10月半ばのことですが、1年ぶりに京都の出町柳にある高級居酒屋「やおや」でたっぷりと日本酒とお料理をいただきました。「やおや」と言えば日本酒通の人ならだれでも知っているお店で、一度はおじゃましたいお店です。今回は翌日京都で行われるお酒のイベントの前日に、東京から日本酒仲間4人でお邪魔したわけです。
僕は今回2回目の訪問でしたが、今回はここにしかないプライベートの日本酒を含めて、貴重なお酒とこれまた珍しいお肴料理を心行くまで楽しめましたので、僕の備忘録としてブログに纏めてみることにしました。場所は出町枡形商店街アーケードをからちょっとわき道に入ったところにありますが、大きな杉玉が目印です。でも下の写真には写っていませんが、この店の右端の上の方にあります。
やおやは日本酒漫画家の高瀬斉さんが主宰する呑ムリエ会の京都支部になっている場所だそうです。この店の大将の中山昌士さんは京都支部の会長をされています。お店の調理場から顔を抱いていただきました。写真をクリックすれば大きく見えますよ。
今回4人で飲んだお酒は全部で15本で、すべて1合を皆で分けたので、一人4合弱のお酒を飲んだことになりますが、気持ちよく飲んで全く悪酔いはしませんでした。それでは早速お酒とお料理紹介します。
1.14代純米吟醸 白鶴錦 2.14代純米大吟醸 龍のおとし子
白鶴錦は白鶴酒造が山田錦の原点に戻り、母系の山田穂と父系の渡船を交配させて高級な山田錦をつくることを試みました。その米の選抜を繰り返して、8年目の2003年にできたのが白鶴錦だそうです。今の山田錦に比べて、心白が大きく味わいも深いそうです。
右側の緑の瓶が高木酒造が白鶴錦50%精米を使って造った純米吟醸生詰めです。
龍のおとし子は高木酒造が開発したお米で、父系に山田錦と金門錦をかけあわせた「山酒4号」、母系に美山錦を交配させて造った酒米です。龍のおとし子は高木酒造でしか使用できませんが、父系に美山錦、母系に山酒4号をつかった「酒未来」は他の蔵でも使えるようです。
左のお酒が龍のおとし子40%精米の純米大吟醸生詰めです。全量龍のおとし子ではなく麹米としては山田錦を20%使っているようです。
どちらのお酒もうまいけど、白鶴錦の方がちょっとシャープな感じで温度を上げて飲んだ方がふくらみが良くなる感じがしました。龍のおとし子は口に当たる時の甘くてマイルドな感じが良く、余韻がとても良かった気がしました。
お料理1.お通し 立派なものでした。
お料理2.徳島県のまるはぎ 肝が立派でした。まるはぎはカワハギの一種のようで、この店の水槽で泳いでいたものです。
3.百楽門 特別純米 冴
このお酒はまるはぎに合わせて出していただいたお酒で、奈良県の葛城酒造の百楽門 特別純米の超辛口です。
備前雄町100%使用の60%精米で、酵母は協会9号で、日本酒度は+10、酸度は1.4、アミノ酸0.9、アルコール16~17度の特別純米です。
表示の超辛口と言うほどでなく、飲んだ後に少し辛みを感じる程度で、旨味はやや抑えぎみで、淡白な味のお料理には合うと思いました。
4.月の桂 純米吟醸 柳
このお酒は京都の増田徳兵衛商店の月の桂 純米吟醸酒柳の生酒です。このお酒もこの店のプライベートブランドだと思います。
麹米が山田錦50%精米、掛米が夢錦50%精米で、酵母は9号酵母、日本酒度+4、酸度1.7、アルコール度16度のお酒でした。
落ち着いた香りとやさしく広がる旨み、上品な喉ごしが良いお酒で、やっぱり生は違うなーという感じでした。僕には後味少し違和感があったけど、問題ありません。
5.而今 純米吟醸 雄町このお酒は三重県の木屋正酒造の而今 純米吟醸無ろ過生酒 全量雄町の酒です。このお酒はプライベートブランドではないと思いますが、中々手にはいらないお酒です。
酒米:雄町50%精米、酵母:9号酵母、日本酒度:±0、酸度:1.8
アミノ酸度:1.5、アルコール度:16.0です。しかも2014BYです。
熟成しているけど、フレッシュで、とろっとした感じで、立ち香は、心地よく、含むと酸のバランスが良く、いろんな味わいを感じます。ひね香は全くなく、後味に伸びがあり、而今ってこんなにおいしかったかなという感じでした。
料理3.仙鳳趾の牡蠣 北海道釧路町の厚岸湾仙鳳趾の牡蠣はやっぱり牡蠣の王様です。身が大きく、締まっていながらミルキーな甘みあっる牡蠣でした
この酒はラベルを見てわかるとおり呑ムリエ会限定のお酒です。滋賀県の上原酒造の山廃純米吟醸酒で、今年の冬に造って、タンクで生で半年貯蔵したものをそのまま瓶詰めしたお酒です。杜氏が山根さんが亡くなり、26BYから横坂さんに代わっていますので、横坂さんのお酒です。
酒母が滋賀県産山田錦(6%)、そのほかのお米は滋賀県産
渡船6号(94%)、精米歩合55%、酵母無添加の本格的山廃つくりで、日本酒度+4、酸度1.7、アミノ酸1.6のお酒です。高瀬先生の絵がラベルになっています。
半年熟成した味わいがあり、山廃らしい香りはなく、旨味と酸味のバランスが特徴なお酒でした。
料理4.天然ぶりの刺身 肌がピンク色しているでしょう。これが天然の証拠だそうです。
7.浪の音 純米大吟醸
このお酒は滋賀県の浪の音酒造が造っている純米大吟醸でやおやのPBのお酒です。
お米は滋賀県産の渡船50%精米、酵母は9号酵母、日本酒度+-0、酸度1.8、アルコール度数18度の斗瓶取り原酒です。ラベルの名前は僕には読めません。インターネットで調べても出てきません。
口に含むと分厚い旨味がどんと広がり、後味は綺麗に消えていくいわゆる旨い酒に入ると思います。
8.鍋島 薄にごり花見酒
このお酒は佐賀県の富久千代酒造の鍋島の特別純米酒で、うすにごりの花見酒の生酒です。
お米は不明で、精米度は55%でアルコール度数が16~17%以外はわかりません。花見用に少ししわしわ感のある呑みやすお酒として造ったのではと思われますが、飲んでみると少し熟成がすすんで、後味に普通のお酒とは違った香りがあり、気になってしまいました。
ラベルを良く見ると2014年3月に出荷されたお酒でしたので、熟成に合わなかったのではと思われます。
料理5.あじの一夜干し
このお酒はやおやだけの限定酒で、斗瓶取り大吟醸で7BYなので、19年前のお酒です。
山田錦35%精米の大吟醸で、酵母は9号系で、日本酒度は+4、酸度1.4、アミノ酸度が1.1のお酒で、前杜氏の山根弘さんの造りです。
呑んでみると熟成の香りはするけど、わりとすっと飲めるお酒でしたが、-5度の冷蔵庫から出したばかりでしたので、後で飲もうと置いていたのですが、いつの間にか飲んでしまってしまいました。
料理6.鰤のカマの焼き物
この辺から食べるのを忘れて日本酒ばかり飲んでいたので、続けてご紹介します。
10.大治郎 純米生酒 11.酒いちず 生酛生原酒
26BY 畑酒造 福井弥平商店
大治郎はやおやPBの直汲み純米生酒です。お米は吟吹雪60%精米、日本酒度+4、酸度1.9、アルコール度17.5、酵母9号です。飲んでみるととろみ感がある旨味が広がるけど、余韻が綺麗に消えるお酒でした。
酒いちずは本醸造で、酒質は不明ですが、しっかりした味わいで、旨味の中に酸味を感じてそのバランスがいいお酒でした。これはやられた感じです。
12.純米大吟醸生原酒23BY 13.純米にごり生原酒 24BY
南部酒造 南部酒造
純米大吟醸と表には書いてありますが、裏のラベルは純米吟醸で表示が違いました。中身は山田錦40%、五百万石50%のおりがらみのようですので、厳密には純米吟醸かな。飲んでみるといろいろな味を感じる味がまじりあっているように思えました。
純米にごり酒は五百万石と華越前を使ってるにごり酒で酵母は7号酵母です。呑んでみるとヨーグルトのような味わいで、ロックで飲みたい気がしました
14.活性にごり原酒 15.陽乃鳥(ひのとり)
furousen 上原酒造 貴醸酒 新政酒造
活性にごり酒は山根杜氏が造った最後のお酒のようですが、麹っぽい香りがする普通のお酒とはちょっと違うものでした。
陽の鳥は新政得意の貴醸酒です。貴醸酒は通常焼酎を使いますが、新政では日本酒を使っていますので、当たりが柔らかい甘さがあり、綺麗な酸がしっかりした食後酒ですね。
以上でお酒を打ち止め、仕上げのご飯となりましたが、僕はここの得意メニューの卵かけご飯(TKG)をいただきましたが、中々よかったです。カレーも美味しいそうです。
最後に表で大将と奥様と一緒に写真を取ってお店を後にしました。
大変御馳走様でした。また行くからね・・・・・・・・
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