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千代むすび酒造はやっぱり強力でしたね

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先日五反田のおまつり本舗で第63回の蔵元を囲む会が開かれましたので、参加してきました。第63回とは凄い回数ですね。今回は店長の荻野さんが開店当時の昔からのお付き合いのある蔵の千代むすび酒造の岡空晴夫社長をお呼びしての会でした。

僕は鳥取のお酒は諏訪泉、日置桜、鷹勇のほかはあまり飲んだことがないけど、鳥取の酒造好適米である強力は大変興味があったので、千代むすびでどのように扱われているのか勉強に来ました。 

千代むすびの蔵はは鳥取県の島根県の県境にある境港にあります。境港はゲゲゲの鬼太郎の作者として有名な水木しげるさんの出身地として知られています。しかし、境港は古くから漁港として栄えてきた町で、お酒の消費も多かったのではないでしょうか。 

この蔵の創業は江戸時代末期の1865年で、約150年の歴史を持っています。社長の岡空晴夫さんは5代目の社長ですが、初めは岡空とは言わなかったようですが、明治の半ばに岡空という名になったそうです。蔵のある周りは岡などないように思えるのですが、岡空晴夫という名はその自然が思い浮かぶ芸名のような名前ですね。 

千代むすびという銘柄が出たのは昭和元年のようで、「永久に変わることのない人と人との固い結びつき」という意味だそうです。この蔵の経営理念はお客様をはじめとして、蔵に係わるすべての人斗の絆を大切にして、全員の幸せを求めることですから、凄いなという思いです。

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晴夫さんがこの蔵の5代目の社長になられたのは平成6年ですから、既に20年になります。晴夫さんは広島大学の発酵工学科を卒業された方ですから、根っからの技術屋さんだと思います。

社長になられると全自動精米機や瓶燗火入れ装置を導入するなど、最新の装置を導入する一方、海外への販売に力を入れ、今では全生産量の15%を占めるほどになっているそうです。最近では韓国に子会社を作って直接販売もしているそうです。それにより蔵の生産量も1000石に回復されたそうで、なかなかの経営手腕もお持ちのようですね

お酒の造りについて聞いてみましたが、昔からおられた杜氏はお辞めになって、今は43歳の社員杜氏になっているそうですので、杜氏と一緒になってどんなお酒と造りたいかを話し合って決めているそうです。世の中の流れは社長の方が情報を持っているので、その情報を教えながら良く話し合うことが大切だとのおはなしでした。

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これが蔵の写真です。昔からの風情が残っている趣のある蔵ですね

それでは今日の最大の関心事であった強力米について説明をしましょう。 

強力米は明治24年ごろ、鳥取県の霊峰大山のふもとの町で栽培されたのが始まりで、その後鳥取県農業試験所が系統分離試験を重ねた結果、強力12号までの品種ができたそうですが、そのうちの強力1号が食料用として強力2号が酒米用として選別され、大正10年に鳥取県の奨励品種に指定され、かなりの量が生産されたそうです。 

しかし、稲の背丈が150cmもあり、倒伏しやすいこと、反あたりの収穫量が少ないことから、昭和30年ごろを最後に県から姿を消したそうです。 

そして63年に鳥取市の中川酒造と日置桜の山根酒造場の蔵元が、鳥取県独自のお米による酒造りを思いつき、鳥取県酒造技術顧問の上原先生に相談した結果、強力米の復活活動が起こったようです。しかし、強力2号の種子が見当たらず、鳥取大学の農学部にあった僅かな種子から栽培量を増加させ、平成2年に初めて強力米の純米大吟醸が中川酒造で造られたそうです。 

その後、強力米を採用する蔵数も9蔵と増加しましたが、強力米の純度保全と種子管理を目的として「強力米をはぐくみ会」が設立され、原種は鳥取県農業試験所に保管されるようになったので、会員のみの栽培が行われていますので、他県では全く使われていないそうです。 

千代むすびは「強力米をはぐくむ会の設立準備から参加し、強力米の栽培と酒造りを始めたそうですが、今では県内最大の生産をしているそうです。それだけに他社とは違った取り組みをしており、強力米は7号酵母が使われることが多いのですが、9号酵母をベースとして使いこなすなど努力をしてきたそうです。 

<強力米の特徴> 

・ 山田錦や雄町と同じような線状の心白を持ち、高精米度に耐えることができるので、吟醸酒以上の高級酒に向いている 

・ お米が固く精米するのに時間がかかる。 

・ しっかりしたコクのある味わいがでる 

今年の3月に有楽町の東京国際フォーラムで「酒米 強力の魅力を語る」というフォーラムを千代むすび主催で開催したようですが、酒販店や飲料店対象のようなので参加できませんが、一般向けにもやってもらいたいね。これは岡山県と同じように鳥取県の酒造組合で企画したらどうかな・・・・・ 

それではこの会で飲んだお酒を簡単に紹介したいと思います。 

でもこの会はどんなお酒がどの順番で出るかがわからないので、時々写真の撮り忘れが起こります。奥のせまいお部屋の時はそれでもいいのですが、広い部屋でやる時は店の中をグループ分けして、そこに出したお酒が一巡するまで、次の酒を出さないように配慮していただきたいし、アナウンスもしてもらうとありがたいです。 

1. 純米大吟醸 強力30   2.純米大吟醸 強力40
            火入れ              火入れ

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1番のお酒は強力30%精米の純米大吟醸で、強力にしては優しい味わいで透明感のある旨みを感じる切れの良いお酒でした。

2番のお酒は強力40%精米の純米大吟醸ですが、1年熟成させたものです。ラベルの色が違いますね。旨みの角が取れて旨みが乗ってきています。なおかつ余韻が程良く残るお酒になっていました。やっぱし強力は寝かせた方が旨くなるようですね。

3.純米吟醸 強力50      4.純米 強力60
         火入れ             火入れ

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3番のお酒は強力50%精米の純米吟醸ですが、さらに優しさが出てきています。強力はこんなに優しい味かなと思いましたが、温度が上がってくるとしっかりした味に変わってきました。

4番のお酒は強力60%精米の純米酒です。さらに旨みが減ってその分辛みが出てきました。後味が辛くて今までとは違うバランスでした。

5.純米吟醸 強力おおにごり  6.純米吟醸 強力50生原酒

Dsc_0399_2Tiyomusubigouriki50nama25_4この写真は取りそこなったのでインターネットから拝借しました

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この2本は生酒ですが、5番のお酒は強力50%精米の純米吟醸で、かなりオリが入ったものでした。飲んでみると甘酒に近いようなお酒でそれでいて辛みも感じるお酒でした。

6番のお酒は強力50%精米の純米吟醸の無ろ過生原酒です。やはり生酒は生らしいうまさがぐっと広がるので、強力を早く楽しむのなら生が良いね。確かにおいしいけど、沢山飲むには飽きるかも

7.千代むすび 微発泡純米吟醸 しゅわっと 空

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------------------------------------------このお酒は乾杯酒でした。山田錦60%精米のアルコール度12%のお酒ですが、加水しないで造ったもので、1月に製造しそのまま瓶貯蔵して瓶内発酵させた原酒です。左の写真は店長が噴き出さないように注意して開けているところです。発泡で白く濁っていますね。

これも写真を取りそこなったので、インターネットからコピーをしてきました。涼しそうな瓶の色ですね。軽い感じのの旨みと辛みがバランスした、すっきりで飲みやすいお酒でした。

8.特別純米 五百万石 55    9.夏純 五百万石 55

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番のお酒は五百万石55%精米の特別純米酒です。甘みがふわっと広がって、旨みが上あごにスッと昇って行って、後味が直ぐには消えないできれいに残ります。これは良いなと思いましたが、この蔵のベストセラーだそうです。わかる気がします。

9番のお酒は五百万石55%精米の夏限定の純米酒で、ややアルコール度数を落としています。軽い感じですきっと飲める夏酒でした。

10.千代むすび 上撰      11.鬼の舌震い本醸造

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10番のお酒は普通酒で、地元で良く飲まれているお酒だそうです。普通酒ですがあまり引っかかりがなくて飲みやすいけど、まあいいか。

11番のお酒は本醸造のお酒ですが、後味に雑味を感じて、辛いので僕の好みではなかったです。

12.千代むすび 大吟醸古酒 13.山田錦35%袋搾り

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12番のお酒は山田錦35%の大吟醸の21年古酒です。色が黄色になっていますが、口に含んだ時の香りはかなり熟成香を感じますが、味はそれほ熟成味は強くありませんでした。価格は1升2万円するそうです。

13番のお酒は春の領布会限定で出した山田錦35%精米の純米大吟醸で、この蔵のお酒としては香りが高く、やわらかい旨みを感じる良いお酒でした。酵母は18系と14系のブレンドbのようです。こんなお酒も造るのですね。

14、目玉おやじ    15.鬼太郎    16.ねずみ男

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これは鬼太郎シリーズの本醸造のつぼ酒です。お土産品ですね。水木しげるプロダクションが5%の手数料を取っているみたいですね。

これでお酒の紹介は終わりますが、強力の印象は意外に優しい感じでした。寝かすと角が取れ旨みも乗ってくるので、寝かせて飲みたいお酒です。直ぐ飲むのであれば生酒が良いと思うけど、季節商品のようなので、どのくらい出しているのかな。

最後に社長さんが強力で全国新酒鑑評会の金賞を取ってみたいとのことでしたが、強力は味が開くのが遅いのでそこが難しいようです。でも是非チャレンジしてもらいたいと思います。

最後にこの会の皆さんで撮った写真をお見せ見ましょう。中央に僕が陣取っていますね。楽しい会でした。

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この会の最後にじゃんけん大会があって、僕は運が強いのかな?また当たってしまいました。目玉おやじのTシャツです。岡空社長とのツーショットです。

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