8月11日日曜日に岐阜で開催された「岐阜の地酒に酔う」に参加してきました。岐阜の地酒に酔うの会は毎年如水会館で行われ、今年で5回目になるのですが、僕は初回から毎年参加していたのですが、去年は参加できず、今年は是非参加しようと6月には申し込みが終わっていました。
そんなときに入江亮さんから岐阜で開催される岐阜の地酒に酔うの会に参加しませんか。翌日はどこか蔵見学をしようと思っているのだけど、どうしますかといわれて、一つ返事でOKを出したというわけです。
その後、亮さんが他の参加者も含めて全員の参加予約をしていただいたのですが、東京のイベントとより早く満杯になったとのことでした。東京は300名に対して岐阜は350名と多めなのですが、蔵の参加数が30蔵と多いので人気だったのでしょうか。
結局亮さんの努力のおかげで、初日は「岐阜の地酒で酔う」会に4人で参加し、翌日は栄一や百十郎のブランドをもつ林本店と長良川のブランドを持つ小町酒造を見学するスケジュールとなりました。でも僕にはちょっとショックなことがありました。僕は普段JRで旅行するときは大人の休日クラブで30%割引で行くのに、8月のお盆の時期、具体的には11日から割引が効かない時期だったからです。でもこだまのプラットプランがあることを亮さんから教えてもらい、こだまのグリーン車で出かけました。さすが旅慣れしている亮さんですね。
「岐阜の地酒に酔う」会は岐阜駅の近くのじゅうろくプラザで行われたのですが、ちょっと会場が狭くて、これで350人はちょっと厳しかったです。
これが会場の風景です。どこにどんな蔵があるのかわからないでしょう。レイアウト表ぐらい造ってほしいよね。この中で新しい蔵を見つけるのは大変なことです。あいさつ回りをしているうちにどんどん時間がなくなってしまいました。
過去に行われた会のブログで紹介した蔵は今回は紹介から外すことにしました。ですから以前に取り上げた蔵がどんな蔵だったかを明確にするために、過去ブログを調べてみました。それを下記に示しましたので、参照ください。
第1回PART1 http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/in-tokyo-35c0.html
長良川、房島屋、初緑
第1回PART2 http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/in-tokyo2-4501.html
鯨波、女城主、美濃天狗、達磨正宗、
第2回 http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/20102-3071.html
醴泉、御代櫻、花美蔵、天領、玉柏、小左衛門
第3回 http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-1930.html
日本泉、蓬莱、百春、若葉
三千櫻については別途詳しい紹介ブログがありますので、次のURLを見てください。
http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-87ee.html
というわけで今回は今まで全く紹介していなかった蔵の中で、僕が気に入った蔵だけを紹介することにしました。
1.久寿玉(くすだま) 平瀬酒造
この蔵は飛騨の高山駅から歩いて15分くらいにある蔵ですが江戸時代の1600年半ばから酒造りをしている老舗の蔵のようです。
写真の方が15代目の当主の平瀬克祐さんです。持っていただいたのはひだほまれ60%精米の純米生酒です。今年の新製品で未だ販売していないお酒です。今日の会で皆さんの意見を聞きながら販売を考えるそうなので、300ml瓶しかないそうです。
さっぱりしているけど米の味がしっかり出ていて、適度な酸があって後味の余韻も良かったので、気に入りました。ぜひ販売したら良いですとお願いしておきました。
この蔵は今年の岐阜県の新酒鑑評会の純米吟醸の部で岐阜県の知事賞を取ったそうですから、造りには自信があるのでしょうね。
ここに、ひだほまれ40%精米の純米大吟醸がありました。奇麗に仕上がったお酒ですが、最初に旨みがあまり出ないので、後味にひだほまれのにがみと辛みがでしまったけど、3日間もかけて、精米したのには感心しました。努力賞ですね・・・・・・・
自社精米をしているそうですから、大きな蔵なのかもしれませんね。
2.四つ星 舩坂酒造(ふなさか)
この蔵も飛騨の高山にある蔵で、創業200年以上の歴史を持つそうです。飛騨の高山は城下町なので、風情ある蔵が多いようですね。観光地の中にあるので酒造り以外にカフェなど色々なことをしている蔵のようです。
写真の方は営業課長の髙嶋達也さんです。営業の人が対応するとは大きな蔵ですかと聞いたら500石くらいの小さな蔵との話でしたが、しっかりした商品知識を持った人でした。
この蔵の銘柄は深山菊や甚五郎ですが、今回は特別大吟醸の四つ星をいただきました。兵庫の山田錦40%精米の大吟醸で、とてもバランスの良いお酒でした。
あまり香りが強くなく、口に含むと入口で直ぐには膨らまなく、後からゆっくり膨らんで来るお酒で、1回呑んだだけではこのお酒の良さはわかりません。何回か飲んでいくうちに良さがわかってきます。なんと酵母は香り系の1801だそうです。これでこの味を造るのですか。きっと素晴らしい杜氏さんなのでしょうね。
3.はなざかり 花盛酒造
この蔵は日本ラインの上流の木曽川のそばの八百津町にある蔵です。八百津町はダムができるまでは木曽川の船荷物の集積地として栄えたところでお酒や味噌、醤油等の醸造業が盛んだったそうです。
この会で偶然に見知らぬ人からマイ日本酒探しの人ですかと声をかけられました。その方は岐阜に住んでおられる方で、僕のブログのフアンだそうで、レマコムの日本酒冷蔵庫を買いましたよと言っておられました。その方が紹介していただいたのが花盛酒造だったのです。
写真の方が社長の可児武雄さんです。持っていただいているのは純米吟醸のはなざかりのあらばしりです。ひだほまれ50%精米の純米酒ですが、香りと甘みのあるとても奇麗なイメージのお酒でした。大吟醸のしずくの生もいただきましたが、しっかりとした味がありながら、バランスの良いお酒でした。
この蔵のお酒は岐阜のお酒にはあまり感じられないきれいさを感じるので、どうやって作られているのですかと聞いたら、杜氏が奥さまだからですと言われました。どうして奥さまが杜氏なのですかと聞いたら、お料理が上手で味の感が鋭いので、杜氏に向いているかなと思い勉強してもらったそうです。奥さまの舌を信じて杜氏に選ぶなんて社長も凄いですよね。やさしい感じの社長ですが、見る目があるのですね。奥が深い、まいった・・・・・・
4.竹雀 大塚酒造
この蔵は大垣から養老線に乗って北に5つ目の駅の池野にある蔵です。この蔵は初代の大塚清太郎さんが花街だった池田町に立ち上げたそうですが、終戦後大手酒造メーカーの桶買いの酒造りをしていたのです。それが昭和65年ごろに大手酒造メーカーから打ち切りの話が出たそうで、5代目社長大塚清孝さんはもう廃業しようかと思ったそうです。
そこで助け舟を出してくれたのが丹波杜氏の原田利治さんだったそうです。今でも酒の仕込み時期に来ると現れてしそうしてくださるそうです。人生には人のつながりが大切ですね・・・・・
写真の方は6代目の大塚誠一郎さんです。誠一郎さんは父と同じ東京農大の醸造学部を卒業後、大学の先輩の三重県の元坂酒造に5年間修業し、2010年の造り(22BY)から杜氏となって酒造りをやっている人です。
誠一郎さんと初めて会ったのは2009年の岐阜県地酒を酔う会でした。その時は同じ酒造組合地区にある房島屋のブースでした。髭がなければ、一見所さんと間違えてしまいそうになったので、良く覚えています。その時は房島屋で修業していたのでしょうね。
蔵に戻ってから立ち上げたブランドが竹雀だそうです。雀の名前がついているブランドは山口県の金雀、愛媛県の雪雀などがありますが、竹雀は大塚家の家紋にちなんで付けたそうです。その証拠をお見せしましょう
確かに竹と雀が見えますね。この蔵には初霜というブランドもあります。岐阜県の特産米のハツシモで醸造した酒です。ハツシモは晩稲の米で岐阜県の西濃地方だけで造られている飯米ですが、酒米としては取り扱いにくい点が多くて今では大塚酒造だけがお酒用として使っているそうです。頑張っているな・・・・・・
竹雀のお酒は、山田錦や五百万石、雄町などを使った純米酒ですが、この会では山廃純米が多く出展されていました。飲んでみると山廃らしくない奇麗にまとまったお酒で、その中でも山廃純米無濾過生原酒、山田錦+五百万石のお酒が膨らみがあって良いと思いました。雄町はちょっとまだ固かったかな?この山廃の技術は元坂酒造の山廃の技術、もっと遡れば杉錦の杉井さんの技術の流れでしょうね。
蔵の大きさはまだ200石以下と小さいですが、親子夫婦の家族で頑張って造っているので、応援したいですね。しかも、しっかりしたコンセプトを持っているのが素晴らしい。頑張ってください。
5.元文(げんぶん) 布屋 原酒造
この蔵はJR高山線の美濃太田から長良川線に乗り北へ美濃白鳥駅のある白鳥町にあります。江戸時代の元文5年(1740年)に創業した蔵で、現社長の原元文さんは12代目の当主になるそうです。
写真の右手の方が社長で左手の方が息子さんです。お二人とも東京農大の醸造学部を卒業され、花酵母のお酒を造っています。元文さんは花酵母研究会の元会長だそうです。そんな偉い人だったのですね。
さくら酵母、カトレア、月下美人、菊のお酒を持ってもらいました。いずれも奇麗なお酒ですが、その差を口で説明するのは難しいので止めておきます。花酵母のお酒は確かにちょっと華やかで奇麗にまとまるけど、何か特徴を出しにくい気がします。今度9月13日に行われる花酵母研究会に参加して勉強してみます。
息子さーん(名前を聞くのを忘れました)、まだ蔵は200石と小さいけど、早くおやじを超えて新しい酒造りに頑張ってくださーい
6.三千盛(みちさかり) 三千盛㈱
この蔵は多治見市にある創業200年以上の歴史ある蔵です。地域に密接した蔵でもともと御神酒やお祝い事などに使われていたようですが、甘口が主体だった時代に、辛口のお酒を求めて造られたのが三千盛のようです。
写真の方は蔵の従業員の方でお名前をお聞きするのを忘れましたが、蔵元を代表するようなこことの熱い方でした。後で調べてみたら生産高は2000石以上の大きな蔵だったようです。
持っていただいたのは超特からくちです。香りや甘みを抑えた軽い味わいできりりとした呑み飽きしないお酒でした。麹米が美山錦と掛米があきたこまちで精米度が45%とは驚きましたね。大吟醸レベルだったのですね。この蔵は純米表示はあるけど、辛口を狙った酒は大吟醸表示はしないのですね。その理由をもっと聞いてみればよかったですね。大気な蔵ではあるけど、狙いのはっきりした味を持っていますね
7.白川郷 三輪酒造
この蔵は大垣駅から南に1km行った船町にあります。創立は1837年ですから江戸末期です。従業員20名の蔵ですから大きな蔵だと思います。
写真の方は社長の三輪研二さんで、最近社長になったばかりのようです。ホームページを見ると父親の高史さんがまだ社長として載っています。
今回は全てにごり酒をいただきました。酒米は全てあけぼの70%精米ですが、にごりと言ってもいろいろあるのですね。最初に飲んだのは炭酸純米にごり酒で、瓶内発酵させたスパークリングにごりです。ワイングラスで美味しい酒でアワードの金賞を取った酒です。ここのにごりは一番甘みが出たところで発酵を止めて直ぐ火入れをして搾りたてのにごりを造るそうです。
社長に持っていただいたのは純米にごり酒ですが、まるで乳酸を飲むみたいでちょっと変わったにごりでした。社長に将来の方向性をお聞きしたとところ、夢は世界一のにごり酒を造ることで、オンリーワンを目指すそうです。それでいて今年は全国新酒鑑評会で金賞を取るのですから、驚きです。そのお酒も飲んでみたかったな。
8.光琳 千代菊
この蔵は羽島市にある創業元文3年という歴史のある蔵です。木曽川と長良川の間にある街で、地下128mから汲みだした清流の長良川の水だそうです。
写真の方が杜氏の片野義人さんです。持っているお酒は特別純米の無ろ過生原酒ですが、お米の種類はわかりません。この蔵のお酒は凄く素直なお酒で、口に含むと香りはあるけど嫌みがなく、飲んだ後に余韻が揺れて消えていく。全体にはフラットだけど、奇麗な揺れを感じるお酒でした。
岐阜のお酒にはないオンリーワンのお酒のように思えましたが、この会の最後にかなり酔ってから飲んだので、味については自信はありません。
今回8蔵の紹介をして、結局今までで25蔵紹介したことになります。今までこんなに多くの蔵を紹介した県はありません。最初の出会が良かったからここまで続いたのでしょうね。頑張ったね・・・・・
<番外編>
会場の突然自民党の野田聖子が会場に現れ、挨拶した後会場をぐるり回っていました。日本泉で試飲している時に来て、この蔵のお酒は良いよと言ったので、こんな小さな蔵のお酒知っているですかと聞いたら、蔵がビルになる前から、お爺ちゃんの時から知っていると言いました。小さい時岐阜市にいたんだ。それは知らなかったな。
その後房島屋の所さんと会話していたので、写真を撮りました。
所さん 良く映っているでしょう。使ってくださっても良いですよ。
さて最後にそば法師人の綱島さんへ 小左衛門からのラブコールです。
綱島さん お二人とも良く知っているでしょう。渡辺さんと鬼頭さんですよね。二人とも綱島さんは凄い有能な人だと褒めていましたよ。近じかお店におそばを食べに行くと言っていました。もう行っちゃったでしょうね。
以上で岐阜の地酒で酔う会の紹介を終わります。大変だった・・・・・ おわり。
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