PART1では天空蔵の精米を中心にご紹介しましたが、PART2では出羽桜の貯蔵設備を中心に蔵見学の様子をご紹介します。下の写真は精米工場の入口が見えますが、その一番奥には100坪の広い低温貯蔵庫があります。
低温貯蔵庫の温度はー5℃で、ここは主に出荷前の生のお酒と低温での長期貯蔵の酒が入っているそうです。手前が出荷前のお酒で、奥が長期貯蔵用です。
生のお酒を出荷する時に箱の上部に蓄冷剤を入れるように工夫した段ボール箱を王子製紙と共同して開発したそうです。瓶の中に蓄冷剤のスペースがあり、蓋ができてテープがなくてもすぐにはあかない工夫がしてありました。手前の一耕がそれで、奥の桜花はテープが張ってある普通のタイプです。
天空蔵のの貯蔵庫はすべて瓶貯蔵ですが、タンク貯蔵でー5℃で貯蔵しているところもあるそうで次にそれを見せていただきました。この場所は本社蔵の裏の駐車場のところにあります。下の写真で奥の横に長い建物が本社蔵でその右側の建物が貯蔵庫です。手前の左側にはコンテナの貯蔵庫が並んでいます。
この貯蔵庫には10個の四角いタンクが並んでいました。下の写真は貯蔵庫の2階で、タンクのTOPが見えます。
150石の貯蔵タンクが10本、瓶貯蔵が500石、全部で2000石貯蔵できる低温貯蔵庫でした。どうしてタンクで貯蔵するのかとお聞きしたら、1ロットの生産量が多いお酒はタンクの方が設置面積上効率的なのと、アルコール度数の高い生原酒のまま貯蔵する方が安定するからだそうです。ロットが小さいものは全部瓶貯蔵だそうです。
このタンクは酸素をとる脱気装置で酸素の少ない空気を充填して貯蔵しており、必要な時に瓶詰めして天空蔵の貯蔵に移すそうです。
この貯蔵蔵には特殊な大吟醸が貯蔵されていました。昭和50年からの出品大吟醸は殆どすべて取ってあるそうです。でもいざという時のためにとってあるので、全部試飲したことはないそうです。下の写真は27BYの出品用のお酒です。本3 A1+2 と書いてありますね。
これは本社蔵の3番目の仕込みタンクの上層どりの1番目の斗瓶に2番目の斗瓶を加えたものという意味だそうです。Aは上層から汲む、Bは下から汲む、Cはゆっくり撹拌して汲むという意味です。Aは綺麗な酒、Bは味がある酒、Cは中間ですが、どれが良いかは決まっていないので、毎年必ず3種類取るそうです。でも斗瓶の5本目は酸化が進むので、4本しかとらないそうで、5本目で賞を取ったものはないそうです。斗瓶で保存したこともあるのですが、火入れの時に割ってしまったので、それ以来瓶貯蔵をしているそうです。
出品用大吟醸を造っている人は社長を含めて6人いるそうで、6人が競い合っているそうで、3月になると試飲をしてどれを出すかを決めるそうです。噂によると、社長の酒は山形蔵のお酒で、その酒がが選ばれたことはないとか・・・・
この貯蔵庫この外には室内温度がわかるようになっていました。僕らが入った後でしたのでー5℃より温度が上がったみたいです。
隣の5℃の貯蔵庫も見せてもらいました。火入れしたものやプレート熱交で急冷したものを貯蔵してあるそうです。今はお酒が入っていない、受け入れ間近の空のタンクが並んでいました。タンクに何もないと音の反響がすごくあるのですね。驚きました。
100石が8本、70石が2本で約1000石貯蔵できるそうです。
火入れのお酒の貯蔵の考え方は5℃の保管が基本ですが、必ず熟成させてから出荷します。その時お酒の味の軸を調節するために必ずー5℃の低い温度帯のお酒も保管してあり、熟成がの進み方を見て味の軸の調整するそうです。具体的には熟成が進んでいる場合は低い温度で保管したお酒をブレンドして熟成の調整をするそうです。
出し入れしないお酒は10台あるコンテナ冷蔵庫に保管するそうです。そのコンテナもずらりと並んでいました。
出羽桜は何しろ貯蔵設備が完備しているので、お金がかかるのではと思いましたが、それよりも味重視ですね。100種類以上のお酒の味を毎年一定にさせるのは並大抵のことではないと思いますね。
いよいよ本社蔵の蔵見学ですが、実はここで録音が切れてしまったので、写真を中心にざっと見てもらいます。
<洗米>
造りの最中なのに室の中に入れていただきました。温度が高く湿気があるので、カメラがすぐ曇って写りません
こんな感じの金網でした。どうして金網かどうかは聞き忘れました
綺麗に管理されていました。
<仕込みタンク>
でも櫂を入れる作業台がないですね。形もちょっと変わっていますね
<膜脱気装置>
三菱レーヨンエンジニアリング製の膜脱気装置で酸素を膜分離するものだと思います。これで、貯蔵タンク内の酸を脱気するものと思われます。
絞ったお酒を一的に保管するタンクかな。
あれ、パストライザーは使っていないのかな
蔵の内部の設備は1万石を造っている蔵の設備とは思えない普通の蔵のレベルとおなじですね、要は機械化ではなくて、造り手の心が大切だということなのでしょう。
以上で本社蔵の紹介を終わりますが、やっぱり録音がないと重要なことが思い出せないですね。73歳の老人だから仕方がないです。でも肝心な精米と貯蔵の部分だけはきちっと説明できたので、良かったと思います。
最後に蔵を案内していただいた仲野社長とのツーショットをお見せします。
とても丁寧にfご説明いただいた仲野社長にお礼を申し上げたいと思います。
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