7月の25日に愛媛の酒を楽しむ会2013が椿山荘で行われましたので、参加してきました。今年で5回目の開催です。僕は去年参加できなかったので、2年ぶりの参加です。
前回の会のことは下記のブログに書きましたので、ご覧ください。
http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-7b97.html
愛媛のお酒は東京では意外と知られていません。大手の梅錦や最近名前が出てきている石鎚、川亀、賀儀屋くらいでしょうか。ですから2年前は東京では知られていない、もっと小さな蔵を探してみようということで下記の蔵をご紹介しました。
1. 初雪盃・協和酒造
2. 山丹正宗・八木酒造部 (この蔵は小さくないかも)
3. 日本心・武田酒造
4. 寿喜心・首藤酒造
5. 酒仙栄光・栄光酒造
6. 宮の舞・松田酒造
7. 城川郷・中城本家酒造
石鎚と賀儀屋は蔵元さんと楽しむ会があったのでそれについては下記のブログを見てください。
石 鎚: http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-930a.html
賀儀屋: http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/bardining-99d6.html
この愛媛の酒を楽しむ会は去年から開催場所を椿山荘に移し、参加募集350名と少し多めの設定になっていますが、壁際に蔵元のブースがあって、開催内容はほとんど同じでした。
今年は今までに紹介していない蔵に焦点を当ててみようと、まわっていくうちに飲み過ぎてどの蔵のお酒を飲んだのかわからなくなってしまいましたが、記憶がのこる蔵を紹介しましょう。大丈夫かな・・・・・
1.酒六酒造 京ひな
この蔵は愛媛県でも西寄りの伊予市の南にあるうち小町にあります。内子町にあった5つの蔵を統合してできた喜多酒造を買い取って酒井繁一郎さんが1920年に創業した蔵だそうです。京ひなの命名は京都の名僧が好んで飲んだことからつけられたそうです。
先代の社長さんの酒井冨士夫さんが2010年に急遽お亡くなりになり、娘の武智美佳さんが後を継ぐことになったそうですが、その旦那様が写真の方で武智直之さんです。
この蔵には伊予杜氏として有名な梶谷幸三郎が高齢で辞められ、今は東中さんが後ついで現在に至っていますが、大変な時を乗り越えられたのですね。知りませんでした。
この蔵は吹毛剣とか隠し剣とか一刀両断等の刀の銘柄が多いですが、それはお酒の切れを表した名前だそうです。今回展示された日本酒は6種類ありましたが、僕は2つのお酒を持ってもらいました。
右手に持っているのが隠し剣で、麹米が山田錦、掛米が松山三井50%精米のお酒ですが、複雑な味をもちながら程よい切れのあるお酒でした。左手のお酒は夏限定のお酒の「深山」で、全量松山三井60%精米で7号酵母を使ったちょっと変わったお酒でした。甘さが最初に来て後で強い酸味で切ってくるバランスのお酒でした。
この蔵は先代の社長がなくなり、新しい杜氏と一緒に立ち上げてきたばかりの蔵なので、そう言う意味ではまだ過渡期かもしれませんが、頑張って良いお酒を造ってもらいたいと思います。
2.亀岡酒造 千代の亀
この蔵も内子町の五十崎地区にある蔵で、創業300年の歴史を持つ蔵だそうです。この蔵を支えてきたのは亀岡家の米造りだそうで、それが良いお酒を造る源になっているようです。
この蔵は歴史があって日本名門酒会に参加しているだけあって、旨い造りをしているなと思いました。写真の方は造りを担当している河村英充さんです。持っていただいた酒は吟醸羽衣です。
松山三井55%精米の吟醸酒ですが、最初に旨みがパットひろがるけど、すうっと消えていくのできりっとした飲みやすさがあり、いくらでも飲めてしまうお酒でした。松山三井の良さをうまく引き出していると思います。
ここのホームページ情報によると8月1日から近くに新工場ができ、名前も亀岡酒造から千代の亀酒造になるようです。社長は変わらず、佐伯猛さんがなるとのことです。いつ亀岡さんから変わったのでしょうか。
3.島田酒造 小富士
この蔵は松山市の東にある東温市にある蔵で、「小富士」という酒名は、蔵からかなたに見える松山沖の興居島「伊予の小富士」にちなんで命名されたそうです。
写真の方は社長の島田達也さんです。持っていただいたお酒は小富士しずく媛です。愛媛の酒造好適米のしずく媛55%の純米吟醸の火入れです。
味がしっかり出ていていて、バランスが良くしずく媛の良さを旨く引き出しているように思えました。この蔵は全量瓶燗火入れのようですが、丁寧に酒造りをしている感じが伝わってきました。このような地味な蔵は応援したいですね。
4.桜うずまき酒造 さくらうずまき
この蔵は松山市といっても松山駅の北にある伊予北条駅の近くの八反地にあります。創業は明治4年ですが、昭和26年に桜うずまき酒造と社名を変え、昭和34年には焼酎の製造免許をとり、焼酎の製造も50年以上の歴史を持っています。この蔵の社長さんが日本酒造組合中央会の会長をしているとは知りませんでしたた。
写真の方は蔵元の専務取締役篠原成昌さんです。持っていただいたお酒は真っ赤な桜のラベルが付いた純米吟醸「桜風(おうふう)」です。愛媛県産の山田錦50%の火入れの純米吟醸です。
このお酒は口当たりの旨みもいいのですが、余韻が奇麗に伸びてくるのが素晴らしいです。今日の一押しかもしれません。
これで僕が見つけた新しい蔵の紹介は終わりますが、いつもの蔵とお話して印象に残ったことをちょっとだけ紹介します。
<雪雀>
雪雀はいつもは社長さんが来ることが多いのですが、今回は若手の蔵人さんでした。名刺に製造部と書いてありましたから、この蔵も結構大きな蔵だ思います。
愛媛県の酒造好適米のしずく媛についいて聞いてみました。しずく媛は松山三井を選抜してできた結構高級なお米ですが、しずく媛100%のお酒造りは難しいみたいで、立ちあがりの旨みを出すのが難しいし、後味に雑味が出やすいので、各蔵ともその良さを引き出すのに苦労しているようです。この蔵のように麹米に山田をつかい、掛米にしずく媛をつかうのも一つの方法かなと思うけど、それでは松山三井と同じになってしまう感じもするのは僕だけかな。
<梅錦山川>
社長の山川浩一郎さんとお話ができました。梅錦は愛媛県では一番大手の蔵ですが、酒造りの腕はやはり天下一品です。特徴は酒に角がなくすうっと飲めてしまうお酒が多いですね。逆に角がないのが欠点かもしれません。夏だけしか出さない純米吟醸生の大吟醸を飲みましたが、さすが、造りがうまい美味しさでしたね。
社長はそのことを十分意識していて、最近杜氏が変わったので、少しは角が出るかなと思ったけど、なかなかそうはならないそうです。でも愛媛の大手の蔵として愛媛県を愛して、この蔵を踏み台にして、どんどん成長してもらいたいと思っているそうです。
その山川さんにも悩みがありました。それは自分の後継者がいないことだそうです。早く後継者を見つけたいそうですが、若い後継者に代わるとどんな蔵に変化するのか期待しています。でも焦らないでくださいね・・・・・
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