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明鏡止水のお酒はどんな酒?

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先日行われたなかむらやで行われた蔵元と美味しいお酒を楽しむ会の第2段として明鏡止水の大澤酒造のお酒について書いてみました

明鏡止水の蔵元の大澤酒造は長野県の佐久市茂田井にあり、1689年より酒造りを始めた老舗の蔵です。この地区は蓼科山のなだらかな北斜面にあり、朝廷に献上する御料牧場があったところで、豊かなお米や豊富な水にに恵まれているところなので、酒造りに向いているのでしょう

生産高は1000石くらいの中堅の蔵ですが、大部分は仕込みタンクは750Kgの少量仕込みで造られていると聞きました

現在は大澤兄弟は協力して酒造りをしていますが、兄の大澤真(まこと)が社長で、弟の大澤実(みのる)さんが専務取締役杜氏です。お二人とも東京農大造醸学部を卒業されています。本日お見えになったのは弟さんの実さんです。

Dsc00688

実さんにお聞きしたのですが、東京農大の同期生は酒千蔵野の麻里子さんや松の壽の松井さん等がおられるそうです。今まで知らなかったです。本人はあまり気にされていないようでした。

僕は明鏡止水のお酒はあまり飲んでいないけど、明鏡とはきれいに磨いた鏡のことで止水とは静止した水のことですから研ぎ澄まされた澄みきったことを言うのでしょうから、きれいなお酒というイメージですかね。それを確かめるためにじっくり飲んでみました。

1.ラビアンローズ

Dsc00679後ろのエビスビールが目立ってラビアンローズのラベルがよく見えないですね。シャンソン歌手のエビットピアフ が歌っている歌のラビアンローズ(バラ色の人生)という名前を付けたそうです。

この酒は長野県産美山錦55%精米の純米酒ですが、アルコール度数は13%と低アルコールで、日本酒に弱い人にも飲んでもらおうというコンセプトセす。

お米の味がしっかりあるけど甘みのバランスは良く、のみやすいお酒です。最初に適度な甘みを感じるのがとても良いです

低アルコールのお酒が最近増えてきましたので、これから良くウォッチしたほうがいいと思いました。

2.大吟醸

Dsc00681兵庫県産山田錦40%精米の大吟醸です。日本酒度4、酸度1.5です。酵母は2種類の酵母をブレンドして使っているそうです。

華やかな香りの後にしっかりとした味わいが口の中で幅広く広がってくると思うと、すっと引いて消えていくお酒でした。これは旨い。こんなお酒も造るんだという感じでした

お酒のレベルから考えて1升5250円ならリーズナブルかもしれません

3.純米大吟醸M’12

Dsc00697_2米が山田錦40%、掛米が美山錦45%の純米大吟醸です。Mは明鏡止水の頭文字で、12は製造年度をあわらすそうです。大澤さんの話では社長もまこと、私もみのるでそのMかもしれないと笑っていました。

酵母は聞くのを忘れましたが、掛米を美山錦にしただけでとても軽い味わいになっています。軽やかな香りと、余韻のきれいさと、切れの良さはあり、もしかしたら明鏡止水が求めている本命の味に近いかもしれませんね。1升3600円はお買い得です。

4.純米吟醸 勢紀

Dsc00700このお酒は長野県木島平産の金紋錦55%精米のお酒で蔵で約1年半くらい寝かせた低温熟成お酒です。

勢紀(せき)というブランドですが、これは実さんのおばあちゃんのお名前で、明治生まれだけど豪傑でハイカラな人だったそうです。実さんはよく勢紀さんの生まれ変わりと言われることがあり、そのことをイメージして付けたそうです。

冷の状態で飲むとフラット過ぎてあまりピークのないお酒ですが、お燗をすると味わいに波が出てきて、米の甘みが引き出されてくるお酒でした。1升3150円です

5.純米吟醸 酒門の会

Dsc00686長野県産ひとごこち55%精米の純米吟醸です。酵母はながのD酵母でALL長野県産を狙ったお酒だそうです

水の特徴を引き出すために蓼科山麓川湧き出る自然水をローリーで汲んできて使ったそうです

含み香が独特に感じました。今日飲んだお酒としては軽めのおさけで、飲みや易いさわやかなお酒に仕上がっていて、酸度は1.8あるけどそんなに感じませんでした。

1升2625円です

6.純米 垂氷(たるひ

Dsc00702この酒は麹米が山田錦60%精米、掛米が山田錦65%精米の純米酒です。

垂氷とはつららのことで、厳寒の時期に搾ったお酒で、つららのように鋭く切れの良いお酒という意味だそうです。

純米酒にしては奇麗な香りと小ぶりな旨みがすっと広がり、辛みと旨みが一緒になってゆっくり消えていきますが、辛みは最後まで残ります。

でもお燗をすると、その辛みが消えてフラットで透明感がある酒に変化します。温度で微妙に変わるので、40度くらいがよさそうです。飲んだことのない人はぜひ試してみてください。価格は1升2520円とチョット高めなのは山田錦のせいでしょうね

以上でここで飲んだお酒の紹介は終わりますが、この蔵の全体的な印象としては色々な種類のお酒を造っているなという風に感じました。ですから杜氏に今後どんなお酒を作ってみたいですかと聞いたら、贅沢な材料を使った特上のお酒をついくってみたいとのことでした。

新しいお酒造りのチャレンジは結構やっていて、600kg仕込みのタンクで試し造りはよくやるそうです。色々な種類のお酒造りをしながら、新しい味を求めていくことは凄く良いことだ思います。どんなお酒を狙っているのですかと聞いたら、味わいに癖のない素直な味の中で何からの主張を持ったお酒を造りたいそうです。もっと突き詰めれば透明感のあるお酒だそうです。ちょっと矛盾する感じもしますが判るような気がします。透明感をベースとする味わい深い酒と解釈すればいいのでしょうね・・・・・・

酒造りは皆で協力してやるものだから蔵人全員が一つになって間違いなくられることが大切なので、工程はシンプルな方が良いそうです。また佐久の蔵とは若手の会を造って杜氏同士の情報交換を行っ勉強しているそうです。

最後に実さんにお願いがあります。杜氏の狙い通りのお酒である透明感がありながら何度飲んでも飽きないような味わいのあるお酒を1升3000円以内で造ってもらいたいと思っています。それが今でもあったら教えてください。直ぐに買いに行きます

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