、厳密には亀の尾と言えないようです。でも庄内町産米「亀の尾」100%使用と書いてあります。きっと罰則はないものと思われます。

このお酒もパット旨みが広がると同時に後味として酸味と渋みがあり全体的には締った感じがするけど、生塾のヒネ香が感じるのはいただけません。これも温度管理の問題でしょうか。香り以外は酒質の良さは感じるので勿体ない気がします。

Dscn21831このお酒は山形県酒田市の酒田酒造の上喜元 純米吟醸です種は大潟村の亀の尾ですが、山形県で栽培されているので、鈴木さんの話では正式には亀の尾とは言えないようです。

このお酒は甘みがきれいだしお気に広がった時の後味がいいです。旨みの後ろに酸味はあり、それが全体的なシャープさとなっていて、切れも良くなっています。今日飲んだ中では一押しかもしれません。

でも温度が上がってから呑んでみると、シャープさがなくなり酸もたってきて、同じお酒とは言えないようなボケを感じました。このお酒は冷やして飲むのが最高です。だからお酒は難しい

Dscn21841このお酒は秋田県湯沢にある木村酒造の純米酒 角右衛門の生です木村酒造はナショナル物産の関連会社として酒造りをしていますが、福小町の銘柄が有名ですね。ここの亀の尾は種は大潟村の亀の尾ですが、地場で栽培したものです

非常にソフトな味のお酒ですが、そつなく造ったお酒という感じで特徴が少ない感じがしました。優しいお酒なので、万人受けするお酒かもしれません。

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Dscn21811このお酒は山形県鶴岡市羽黒町にある亀の井酒造の純米大吟醸の亀の尾です大潟村の亀の尾を33%まで精米したものですから、鈴木さんのところのお米です。

しっかりとした甘みを感じるいかにもくどき上手のお酒ですが、あまり酸味を感じないので、亀の尾のお酒かなと思ってしまいます。今井さんの手にかかるとどんなお米も今井流に手なずけて、あるパターンの美味しいお酒に変えてしまう技を感じます。

でもこのお酒もしばらく飲んでいると弱い酸味と渋みを感じるようになるので、この辺が面白いかな。どうせなら大潟村の亀の尾を使った亀仙人を飲みたかったな。

Dscn21801このお酒は福島県の会津板下にある曙酒造の純米吟醸生のお酒ですここの米は会津産の亀の尾と表示していますが、大潟村の亀の尾に間違いないそうです。どういうことなのでしょうか・・・深くは追求しません。

このお酒は高瀬斉さんがやっている「呑むりえ会」用のお酒でしたが、東日本大震災でどこに行ったか一時的にわからなくなったお酒が見つかって出てきたもののようです

純米吟醸生で1年半寝かせてしまったお酒ですが、お酒も少しにごっているし、僕には熟成香が強くて 合わなかったですね。でもお燗すると熟成香があまり強く出てこなくて、呑みやすいお酒になっていました。きっと酒質の高いお酒だったと思います。

僕は天明の純米酒の亀の尾を呑みたかったな。

Dscn21791この酒は島根県温泉津村の若林酒造の純米無ろ過生原酒 亀五郎ですこの蔵には昔から大潟村の種が行っていて、ほとんど鈴木さんの亀の尾と言っていいお米だそうです。でも正確には産地が違うので亀の尾とは言えないのでしょうね

結構酸味は感じるし、旨みとのバランスはいいけど、ちょっとチクチクとした感じがするのはどうしてでしょうか。弱い熟成香を感じて飲んだ後に口の中に広がってくるけど、この熟成香は生塾の香りだと思います。氷温で管理していないのではと思います。新鮮なお酒を飲みたかった。残念です・・・・・

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Dscn21781このお酒は熊本県内14店舗の酒販店が『地元・熊本でも他県に負けない旨い日本酒が製造され、その地元の旨い酒を売りたい』との想いで発足「くまもと酒文化の会」が出しているお酒です。その願いを千代の園酒造が受け、14販売店と協力して生産、販売しているのがPB商品「泰斗」(たいと)です

緩やかなうまみと酸を感じるけど、酸味の後味がいいね。微発泡ではないけどピリピリ感があって、今回飲んだお酒の中では面白いお酒です。若い人向きかな・・・

これで写真を撮ったお酒の紹介は終わりますが、このほかにもにごり酒として二つのお酒が出されました。

・ 能代の菊水酒造 亀の舞 純米吟醸笹にごり

・ 横手の阿櫻酒造 水と米こうじだけの普通酒生濁り

にごりのお酒はオリの味が強くて、お酒としての評価が難しいので、この2本の説明は省略します。

最後に鈴木さんから今年の亀の尾の出来は一昨年に近い高温が続いたので、刈り取ってみないとわからないとの説明がありました。チョット心配な年になりそうな感じもします。

今回の亀の尾の会で色々な亀の尾のお酒を飲めたのは、とてもよかったと思うけど、僕ら酒飲みにとっては、鈴木さんの亀の尾かどうかが大切なのではなくて、原料米品種名を記載してあるお酒はその蔵を信用して亀の尾の酒と考えて色々集めてもらいたかったと思います。

とはいっても鈴木さんが努力して食料米として亀の尾を認定したのは凄いと思いますが、これだけ各地で亀の尾が栽培されているにもかかわらず、醸造用玄米の産地品種銘柄一覧に亀の尾がないのは、農水省側に問題があるように思われます。亀の尾と認定するための敷居をもっと下げるべきだと思います。そんな印象を持ちました・・・・・・

兵道さんご苦労様でした。また頑張って企画してください。

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第1回わっしょい 純米酒LOVE in 川越

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ちょっと古い話題にはなりましたが、9月2日の日曜日に川越の小江戸蔵里の八州亭で第1回わっしょい 純米酒LOVEが開かれましたので、ご紹介します。この日は如水会館での静岡の地酒祭りや浅草橋でもSoulStirring地酒など色々なイベントが重なった日の中、川越でひそやかに開かれたこじんまりとした会です

これを企画したのは埼玉県のお酒の普及に力を入れておられる兵道俊美さんが企画した会ですが、足利市の「酒を飲んでいい会」とアメーバークラブの「純米酒LOVE」がサポートしていて、「酒を飲んでいい会」の会長さんが兵道さんに東京の外れのどこかでお酒のイベントをやろうということで企画されたと聞いています。黄色いシャツを着ておられる方々がメンバーがですが、左から2番目の方が会長で、マイクを持って司会をしておられるのが兵道さんです。

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したがって今回の会は兵道さんとの絆の強い蔵が協力して開催されたものと思われます。まずこの会場ですが、ここは鏡山酒造が昔造りをしていた蔵の後をそのまま改造して造られたお店を利用したもので、明治蔵、大正蔵、昭和蔵と三つあった蔵の中の大正蔵だったようです。

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左の建物が明治蔵、右の建物が大正蔵のようです。写真をクリックすればわかると思います。今ではここの蔵全体が小江戸蔵里と呼ばれています。初めてだと色々建物があってチョットわかりにくいですね。

お店の中はなかなか素敵で、約70名分のテーブル席とステージとその奥に8蔵のブースがあるというレイアウトでした。下の写真のテーブル席の奥に蔵のブースがあるのが見えるかな。

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今回出展をした蔵は以下の8蔵です。

 村重酒造 山口県岩国市 「金冠黒松」、「日下無双」

・ 藤井酒造 広島県竹原市 「龍勢」

・ 酒千蔵野 長野県長野市 「川中島」「幻舞」

・ 島岡酒造 群馬県太田市 「群馬泉」

・ 栁澤酒造 群馬県前橋市 「結人」

・ 南陽酒造 埼玉県羽生市 「花陽浴」

・ 小江戸鏡山酒造 埼玉県川越市 「鏡山」

・ 北雪酒造 新潟県佐渡市  「北雪」

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最初に参加蔵の人全員から自己紹介がありました。後で蔵ごとにお酒をご紹介します。良く見ると8人全員が見えますが、この写真で名前がわかればその人はかなりの酒通の人ですね。

ゆったりとした会場に8蔵ですから、蔵元さんとゆったりとお話ができました。このくらいの蔵数での会はとても良いですね。何十蔵も集まる会の場合は、ついつい知っている蔵だけに顔を出して、チョット飲むだけになるので、結果的には あまり印象が残らないものであす。こんな会はめったにありません。僕としても初めての経験です。こんな会が色々とあると楽しいけど、でも企画するのは大変ですよね。

それでは蔵別に紹介していきます。会が始まる前にブースのお酒の写真を取っておきましたので、ご覧ください。

・ 村重酒造 山口県岩国市 「金冠黒松」、「日下無双

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Dscn2251村重酒造は岩国市にある蔵で生産高900石の中堅の蔵です。写真のお方は酒造りをしている蔵人で、お酒の企画デザインもやっておられる福光寛泰さんです。赤い色の瓶のお酒は日下無双(ひのしたむそう)の純米酒と純米大吟醸でした。日下無双は杜氏の日下信次さんが造る地元の人のために造るお酒だそうですが、今年も全米日本酒鑑評会でトップゴールド賞を取っています。これどういうこと?・・・・

僕が気に入ったのは8号酵母で造ったお酒で21BYと22BYが用意されていました。8号酵母は強い酸を醸し出す特殊な酵母で時代のニーズに合わず昭和53年には発売が中止になったのですが、日本醸造協会に頼み込んで分けてもらって造ったお酒です。

一時小左衛門でも造っていたようですが、今では村重酒造でしか作っていないようです。今回飲んでみた感じでは、8号独特のガツンとした酸味ではなく、ふわっとした味わいの中に柔らかい酸味を感じる都会的なお酒でしたあまりガツンとした酸が出ると、嫌われるので抑えたのか、熟成で変わったのかはわかりません。でもこの8号酵母の酒は造り続けてもらいたいですね。

焼き鳥にあうお酒としてもっと普及できないのかな・・・・・・・・

・ 藤井酒造 広島県竹原市 「龍勢」

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Dscn2244写真の方は藤井酒造の5代目蔵元の藤井善文さんです。この蔵は善文さんをトップに息子兄弟の長男の藤井雅夫さんが杜氏をされて、弟の辰夫さんが製造管理をして3人で酒造りをしている蔵です。生産高は700石だそうです。

今回は山田錦、雄町、八反の3種類の生酛純米酒と純米大吟醸と雄町の山廃を持ってきていました。僕が気に入ったのは生酛の3っ種類の純米酒です

お米の特性に合わせて磨きを変えていて、山田錦は60%精米、雄町は65%精米、八反は75%精米です。山田錦はきれいな味わいだけどその分どこか生酛らしい味わいを感じました。雄町はもっと幅広い味わいがするので、そのお蔭か生酛らしさが隠れてしまったけど、良いお酒です。八反は口に含んだときのふくらみは少ないけど、ドンとしたパンチのあるチョットシャープさを感じるお酒でした。脂っこいお料理にも会うような気がします

純米大吟醸は山田錦50%は生酛造りで2年半熟成したもので、熟成により角が取れて、柔らかく旨みが広がる大人のお酒と言えます。山廃の雄町は21BYだけど熟成が進んでしまっていました。

善文さんのお話では生酛造りの方がきれいな味わいになるので、2年前から山廃造りをやめたそうです。生酛造りでこの味が出せるのなら素晴らしいと思います

これからもいい酒を作ってください・・・・・・

・ 酒千蔵野 長野県長野市 「川中島」「幻舞」

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Dscn2253この方は酒千蔵野の杜氏をしている千野麻里子さんです。酒千千蔵は長野県の川中島にある蔵でとても近代的なデザインの美術館のような雰囲気を持つ蔵です。

中に入ると仕込み蔵にはモーツアルトが絶えず流れている、いかにも女性的な感覚の造りです。麻里子さんのお酒は美山錦や山田錦の吟醸酒系のお酒が特徴で、きれいな香りと柔らかい気品のある味わいが特徴ですが、今回は米違いの特別純米を持ってきていただきました。

吟醸系のお酒とは違い酸味もありしっかりとした味わいのお酒でしたが、時間がなくちゃんと味わえなかったので、あまりコメントでしません。すみません・・・・

この日は浅草橋でも展示していたのですが、そちらは旦那様の健一さんが参加されたそうです。麻里子さんは兵道さんの顔を立ててこちらに参加されたのだと思います。麻里子さんにはFuwariを持ってもらいました。Fuwariも毎年少しずつ良い意味で変わってきていますね。チョット甘みを抑えた良いバランスのお酒でした。

麻里子さんのお酒をもっと知りたい方は下記のブログをご覧くださいhttp://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-8dd2.html

・ 島岡酒造 群馬県太田市 「群馬泉」

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Dscn2223この写真の方は蔵元の島岡利宣さんです。ブースでの写真がなかったので、ご挨拶の時の写真を使いました。着物姿が素敵ですね。この蔵は太田市にある蔵ですが、昔の中島飛行機、今はスバルの富士重工の企業城下町で職人の街といった雰囲気があるそうです。

この蔵はほとんど山廃造りで速醸はごく一部だそうで、しかもお米は80%若水を使っているとのことでした。いただいたお酒は若水50%精米の淡緑(うすみどり)と今年酒造好適米に認定された舞風60%精米を使った舞風です。

淡緑は軽い酢酸イソアミル系の香りがするけど、常温でおいしいおさけでした。冷やして飲むと酸がったてくるような気がします。舞風は味はドンとこないけど柔らかいふくらみと後味の良さが気に入りました。利宣さんは舞風の米は溶けが悪く、味乗りが悪かったので満足していないそうですが、僕にとってそれが逆におもしろいバランスになったのではと思いました。

この蔵は昔から山廃造りをやっていて、櫂でつぶして米が見えなくなるとだめだといういうので、生酛でなく山廃を主流にしてきていて、特に柔らかいふわっとした酒母を作ることを大事にして、山廃らしい酸の味を大切にしているそうです

これからも色々な山廃を作ってください・・・・・・

 栁澤酒造 群馬県前橋市 「結人」

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Dscn2246写真の方は栁澤清嗣(やなぎさわせいじ)さんで、蔵元の専務取締役で、杜氏をしている方です。この方はスキンヘッドなので歳がわかりにくいけど、東京農大の醸造学部を卒業しており、 今40代前半のバリバリの杜氏です。弟の圭治酸が副杜氏として二人で力をあらせている蔵です。

本当は栁澤酒造と書くのに一般的には柳澤と書くことを認めているようですね。そのような柔軟性のある方ですが、酒造りにはこだわりを持っているようです。初心者の人でも飲んでくれるような、お酒入門者を狙ったのが結人だそうです。

今回は結人を5種類持ってきていただきましたが、すべて新潟産の五百万石だそうです。持っていただいたお酒は直汲生酒で敢えて微炭酸のしわしわ感を楽しんでもらうお酒です。特別純米酒は9号酵母で酸を前に出してそれを楽しんでもらう酒、中取り生酒は香りを立たせて酸の抑え気味にして生の良さを楽しんでもらいうというように、お米や精米度はあまり変えないで、色々な味わいのお酒を飲んでもらおうというようです。

一方本醸造の桂川は昔ながらの甘口で芳醇な味わいのお酒も造り続けているので、敢えて初心者向けのわかりやすいお酒を作ることは、お酒を楽しむ人を増やすという意味では大切なことだと思います

これからも、現状にこだわらないで、粗らしいお酒造りを狙ってください。甘くないけど心地よい酸味を感じるようなお酒を作ってもらいたいな・・・・・・・

・ 南陽酒造 埼玉県羽生市 「花陽浴」

Dscn2228_2残念ながら花陽浴(はなあび)のブースの写真撮れませんでしたので、杜氏の渡辺亮策さんの御挨拶の時の写真をお見せします。

南陽酒造は蔵元の息子さん須永 崇春さんが蔵に入り、崇春さんの姉夫婦(渡辺 亮策、泰代さん)で『花陽浴』を立ち上げ、三人で酒造りをしている蔵です

今回は山田錦と雄町の純米吟醸「花陽浴」と藍の郷の純米酒が出されていました。時間がなくあまりお話ができないうちに終わりましたので、さらりと紹介します。花陽浴と名前を付けたのは誰なのか知りませんが、まさしく名前通り香り高い花のようなお酒で、あまり香りが高いので、米の差がよくわからなかったほどでした

りの高い酵母を混ぜ合わせて使っているとのことでしたが、香りの高さだけでなく何か飲みやすさを感じますが、今の時代はこんなお酒が好まれるのでしょうか。いずれにしても新しい感覚のお酒ですね。

・ 小江戸鏡山酒造 埼玉県川越市 「鏡山

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Dscn22311_edited1鏡山酒造は伝統ある蔵で、この小江戸蔵里の場所で酒造りをしていたのですが、2000年で幕を閉じました。川越は蔵の街といわれていますが、酒蔵がなくなってしまったわけで、町の市民の熱い声を背景に、2007年に若い人たちだけで、蔵の街の中の松本醤油の一角に小江戸鏡山酒造が復活したそうです。

写真の方は営業部長の五十嵐昭洋さんです。挨拶の時から独特の雰囲気をお持ちの方で、お話が始まるとついついその語りにはまっていく不思議な方です。この人のパワーで鏡山の名前が有名になってきたのかなと思いました。

今回は5種類のお酒をいただきましたが、純米吟醸無ろ過生原酒が代表的な味のような気がしました。口に含むと生独特の旨みが広がり、美味しいのですが飲んでいると飽きてしまいます。今時の好みのお酒をつくり、それなりの評価を得てきていると思うけど、僕はもうちょっと優しさを求めたい気がしました

・ 北雪酒造 新潟県佐渡市  「北雪」

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Dscn2252北雪は新潟県佐渡市にある蔵ですが、YK35はこの蔵の定番です。Yは山田錦、Kは酵母K9号、磨きが35%の大吟醸です。

今回は純米酒ということでYK35相当の山田錦純米大吟醸や越淡麗の純米大吟醸が出ていました。そのほかNOBUもありましたし、純米酒もありました。

写真の方は北雪の営業を支援している大西美香さんです。北雪といえば必ず美香さんが出てくるほど有名な方です。いつも若々しく元気な美香さんですね。

さすが北雪の酒はレベルが違います。しっかりしたうまみが柔らかくきれいに広がります。持っていただいたのは越淡麗ですが、味のしっかり出やすい越淡麗が北雪の手にかかると優しい味に変えてしまうのです。日本酒アワード2012で最高金賞を取ったのですから凄いですよ。

北雪はなかなか目を離せない蔵ですね。これからも色々教えてください。

以上で蔵の人とお酒の紹介を終わります。でも楽しい会でした。これだけの会にするには企画する人は大変だったとおもいます。着席でお弁当付きで5500円は安いと思います

Dscn2215わっしょいとい言うのはお祭りの時に使う言葉ですが、いままで意味をよく知りませんでしたが、兵道さんのお話では、和をもって平和を担ぐ、つまり皆で力を合わせて一つの目的を達成するという意味だそうです。

確かに今回の会は蔵元の皆さんやこれをしかけた会の皆さん、参加した皆さんの力を合わせてできたことはよくわかります。こんな素晴らしい会はぜひ続けてお願いします。兵道さんご苦労様でした・・・・

最後にチョット苦言を。会は17時から19時半までの2時間半でしたが、会の最後のアトラクションが45分もあったのは、間延びがします。蔵元とのコミュニケーションがもうチョット時間が取れるように、考えてもらいたかったな。

来年も頑張って企画してください。必ず参加しますから

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totoさんが企画した「御代櫻の会」

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日本ブログ村の日本酒・地酒・酒ブログサイトに「美しい地酒・日本酒」のブログを書いているtotoさんが企画した「御代櫻の会」が9月11日に開かれましたので、参加してきました。totoさんとは同じ日本酒ブロガーとして時々交流している関係で、お呼びがかかったものです。

この会は茅場町の居酒屋「つまみ菜」で開かれたのものですが、これには面白いいきさつがありました。「つまみ菜」の店長の小菅章裕(こすげあきひろ)さんが奥様のお父さんからプレゼントされたお酒が御代櫻の「35歳の春」というお酒で、その美味しさに感動してインターネットで検索していたらtotoさんのブログに出会ったそうですそれで去年の岐阜の地酒に酔う会で初めてtotoさんにお会いしてからのお付き合いで、totoさんが○○の春シリーズのお酒を6年間分を持っていることがわかり、このお店でそのお酒を飲む会を企画したというわけです。

左の方がtotoさんです。どこかの支配人みたいな顔ですね。右の方が店長の小菅さんです。このお二人の力でこの会が成立したのです。拍手・・・・・・・・

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御代櫻からは社長の渡邉博栄(わたなべひろえ)さんと杜氏の酒向博昭(さこうひろあき)さんがそろい踏みで参加され、お酒の説明をしていただきました。

左の方が社長の渡邉さん、右の方が杜氏の酒向さんです。お二人ともお若いですね。今日のお酒が楽しみです。

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お酒を紹介する前に御代櫻醸造を紹介しましょう御代櫻の蔵は中山道の太田宿にありますが、太田宿は木曽川と飛騨川が合流したところにあり、急流で有名な日本ラインの手前で、太田の渡しがある宿場町として栄えたようです。今はJR大多線の美濃太田駅から歩いて10分のところにあるそうです。

創業は明治26年で、先代の社長の渡辺直由さんは5代目の蔵元として活躍されておりましたが、平成19年に地域の発展に寄与したいということで、社長をおやめになり美濃加茂市の市長になられたそうです。その時息子さんの渡辺博栄さんが6代目蔵元の社長になられたというわけです。当時で29歳の若さでした。(本来の名前は渡邉でしょうが、市長は渡辺と名のっておられるので、正式にも渡辺となったのかもしれません)

先代の社長のときに従来の季節赴任の杜氏制度をやめて、社員の中から抜擢して杜氏を決めたそうで、その方が、地元出身の技術社員の酒向博昭さんです。杜氏になったのが平成12年で、25歳の若さでした。その後杜氏3年めの平成15年に28歳の若さで全国新酒鑑評会で見事金賞を受賞したそうです。

この時醸造した岐阜の山田錦50%精米の純米大吟醸生原酒に書家の方がさらさらとラベルに酒名を書いたのがきっかけで、社長の鶴の一声で、毎年同じ作りを出す酒として「28才の春」というお酒が生まれたようです。ですからラベルの酒名は毎年変わるので、書道家の遠藤泉女に毎年書いてもらっているのでしょうね。この純米大吟醸をtotoさんは31才の春から36歳の春までの6本を保管していたというわけですこのお酒が垂直で飲めるなんてめったにないチャンスです。たぶん渡辺社長も酒向杜氏も初めてでしょう。

このお酒を皆でいただきました。そのお酒の写真をお見せします。

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どういうわけか一番若い36才の春が一番汚れています。さーて、どうやって比較して飲むのかなと思っていたら、さすが、totoさんです。次のようなグラスが用意されていました。これは良い。これなら誰でも比較ができますね。楽しみ楽しみ・・・・・・・・

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この前に乾杯酒の御代櫻純米吟醸 無濾過春搾りを飲みましたが、写真が取れなかったので、省略。まずはこの6種類の春をチョットだけコメントします。

・ 31才の春 熟成の香りがなり立っている

・ 32才の春 熟成の香りは減ってきて、柔らかみを感じる

・ 33才の春 香りは32才と同じだけどフレッシュ感がある

・ 34才の春 また熟成感が出てきた感じ。

・ 35才の春 新酒らしさが出てきたが、ちょっと引っかかる

・ 36才の春 今年の新酒だけど素直な味で引っかかりがなくスイスイ飲める

生原酒を垂直に嗜むのはなかなか難しいのです。それは温度管理が悪いと直ぐ熟成が進んでヒネ香や変な味が出てくるからです。どうしてこんなに旨く管理できたのと聞いたら、購入した酒屋さんの氷温冷蔵庫で保管してもらていたからだそうです。なるほどそれなら可能かも・・・・・・ でも酒屋さんが大変ですよね。

津島屋のブランドは何が違うの?

その昔創業前の先祖は津島屋という名の団子茶屋を太田宿でやっていたそうで、創業当時のこの蔵の屋号は津島屋だったようです。6代目の渡辺さんは創業家の原点に立って呑む人が癒され、思わず笑顔になってしまうような酒を作りたいとの思いが募って出たブランドが津島屋です。

津島屋は特約販売登録をいている酒屋さんだけが取り扱える流通限定商品で、日本酒の限りない可能性を追求し挑戦する気持ちで、新しい価値を世界に発信できるお酒にしたいそうです

このブランドは特定名称酒クラスの純米酒としており、酒造りに合うお米なら県外のお米を積極的に使っていくそうです。ですから御代桜は岐阜のお米を使ったお酒に絞っていくようです。でも岐阜のお米でも従来のお酒とは狙いが違う場合は津島屋のブランドとするそうです。

このブランドは今年にスタートしたお酒なので、その定義に曖昧さがあるような気がしまが、僕なりに整理すると津島屋の定義は下記のようになるかな

・ 特約販売店だけが取り扱える商品

・ 特定名称酒レベルの純米酒

・ 使用するお米は特定しない

これだけではお酒を特定しにくいけど、定性的にはいままでの御代桜では狙えなかった新しい味のお酒を狙ったものと言った方がいいのかな。

ではいただいたお酒をすこしだけご紹介します

<津島屋シリーズ>

・播州山田錦純米無濾過  ・信州美山錦純米吟醸ひやおろし

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山田錦の純米酒は60%精米ですが、ちょっと酸味があるけど、その酸味が程良くてバランスが良いお酒でした。信州美山錦55%精米の純米吟醸は結構優しい味のお酒でした。ひやおろしで半年寝かせた効果かもしれません

後ろで怪しげな人が見えますね。もしかして亮さんかな。どうしてここにいるのでしょう・・・・・・ totoさんとは仲が良いからな。

・ 純米吟醸 勿忘草

Dscn2299信州美山錦55%精米の純米吟醸の生原酒です。実はこのお酒は去年の12月に上槽後生のまま瓶詰めして、冷蔵庫の片隅で忘れかけていた酒らしいです。だから勿忘草なのです

たった半年なのに熟成が進んでいて、柔らかく丸みを帯びた酒でした。杜氏のお話によると、温度の高い時に仕込んだ酒なので、どうしてもお米が溶けなすくなるので、あじが強くなる傾向があり、生で熟成すると早く熟成したかもしれませんとのことでした。ある意味でちょうど良い飲み頃かもしれません

<御代櫻シリーズ>

・ 純米原酒ひやおろし(黄)  ・播州山田錦純米吟醸(紺)

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純米原酒ひやおろしは岐阜県の飯米のあさひの夢で造った純米酒ですが、無理のないバランスのとれたお酒でした。このお酒はお燗をするとお米の味がきれいに出てきて、素晴らしい味になりました。これは是非お燗をお勧めします。

純米吟醸紺ラベルは播州山田錦50%精米のお酒で、味はしっかりしているが、全体的には物足りないくらいすうっと入る落ち着いた味のお酒でした。来年からは津島屋になるのでしょうね。

・ 御代櫻の純米吟醸秋あがり

Dscn2304_2岐阜県の山田錦50%精米を使った純米吟醸で、火入れしてから1升瓶に詰めて秋まで熟成して出しているお酒ですが、この酒を酒販店が勝手に1年熟成させたのがこの酒です

熟成があまり進んでいない感じで、柔らかさと味のバランスがよく程よい熟成でした。さすが酒販店さんの見る目があるのでしょう。

このお酒はいままで、御代桜で出していましたが、来年からは津島屋で出すそうです

御代櫻の美山錦純米吟醸滓がらみ 

Dscn22951jpg_2今回津島屋の美山錦純米吟醸の滓がらみも出ましたが、残念ながらこの写真は撮りそこないました。

でもどちらのお酒もお米や精米度55%、麹、酵母も全く同じもので、同じもろみのタンク違いといっても良いお酒ですが、津島屋の最初の年だったので、両方のブランドを作ったそうですが、来年は津島屋に統一されるとのことでした。

美山錦はきれいな味を出すお米なので、敢えて滓を入れてちょっと違ったバランスのお酒を狙ったそうです。確かに滓のうまさをつかった良いバランスのお酒になっていました。確かに両方の差はわからなかったな。

・ 御代櫻 吟醸雄町10BY

Dscn23061最後に凄いお酒が出てきました。御代櫻 吟醸雄町10BY低温瓶囲い原酒です。岐阜県産の50%精米の雄町を使用した吟醸酒を10度で13年間じっくり熟成させた吟醸酒です

嫌みのない熟成香があるけど、柔らかくて枯れた味わいのする素晴らしい酒です。雄町らしさはわからなくなっているけど、とげのない大人の柔らかさがあり、口の中で膨らむのではなくスキットしたイメージのお酒でした。

この味が10度レベルの温度の熟成で生まれるなんて、元の酒質がとてもよかったのだと思います。これは驚きです。直ぐ買ってみたいと思いました。

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最後に渡辺社長と酒向杜氏にお願いがあります。これだけ熟成の経験があるのですから、熟成技術を加味した新しいお酒造りにどんどんチャレンジしてもらいたいな。

最後にtotoさんの楽しそうな笑い顔を紹介します。とても充実したお顔をしていますね。実はtotoさんは春シリーズをもう一組持っていて、現在は自分の家で熟成させているようで、4年後にまた会をやるそうですので、楽しみにしています

そのために一つの提案があります。31の春を300ml瓶に6本分仕分けしていて、毎年味をチェックしたらどうでしょうか。面白いかも・・・・・・

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あっはっはは・・・          乾杯!お疲れ様

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岩の井の岩瀬酒造訪問

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先日千葉県の御宿にある岩瀬酒造を訪問してきました。大学の同期の友人と御宿で泊まった後大原・御宿ゴルフコースでゴルフをすることことになったので、これはチャンスとひとりで岩瀬酒造を訪問しました。杜氏の横坂さんとはデズニーランドで行われた日本酒の会でお会いして仲良くなったものですから、横坂さんを通して蔵の訪問をしました。横坂さんのことは下記のブログに紹介していますので、見てくださいhttp://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/index.html

生憎、横坂さんはその日はお出かけで、なんと社長の岩瀬能和(いわせよしかず)さんが対応していただきました。わざわざ初対面の私に時間を割いていただいて恐縮しております。

御宿の駅を降りて、線路際の道を戻るように約10分Gほど歩くと、岩瀬酒造の案内板が出てきますが、蔵があるようには見えないところでした。通りを左に曲がると下の左の写真のように遠くに蔵の煙突が見えました。見えるかな…このブロック塀を左に曲がると右の写真ように蔵の煙突がまじかに見えてきました。ここだア・・・

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ここで面白いものを見つけました。ブロック塀のところから蔵の敷地の方を見た写真ですが、右端に木製の看板があるでしょう。それを拡大してみてください

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「岩瀬酒造、海女の群像 岩瀬禎之 写真記念館 サンフランシスコ号 調査事務局」 と書いてあります。これはなんでしょうか。これに気がつかないで蔵に行ってしまったので、今になってしまうと、非常に残念なことしてしまった思いがあります

蔵をご案内していただいた岩瀬社長さんです

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ちょっと緊張気味ですが、温和で優しい感じの方でした。社長は11代目の当主で、先代の当主の岩瀬禎之さんは海女の写真を撮り続けていた写真家だったそうで、ですからその写真記念館がここにあるようです。それを見そこなったのはとても悔しいな・・・・

まず社長からお聞きしたことを元にして蔵の紹介をしたいと思います。

蔵の創業は江戸時代の中期だそうで、地元の人のための酒造りをしていたそうで、江戸には出していなかったようです。この辺りは海に近いので山からの伏流水があるわけではないけど、雨水がたまった地下水が貝殻層を通って出てくるので、硬度が12~13もあり、生酛造りには最適な水のようです。今では生酛造りはしていませんが、生酛造りに近い山廃造りが主流なので、この酒にはぴったりの水だそうです

蔵の生産高は今は500石弱とあまり大きくはありませんが、全体の仕込み量の70%くらいが山廃造りだそうです。山廃を含めて普通酒が半分ですが、普通酒でも精米度は65%と高品質なお酒を作っています。

蔵人は5人だそうですが、夏場はほとんどの人が米造りをしています。現杜氏の横坂さんもその一人です。製造したお酒は千葉県内で80%、その他が東京に流れる程度なので、東京ではあまり売られていないようです。購入したい人はメールで問い合わせた方がいいと思います。

岩の井のお酒を知るためには山廃造りと杜氏について知っておく必要がありそうです。この蔵はずっと南部杜氏が代々継いでいて、前々代の杜氏の菊地さんが50年近くやっていたそうで、このときの味が岩の井の味のベースだったのでしょう。。

Dscn23331このお写真の右の方が菊池さんだそうです。この前に座っている方わかりますか。あのソムリエの田崎さんです。田崎さんが蔵に見えた時に取った写真のようです。20年以上前ですから田崎さんが若いですよね。その時菊池はすでにお歳だったようにお見受けします。

菊池さんの後の先代の杜氏は3年しかおられなかったけど南部杜氏で腕がたつ杜氏でしたが、60才後半でしたので、3年前に今の杜氏の横坂さんに変わったそうです

横坂さんは色々な蔵で修業したので、南部杜氏ではなく、今はやりのハイブリッド型杜氏ですが、山廃造りは教えを受けた能登の濃口流のようです

山廃造りといっても杜氏によって造りは違うようで、菊池杜氏は酛摺りを手でやる(米をつぶさないので上品な酒ができるそうです)のに対して前杜氏は櫂棒でつぶし、現杜氏は濃口流の電動でつぶすやり方で、少しずつ変わってきているそうです。どの杜氏も家つき酵母だけで発酵させのではなく、酵母菌を入れるやり方をしているそうです。家つき酵母だけの山廃だと味が強くなるのでやめたそうです。だから少し大人しい感じの山廃になるのかもしれませんね。。

<蔵内見学>

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ご覧のように平屋の蔵で、明治時代から昭和にかけて造られたままの建物が利用されていました。蔵の内部もごく普通の昔ながらの設備が使われていました。 余り機械化はされていませんが、昔の設備であってもうまく使いこなしているように思えました。それではその点だけを紹介しましょう。

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ここは麹室です。左の部屋が蒸米に麹菌をかけて床揉みをする部屋で、今床の上に置いてある麹箱に入れて右の部屋で製麹をするように使っていますが、2つの部屋はビニールで仕切られるようになっています。この辺にも節約の心がわかります。麹箱はチョット大き目ですが、このくらいの大きさが使い良いようです。

珍しかったのが絞り機でした。小型の槽(ふね)のような形をしています

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でも受け部分が薄いですよね。槽で使うような袋は使わないで、左下のアルミ板を下から風呂敷で包むようにして、もろみを入れて重ねて使うそうです。槽の袋より多くもろみを入れられるようです。あまり強く絞れないので、良質な酒粕ができるそうです。その酒粕を食べてみたいな・・・・

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今では余り使われていない絞り機ですが、使いやすいので、今でも大切に使用しているそうです。右の写真は絞ったお酒を受けるところです。

速醸の酒母室と山廃の酒母湿は分けて使っています。山廃の酒母室は温度を3-5度にコントロールができる専用の部屋で行っているそうです。残念ながら見ることはできませんでした。

以上で蔵の内部の紹介は終わります。

<試飲>

最後に代表的なお酒を試飲させていただきました。

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左から 岩の井大吟醸、大吟醸萬笑、岩の井純米吟醸、未花の吐息、岩の井純米吟醸生原酒、岩の井一段仕込み、ちあうず、岩の井純米吟醸、岩の井純米酒、岩の井総舞ですが、随分沢山のお酒を試飲させていただきました。

僕が気に入ったのはこの4本です。これだけを説明しましょう

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・ 大吟醸 萬笑

 山田錦40%精米の速醸の大吟醸です。香りは抑え気味ですが、柔らかさの中できれいなふくらみのある大吟醸です。1合瓶で2500円です。

・ 未花吐息'(みかのといき) 山廃火入れ 

使われた米は普通のお米ではなくて、食べておいしいお米を目指して開発したもので、開発番号228番のお米ですが、すでに開発中止になったお米だそうです。そのお米を50%精米した山廃で7号酵母のお酒ですが、独特の旨みと、柔らかさのがあり、フラット気味だけど味のバランスの良いお酒で4合瓶で2000円だそうです。これからもう飲めない貴重なお酒です。

・ 純米吟醸 山廃無濾過生原酒

 山田錦60%精米の山廃純米吟醸酒です。口に含んだときにドンと旨みが来るのではなく、中ほどから味わいが広がってくるとてもうまいお酒でした。後味が良いおさけです。前の菊池杜氏は前に味わいが出るバランスだったようで、今の杜氏で味のバランスが変わったと説明されました。このお酒は常温で飲むと引っかかりがなくなり、とても良くなります。1升3000円とリーズナブルな価格です

・ 総の舞(ふさのまい)

 横坂杜氏が作った千葉県産の総の舞60%精米の山廃純米酒です。全体にとても奇麗なバランスで後味が良いお酒でした。とても山廃造りとは思えない作りです。

購入をお願いしたのは最初の3本です。大吟醸の萬天が在庫がなくて、代わりに社長に出していただいたのは一番左端の純米大吟醸の雄町22BYです。どんな味のお酒かな・・・・楽しみです。1升瓶はラベルは違うけど純米吟醸山廃無ろ過生原酒です。今年からデザインを変えたそうです

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社長さんには長い時間お付き合いしていただき、いただきありがとうございました。

最後にサンフランシスコ号の話を少紹介します

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江戸時代の後半に御宿沖に難破したサンフランシスコ号の乗組員を御宿の村民が救助したのですが、そのサンフランシスコ号の帆柱がこの母屋の梁に使われたそうです。このわらぶきの家が母屋の建物です。その調査事務局がこの中にあるのかも知れませんね。そこに行かなかったのが残念です。

最後にちょっと面白い写真をお見せします。

107先日のデズニーランドの日本酒の会で横坂さんとお会いした時の写真です。横坂さんがどういうわけか僕に深々とお辞儀をしています。写真がぼけているので、動きがわかるでしょう。この時の出会いが蔵見学のきっかけとなったという次第です。

横坂さんまたお会いしましょう・・・・・

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第4回やまぐち地酒維新の会に参加して

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10月4日の木曜日に椿山荘の5階オリオンで開かれましたので、参加してきました。

この会は第1回は品川プリンスホテルで立食形式で開催され、会費は5000円でした。その時の様子は下記のブログを見てください

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-dd7a.html

第2回は早稲田のリーガルホテルで、テーブル着席形式で開かれ、会費は6000円でした。このときから会の運営が大幅に変わりましたが、その違いは下記のブログを見てください。

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-a69d.html

第3回は椿山荘で行われ、人数も350人から500人となるだけでなく、テーブル着席ですが、お料理がお弁当のほかフグちり鍋やフグ刺しが出るなど、大幅の内容アップとともに会費も8000円となりましたが、僕は参加しなかったようです(記憶が定かでありません)。参加者には好評だったようで、第4回も同じ形式で行われました

それでは今年のお食事の内容を写真でお見せします。

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お弁当も豪華でしょう。なんといってもフグちりが出るのは凄いです。

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左はフグ刺しです。右はなんでしたかね。から揚げのようですが、忘れました。

さっそく出展した蔵元を紹介します。毎年参加しているのは18蔵で、いつも変わらないように思えますが、蔵の人がひとりひとりステージに上がって挨拶されましたので、紹介します

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右側から、五橋(酒井酒造)、わかむすめ(新谷酒造)、原田(はつもみぢ)、貴(永山本家酒造場)、金雀(堀江酒造)、中島屋(中島屋酒造場)、長門峡(岡崎酒造場)

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右から雁木(八百新酒造)、八千代(八千代酒造)、宝船(中村酒造)、獺祭(旭酒造)、金分銅(金分銅酒造)、毛利公(山縣本店)、山頭火(金光酒造)

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一部写真が重なっていますので、左から東洋美人(澄川酒造場)、金冠黒松(村重酒造)、山猿(永山酒造)、長陽福娘(岩崎酒造

今回は今までと違って、500石以下の小さな蔵の中で気に入った蔵だけをご紹介することにしました。

1.金雀(堀江酒造)

Dscn2368この蔵は岩国市錦町廣瀬にある300石くらいの小さな蔵ですが、岩国市といっても岩国から50kmも離れた田舎の蔵で島根県に近い街だそうです

金雀というブランドをだしており、地元ではゴールドチュンチュンと呼ばれていて、雀が多い地区だそうです。

写真の方は社長の堀江佳夫(ほりえよしお)さんです。持っていただいたのは金雀の純米吟醸の山廃と生酛の2本です。山廃が五百万石55%精米で、生酛が八反錦55%精米のお酒です。

左手の黒いラベルが山廃で、右手の薄黄色のラベルが生酛です。山廃としては信じられないほど優しい味で、生酛はもっときれいな味わいになっていました。五百万石より味の出やすい八反錦で、山廃よりずっときれいな味を出せるのはきっと腕がいいからでしょうね。

山廃は自家つき酵母だけで作っているそうで、生酛造りとの違いは教えてくれませんでしたが、微妙な違いだそうです。お米を変えたのは造りの合ったものを選んだからで、生酛は秘伝隠と書いてありますので、何かが違うのでしょうね。

純米大吟醸の飛翔もあったのですが、飲み忘れてしまいました。最近は毎年のように全国鑑評会で入賞しているので、飲んでみたかったです。でもこんな田舎に良いお酒を作っていることを皆に知ってもらいたいです

杜氏は35才と若いそうなので、今後が楽しみです。

2.宝船(中村酒造)

Dscn2366中村酒造は吉田松陰の松下村塾で有名な山口県の萩市にある生産高100石強のごく小さな蔵です

写真の方は蔵元の御曹司の中村雅一さんで、現在蔵の造りを手伝いながら、酒造りの修業をしている身だそうです。

ここのお酒を色々飲ませていただきましたが、どれもフラットな味で、飲みやすいけどメリハリが少ない味でした。特に大吟醸ではもう少し味を出してもらいたい気がしました。持っていただいたのは山田錦の純米吟醸の藤田傳三郎です。

ここのお酒は酒質としては悪くないと思うし、新酒鑑評会で入賞もしているので、もう少し訴える酒にしてもらいたかったな。雅一さんはまだ若いし、これからもっと頑張っていただき、もっと良いお酒造りを頑張ってもらいたいと思いました。頑張ってください・・・・・

3.原田(はつもみぢ)

Dscn2369はつもみぢは徳山駅の近くの周南市飯島町にある小さな蔵で、創業は古いのですが昭和になって原田酒造と改名して酒造りを続けていましたが、色々な事情で昭和60年に造りをやめてしまったそうです。その後は酒の製造を依頼して造ったお酒を販売する販売店をしていたそうです。

写真の方は社長兼杜氏の原田康宏さんです。原田さんは蔵元の方ですが、東京経済大学を卒業してニッカウイスキーに入って、酒造りに関心はなかったのですが、酒の販売をしていた社長が倒れたので、それを引き継ぐために店に戻ったそうです。

酒の販売をしているうちに、蔵を再度立ち上げることを決意して、平成17年に「はつもみぢ」という会社名でゼロからの再スタートをしたそうです。純米酒造りだけをやっている生産高100石強のごく小さな蔵です。

蔵を立ち上げるために他の蔵には修業にはいかず、醸造試験所で勉強しただけでなく、少ない人数小さな規模の仕込みで、なるべく年間を通して、安定的に酒を造りたいと考えて、建物をすべて空調できるようにして7,8月を除く10ヶ月間、酒が造れる四季醸造蔵にしたそうです。再開してから未だ7年しかたっていません。どんなお酒を作るのでしょうか。

お米はほとんど県産の山田錦で9号酵母という造りですが、どのお酒も上品な香りに優しくて柔らかいきれいな旨みのあるお酒でした。これにはどうも理由があるみたいです。それは絞りは手動の槽搾りなので、袋絞りに近い優しさがですそうです。でも余り絞れないのが欠点なので、現在改造を検討しているとのことでした。

この蔵はこれから新しいものを作ってくれるような予感がします。ぜひ頑張ってオリジナルな良いお酒を期待しています。

4.中島屋(中島屋酒造場)

Dscn2367中島屋酒造場は周南市土井にある蔵で、創業は江戸時代後期で老舗の蔵です。今の生産高は200石弱のようです。でもその割にはいろいろなお酒を作っています。伝統の造りの壽、こだわりの酒中島屋、生酛造りのカネナカです。

写真の方は社長兼杜氏の中村祐次郎さんです。壽では今年の新酒鑑評会で金賞を取ったお酒がありますが、それをこっそり飲ませていただきましたが、飲んでおいしいお酒でした。おいしいお酒は金賞にはならないといいますが、そんなことはないのですね

なんといっても特徴があるのはカネナカの生酛です。社長に持っていただいたのは生酛純米大吟醸です。いわゆる生酛らしい旨みとコクと香りのあるしっかりしたお酒でした。これはお燗にも合いそうですね

この蔵の味をしっかり飲み比べる時間はなかったけど、頑張っているないという感じです。ここの息子さんの中村信博さんは東京農大出身で、岐阜の三千櫻に修業に行っていたので、いずれ杜氏になるのでしょうから、これからどんなお酒を作るか楽しみです。

これで山口県の小さな蔵の紹介を終わりますが、楽しみな蔵が多いので将来が期待できますね・・・・・・・

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永山酒造山猿の会 ツチくる!?番外編

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この会はほぼ1か月前の10月5日の金曜日に江東区木場駅の近くの居酒屋:「寿し炉端つちや」で行われたもので、永山酒造の社長の永山純一郎さんを囲んで「山猿のお酒を飲む会」でした。もともと永山社長とは山口県酒造組合が主催する第1回やまぐち地酒維新の会で、お会いしてから顔見知りになっていたので、この会があることを聞き是非参加したいと申し込んだものです。

居酒屋:「寿し炉端つちや」は初めてでしたが、こんな店構えのお店でした。

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Dscn23951jpg_2実はこの会はサラのコトノハ本舗(このお店は店長の武内 良さん 通称サラ(沙良)さんがぐるぐる目玉のパンダ(?)をイメージしたキャラクターがついた色々な商品を販売しているお店)が企画したお酒の会です。サラのコトノハ本舗がなぜ日本酒の会をしているのかわかりませんが、それは武内さんの趣味ではないかと思います。

この絵も山猿の会にために武内さんが書いたものです。なかなか可愛いキャラクターです。よく見ると山猿の目もぐるぐる回っていますね。

武内さんとは神田の居酒屋「醇」での日本酒の会でたまたまご一緒させていただいた関係で、Facebookの友人となり、武内さんからFacebookを通じて山猿の会の紹介があったのです。武内さんと永山さんがどんなご関係かは知りませんが、大変親しくされていることは確かです。後で紹介するお酒のリストを見ても想像できます。

ではお二人を紹介しましょう

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左の方が永山酒造の社長の永山純一郎さんで、右の方が武内良さんです。武内さんのことは未だよく知らないのですが、キャラクターのイメージとチョット似ているとこをもあるけど、朴訥とした雰囲気を持った方で、ちょっとシャイな感じですが、根はとてもしっかりしている方のように思いました。

今回の会でもお酒1本、1本に写真付きの説明書を用意したり、人数分のガラス製のぐい飲みを2種類用意したり、お燗を飲める用意をするなど、酒呑みの心をしっかりつかんだ準備をされていたので、感心してしまいました。さりげなくコトノハ本舗の商品を置いてあるのですが、なんの宣伝もされないのが武内さんらしいところですね。

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永山さんはお顔の雰囲気通りとても気さくな方で、話し好きなのでついついお酒の説明が長くなってしまうことがありましたが、それもお酒に対する熱意の現れだと思いました。順一郎さんは東京農大の醸造学科を卒業されていますので、酒造りには詳しい方です

今回はご覧のように12種類のお酒を用意されましたが、そのうち5本は自分が飲むために造った酒で本数が少ないので、一般には市販されていないお酒のようです。そんなお酒を持ってくるなんて、この会にかける心意気が感じられますね。半被の後ろは男山、金銀銅と書いてあるのはどうしてでしょうか。教えてください。

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飲んだお酒を説明する前に、蔵の御紹介をします。

永山酒造は山陽小野田市厚狭(あさ)にある明治20年創業の蔵です。男山のブランドで酒造りをして、最盛期には3000石もあったそうですが、今では800石ぐらいに減ったそうです。平成14年に地元の農家と一体となって作った新しいブランドの山猿を立ち上げて、今では山猿だけで600石あるそうなので、山猿が蔵を支えるブランドになっているようです。

山猿には、北長門地域にとって猿は縁起がいいことから山口の猿という意味と、酒やお米に対する止(や)まざる努力との二つの意味があるそうです

貴のブランドで有名な永山本家酒造との関係を社長にお聞きしたところ、永山本家酒造は永山酒造の分家で本来ならこちらが本家というべき立場なのだそうですが、そのままになっているそうです。永山本家酒造は隣の駅の厚東(ことう)で、創業も永山酒造の1年あとの明治21年ですから創設の時には色々あったのかもしれませんね。永山本家酒造の永山貴博さんが貴のブランドを出したのが山猿の1年前の平成13年ですから、良い意味でのライバルなのでしょう。

でも永山本家酒造のホームページがないのはどうしてでしょうね。

それでは飲んだお酒の紹介をしましょう。飲んだ順番ではなく書きやすい順番で紹介します。

1.大吟醸山猿 中取り無ろ過生原酒

Dscn2404このお酒は小野田町の伊藤さんが栽培した山田錦40%精米のもろみを袋搾りしたものを、生のままで斗瓶に5本だけ取ったものを生のままで1年間熟成した酒で、市販していないそうです

この酒は鑑評会に出している酒と同じ造りの酒ですが、生で熟成しているところが違います。味わってみると、確かにしっかりしたとろっとした旨みがあり、厚みがあって余韻も楽しめてバランスが良いお酒です。やはり他のお酒とは次元が違う感じです。

2.大吟醸山猿 無濾過斗瓶取り

Dscn2424このお酒は1番のお酒と同じもろみで、同じように袋搾り斗瓶取りですが、1回火入れしてから瓶詰して、瓶内熟成したお酒で、市販しているお酒です。720mlで3150円のようです。

1番の酒が中取りですから、このお酒はあらばしりと責めが主体となっているのでしょうね。この蔵の大吟醸は香り系のMK酵母を使っているそうです。大吟醸以外はすべて7号酵母を使っているそうです。

お酒の味としては火入れしているので、1番のような厚みのあるお酒でなく、ややおとなしくなった大吟醸いえます。

3.純米大吟醸 山猿 無濾過原酒

Dscn2408このお酒は地元の山田錦50%精米の無ろ過原酒の純米大吟醸で、2回火入れをしているお酒です。搾りは袋搾りですが、中取り以外のところを使っているそうで、半年熟成した酒です。このお酒もデパートの試飲会のみで売られているようで、1升5250円です。

1番の酒に比べるととろみ感がなくなっていますが、山田錦の旨みがあり、すっと飲める仕上がりのお酒です。チョット熟成香を感じますが、後味に心地良いうまみを感じるところが良いですね。

4.山猿 純米大吟醸 隠し酒 無ろ過生原酒

Dscn2410このお酒は3番の純米大吟醸の無ろ過生原酒ですが、生のまま瓶詰して4度Cで1年間熟成したお酒です。4度で熟成させると熟成が早まるのを、逆に利用して作った酒ですが、瓶によって熟成が違うので、デパートの試飲会のみで販売した酒です。価格は1升4000円だそうですが手に入れるのは難しそうです。

とろっとした味で上手く熟成したお酒で、口に含んだときに後で広がってくるのが面白いですね。3番のお酒より気に入りました。これはお買い得です。

永山さん今度これが買える試飲会があれば教えてください。

5.純米吟醸 山猿 山廃ひやおろし 生詰

Dscn2396山口県で100年以上前に生まれたお米を復活させた穀良都(こくりょうみやこ)を掛米として、山田錦を麹米とした山廃純米吟醸酒です。

社長はもともと山廃があまり好きではなかったにも関わらず、杜氏の山本弥一さんの申し出で、山廃を始めたのが6年前ですが、今ではこの蔵の定番となっています。

カルシウムを含んだ仕込み水で造った山廃は、熟成に合うことから作った、1回火入れで、常温のタンクで半年熟成して、生詰めしたひやおろしです。

味はしっかりしているけど、柔らかみがあり、酸味は感じるけど癖はなく、全体的にフラットな感じのお酒でした。この酒はお勧めですが、もう売り切れていると思うから来年飲んでみてください。1升3150円です。

6.山廃仕込み 純米吟醸 山猿

Dscn24225番のお酒と同じ作りで、麹米が山田錦50%精米で40%使用、掛米が穀良都60%精米を60%使用の純米吟醸です。

5番の酒が原酒であるのに対してこのお酒は加水して、アルコール度数は15-16%としています。

飲みやすく当たり障りのない標準的なお酒でした。柔らかさと優しさがあるので、飲み続けるお酒としてはいいのではないでしょうか。価格は5番と同じ1升3150円です。

7.特別純米酒 山猿

Dscn2402このお酒は穀良都で最初に作った酒です。穀良都は前に述べたように山口県に復活したお米ですが、最初は長州浪漫という名前がついたので、反対したら最初種もみを分けてもらえなく、3年後の平成14年に初めて入手することができたそうです。

精米度は60%の特別純米で加水してアルコール度数は15-16度で、半年熟成すると味が乗ってくるお酒で、独特のうまみがあるけど、適度な酸があって切れが良いのが特徴です。

東京の東村山市の焼き鳥屋さんに気に入られてから、口コミで東京の西地区の焼き鳥やさんに急激に広まったそうです。1升2520円です。

8.山廃仕込み 特別純米 山猿

Dscn2412山廃で穀良都のお酒を作ろうという今の杜氏の寺谷進産の熱い思いで出来た65%精米の特別純米酒です。

お燗でいただきましたが、山廃独特の香りと、酸味と旨みと等が複雑な味わいを醸し出していました。温度帯で味が変化するようで、温めの45度くらいが良いそうです。

常温の方が複雑さが消えて、シンプルな普通のお酒という感じですが、お燗すると複雑な味が出てくるので面白いけど余り好みではないな。温度が高めの常温の方が好きでした。1升2835円です

9.山廃仕込み 特別純米 山廃無ろ過生原酒

Dscn24148番のお酒の搾りたてをそのまま生詰めした無ろ過生原酒です。このお酒の加水したものは「しぼりたち山廃生酒」として市販されるようですが、このお酒は市販されていないようで、社長の趣味で造ったお酒ではないかと思います。違いますか・・・

とても不思議なお酒で、1杯目と2杯目の味が違うおさけでした。最初は酸味を感じながらすうっと入るけど、2杯目は酸味はあまり感じなくなるけど、チョットピリピリ感が出て、違った味わいになります。3杯目4杯目は同じ味わいなのに、しばらく飲まないでいると元に戻ります。なんでこんなお酒になるのでしょうか・・・・・・

10.山猿純米酒中硬水仕込み

Dscn241665%精米の地元の日本晴100%純米酒です。永山酒造の仕込み水は秋吉台の近くなので、カルシウムを含んだ硬度80.7の中硬水だそうです。どのお酒も同じ仕込み水なので敢えて表現する必要はないと思うけどね。

柔らかいけど、軽い感じのお酒で、お燗、特に燗冷ましがフラット感が出て良い感じでした。価格は1升2100円です

11.山猿からくち本醸造

Dscn2418地元のの日本晴70%精米の山猿唯一の本醸造です。

日本酒度は+7と辛口のはずですが、口に含んだときには辛さは感じません。飲み終わったときに辛みを感じるけど、飲み終わった後に、また飲みたくなるようなお酒でした。

本醸造としては良いお酒だと思いますが、価格は1升1890円です。

12.山猿 純米大吟醸にごり あやくも

Dscn2428地元の山田錦50%精米の純米大吟醸原酒ににごり酒で、元のお酒は3番、4番のと同じものです。夏に冷やして飲むお酒として商品化したもので、デパートの試飲会で売られたお酒で、一般には市販されていません。720mlで2625円です。

にごりになると元の香りとか旨みがかき消されてしまうけど、ものすごく飲みやすい甘くないお酒でした。

これで試飲したすべてのお酒の紹介を終わります。とても長いブログになってしまいましたので、最後までお読みになった方にお礼申し上げます。

僕の好みは1番の大吟醸中取り、4番の純大隠し酒、5番の山廃純吟ひやおろしかな。

全体と通しては武内さんの気配りと永山社長の熱意を感じた楽しい試飲会でした。またこのような会があれば、紹介してください。

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THE JOY OF SAKE 日本酒 大吟醸編

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JOY OF SAKE は海外で最大の利き酒のイベントで12年前に発足して、毎年ホノルルとニューヨークで開催されています。一昨年JOY OF SAKEの10周年を記念して日本への里帰りとして東京で初めて開催されて、今年が3回目というわけです。

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今年も五反田のTOCビルの13階で行われましたが、毎年参加者が増え今年は800名をこえるほど盛大になって来ていていますが、受付はこの写真のようにとてもシンプルです。

出品酒は170社359銘柄で、このお酒の鑑評会は今年の7月にホノルルで行われました。日本人の審査委員5人とアメリカの審査委員5人で銘柄を隠したブラインドテストで審査され、この中から金賞と銀賞が選出されたようです。TOCの会場では出品酒のすべてが試飲できます。実際は3個すくない356銘柄でした。

入賞したお酒には金賞が金色の星マークが、銀賞は銀色の星マークが表示されていました。数えてみると金賞が約25%、銀賞は約30%の割合でした。賞の比率は明示はされていませんが、どの部門も同じような比率でしたから、きっと目標はあるのではと推察されます。

お酒は大きく4つの部門に分かれています。精米度40%以下の大吟醸A、精米度50%以下の大吟醸B、吟醸酒、純米酒の4部門でしたが、吟醸酒の中に純米吟醸があるので、純米酒と吟醸酒の分類はは精米度(60%)で分けたのかもしれませんが、明示されていません。展示されたお酒の表示を見ればわかるのかもしれませんが、今回は確認できていませんので、明確にしてもらいたいです。また50%精米のお酒は最近は大吟醸と書いていない蔵も多いようなので、その辺もどうなっているかはわかりません。大吟醸の分類の中に純米大吟醸も含まれているのに、純米酒の分類ができたのかはチョット不明です。

試飲の仕方は日本の日本酒フェアと同じスポイトによる方法ですが、吐器がないので、とても全部のお酒を飲むことはできません。ですからこの会はお祭りと考えたほうが良いような気がします。この写真が試飲をしているようすです

Dscn2781 

お酒以外に日本の有名レストラン(居酒屋もあります)の工夫を凝らしたお酒のおつまみをいただけるお店が13店出店していて、それがお祭り気分を盛りあげている気がしました

Dscn2573この会の司会進行をしたのが宮坂醸造の社長の奥さまの宮坂公美さんでした。このような晴れ舞台の司会をするのは大変なことですが、上がった様子もなく堂々とされていました

特に鏡割りの掛け声は小柄な公美さんとは思えないほど大きな声が出たのにはこちらがびっくりといった感じです。きっと色々なところで経験を積んでいるのでしょうね

どんなお酒はが賞を取ったのかは会のパンフレットにすべて載ってはいますが、写真がないのでイメージがつかめないと思ったので、金賞受賞したお酒だけ写真付きで取り上げることにしました。

でもその本数は大吟醸グループだけでも、36本もあり、吟醸酒で26本、純米酒で26本もあるので、大吟醸グループとその他に分けてご紹介しますので、参考にしてください

大吟醸A (僕のミスで梵の日本の翼と獺祭の純米大吟醸2割3分の写真を撮りそこないましたので掲載していませんことをお詫びします)

梵 夢は正夢      太平山 天功      純米大吟醸     加藤吉平商店     小玉醸造         奥の松酒造

A02_2A20_2  A15_2    

雅山流 極月  特撰大吟醸 酒中楽康 雫酒十八第伊兵衛 新藤酒造店      今西清兵衛商店      奥の松酒造

2336_239_2 

大吟醸 秘伝     大吟醸 飛天山    越前岬 大吟醸    菊勇          天山酒造          田辺酒造

404851_2    

大観 限定大吟醸  ル・プルミエ・ルージュ 大吟醸東の麓     森嶋酒造       一本火義久保本店    東の麓酒造

570509

大吟醸 金鵄正宗   出羽桜 大吟醸   燦爛大吟醸 雫酒   キンシ正宗       出羽桜酒造        外池酒造

B16B21_2B25

白鶴 袋吊大吟醸酒  白壁蔵 大吟醸   仁多米 大吟醸     白鶴酒造         白壁蔵         奥出雲酒造

B31B33_2B35_3    

阿部勘 大吟醸     聖徳 大吟醸                     阿部勘酒造       聖徳銘醸

B39B41-

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大吟醸B(精米度50%以下)

人気一純米大吟醸 純米大吟醸 山花 純米大吟醸 鳥海山   人気酒造         宮坂醸造        天寿酒造

C01C12_2C17_2     

       

雪の茅舎 大吟醸    大吟醸かたふね    さくら大吟醸       斎弥酒造        竹田酒造店        奥の松酒造

C20C27C29   

桃川 大吟醸   純米大吟醸 一路  純米大吟醸古都千年  桃川          出羽桜酒造       斎弥酒造

C31C34C36   

真野鶴 大吟醸原酒  大吟醸 越前岬    鶴齢 大吟醸      尾畑酒造         田辺酒造        青木酒造

D01D07D09   

惣誉 純米大吟醸   山廃 純米大吟醸                 惣誉酒造          吉田酒造店

E03E04このグループのベスト3ゴールド優秀賞も選ばれていますので、下記に示します

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<大吟醸A>

・ 梵・夢は正夢 加藤吉平商店

・ 純米吟醸 奥の松酒造

・ 白壁蔵 大吟醸 宝酒造

<大吟醸B>

・ さくら大吟醸 奥の松酒造

・ 桃川大吟醸 桃川株式会社

・ 人気一 ゴールド人気純米大吟醸 人気酒造

今回の試飲でちょっと気になったお酒がありました。それは外池酒造店の燦爛大吟醸しずく酒でした。たまたまその場におられた社長の外池茂樹さんとお話して写真を撮ったのでご覧ください。

Dscn2780お酒のせいか少しほんのりとしたお顔をしていますが、受賞して嬉しそうですね。

僕の好みの甘さ加減と柔らかさがぴったりのお酒でした。

インターネットを見てもホームページを持たない小さな蔵だと思いますが、こんな小さな蔵でもこんなおいしいお酒ができるのですね。

たぶん720mlで3150円だと思います。

これで大吟醸の部を終わります。このブログがお酒を買う時の参考になればうれしいです。

このブログは一部のソフトでは改行が正しく表示されないようなので、windowsのソフトでご覧ください。

      

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THE JOY OF SAKE 日本酒 吟醸・純米編

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では次に吟醸・純米編をご覧ください。普段飲むお酒は価格から考えて、純米吟醸や吟醸や純米酒が多いと思うので、この部門でどんなお酒が賞を取ったのかは気になりますよね。1部ではベスト3の優秀賞は後で紹介しましたが、ここでは先に紹介しましょう

吟醸の部

・ 出羽桜 純米吟醸 雄町 出羽桜酒造

・ 純米吟醸 杉玉 桃川酒造

・ 作 恵乃智 清水醸造

純米の部

・ 雪の茅舎 山廃純米 斎弥酒造店

・ 出羽桜 純米酒 出羽の里 出羽桜酒造

・ 裏雅山流 楓華 新藤酒造店

<吟醸の部>

作 恵乃智      白真弓 純米吟醸   五橋 吟醸原酒      清水醸造        蒲酒造場        酒井酒造

F02_3F03_2F13_2   

東一山田錦純米吟醸 肥前蔵心純米吟醸   純米吟醸雄町    五町田酒造       矢野酒造        出羽桜酒造                     

F15F17F19   

鍋島雄町純米吟醸  七田 純米吟醸   町田酒造純米吟醸     富久千代酒造     天山酒造        町田酒造店            

F22_2F29_2F41_3   

春鹿 純米吟醸     善き哉       作 雅乃智 中取り    今西清兵衛商店     名倉山酒造       清水醸造

F46F47_2F53_3   

六十餘洲純米吟醸  純米吟醸 杉玉  純米吟醸出羽燦々    今里酒造         桃川酒造      出羽桜酒造         

F54F55F59_2    

桜花吟醸 山田錦   あだたら吟醸    吟醸蓬莱伝統辛口     出羽桜酒造        奥の松酒造     渡辺酒造店

F60F68_2F69_3    

桜花 吟醸酒     聖徳 吟醸酒   真澄吟醸家伝手造り     出羽桜酒造        聖徳銘醸      宮坂醸造

G04G10_2G11_3     

雪の茅舎 秘伝山廃                                 斎弥酒造

H02-

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純米の部

前 全量雄町純米酒   地酒 天山     純米酒日下無双      古伊万里酒造      天山酒造        村重酒造

K02K03K05   

七田 純米       梵・特醸      白嶺特別純米 香田    天山酒造        加藤吉平商店     ハクレイ酒造

K15K17_2K19_4       

  

五段仕込み純米    辛口純米 神蔵    六十餘洲          六歌仙          松井酒造       今里酒造          

K21L01_2L06_2   

鍋島 特別純米   蒼天伝 特別純米酒 南部美人特別純米   富久千代酒造     男山本店        南部美人

L10L18L19

東洋美人特別純米   純米酒奈良萬     特別純米         澄川酒造場       夢心酒造        奥の松酒造

L27L30L32_2     

裏雅山流・楓華  みやさか やわらか純米 純米酒出羽の里  新藤酒造店       宮坂醸造        出羽桜酒造

L37M02M10   

 

越後純米      五橋木桶造り生酛純米 生酛純米香住鶴  吉乃川        酒井酒造       香住鶴

M11_3N02N03      

雪の茅舎山廃純米 惣誉生酛特別純米 山廃純米酒 手取川   斎弥酒造店       惣誉酒造        吉田酒造店

N07N08_2N09_3    

 

杉錦 生酛特別純米                               杉井酒造

N13吟醸・純米酒の部で金賞を2銘柄以上取っている蔵を見てみますと以下のようでした。

 出羽桜酒造 5銘柄

・ 天山酒造  3銘柄

・ 斎弥酒造店、 奥の松酒造、宮坂銘醸、富久千代酒造、今里酒造 2銘柄

出羽桜が強いな。天山は頑張っているな。でも良い蔵が賞を取っている感じですね。

最後に会の運営に一言。毎年やり方は良くなっていると思うけど、パンフレットを見ないと自分の飲みたいお酒が探せないし、パンフレット上で探す場合でもばらばらに並んでいるので見つけにくいので、県別とか名前順とか別の並べ方をしてもらいたいな。きっとアメリカから来た順番なので、新たに並べるのは大変でしょうが、飲み手の気持ちになって、考えてもらいたいと思いました。

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WE LOVE SAKE 2012 in 花園会館 その1

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もうずっと前のイベントですが、We Love Sakeの秋の例会が10月13日の土曜日に京都の花園会館で開かれましたこの会は京都在住の石踊さんが企画しているもので、毎年色々な蔵元をお呼びして、蔵元と一緒に日本酒を飲むというものです。毎年嗜好が変わるので、楽しみにしてここ3年連続して参加しています。今年も友人のUさんや亮さんと参加して、楽しく試飲することができました。中身が濃いので紹介記事を書くのは大変ですが、これをしておかないとせっかくの貴重な体験が忘却の彼方に消えて行ってしまうので、自分の備忘録として重い腰をあげました。そのため今年は2部作に分けてじっくり書くことにしました。

今年は下記に示した九州の9蔵が参加しました。京都で九州の蔵が集まるなんて、とても珍しい企画です.。なかなかひとりの力で出来るものではありません。石踊さんが中心になって大勢の方がサポートしているので出来るのでしょうね。詳しいことはわかりませんが・・・・・

・ 千代の園酒造 熊本県山鹿市

・ 天吹酒造 佐賀県みやき町

・ 古伊万里酒造 佐賀県伊万里市

・ 窓の梅酒造 佐賀県佐賀市

・ 万齡 小松酒造 佐賀県唐津市

・ 七田 天山酒造 佐賀県小城市

・ 能古見 馬場酒造 佐賀県鹿島市

・ 若竹酒造 福岡県久留米市

・ 独楽蔵 ㈱杜の蔵 福岡県久留米市

昨年は山形の8蔵(あら玉 栄光冨士 くどき上手 上喜元   楯の川 東北泉  山吹極  米鶴)で、一昨年は近江の6蔵(七本槍 不老泉 萩の露 波の音 大治郎 一博)でした。

毎年参加していますが、去年は何か力尽きて会の様子を紹介するブログを書くのをやめてしまいましたが、一昨年の近江の6蔵については書いていますので、興味のある方はご覧くださいhttp://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/welovesake-2010.html

最近は過去3年とも妙心寺の花園会館で行われました。2階の広いお座敷を借りきっての試飲会で、10人が座れるテーブルが8列あるので、総勢80名で満席でしたが、お座敷が広いので、ゆったり楽しめました。その様子を下に示します。

Dscn2473

まず最初に石踊さんから蔵元の紹介がありましたので、ご紹介します

Photo

右の方から千代の園酒造の本田雅晴さん、天吹酒造の木下大輔さん、古伊万里酒造の前田悟さん、窓の梅酒造の古賀さん

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右の方から小松酒造の小松大祐さん、天山酒造の七田謙介、若竹屋の横尾正敏杜氏、杜の蔵の森永和弘さん

それでは写真の順番に蔵元とお酒を紹介します。

<千代の園酒造>

Dscn2487この方が千代の園酒造 本田雅晴社長です。もともと米問屋をしていた初代の本田さんが酒造りを始めてから第4代目の蔵元になります。

この蔵は熊本県の山鹿市にあり、ここは昔から菊池川流域沿いの米の集散地として栄えた町で、いまでも酒蔵や味噌蔵や米蔵などが並んでいるそうです

本田さんは蔵元としては珍しく慶応義塾大学の出身で、蔵に戻ってから、コルク栓を用いた大吟醸の製造販売とか地域と密着した酒造りなど色々と新しい試みをしておられます。

その一つが泰斗でしょう。熊本県内14店舗の酒販店が『地元の熊本でも他県に負けない旨い日本酒を作り、その酒を売りたい』との想いを受けて、生産販売したPB商品が泰斗(たいと)だそうです。

さっそく飲んだお酒を紹介します

Photo_3・ 純米吟醸 泰斗 山田錦55% 熊本酵母(KA-4) 

・ 純米吟醸 産山村五百万石55% 熊本酵母(KA-1)

両方とも熊本酵母を使っていますが、熊本酵母には味のでるKA-1と香りのでるKA-4があるそうです。

泰斗はKA-4で、シャープでスキットした味でしたが、意外と香りは抑え気味でした。

五百万石の酒は旨みがはっきり出ていて、飲むと口のお後の方に広がるタイプのお酒でした。きっと酵母の差ではないかな。

産山(うぶやま)村のお米は鯉農法を使っているそうで、鴨農法より自然に優しい農法とのことでした。最初に小さな鯉を田圃に放流して、大きくなった秋には川に戻すか、食べてしまうそうです。面白い農法があるものですね。

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左のお酒から

・ 吟醸 熊本神力米55%精米 熊本酵

神力米は兵庫県で生まれたお米で、明治時代には飯米として西日本で広く栽培されていたお米ですが、大正時代にお米の評価が容量制から重量制に変わり、より重い実がつく朝日にとってかわり、戦後はまったく栽培されなくなってしまったそうです。熊本でも昔は神力米のお酒を作った記録はあるので、本田さんはこのコメの復活を考えたそうですが、種もみが手に入らず、平成5年にやっと筑波の研究所から少し手に入れることができて、平成6年から地元の農家と協力して試験栽培に入り、初めて無農薬栽培の神力米ができるようになったそうです。神力米の復活は兵庫の龍力でも行っていますが、熊本では独自に行われているもので、正確には全く同じお米とは言えないでしょうね。

神力の吟醸は口に含みと後から膨らみを感じるが、後味もきれいで、神力でこれくらい旨い酒ができれば、立派だとおもいました。

・ 純米酒 朱盃 麹米神力65%精米、掛米レイホウ65%精米 熊本酵母

上槽後の祝いの席で蔵人が朱色の大盃でまわし飲みをしたことからその純米酒を「朱盃」と名付けたそうです。このお酒は神力とレイホウで造ったので、吟醸と少しバランスは似ているけど、レイホウが入っている分だけきれいさがでて、パワーが薄くなってういる感じでした

・ 純米酒 亀の尾泰斗 地元産の亀の尾65%精米

亀の尾はもともと山形県が発祥の地のお米ですが、その後寒冷に強いお米として東の亀の尾、西の朝日と言われた時代もありましたが、害虫に弱いとか化学肥料を使うと割れやすくなるなどの欠点があり、次第に栽培されなくなり、昭和40年代にはほとんどなくなったようです

その後新潟の久須美酒造や山形県の鯉川酒造が亀の尾の復活をさせたのは有名な話です。しかし不思議なことに、これらのお米は国は亀の尾としては認定していません。大潟村の鈴木秀則さんが17年もの長い間、申請続けた結果やっと認定されたのが「亀の尾4号」だそうです。

本田さんはこの鈴木さんの亀の尾の種を譲り受けて、地元で栽培したのですが、さすがにその栽培は難しく、高温障害のためほとんど実がつかない状態が続いたそうです。それを克服してやっと取れるようになったとのことでした

亀の尾らしい酸味を感じながら、ゆったりと旨みを感じるお酒でした。チョット物足りない感じもしたので、お燗したい酒でしたね

<天吹酒造>

Dscn2500この方が天吹酒造の杜氏で製造部長の木下大輔さんです。東京農大の醸造学科を卒業していますが、この蔵は社長の木下武文さんも常務の木下荘太郎さんも東京農大醸造学科卒業している農大一家なのです。

ですから花酵母の酒造りは昔からやっていて、経験豊富なのですが、今回は花酵母のお酒を6本も持ってきていただけました。

大輔さんに色々お聞きしましたので、それを基に飲んだお酒を紹介しましょう。

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左から

・ 天吹純米吟醸 いちご酵母 生 雄町 55%精米

イチゴの味はしないけど、甘いきれいな香りがして、生独特の味わいを強く感じるお酒でした。女性向きかな。酸度が1.9もあるけど感じないのはどうしてかな

・ 天吹純米吟醸 ひまわり酵母 生 酒こまち 55%精米

香りはあまり強くないけど、きれいに広がるのが良いです。後味に切れがあってすうっと消えていくバランスだけど、余り生の味を感じない。これは日本酒度を+10くらいの辛口にしたためだと思われます。でも余り辛さは感じません。

・ 天吹山廃純米 マリーゴールド酵母 雄町65%精

酸味を感じるけど、香りは少なく、きれいなうまみを感じる天吹らしくないお酒かもしれません。大輔さんとしてはお燗で食べながら飲むお酒として、1年熟成したやさしいけどヒネていない山廃の味わいを求めたそうです

・ 天吹超辛口 特別純米 ベコニア酵母 山田錦 60%精米

日本酒度は12~13あるそうですが、全く辛みを感じません。でも花酵母らしい甘みの香りを感じるけど、後味に辛みを感じる飲み飽きしないお酒でした。麹も造りも旨みを載せる造りをして、辛さを抑えたそうです。この酒の生熟成のお酒があるそうですが、もっと旨みを感じで辛みを全く感じない美味しいお酒だそうでせ。飲んでみたいですね・・・・・

Photo

左から

・ 天吹生酛純米大吟醸 シャクナゲ酵母 雄町 40%精米

生酛の酒は木下さんが初めて取り組んだ造りで、シャクナゲ酵母をあえて使ったそうです。シャクナゲ酵母は昔流行った酢酸イソアミル系の香りを出す酵母のようです。飲んでみたら全く異次元の味で、ワインのような果実酒、僕には梅酒のような香りが後から膨らんでくるお酒でした。大輔さんのお話ではどうしてそうなったかはわからないそうで、来年はまた違った味わいのお酒になるのではといっていました。ですから、この味わいを感じれるのはこれが最後かもしれませんよ・・・・・・・

・ 天吹 裏大吟醸 アベリア酵母 愛山 40%精米

天吹酒造では鑑評会用としては山田錦と愛山を使っていますが、山田錦が表とすると、愛山は裏になるわけです。愛山とアベリア酵母の組み合わせは相性がよく、3回も金賞を取っている酒です。特に去年は春の金賞のほか秋の福岡国税局主催の鑑評会で、吟醸の部の第一位である大賞を受賞し、2冠を取っています。甘い香りときれいな中にコクのあるあじわいで、後味の切れもある完成度の高いお酒でした。飲んでみてください

最後に大輔さんから貴重なお話を聞きました。最近一部のタンク貯蔵をやめて何万本も入る大型の冷蔵庫に変えたそうですが、それはお酒を作ってから出荷するまでの保存で味が大幅に変わるので、高い品質を保持するためには絶対必要なことだそうです。いくら美味しいお酒を作っても保存状態で味が悪くなるそうです。また生酒と火入れでは当然管理温度が違うでしょうし、お店に届くころに一番おいしい状態にするのが理想だそうです。そうなるとお店の管理も大切ですね。

とりあえずここで第1部を終わりにし、第2部で他の蔵を紹介します。

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WE LOVE SAKE 2012 in 花園会館 その2

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それではWE LOVE SAKE 2012 のその2をご紹介します。今回は天吹酒造と千代の園酒造以外の6蔵のお酒の御紹介をします。順番はその1の写真の順番で行きましょうか。

<古伊万里酒造> 佐賀県伊万里市

Dscn2498この方は古伊万里酒造の専務取締役の前田悟さんです。古伊万里酒造は伊万里港の近くにある蔵でもともと呉服屋を営んでいましたが、約100年前に酒造に転身したそうです。伊万里港は有田焼を出荷する港として栄え、その名前から焼物を古伊万里と呼んでいたそうで、その名前を取った蔵なのです。

現在古伊万里酒造の代表者は蔵元のお嬢様の前田くみ子さんです。くみ子さんは酒造りとは関係のない上智大学経済学部出身ですが、自ら進んで蔵を継ぐ決意をしてこの世界に入ったそうです。その後勉強されて、佐賀県では唯一の女性杜氏になっています。悟さんは5年前にくみ子さんと結婚して養子となったそうですが、もともと旅行代理店の仕事をしていたので、現在はもっぱら営業を担当しているそうです。

今回飲んだお酒は下記の3本です。「前」(さき)という銘柄は5年前に特定名称酒だけの特約店専用のブランドとして出したものです

Photo・ 左の酒 古伊万里「前」純米 雄町65%精米のひやおろし

雄町は広がりが柔らかく、きれいさがあってなかなかバランスの良いお酒でした。これは好きだな・・・

・ 古伊万里「前」純米酒 麹米山田錦60%精米、掛米佐賀の華60%精米

この純米酒は酸味があって、さっと切れるお酒で、酔った後にだらだらと飲むお酒として狙った造りだそうです。

S_2・ 古伊万里「前」 垂直落下式 純米吟醸無ろ過生原酒 山田錦50%精米。

地元の山田錦と1801系酵母+自社の酵母で造ったお酒で、口に含むと、とろみ感がある旨みがゆっくりと奥に広がっていく美味しいお酒でした。これには生と火入れがあるそうですが、生は500円高かく、4合瓶で3500円だそうです。ちょっと高いけど飲む価値はあると思います。

このお酒は雫どり以外に、特別な造りをしているわけではないけど、造る前にどんなお酒にするかをきちっと設計することが、この味を出したのではとおっしゃっていました。僕はそれだけではないと思えるのですが、今度はくみ子さんに聞いてみたいな。ごめんなさい・・・・・

<窓の梅酒造> 佐賀県佐賀市

Dscn2499この方は窓の梅酒造の社長の古賀醸冶さんの長男の酵冶さんです。この蔵は江戸時代の元禄元年創業で、300年に及ぶ佐賀市にある老舗の蔵です。

現在の社長は12代目の蔵元ですが、11代目は古賀醸一郎という名前だったそうで、お二人ともお酒の造りまつわる名前がついているのですね。酵冶さんもそれを引き継いでいるわけですから、将来社長は間違いないですね。東京農大の醸造学部を卒業し、現在は営業を担当しているとのことでした

Photo_3・ 右側の酒 窓の梅  濃辛本醸造

このお酒は酵冶さんが自分で初めて造ったお酒だそうです。杜氏ではないけど、自分の好きなように造ってよいとのお許しが出たので、自分の好みで造った酒という意味だそうです。

佐賀県には辛口の酒は色々あるけど、どうせなら佐賀県で一番辛口の酒を作ろうと思って、日本酒度は+15にしたのですが、辛口でも味のあるお酒にしたかったそうです

確かに辛口だけど味があるのでそんなには辛く感じませんでした。口に含んだときに旨みは感じるけど、もうちょっと膨らみがほしい気がしたので、どうして本醸造にしたのか聞いたら、初めてだから堅いところを狙ったみたいです。来年は純米酒でチャレンジするとのこと。期待して待っていますよ。・・・・・

特別純米の方は味の記録が残っていませんでしたので、省略。

Photo_5・ 大吟醸 香梅 山田錦35%精米

非常に華やかな香りのする大吟醸で酵冶さんのお話では9号酵母系の中では香りの高いF-7を使っているそうです。

窓の梅の名前の由来を聞くと、昔々に酒造りをしている桶の中に梅の花が大量に入り込み困っていたら、そこから華やかな香りがしてきて、飲んでみたらとても良いお酒になたっと言う伝説があるようで、その由来を敷き継いでいるお酒かもしれませんね。

<万齡 小松酒造> 佐賀県唐津市

Dscn2497この方は小松酒造の社長の小松大祐さんです。小松酒造は唐津市にある江戸時代からの老舗の蔵でしたが、時代の流れに勝てず平成2年に廃業になったそうです

大祐さんは慶応大学を卒業後、証券会社のセールスマンだったそうですが、証券マンは歯車の一つにすぎないと感じて、平成7年に帰郷し、休業していた酒蔵を復活することにしたそうです。もう一度酒造りを再開するため国税庁醸造研究所で研修後、島根県の酒造会社に蔵人として修業し、平成10年の31歳の時に杜氏として8年ぶりに休蔵していた蔵を復活させたのです。凄いことですね。

今の生産高は200石と小さく、装置も昔ながらの木製の器具が良いので、従業員は重労働の毎日で、体調不良の人が出るほど過酷だったそうです。それを少しでも楽にしようと新たに薮田の搾り機を導入したそうです。

Photo_6・ 黄色ラベル 万齡 山田錦+美山錦50%の純米吟醸

定番のお酒だと言うことでいただいたのですが、なんか変な香りがするので、聞いたところ、薮田のフィルターの香りが取れないとのことでした

小松さんはこの香りに気がついて大量の水洗浄を繰り返し、ほぼ大丈夫というところまで努力したそうですが、敏感な人にはまだ感じてしまうでそうです。アルコールで何回も洗浄しないとだめなのかもしれませんね。

・ 白いラベル 西海68%精米の純米ひやおろし

西海は佐賀県の酒造好適米です。この酒は後の方で搾ったお酒なのでほとんど変な香りはなかったです

Photo_8・ 万齡 大吟醸 無ろ過生原酒 山田錦38%精米

この大吟醸は23BY新酒鑑評会の入賞酒ですから、きれい味のお酒でした。変な香りはまったくありません

小松さんが良かれとして行った新品の搾り機がこんな悪さをするなんて、運が悪いですね。でも小松さんのようにゼロから再出発した小さな蔵は応援したいものです。皆さんもよろしく・・・・

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<七田 天山酒造> 佐賀県小城市

_edited1この方は天山酒造の社長の七田謙介さんです。天山酒造は佐賀県の中央に位置する小城市にある蔵で、昔は水車小屋で製粉業をしていたそうです。酒米を製粉することをやっていたことから、明治時代に入って酒造業を始めて、今の社長は6代目に当たるそうです。

小城市は小京都といわれ栄えた場所で蔵の前を流れる川も祇園川と名付けられています。この川は源氏ボタルの発祥の地で今でも蛍が見れる名所となっているそうです。是非行ってみたいものですね・・・・・・

天山酒造の酒は毎年全国新酒鑑評会では金賞を取るほど技術力のある蔵だと思います

Photo今回は3種類のお酒が出されました。 写真がぼけているのでわかりにくいでごめんなさい

・ 橙のラベル 七田 山田錦75%精米の純米酒

この純米酒はお米を磨かなくて米の味を引き出し、味の濃い料理に合わせる目的で造ったそうです。飲んでみるとかなり酸味が強く、酸で旨みが抑えられた感じでした。でもお料理には合わせられそうです。2年熟のお酒です。

・ 黒い瓶 七田 雄町50%精米の純米吟醸

雄町の純米吟醸は口に含むと旨みがふわーっと膨らみ余韻のきれいなお酒でした。バランスの取れたお酒と言えます。

S・ 愛山34%精米、熊本酵母使用の大吟醸

この蔵の杜氏は後藤さんですが、彼が熊本酵母を極めたいということで、クラシカルな造りに挑戦して造った酒だそうです

この蔵は基本的には佐賀県産のお米を使っていて、山田錦も地元で栽培する研究を続けていますが、愛山は他県から購入しているのでしょうね。

これは旨い。単に奇麗な酒ではなく、酸味もあり旨みの程よく最高級の晩酌酒としてお勧めの酒だそうです。価格を調べたら1升8400円ですので、こんな高いお酒を晩酌できる人はいるのかな・・・・・

<若竹酒造場> 福岡県久留米市

Dscn2494この方は若竹酒造場の杜氏の横尾正敏さんです。若竹酒造場蔵は福岡県の久留米市の田主丸にある老舗の蔵で、なんと創業300年以上の歴史があるそうです。

横尾さんは東京農大の醸造学部を卒業して、すぐにこの蔵に入社し、酒造りの勉強をして18年前に杜氏となって活躍しています

社長から横尾さんの造りたいお酒を造って良いよ!と言われて造った酒が横尾の酒で、この地方の風景のラベルが付いていますので直ぐ判ります。持っていただいてる酒がそれです。毎年お米や麹を変えて造っているそうです。

Photo_2・ 神力2011 神力米68%精米の純米酒

熊本産の神力米と秋田の酵母を使った純米酒で横尾の酒です。口に含んだときに甘めの独特の香りがします。フラットな感じで広がりあまり辛みも感じません

・ 座 ひやおろし 夢一献68%精米の純米

福岡産の夢一献を使った純米酒ですが、柑橘系の香りがあり神力と同じようなバランスの酒で、じっくりと膨らんでくるようです。座というのは座って飲むお酒というイメージのようです

Photo_3・ 吟醸 深 山田錦50%精米

福岡産の山田錦を使った吟醸酒でラベルは書道家に書いてもらった深という字の一部が書かれているようです。僕には深とは読めませんね。口に含むと直ぐ旨みが広がりゆっくり消えていくタイプのお酒でした。

・ 辛口五百万石68%精米 純米酒

この酒も横尾の酒です。優しい味わいでチョットシャープな味わいです。いかにも五百万石の酒といえるものですね

<独楽蔵 ㈱杜の蔵> 福岡県久留米市

Dscn2495この方は杜の蔵酒造の社長の森永一弘さんです。この蔵は久留米市の三潴駅の近くにある蔵です。創業は明治30年ですからそんなに古い蔵ではないけど、筑後平野の豊かな実りと澄んだ水に恵まれ、純米酒と本格焼酎を醸す酒です。従業員も30名もいるようなので比較的大きな蔵と思われます。

この蔵は杜の蔵と独楽蔵の2つの銘柄を出していますが、杜の蔵は主に新酒、独楽蔵は熟成酒だそうです。新酒は全生産量の約2割でその他は全部年単位で熟成しているそうです。

その熟成温度はお酒によって変えていて、15度、5度、3~5度の3種類があるそうです。(もしかすると生酒は氷温かもしれません)15度というのが室温ではなくて、15度に制御した冷蔵庫のようです。これは凄いですよね。今まで聞いたことがなかったよ・・・・・

今回持ってきていただいたのは独楽蔵シリーズです。この名前は博多独楽(こま)の名前からつけたそうです。独楽蔵は現代の食事に合わせることを考えて造った食中酒ですが、ここまで食事の合わせを考えているのは素晴らしいことですね。

Photo・ 独楽蔵 特別純米 山田錦60%精米

地元の山田錦の純米酒で15℃で寝かせたお酒です。寝かせた年数は聞きませんでしたが、たぶん3年ではないかと思います。

熟成香はまったくしないけど、余り酸は感じず、柔らかい膨らみがあって、全体的にはシャープな切れを感じます。お燗もいいですね。15度で寝かせてもこん味を出せるのは驚きです。

・ 独楽蔵 特別純米ひやおろし 夢一献60%精米 

地元の夢一献を使ったお酒を一年半5度で熟成したひやおろしです。最初のふくらみはそれほど大きくはないけど、後味にきれいな余韻が長く残るのは良いね。この酒はもう蔵にはないそうです。どこかお店で見つけるしかないそうです。

Photo_2・ 独楽蔵 豊熟純米大吟醸 2008 山田錦40%精米

3℃から5℃で3年半寝かせた大吟醸ですが、特別純米とは格の違う味わいなのは直ぐ判るけど、香りもあり柔らく仕上がっていますが、もっと寝かせるとキメが詰まってきて、とろみ感が出てくるそうです。そう言う意味ではまだ若いかもしれないとのことでした。

森永さんとお話してわかったのは、きちっと管理した冷蔵室で熟成させれば、とても良い食中酒ができるということでしたが、我が家の3℃の冷蔵庫だと生酒は1年が限度のような気がします。火入れの場合は熟成が楽しみですね。

<能古見 馬場酒造> 佐賀県鹿島市

蔵元の方が来れませんでしたので、写真だけの紹介とします

Photo・ 能古見 純米吟醸 山田錦 精米50% 酵母1801+熊本9号酵母

甘みのある香りがあってとろみ感がじましありました。そして香りがゆっくり口の中で広がるようなお酒でした。

・ 能古見 特別純米 佐賀の華 酵母熊本9号酵母

以上でWE LOVE SAKE の会の紹介を終わります。

石踊さんやそれをお手伝いした皆様に感謝いたします。またレポートが遅れたことをお詫びします。

また来年もよろしくお願いいたします。

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日本料理と日本酒を楽しむ会 越の華酒造

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11月17日の土曜日に渋谷のエクセルホテル東急の25階にある日本料理「旬彩」で、新潟の越の華酒造の蔵元をお呼びして、日本料理と日本酒を楽しむ会が開かれました。この情報は日本酒カレンダーさんのホームページからつかんだものです

このような会は色々なところで開催されていますが、募集人数が20名と少なかったこと、日本料理をいただいて、日本酒が飲めて参加費が8000円と比較的リーズナブルなこと、越の華酒造のお酒を飲みたかったことから、参加することを決めたのです。

エクセル東急は渋谷の井の頭線のあるビルなので直ぐ判ると思って行ったら、エクセル東急の看板はなくマークシティと書いてあるだけなので、迷ってしまいましたが、旬彩のフロアに直接行くエレベーターがあるのを見つけ無事到着しました。シンプルだけどいかにも高級そうなお店でした。

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このお店は展望が開けて、新宿の副都心のビルや神宮の森が見えるお店らしいのですが、生憎その日は天気が悪くだめでしたが、部屋の一角がガラス扉で仕切られて、約20名くらいの会食ができる部屋が用意されていました。仕切られているのが良いですね。

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店長にお聞きしたところ、このような日本酒の会の開催は初めてとのことで、越の華酒造さんはこの店に入っている酒屋さんからの紹介だったようで、(東急デパートに納入している酒屋さんと思われます)第1回目ということでした。それだけに未だ慣れない感じがありましたが、またそれが新鮮な感じを生み出し、結構良かったですよ。

お料理は後半でまとめてご紹介しますので、まずは越の華酒造さんと飲んだお酒をご紹介します

<越の華酒造>

Dscn2850_2この方が越の華酒造の代表取締役社長の小野寺聡さんです。越の華酒造は新潟市の信濃川の河口近くの沼垂(ぬったり)と呼ぶ地にあります。昔は味噌、醤油、酒などの発酵食品の街で栄えたところですが、いまでは酒の陣が行われる朱鷺メッセのすぐそばにある蔵です。

創業は明治3年からの蔵で伝統ある醸造造りを伝承しており、「滴滴在心・酒に心あり」を社是として心をこめた酒造りをしているそうです。

蔵の生産高は800石ですから、大きな蔵ではありませんが、毎年のように全国新酒鑑評会で金賞や関東信越国税局の酒類鑑評会でも金賞をとっている実力派の蔵と言えます。

今日はこの蔵の定番のお酒を6種類用意されましたので、順番にご紹介します。

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1.大吟醸 越しの華 超特撰

Dscn2853このお酒は鑑評会出品酒で兵庫県産の山田錦40%精米の大吟醸で、ワイングラスで美味しい日本酒アワード2012の大吟醸部門で金賞を取ったそうです。酵母は9号系だそうです。

確かにしっかりした旨みが上あごに広がり、きれいな余韻が楽しめるお酒ですが、香りに一番特徴があるような気がしました。バナナとかリンゴのような柑橘系の香りといった方がいいかもしれません。確かにワイングラスに合うお酒です。

このお酒は常温にすると、味はしっかりしてきますが、柔らかみが出てソフトになってきます。温度の低い時の味を初々しいとすると、大人になった感じですね。常温で飲むことをお勧めします。

4合瓶で税込5097円です。

2.純米吟醸 越の華 酒の心あり

Dscn2854山田錦55%精米の純米吟醸酒ですが、この会社の社是が名前についているのですから、この蔵の定番のお酒と言えます。酵母は1801系です。

口に含むと米の旨みのふくらみと柔らかさを感じながら、1番の大吟醸とは違って、口の奥の方に広がっていきます。香りは1番とは大分違い、ほのかな香りといった方が良いかな。最後に切れと辛みも感じるので、お燗にもあう辛口系のお酒ですね。

4合瓶で税込1575円です。

3.純米吟醸 越乃幻の酒

Dscn285555%精米の亀の尾を掛米、山田錦を麹米とした純米吟醸の幻の酒です。なぜ幻というかというと、亀の尾を使っているからだそうです。この亀の尾は山形県産のもののようです。酵母は2番の酒と同じだそうです。

口に含むとすうっと入っていくお酒で、くせのないきれいな香りとほのかな甘みがマッチした品のあるバランスのお酒でした。口に含んだときの最初の旨みの味は2のお酒と共通していますが、全体のバランスはまったく違います。チョット辛みがありますが、すうと消えていく切れ方も良いですね。僕の好みの酒だね。

温度が上がっていくと、このすっきりさが消えて、2番のお酒に近づいてくるので、この酒は冷で飲みたいね。

4合瓶で税込2100円です。

4.純米大吟醸 微笑楽

Dscn285645%まで磨いた亀の尾を100%使った純米大吟醸で、特殊な酵母を使ってお燗でも冷でも楽しめるお酒にした微笑楽だそうです。

まず冷でいただきました。亀の尾の酒は一般的にはシャープな感じが多い中、この酒は甘みを感じるけど柔らかくバランスが良いお酒でした。酸味はほとんど感じませんでした

41℃のお燗をいただきましたが、酸味はチョット出てくるけど、透明感が出てすうっと口に入ってきてからしっかりした旨みを感じるお酒に変化しました。美味しいです

4合瓶税込3500円です。ちょっと高いけど、仕方がないですかね。

5.純米吟醸 生 越の華 無量寿

Dscn2857山田錦と亀の尾の特性を持つといわれる青森県産の華吹雪55%精米の純米吟醸の無量寿です。今回の酒の中では唯一の生酒でした。この酒はワイングラスで美味しい日本酒アワード2012の純米吟醸部門で金賞を取ったそうです。

口に含んだときに心地良い甘みが長くとどまり、弱い酸味を感じながらゆったりと消えていく、ワインのようなバランスの味に感じました。香りよりはこの味のバランスが特徴のように思えました。

価格は4合瓶で税込1428円でリーズナブルです。他のお酒もこのようは価格バランスで出してもらいたいな。

6.純米原酒 カワセミの旅

720この蔵で一番特徴的なお酒がこのお酒でしょうね。撮った写真がピンボケでしたので、インターネットから拝借しました。

お米も造りも秘密のようですが、少量でも満足できる酒を目指して造った酒で、日本酒度が-30、酸度が2.5もある酒です。原酒でありながらアルコール度は14度と低く抑えているところがミソかもしれません

確かに甘い酒ですが、酸があるのでそんなに甘くん感じません。飲んだ後にデザートを食べてその後また飲むと良いそうで、最初に飲んだときは甘かったお酒が食べ終わって飲むと辛みを感じるそうです

フランスのショコラティエのジャンポール・エヴァンス氏がチョコレートの味を引き出させてくれる酒として紹介して有名になったそうです。

チョコレートに合わせて飲んでみましたが、チョコレートが非常に甘いので、酒の甘さは余り感じなくなるので、旨くバランスするのでしょう。一度は試してみる価値があると思います。

価格は4合瓶で税込2625円とやはり高めですが、フランスでは6000円くらいで売っているそうです。

どうしてカワセミの旅なのですかと聞いたのですが、カワセミは水のきれいな所にいる鳥で蔵のきれいな水のイメージと重ね合わせたからという説明でした。カラスミがフランスに渡って帰ってきたから旅という説明でした。

これで飲んだ日本酒の説明は終わりますが、この蔵はコンセプトがしっかりしたお酒造りをしている印象を受けました。

小野寺さん 今年の酒の陣の前の日に友人と蔵を訪問したいと思っていますので、よろしくお願いいたします。この会で僕の隣に座った方が、偶然にも亮さんのお弟子さんの三笠さんで一緒に蔵に行きたいと言われていました。亮さんどうしましょうか。

<お料理編> 献立表 クリックしたら大きくなります。

随所に新潟の郷土料理をいれて工夫が見られましたね。

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先付け 赤ナマコの塩辛 酒の酒びたし 酒粕の塩辛

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前菜 床節旨煮、烏賊かんずり干し、サーモンなます、揚げ慈姑、山葵菜醤油麹和え、子持ち昆布、秋刀魚押し寿司

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お造り 鮪、金目鯛、かんぱち、帆立貝、甘エビ
刺身はどれも新鮮でおいしかったな

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焼物 のどぐろ一夜干し
のどくろの旨みと4番のお燗酒がピッタリでした。

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酢の物 いごねり(新潟名物)

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お食事 ながも饂飩
このうどんはゴムのように柔らかいけど、蕎麦のような雰囲気で美味しかったよ。このうどんは小麦粉のほかにこしひかりを15%入れているようです

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デザートに笹団子が出ましたが写真撮り忘れました。

これだけの料理はお店のメニューを見ると、食事だけで7000円近くするみたいなのでお酒込みで8000円は格安です。最後にお土産のクイズで、試飲用に配ったお酒が何番のお酒かをテストする催しがあって、幸い当たったので良かったけど、自信はないものですね。

来年も企画するようですので、是非また参加したいものです。 終わり・・・・・・

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