10月8日の水曜日に埼玉35酒蔵大試飲会が今年も大宮のソニックシティで開催されました。この会は第1部と2部に分かれていて、1部は酒販店や飲食店向けで午後2時30分から3時30分にひらかれ、2部は一般消費者向けで午後4時から午後7時半まで開催されます。この会は今年で11回を迎えて、一般向けは大変混むので、今回はお酒の取材を目的とするブロバイダーという立場で1部に参加させていただきました。
入り口はとてもそっけないものでしたが、中は結構広くレイアウトされていてゆったりと廻れました。
でもたった1時間で35蔵のお酒を全部試飲することは不可能です。何か目標を持たなければとと思い、独断と偏見ですが味にオリジナリティがあって、僕が旨いと感じるお酒を見つけることにしました。
今回試飲している時に、どこかのビデオカメラマンが僕が試飲している姿を撮っているのを感じましたが、どこの取材かは気にもしていなかったのですが、その日の夕方のNHKの関東版に僕の姿が出たみたいです。後日、テニス仲間や唄の仲間の数人から「おまえ埼玉県の試飲会に行っていただろう」と、言われて、それがNHKのカメラマンだったことを初めて知ったのです。
さて、埼玉県には35の蔵があるそうですが、全国的にみると結構多い数なのです。蔵数のベスト1位は新潟県で92蔵、2位が長野県で82蔵、3位は兵庫県の80蔵です。埼玉県の35蔵は15位から20位に入るようです。
関東地方で順位を見てみると、1位が茨城県45蔵、2位が埼玉県と千葉県で35蔵です。今人気上昇中の栃木県の30蔵を抜いていますが、なぜか埼玉県のお酒は東京で知られていなですよね。
全国新酒鑑評会で金賞を取ることは蔵のレベルを表す一つの指標となっていると言われていますが、ここでも埼玉県は頑張っているのです。過去20年で金賞受賞を1回でも取っている蔵数は23蔵で何と65%もの蔵が受賞しています。関東地方では栃木県に次いで第2位です。これは凄い数字ですよね。
埼玉県のどこに蔵があるのでしょか。その分布図を手に入れましたので見てください。埼玉県の全体にまんべんなく存在しています。これは驚きです。埼玉県は東京の通勤圏内なのに、どうしてそんなに蔵があるのでしょうかね。県の面積あたりの蔵の数を調べてみたら、1位が福岡県、、2位が滋賀県、3位が佐賀県、埼玉県は6位のようです。これは自慢できる数字だと思います。
それでは次に今回の試飲会で僕が気に入った蔵のお酒を紹介します。あくまでも個人的好みの結果なので、気楽に見てください。
以前2012年の春に埼玉の地酒を楽しむ会に参加して、その時気に入った埼玉県の蔵元とお酒の紹介そしましたが、不思議なことに今回とあまり重なっていないので、埼玉県の他のお酒を確認したい方は下記のブログも見てください。
http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-b044.html
1.滝澤酒造 菊泉
この蔵は深谷市にある老舗の蔵で、創業は1863年ですから創業151年になるそうです。
写真の方は専務取締役で蔵元杜氏の滝澤英之さんです。20年前に早稲田大学の教育学部を卒業して、東京の石川酒造や広島県の醸造研究所で修業をして蔵に戻っったそうです。杜氏になったのは2007年からだそうで、今の酒の味は彼が作ったものです。
持っていただいたのは地元のさけ武蔵60%精米の吟醸生原酒です。綺麗でしかもしっかり味乗りしている美味しいお酒でした。
この蔵は過去20年間にに12回も金賞を取っている蔵で、どのお酒を飲んでも共通の透明感があってそれでいて綺麗な旨みを感じる造りでした。どれを飲んでも良いかもしれません。
2.鈴木酒造 万両
写真の方は代表取締役社長の鈴木徹さんです。持っていたお酒は万両の大吟醸で、山田錦40%精米です。大手門の大吟醸もありました。こちらは美山錦50%精米です。
この蔵には万両と大手門がありますが,万両の方が古いブランドで、大手門の方が後から生まれたブランドで、こちらの方が高級酒と言われていますが、今日のお酒は逆でした。どうなっているのかはわかりません。
飲んでみるとどちらも角が取れてとても柔らかい飲み口のお酒でした。山田錦の方が味が出てましたが、美山錦の結構よかったですよ。純米酒を飲んでみましたが、これもとても柔らかいお酒でした。
この蔵は丸みのあるお酒造りを目指しているそうです。仕込み水は弱硬水だそうですが、こんなに柔らかくなるのはどうしてでしょうか。この蔵も過去20年間で6回も金賞を取っているそうです。
3.川端酒造 桝川
この蔵は行田市にある蔵ですが、創業は1860年だそうですから、老舗のお蔵です。
写真の方は専務取締役で杜氏の川端利幸さんです。持っていただいたのは桝川純米原酒です。飲んでみると最初の香りはちょっと気になるけど、飲んだ後の余韻がとても良かったです。この蔵はどのお酒もうまいお酒でした。
この蔵は家族でやっている小さな蔵で、ほとんど地元の消費で東京には出回らないみたいですが、わけあって文京区の東大農学部前の高崎屋酒店で扱っているそうです。このお店の前はしょっちゅう通るのに知りませんでした。今度のぞいてみよう。純米原酒4号瓶は1100円ですからお買い得です。
こんな小さな蔵でもここ20年間で5回も金賞を取っています。驚きですね。
4.松岡醸造 帝松
この蔵は小川町にある創業が1851年の老舗の蔵です。埼玉県には老舗の蔵が多いのですね。この蔵は全国新酒環境会で、過去20年に13回も金賞を取っている蔵だし、前述の埼玉県の地酒を楽しむ会でも紹介したので、取り上げるのは辞めようかと思ったのですが、面白い酒を見つけたので紹介します。
そのお酒は純米吟醸生原酒でお米が山田錦と金紋錦を掛け合わせて、山形県の農業高校が作った山酒4号60%精米のお酒です。飲んでみるの旨みの塊がどんと来るけど、適度にさらっと飲める出来上がりでした。
写真の方はどなたかを聞くのを忘れましたが、杜氏の松岡則夫さんではないようです。
いずれにしてもこの蔵のお酒の味は安定していると思います。
以上で今回取材した結果は終わりますが、1時間で35蔵の試飲は無理で、少なくとも2時間を用意していただきたかった気がします。
最後の印象としては埼玉県のお酒は確かに金賞を取っている蔵数は多いけど、その造りの技術が必ずしも安価な酒の味に反映していない蔵も多かったのは少し残念な気がしました。でもなかなかの良い味のお酒を造っている蔵も多いので、もっと蔵の特徴をPRをしていくべきと感じました。
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