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明鏡止水のお酒はどんな酒?

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先日行われたなかむらやで行われた蔵元と美味しいお酒を楽しむ会の第2段として明鏡止水の大澤酒造のお酒について書いてみました

明鏡止水の蔵元の大澤酒造は長野県の佐久市茂田井にあり、1689年より酒造りを始めた老舗の蔵です。この地区は蓼科山のなだらかな北斜面にあり、朝廷に献上する御料牧場があったところで、豊かなお米や豊富な水にに恵まれているところなので、酒造りに向いているのでしょう

生産高は1000石くらいの中堅の蔵ですが、大部分は仕込みタンクは750Kgの少量仕込みで造られていると聞きました

現在は大澤兄弟は協力して酒造りをしていますが、兄の大澤真(まこと)が社長で、弟の大澤実(みのる)さんが専務取締役杜氏です。お二人とも東京農大造醸学部を卒業されています。本日お見えになったのは弟さんの実さんです。

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実さんにお聞きしたのですが、東京農大の同期生は酒千蔵野の麻里子さんや松の壽の松井さん等がおられるそうです。今まで知らなかったです。本人はあまり気にされていないようでした。

僕は明鏡止水のお酒はあまり飲んでいないけど、明鏡とはきれいに磨いた鏡のことで止水とは静止した水のことですから研ぎ澄まされた澄みきったことを言うのでしょうから、きれいなお酒というイメージですかね。それを確かめるためにじっくり飲んでみました。

1.ラビアンローズ

Dsc00679後ろのエビスビールが目立ってラビアンローズのラベルがよく見えないですね。シャンソン歌手のエビットピアフ が歌っている歌のラビアンローズ(バラ色の人生)という名前を付けたそうです。

この酒は長野県産美山錦55%精米の純米酒ですが、アルコール度数は13%と低アルコールで、日本酒に弱い人にも飲んでもらおうというコンセプトセす。

お米の味がしっかりあるけど甘みのバランスは良く、のみやすいお酒です。最初に適度な甘みを感じるのがとても良いです

低アルコールのお酒が最近増えてきましたので、これから良くウォッチしたほうがいいと思いました。

2.大吟醸

Dsc00681兵庫県産山田錦40%精米の大吟醸です。日本酒度4、酸度1.5です。酵母は2種類の酵母をブレンドして使っているそうです。

華やかな香りの後にしっかりとした味わいが口の中で幅広く広がってくると思うと、すっと引いて消えていくお酒でした。これは旨い。こんなお酒も造るんだという感じでした

お酒のレベルから考えて1升5250円ならリーズナブルかもしれません

3.純米大吟醸M’12

Dsc00697_2米が山田錦40%、掛米が美山錦45%の純米大吟醸です。Mは明鏡止水の頭文字で、12は製造年度をあわらすそうです。大澤さんの話では社長もまこと、私もみのるでそのMかもしれないと笑っていました。

酵母は聞くのを忘れましたが、掛米を美山錦にしただけでとても軽い味わいになっています。軽やかな香りと、余韻のきれいさと、切れの良さはあり、もしかしたら明鏡止水が求めている本命の味に近いかもしれませんね。1升3600円はお買い得です。

4.純米吟醸 勢紀

Dsc00700このお酒は長野県木島平産の金紋錦55%精米のお酒で蔵で約1年半くらい寝かせた低温熟成お酒です。

勢紀(せき)というブランドですが、これは実さんのおばあちゃんのお名前で、明治生まれだけど豪傑でハイカラな人だったそうです。実さんはよく勢紀さんの生まれ変わりと言われることがあり、そのことをイメージして付けたそうです。

冷の状態で飲むとフラット過ぎてあまりピークのないお酒ですが、お燗をすると味わいに波が出てきて、米の甘みが引き出されてくるお酒でした。1升3150円です

5.純米吟醸 酒門の会

Dsc00686長野県産ひとごこち55%精米の純米吟醸です。酵母はながのD酵母でALL長野県産を狙ったお酒だそうです

水の特徴を引き出すために蓼科山麓川湧き出る自然水をローリーで汲んできて使ったそうです

含み香が独特に感じました。今日飲んだお酒としては軽めのおさけで、飲みや易いさわやかなお酒に仕上がっていて、酸度は1.8あるけどそんなに感じませんでした。

1升2625円です

6.純米 垂氷(たるひ

Dsc00702この酒は麹米が山田錦60%精米、掛米が山田錦65%精米の純米酒です。

垂氷とはつららのことで、厳寒の時期に搾ったお酒で、つららのように鋭く切れの良いお酒という意味だそうです。

純米酒にしては奇麗な香りと小ぶりな旨みがすっと広がり、辛みと旨みが一緒になってゆっくり消えていきますが、辛みは最後まで残ります。

でもお燗をすると、その辛みが消えてフラットで透明感がある酒に変化します。温度で微妙に変わるので、40度くらいがよさそうです。飲んだことのない人はぜひ試してみてください。価格は1升2520円とチョット高めなのは山田錦のせいでしょうね

以上でここで飲んだお酒の紹介は終わりますが、この蔵の全体的な印象としては色々な種類のお酒を造っているなという風に感じました。ですから杜氏に今後どんなお酒を作ってみたいですかと聞いたら、贅沢な材料を使った特上のお酒をついくってみたいとのことでした。

新しいお酒造りのチャレンジは結構やっていて、600kg仕込みのタンクで試し造りはよくやるそうです。色々な種類のお酒造りをしながら、新しい味を求めていくことは凄く良いことだ思います。どんなお酒を狙っているのですかと聞いたら、味わいに癖のない素直な味の中で何からの主張を持ったお酒を造りたいそうです。もっと突き詰めれば透明感のあるお酒だそうです。ちょっと矛盾する感じもしますが判るような気がします。透明感をベースとする味わい深い酒と解釈すればいいのでしょうね・・・・・・

酒造りは皆で協力してやるものだから蔵人全員が一つになって間違いなくられることが大切なので、工程はシンプルな方が良いそうです。また佐久の蔵とは若手の会を造って杜氏同士の情報交換を行っ勉強しているそうです。

最後に実さんにお願いがあります。杜氏の狙い通りのお酒である透明感がありながら何度飲んでも飽きないような味わいのあるお酒を1升3000円以内で造ってもらいたいと思っています。それが今でもあったら教えてください。直ぐに買いに行きます

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湯川酒造店を応援する会 inきの字

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この会は地酒屋こだまの武さんが企画したもので、今年湯川酒造店が火災にあって、今期後半の造りを断念せざるを得なくなったことから、湯川酒造店を励まして応援しようと、東京の長野メッセで上京する機会をとらえて、東京で3日間開催され、5月17日の金曜日に最終回として新大塚のきの字で行われました。

湯川酒造店は長野県の西の岐阜県にに近い木曽渓谷の奥深くの薮原宿にある蔵で、江戸の初期からある老舗の蔵で、木曽路と木祖地と九郎右衛門の3種類の銘柄のお酒を造っています。蔵の写真をホームページから借りてきました。写真のように風格のある蔵ですね。

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現当主は16代目になる湯川尚子さんです。尚子さんは2005年に蔵を継ぐ覚悟で杜氏見習として蔵に入り、修行を続けていましたが、2011年の7月に先代の当主の湯川寛史さんが病気のためなくなられ、急遽後を継がれたのです。

今回の会の主催者である武さんのお話によると、先代の寛史がなくなられる前に尚子さんが16代目を襲名して、黒松仙醸の杜氏であった丸山慎一さんが新たに杜氏になることが決まったそうです。先代も病床の中でこの報告を聞いて喜んでおられたそうです

なんとそのお二人が結婚することになるなんて、お二人と仲の良かった武さんでさえ、去年まで知らなかったそうです。去年のある時お二人が武さんのお店に来て、婚約の告白を突然受けた時には周りの人が驚いて吹っ飛んでしまったと聞いております。尚子さんもその時こんなことで、人が飛ぶなって初めて見ましたとこの会で告白されました

お二人は去年の5月20日に松本で結婚披露宴が行われ、大変盛り上がった会だったそうです。式の途中から新郎の丸山慎一さんは意識がなくなり、2次回や3次会のことを一切忘れるほどだったらしいのです。披露宴の終わりには丸山さんが感極まって泣いてしまったことも覚えていないそうです。

本当かな?インターネットでその時の写真を見つけましたので、ご覧ください(呑ん子の放浪記から拝借)。

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確かに泣いておられます。でも泣いている新郎を優しく見つめている尚子さんの手が軽く支えているのを見ると、お二人の仲の良さが感じられますね。他にも二人のお幸せな写真もありますので、これも見てもらいましょうか

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これはちょっとかっこ良すぎますね。でも二人の思いが良く出ているいい写真です。場所はどこだかわかりませんが、バックの桜が素敵です。桜を見ると氷川きよしの去年のヒット曲を思い出します。亡くなった恋人を歌った歌なので、ここには不釣り合いですが、良かったら下のURLをクリック下聞いてください。

http://www.youtube.com/watch?v=bJCgt26VdxE

こんなわけで、丸山慎一さんは湯川家の杜氏湯川慎一として24BYから酒造りを始めました。湯川酒造店のお酒がどのように進化していくのが楽しみだった矢先、今年の2月25日の火災のトラブルに見舞われしまったのです

出火元は甘酒を造る蔵で、電気系統の不良で火事になったようです。仕込み蔵や貯蔵タンクが被害がなかったのですが、甘酒の蔵の外側が原料処理のところだったので、新しいし仕込みが全くでき亡くなったそうです。ですからもろみや酒母の段階のお酒はをそれを色々なやり方で最後の搾りまでもっていったようで、それが今回試飲できるとのことでした。

この日は当然社長の湯川尚子さんと杜氏の湯川慎一さんのそろい踏みで、9種類のお酒をいただくことができましたが、お二人から色々と造りのお話を聞きましたので、それをおりこみながら飲んだお酒をご紹介します

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慎一さんにとって新しい造りの最初の年だったので、最初はどんなことが気になりましたかとお聞きしたら、こんな答えが返ってきました。

・ 木曽路は山の奥ではないけど、山に囲まれた土地なので、日が暮れるのが早くて、直ぐ薄暗くなるので、モノクロの写真のようなイメージで驚いたそうです。

・ 標高は940mもあり、先代が日本一星に近い蔵と言ったそうで、真澄の宮坂さんからうちの方が高いとクレームがついたという話もあったようです。慎一さんにとっては標高が高いので、蒸米の上がりが心配だったそうですが、ボイラーを使っているせいか、特に問題がなかったとのことでした。

・ 24BYの全国新酒鑑評会の金賞受賞は本気で頑張ったのに、前の日の発表会で落選したことを聞き、今朝はふて寝をしていたそうです。ですから今日は慰めの会にしてくださいとのコメントがありました。

この蔵の仕込み水は木曽川の源流の地点なので、水は豊富なのですが、硬い岩盤の上を地下水が流れているのを汲み揚げて使っているそうですが、10mくらいの浅い井戸だそうで、水は比較的甘みのある中硬水だそうですだから味がでやすいのでしょうね

それでは飲んだ順番でお酒を紹介します。

1.九郎右衛門 純米吟醸 生にごり スノーウーマン

Dsc00714全量ひとごこち55%精米の純米吟醸のにごり酒で、瓶内発酵をさせたものです。瓶が透明で雪だるまの絵がついています。

ドライという感じではなく、最初に甘みを感じて、後で酸味を感じるバランスで、炭酸のせいでシャープさを感じる夏向きのお酒でした。

九郎右衛門には現当主の代が書いてあり、尚子さんが当主になった時から十六代となっています。

2.木曽路 純米吟醸

Dsc00716酛の6%だけ山田錦で残りは50%精米の美山錦を使った純米吟醸、火入れです。

木曽路の銘柄は主に地元向けに出しているもので、飽きずに飲める酒を目指しているそうです。

香りが立ち、旨みもしっかりしていて、口に含むとふわっと旨みが広がってくる、直球ストライクな酒と言えますね。

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3.九郎右衛門 純米吟醸 愛山

Dsc0071824BYから始めた愛山シリーズの一つです。兵庫県特A地区の愛山を全量使った55%精米の純米吟醸生で、香りの出やすい長野酵母と組み合わせたお酒です。

愛山は溶けやすいお米で味がでやすいので、これを酸で支えるバランスにしたそうです。飲んでみると確かに愛山の甘みがあるけど結構酸が強いように思えました。でも2杯目から酸味が抑えられて、甘みを強く感じるように変化してきました。これは面白い。

来年も愛山を使えるようになったそうで、、来年以降どんなお酒になるのか楽しみです。

 

4.木祖地 愛山1段仕込み

Dsc00721_2このお酒は愛山55%精米のひやおろしの純米吟醸として2月24日に仕込んだお酒ですが、25日に起きた火事のために初添え以降の仲、留めができなくなったので、1段のみで上槽したお酒です。アルコール度数は13.5度、日本酒度-25、酸度3.5というお酒でした。粕歩合が70%もあるので、あまり量は取れないので、270本だけ出荷したそうです。

飲んでみると数字ほどの甘さは感じません。酸味があると甘く感じないのでしょうね。

意外に面白い酒になったということなので、来年は最初から低アルコールのお酒にトライするつもりだそうです。楽しみですね。

ラベルはバカッパルと同じもののようですね

これから九郎右衛門の生酒3連発に行く前に、尚子さんにお酒を持ってもらいました。持っているお酒の説明をしているところです。

九郎右衛門はお米が美山錦、ひとごこち、愛山の3種類、酵母が9号酵母、長野酵母の2種類の計6種類のお酒を造っているそうです。これは武さんの説明です。

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5.九郎右衛門 純米吟醸 生 9号酵母

Dsc00724美山錦55%精米の純米吟醸生、9号酵母の純米吟醸です。このお酒は九郎衛門の定番のお酒ですが、昔は白いラベルだったそうですが、3年前から黒系らべるので赤文字にしたそうです。このラベルは銀箔が入っているので光り方によっては銀色に見えます。チョット高いラベルだそうです。

12月に上槽したお酒で、生で保管していたので、やや生塾感が出てきているので、5-6月が飲み頃だと思うとの話でした。

確かに飲んでみると生酒らしい旨みが口の中の後ろの方に広がってくるタイプのお酒でした。

6.九郎右衛門 純米吟醸 生 長野酵母

Dsc00731長野県産ひとごこち55%精米の純米吟醸生で、長野酵母を使っています。長野酵母は毎年同じものではなく毎年選抜して良いものを造っていますが、今年はどうも出来が良くなかったようで、どの蔵も苦労しているようです。

長野酵母にも2種類あるそうですが、今年は長野酵母Dを使ったそうです。この酵母はもろみの後半で酸が上がり続けるので甘さを残さないと上手くバランスしないそうです。

確かに酸味があるけど、甘みとのバランスが良いので、長野酵母らしい奇麗な酸があって上手く出来たのではとおもいました

7.九郎右衛門 特別純米 生 9号酵母

Dsc00735長野県産ひとごこち60%精米の特別純米で、9号酵母を使った定番のお酒です。ひとごこちは柔らかいお米で味がでやすいけれど、味があって切れのあるお酒を狙っているそうです。

今まではこのお酒は白ラベルの黒文字の定番のお酒ですが、杜氏が慎一さんになって、季節の合わせて色々なバージョンのお酒を出すようですから、定番の意味が少し変わるかもしれないそうです。

このお酒は旨みがあって適度な酸とのバランスが良く余韻がきれいなので、慎一さんらしい新しい味に変身しつつあるのかもしれません。

8.木曽路 山廃純米 あらばしり

山廃仕込みの酒は毎年1回純米を仕立てるのですが、今年は火災の前に酒母を仕立てていたのですが、この蔵ではその後の造りができないので、杜氏が以前勤めていた蔵の仙醸の社長のお願いして、仙醸の蔵でもろみを立てて造ったお酒です。お米はひとごこち60%精米です。

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仙醸の仕込みが終わらないと造りに入れないので、醪造りに入ったのは4月1日で、上槽したのが5月2日だたそうです。酛をつくたのが2月初めでしたので、山廃だからつかえたのでしょうねと慎一さんのお話でした。

仙醸には蔵の人も行って仕事をしたけど、醪管理は仙醸の安藤杜氏にやっていただいたそうです。そしてあらばしりが湯川酒造店のお酒として、中取りは仙醸のお酒として販売したそうで。ですからラベルがすこし変わっています。青色の2重丸が半分着いたラベルですが、その反対側の半分の2重丸は仙醸のお酒についているそうです。5月の長野メッセに出したそうなので、それに気がついた人は凄い酒通です。僕はまったくわかりませんでした。

飲んでみましたが、山廃らしい荒々しさのない飲みやすいお酒でした。これは普段の上槽のタイミングより早めに絞って、甘さを残しながら優しさを出したのだそうです。また、山廃の酛の造りを長時間低温引っ張らざるをえなかったのも奇麗な味になった原因かもしれませんとのことでした。

この二つのお酒をそろえるためには、湯川酒造店と仙醸の扱っている酒屋さんでしか買えないことになります。そうなると地酒屋こだまがもっとも可能性があるかも知れません。でももう無くなっているでしょうね

9.木祖地 醸し屋バカップル

次のお酒は二人の結構披露宴に出すために作ったお酒で、しらかば錦60%精米の純米酒です。しらかば錦は高地でも作れる耐冷性が強い酒造好適ましですが、お米の値段が安いので農家があまり造らなくなっているお米です。

しらかば錦は木祖村でも造っているお米なので、これを使った甘酸っぱいお酒を造ろうという遊び心で造ったそうです。

このお酒を慎一さんが持って熱心にお酒の説明をしているところです。

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二人の指を合わせてハートマークをデザインしたラベルのお酒です。結婚式の披露宴用だから出来たデザインでしょうね。このお酒のラベルの裏には意外なデザインになっていました

Dsc00757_2とてもシンプルなデザインで木祖村の雰囲気が出た洒落たものです。でも木祖地 醸し屋バカップルとはどこにも書いてありません。

披露宴に出したお酒をこだまやで1年間熟成したお酒です。どんな味になっているのでしょうか。

結構お米の味がでて、とろっとした甘酸っぱいお酒でした。ひとめぼれよりは、だらっとし味になるのは仕方がないかもしれませんが、これはお米のせいでなく二人の愛からくるものと思われます。

 

これで飲んだお酒の紹介は終わりますが、最後に杜氏としてこれからどんなお酒を造りたいのかをお聞きしました。

・ 前の蔵の仙醸は奇麗なお酒を造りやすかったのにたいして、湯川酒造店の酒は味あるけど野暮ったくない酒を目指したい。 

・ 地元の酒は田舎ぽい酒が好まれるようで、それは優しさに通じる面もあるので、必ずしも変える必要はないかもしれないと思っている。 

・ 県外に販売するお酒は味があるけど洗練されたお酒にしたいと思っているし、だんだんそれに近づいていると考えているとのことでした。 

・ 毎年酒造りはリセットし、今までの積み上げの中で新しいものにチャレンジしていくつもりである。

最後に尚子さんに慎一さんは夫としてどんな人なのかを聞いてみました。

・ 優しい人だそうです。でも仙醸にいるときはもっと尖がっていたイメージがあったけど、今は丸くなったと思う。でも昔のセンスは持っていてもらいたいとのことでした。 

・自分の持っていないものを持っていることがわかったし、今回の火事の後処理は彼がいなかったら大変だったと感謝していました。

二人の愛がとても感じられましたね・・・・・・・・・

これからも二人で力を合わせて良い酒を造ってください。

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鍋島の酒のうまさはどこにあるのでしょうか

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鍋島 富久千代酒造の飯盛直喜さんと一緒にお酒を楽しめる会がありましたので、友人のUさんと参加してきました。この会は八芳園内にある日本料理店の槐樹(えんじゅ)で開催された、蔵元さんと一緒に日本酒を楽しむ会で、今回第3回目です。僕はこれで2回目の参加ですが、参加費は1万円とチョット高めですが、参加する人の人数が少ないこともあり、蔵元さんと距離が非常に近いので、色々なお話が聞けるのと、お料理が抜群においしいので、大変お勧めの会です。

鍋島の会の参加は2年前の稲毛屋が初めてで、その時鍋島のうまさに感激した思い出があります。その時のことは下記のブログに書きましたので、今回と比較してみると面白いかもしれません。

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-7263.html

稲毛屋のときは.参加者の人数が多くて、飯盛さんとじっくりお話ができなかったのが、残念でしたので、今回の会はどんなお話が聞けるか、楽しみにしてきました。

早速富久千代酒造の社長兼杜氏の飯盛直喜さんに登場してもらいましょう。

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飯盛さんはもともと蔵を引き継ぐつもりはなかったようで、技術系の大学を出られたあと、東京でサラリーマンをしていたそうですが、1987年に先代が事故を起こされて急遽後を継ぐことになったようです。その後は滝野川の醸造試験所で6か月研修を受けてそのまま蔵に入り杜氏のもとで修業したそうです。

蔵に入ってから、しばらくはお酒を造っても売れない時代が続き、その中で地元の酒屋さんと手を組んで、消費者、売り手、造り手の枠を取り払い、同じ目線で考えた新しいお酒造りを進めた結果生まれたのが鍋島です。佐賀県を代表する地酒をイメージして佐賀藩の鍋島家の名前からとったものです。

鍋島が誕生したのは1998年で、特別純米酒「鍋島36万石」と特別本醸造「肥州鍋島」の二つの銘柄を世に出しました。その後鍋島は品格のあるお酒に育てつことを行いながら、販売の拡大に努力したそうですが、鍋島の増える量よりは富久千代等の普通酒が落ちる量の方が大きく、以前は1000石以上あった生産高が200石にまで落ち込んだそうです

その後の努力の結果、鍋島は今では大人気のブランドとなり、買おうと思ってもなかなか買えないほどになっていますが、そのきっかけを造ったのは飯盛さんが前の杜氏の後を受けて新しく杜氏になったことにあると、私は思っています

杜氏になられたのは2002年の1月ですが、2004年には初めて全国新酒鑑評会で金賞を取り、その後7年連続金賞を取ったばかりではなく、2011年には世界最大の日本酒品評会のIWCで鍋島の大吟醸が最優秀賞に選ばれるなど、品質の高いお酒を世に出し続けたのです。こんなことは誰でもできることではありません

最近は残念ながら2年連続で全国新酒鑑評会の金賞をとりそこなっていますが、今のお酒はどんな味なのか、美味しいお酒造りの秘密がどこにあるのかを少しでもわかりたいのが、今日この会に参加した本当の理由です。

飯盛さんのお話では、今の蔵の生産高は1000石近くになったそうですが、少人数の若手の蔵人と手作りで造っているまだまだ小さな蔵だそうですが、今年のお酒の出来はとても良いとのおはなしでした。

これからお酒の紹介に入りますが、その前に見てもらいたいものがあります。下の写真です。今日は8種類のお酒が用意されていますが、最後特別純米以外は1本1本お酒に合わせたグラスが用意されていました

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このような準備をするのは凄いことです。このアイデアを実行したのが、経営企画室の窪田理恵子さんという女性の方だったのです。女性ならではの気配りですね。さすがのUさんもびっくりされていました。

それでは飲んだ順番にお酒を紹介します

1.大吟醸 雫搾り

Dsc00773兵庫県特A地区の山田錦35%精米の大吟醸の袋搾りのお酒を瓶燗火入れしたものです。いわゆる全国新酒鑑評会の出品酒の元になる原酒のお酒と言えます

香りがすごく良くて、味のふくらみもあり、とてもおいしくて飲みやすいお酒でした。これでどうして金賞が取れないのか不思議な感じがしました

強いて言うと後味の透明さに少し欠けるのかなとは思いましたが、それが原因かどうかは私にはわかりませんが、お酒としては十分においしいと思います。

2.特別本醸造 活性にごり

Dsc00779鍋島の活性にごり酒には佐賀の華60%精米の本醸造を瓶内発酵させたもので、アームストロングと呼ばれています。アームストロングとは佐賀藩で造った大砲の名前で、その爆発力からつけたそうです。

この活性にごり酒は二次発酵してできた炭酸ガスのパワーが強くて、瓶を空けるときに失敗してお酒の大部分を飛び出させてしまうことが良くあるそうです。

今回はこの会をサポートされた地酒屋「かがた屋」の直井一成さんがアイススティックを瓶の頭の王冠に突き刺して、徐々にガスを抜いたのが印象的でした。

Dsc007714合瓶ですとスクリューカップなので、王冠を手で押さえて徐々にガスの抜くことも可能ですが、1升瓶では絶対無理だそうです

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フルートグラスに注ぎましたが、白く濁ったお酒で、ピリピリ感があって甘さは感じませんでした

3.純米吟醸 生酒 五百万石

Dsc00781富山県の五百万石50%精米の純米吟醸の生酒です。富山の五百万石は早生なので、9月には収穫ができるため9月の早い仕込み用のお米として使っているそうです。佐賀のお米はどうしても10月から11月になるそうです。

五百万石は淡麗になりやすいお米ですが、敢えて旨みが出るように造っているそうで、飲んでみると味に丸みがあって、酸味を少し感じました。この蔵では搾ったお酒をあまり時間をおかないで瓶詰めするので、直汲みではないけど発泡感が残るので酸味のような味を感じるのだそうです。旨みとこのしわしわ感とのバランスがいいですね。

4.純米吟醸 生酒 山田錦

Dsc00785_2定番中の定番のお酒で、米が足りないので佐賀と兵庫と千葉から山田錦を買って使っているそうです。精米度は50%の純米吟醸です。

上品な甘さがあり、甘みのふくらみとときれいさのバランスが良く、特に後味のきれいさが良いですね。飲みやすいお酒でした。価格は1升3300円ですから大変お買い得と言えます

生酒は季節商品で、半分は地元で販売されてしまうので、なかなか東京では手に入りにくいお酒です。愛山や雄町よりは可能性はあるでしょうが。

5.純米吟醸 愛山

Dsc00790兵庫県の愛山50%精米の純米吟醸の火入れです。愛山は溶けやすいお米なので、味乗りしやすいが、甘だれも起こしやすい難しさがあるそうです。ですから生酒の出荷しなかったそうです

口に含んだときにパット広がらないで、すうっと入ってきくるが余韻があってその余韻に色気がある面白いお酒でした。愛山は温度上げて飲んだ方が良さが出ると思います

愛山の生はどんなな味がするのでしょうね。

6.純米吟醸 生酒 雄町

Dsc00792岡山県の赤磐雄町50%精米の純米吟醸の生酒です。雄町も愛山と同じように造り手によって味が変わるお酒です。

この雄町は味のふくらみはそれほど大きくないし、酸味を感じるお酒ですが、そのバランスがよい。最近の鍋島はバランス重視の感じがするな…

この雄町と愛山は数量が少ないので、手に入れることの難しいお酒です。

7.純米吟醸 生酒 隠し酒(裏鍋島)

Dsc00788このお酒は通称裏鍋島と言われているお酒で、年に3回作っているそうです。あらばしりと責めの部分をブレンドしたお酒で、成分は季節によって変わってきます。最初は五百万石が主体で、4月は愛山や雄町が入ってきます。しかも毎年違うブレンドになるので、造ってみないとわからない商品だそうです。

飲んでみましたが、鍋島の特徴の余韻のきれいさがなくなりバランスが違うお酒でした。今年はお米が足りないので、浦鍋島も去年の半分の出荷に終わったそうです

8.特別純米 佐賀の華

Dsc00801地元の佐賀の華55%精米の特別純米酒の火入れです。鍋島を立ち上げた時に作った最初のお酒です。

やや辛口で少し酸味があって膨らみは抑え気味のごく普通のお酒のように思えました。

これで今回飲んだお酒の紹介は終わりますが、最後に私の感想を述べておきます。

この蔵を代表するお酒は山田錦の純米吟醸だと思いました。このお酒はバランスが良く、この蔵の酒質の高さがわかります。ただ、個人的に関心があったのは雄町の純米吟醸かな。あの酸味のバランスが絶妙でした。

最後に飯盛さんに杜氏になって全国新酒鑑評会で金賞を撮り続けられたのはどうしてですかと聞きましたら、お酒のイメージをはっきりさせてから造るからではないかなといわれました。さらにイメージ通りにお酒を作れるのはどうしてですかと聞きましたら、しばらく考えて「センスかな・・・」と言われたのが印象的でした。

飯盛さんが天才肌の杜氏といわれる理由がわかった気がしました鍋島のうまさはこれに尽きるのではと思いました。

今回久しぶりに鍋島を飲みましたが、味は決して悪くなっていないと思ったのですが、どうして金賞が取れないんかなということに関してはわかりませんでした。私個人として気になるのはこの数年で生産量を伸ばしていることと、関係がなければいいけど・・・・・と思った次第です。

飯盛さん これからも美味しいお酒を造り続けてください

最後にこの会のお料理を担当した料理長の高橋さんをご紹介します。

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今回のお料理はどれも抜群においしく、料理長の腕のすごさに改めて感心してしまいました。簡単にご紹介します。

膳彩  大根板谷漬け       味の饗宴 鯵
トマト昆布麺 白瀧田楽など   なめろう、握り、刺身など

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甘藍 酒党と白芋茎        パイナップル風豚柔煮 

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烏賊しゅうまい           鯵フライ

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最後に飯盛さんとの記念写真

 Uさんが緊張してますね。私はすっかりお爺さん風ですね。チョットズボンがいただけませんね。反省します。

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この会は非常に楽しい会でした。次回も参加したいので必ず早めに案内をください。

お願いします

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いわて酒物語2013には色々発見があったよ

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いわて酒物語2013は6月12日に池袋のメトロポリタンの富士の間で行われましたこの会は岩手県の酒造組合が主催するもので、今年で2回目だそうです。去年は残念ながら参加できませんでしたので、僕にとっては初めての参加になります。

最近各県の酒造組合主催の日本酒の会は年々広がるばかりで、その中では遅ればせながら出てきた会として、どのようであったかを僕なりに感じたことをまとめてみました僕の勉強不足で、岩手の蔵は東日本大震災で壊滅した蔵が幾つか在ったのを知らなかったのですが、いずれも元気よく立ちあがっていたのには心がうたれました。この辺についても書いてみます。

参加蔵は22蔵ですから、岩手県酒造組合に参加している蔵数は23蔵(同じ会社の工場は除きます)のほとんど大部分が参加しているのは素晴らしいことです。開会の様子です。

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でも壇上には18人しか見えませんので、出展した蔵の人が全員いたわけではないようです。それは仕方がないかもしれませんが、大手の蔵は蔵元の人が少なく、営業の人が多かったのはさびしい気がしました。この会にかける本気度が少し疑われます

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会場は約200人が着席出来るようになっていましたが、ちょうど良い大きさだと思うけど、色々なイベントをやるにはチョット狭いかな。お料理の質の割には会費が7000円は少し高過ぎると思います。テーブル料理を減らしても郷土料理を食べてみたかったな

会の後半に抽選会が長々と行われていたので、それに気を取られたため、時間が足りなくなり、全蔵の試飲ができなかったのは残念でした。

文句ばかり言ってはいけないので、良かった企画も紹介しましょう

その一つは新しい岩手県産酒造好適米の結の香のコーナーができていて、ゆっくり試飲できたことです。

Dsc00830岩手県が10年をかけて大吟醸用の酒造好適米として開発した「岩手酒98号」を新しく「結の香」と名付けたものです。この酒造好適米は父が山田錦、母が華想いのお米ですが、精米時や醸造時に砕けにくく、雑味成分となるタンパク含量が少ないなど大吟醸酒向きで、「山田錦」と比べて夏の短い岩手での栽培に適しているそうです。

昨年、紫波町、奥州市の2カ所で栽培され、6つの蔵で醸造販売されることになりましした。あさ開、菊の司酒造、南部美人、月の輪酒造店、岩手銘醸、酔仙酒造、の6社。各社1000本限定で、1本(720ミリリットル)3,500円です。

こんな風に展示されていました。

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全部いただきましたが、、同じお米でも造りによって味が変わることがよくわかりました。一つ一つは説明しませんが、きれいさのバランスでは菊の司で、旨みとのバランスでは南部美人が良かった気がします。月の輪だけがちょっと違ったバランスのお酒になっていたのが気になりました。でも良さそうなお米ですね

次に気に入ったコーナーは鑑評会出品酒の展示です。

酒造組合が主催する会で、主催する県の出品酒を全て展示したのは初めてではないかな。ここに並んでいる人が少ないのはどうしてでしょうね。今回参加した全ての蔵の出品酒が出ていたので、あまり多すぎて何を飲んで良いのかわからなくなったのでは?

僕が最初にこのブースに行ったときは全国新酒鑑評会で金賞を取ったお酒の区別がなかったのですが、直ぐに金賞受賞酒には小さな星印が付けたのは素早い対応でしたね。でもパットわかる色つきの目印にしてもらいたかったです。

今年の全国新酒鑑評会で金賞を取った蔵は以下の通りです。

あさ開、菊の司、関山、浜千鳥、千両男山、堀の井、南部美人、鷲の尾

おめでとうございます

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別に金賞受賞酒だけを飲みたいわけでないけど、落選したお酒と何が違うのかは興味ありますね。でもじっくり飲む時間がなかったので、良くわからないうちに終わってしまいました。それからここには絶対に吐器を置いてもらいたいです。そうしなければ比較の試飲はできません。ごく小さなカップを用意するのも良いのではないでしょうか

次にこの会で興味深かった蔵を紹介します。

<東日本大震災で完全に破壊された蔵>

1.赤武酒造 浜娘

この蔵は大槌町にある蔵で、あの大震災で町の7割以上が浸水した場所にありました。地震の時に社長の古舘秀峰さんは蔵にいたのですが、地震の大きさからこれは間違いな津波が来るということで高台にある江岸寺に避難したそうです。でも津波が江岸寺まで迫ってきたので、必死に裏山に通じる階段にを駆け上がって命拾いしたそうです。家族も幸い無事でしたが、全てを津波で失ったそうです

その後、必死にリキュールと日本酒を作れる場所を探し、リキュールは盛岡市の新規事業創出支援センターで7月には再開し、日本酒は盛岡市にある桜顔酒造のお世話になり、蔵を借りて11月末には浜娘純米酒生酒を造ったそうです。その後、工場再建費用の3/4の補助を受けられることが決まり、去年の11月には盛岡市の北飯岡に新工場の建設を開始したそうです。そして今年の10月には仕込みができるようになるそうです。

良かったですね

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これが新工場の写真です。古舘さんおめでとおうございます。この古舘さんに会場でお会いしました。息子さんもご一緒でした。こんなに苦労されて、まだ本格的な酒造りに入っていないのに、とても明るい親子だったのが印象的でした。

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飲んだのは盛岡で造った純米酒です。お米はひとめぼれ60%精米で酵母はゆうこの想いです。そんな蔵とは思わずに、飲んだ印象を述べてしまいました。味わいがあって切れもあるし、後味の酸味がとても良いので、強いて言えば最初にもっと膨らんだほうがいいのではと等と言ってしまいましたが、嫌な顔もせずに聞いてくれました。

それならと言うことで、隠し酒の本醸造をいただきました。全くバランスの違うお酒で、普通の本醸造は辛いお酒が多いのですが、これは辛さを感じないで、余韻がきれいでとても本醸造には見えないお酒でした。こんなお酒を造るのなら、将来が楽しみな蔵です。

息子さんは今東京農大の学生さんのようで、これから蔵の後を継ぐことになるそうです。また僕は勢いにに乗って、他の蔵で修業をしたらどうですか。たとえば上喜元の佐藤正一さんは農大出身ですから受け入れてくれますよとまで言ってしまいました。一つの案ですから気にしないでくださいね。

でもこんなに大被害を受けた蔵元さんがこんなに元気で明るいのを知って、あらためて力をもらった感じで気持ちが晴れ晴れとしました。これからも頑張って美味しいお酒を造ってください。そしていづれかには大槌市に戻れるといいですね

2.酔仙酒造 酔仙

この蔵は陸前高田市にあった蔵で、社長の今野靖彦さんは地震当時蔵に中にいて建物が持ちこたえるかどうか心配していたそうですが、揺れが収まって従業員の避難と帰宅を指示したそうです。その後津波が押し寄せ、木造4階建ての蔵を含むすべてが水面下に沈み全てを流失したそうです。これにより7名の従業員を失ったと聞きます。社長にとってとても辛い出来事だったと思います。

その後岩手銘醸㈱の協力を得て、玉の春の醸造施設を借りて、その年の9月には酔仙の仕込みができるようになったそうです。そして去年の3月には大船渡に新工場を建てることが決まり、8月22日の新工場の竣工式が行われたそうです。すごいスピードですね。もともと2000石以上あった蔵なので、それなりのパワーがあったのでしょう

素晴らしい工場ができるまでの動画を見つけましたので、ご覧ください

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=ZNBhscG-TqE

Dsc00840ブースには息子さんの今野泰明さんがおられました。そんな辛い目に合った蔵とは思わず、お話をさせていただいたのですが、最初は蔵元の人とはおっしゃらずに製造をやっている蔵人ですと言われただけでした。

ブースには3種類のお酒がありましたが、手に持っていただいたのは、岩手の地酒、特別純米です。とてもバランスの良いお酒で柔らかく軽快な飲み心地で、もっと尖ったものが有っても良いかなと思ったお酒です。

是非自分のお酒が作れるように頑張ってください

3.㈱菱谷酒造店 千両男山

この蔵も東日本大震災の被害を受けた蔵です。宮古市にある蔵で宮古湾から200mしか離れていないところに在ったそうです。津波で1階部分が崩壊し、敷地内にあった住居も失ったそうで、社長の三浦睦子さんや従業員は逃げて無事だったそうです。

青森の田酒の名声を高め、純米酒の神様と呼ばれた杜氏として有名な辻村さん2004年からこの蔵の杜氏として迎え入れて一躍有名になった蔵です。その蔵が酒造りができなくなったということで、全国から支援を受けて、その年の12月には蔵の復帰ができ、元の生産量の60%まで生産ができるようになったそうです

今年は岩手県の酒造好適米の部の最高賞である全農岩手県本部長賞に選ばれるだけでなく、全国新酒鑑評会の金賞受賞をとり、完全復活を遂げた蔵です。下記のURLをご覧ください。震災を受けた時の写真もついています。

http://www.pref.iwate.jp/~kiri/pressrelease/H24-031.pdf

でもこのお会場では、ブースはあったものの蔵の人はおられませんでしたので、残念ながらこの蔵のお酒は試飲していません。

以上が震災で被害を埋めた蔵のお話です。最後に試飲し気に入った蔵とお酒をチョットだけ紹介しましょう。たまたま僕が飲んだ順番です。

1.吾妻嶺酒造

Dsc00831_2紫波町にある吾妻嶺酒造の代表取締役社長の佐藤元さんです。

持っていただいたのは純米吟醸50%精米の雄町の生です。この蔵のお酒の特徴は柔らかさだと思いますが、この雄町は僕にはぴったりでしたね。 

雄町らしいかというと少し難しいけど、太い線でありながら柔らかく口の中に入っていくのがいいですね。

2.月の輪酒造

Dsc00832この蔵も紫波町にある蔵で女性杜氏の横沢裕子さんが醸し出す蔵として有名ですよね。

写真の方は営業製造の乳井亨介さんです。

持っていただいたのは55%精米ぎんおとめで造った特別純米酒で、バランスが良いお酒で飲みやすく、お米の味がよく出ていると思いました。

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3.菊の司

Dsc00834この蔵も盛岡にある蔵ですが、宮城県石巻で日高見という日本酒を造る平孝酒造は、この家の10代目の弟さんが分家し出来た酒蔵だということを知っている人は少ないでしょう。

写真の方は営業の高橋憲治さんです。持っていただいている酒は大吟醸てづくり七福神です。このお酒は40年前に商品化された今でも売れているヒット商品のようです。

口に含むと奇麗に旨みが広がり、裏に酸が有って良いバランスをしています。 美山錦とは思えません。

4.高橋酒造店 堀の井

Dsc00836この蔵も紫波町にある蔵ですが、紫波町は南部杜氏発祥の地として有名なところです 

写真の方は蔵元の息子さんの高橋信さんです。若いのに頭をつるつるにしているのはどうしてと聞いたら、わけが有ってとだけ答えてくれました。

持っていただいたのは山田錦40%精米の大吟醸で、口当たりが優しくて、ゆっくり後ろにい膨らんで奇麗な余韻があるお酒でした。今日僕が一番気に入った酒です

5.浜千鳥

Dsc00837浜千鳥は釜石市にある蔵ですが、東日本大震災ではあまり大きな被害は受けなかったようです。

写真の方は製造部長で杜氏の奥村康太郎さんです。前にお目にかかった時は課長でしたがいつの間にか杜氏になられたようです。33歳だそうですからお若いですね。

 

持っていただいたのは大槌産の吟ぎんが50%精米の純米大吟醸です。奇麗な酸で旨みを抑えて切れを出しているお酒でした。なかなか良いです。720ml2500円はチョット高いね。

6.川村酒造 与右衛門

Dsc00841花巻市にある蔵ですが、この蔵のホームページが開かないので、詳しい情報はわかりません。早く直してください。 

写真の方は蔵元の川村直孝さんです。随分個性的な感じの方ですね。

持っていただいた酒は吟ぎんが45%精米の純米大吟醸です。ちょっと酸味と辛みが有って切れもあるが、このお酒をお燗をしたら、抜群に良くなりました。柔らかくて素直なお燗に変身しました。絶対にお勧めです。値段も1升3700円でお買い得です

7.磐の井酒造

Dsc00842一関市の蔵です。写真の方は企画営業の佐藤竜矢さんです。この蔵は社長が杜氏をやっているそうです。

持っていただいたお酒は純米吟醸の真心というお酒です。吟ぎんがを45%精米したので実質は大吟醸ですが、昔の流れで純米吟醸の価格として売っているそうで、720ml1500円です。

飲んでみると素直で汚れのない酒という感じで、でも決して軽いわけではないけど、強いて言うともうちょっと特徴がほしい気はしました。

以上でお酒と蔵の紹介を終えます

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天山酒造の酒の味は安定してますね(藤井社長の秘密?)

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神田の醇さんのところで佐賀県の天山酒造を囲む会が開かれましたので、参加してきました。天山酒造は佐賀県の小城市にある老舗の蔵元で、現在は七田謙さんが6代目で後を引き継いでいます。その謙介さんに来ていただきました

お酒の紹介の前に天山酒造についてご紹介します蔵は自然が大変豊かな小京都といわれる小城(おぎ)の祇園川沿いにあります。この川は天山からのわき水が川となったもので、水がきれいなことから源氏ボタルの場所として有名なところで、6月には10万匹の蛍が乱舞するそうです。見てみたいものです。

この蔵の仕込み水は天山からの湧水を専用の水道で蔵まで導き使用しているそうです。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを含んだ中硬水なので、味わいのあるお酒造りに合っているようです。

天山酒造の蔵元は七田家ですが、最初は祇園川の清流を利用した水車業を営んだそうですが、その後明治8年に酒屋を買い取り、酒造業を始めたそうです。2代目の七田秀一さんは建築に造詣が深く、こだわりの蔵をいくつも建設し、今でも現役蔵として活躍しているそうですから、一度見学したいものです。

3代目は農業に造詣が深く専門の農業大学まで造ったほどの人です。そして4代目は本業の酒造業に力を入れ、当時はまだあまり知られていない純米酒の普及活動に力を入れたそうです。5代目の利秀さんは品質第一の酒造りをめざして、今の酒造りの基礎を造ったそうで、謙介さんは次の6代目ということになります。先代はユニークな才能を持っている人ばかりなので、謙介さんもそのDNAを引き継いでいるのでしょうね

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謙介さんが蔵に入ったのは1997年(平成9年)で、首都圏向けのお酒として七田(しちだ)を世に出したのが蔵に入って4年目の2001年です。名前を色々考えたそうですが家元の名前を選んだそうですが、青森県の田酒の人気から「しちでん」と呼ばれてしまうことが多かったそうですが、今では有名になったのであまり呼び間違う人はいないでしょう。

七田のお酒は純米酒か純米吟醸で基本的には無濾過生原酒が多いのですが、1回火入れの生詰めもあるようで、天山がきりっとした味に対して、濃厚な旨味と穏やかで綺麗な味わいを狙っているそうです

天山酒造のすごいのは酒質が安定していることだと思いますが、2005年から毎年のように全国新酒鑑評会で金賞を取り続けているのがその証拠だと思います。この蔵は蔵人が杜氏を含めて7名でやっていて、精米、原料処理、酒母、麹、醪、上槽の工程毎に管理者が決まっていて、杜氏は全体の管理をすると同時にお休みを取った蔵人の代わりをやって、蔵人全員が酒造りの間でも休暇を取れるようにしているそうです。

この仕組みは蔵人の労働管理上効果が有るだけでなく、全体のまとまりができて、一体感が強くなるとか、ひとりひとりの工夫やアイデアを生かすことにより、個人のレベルアップにも繋がるなるのではと思いました

この蔵は酒米造りにも凄く力を入れています。1998年には自社の田圃で山田錦の栽培の研究を杜氏をはじめとする製造の人たちが中心になって、栽培技術の習得を始めただけでなく、2005年には地元の農家と一緒になって天山酒米栽培研究会を立ち上げたのです。そのことが品質の高い酒米造りにつながっているようですね。

それではこの会で飲んだお酒を紹介しましょう

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お酒の紹介はできるだけ簡単にします。

0.飛天山 大吟醸 金賞受賞酒 (乾杯酒

Dsc00877兵庫県特A地区の山田錦35%精米の袋絞り斗瓶囲いの無ろ過生原酒の大吟醸で、市販はしていないそうです。

飲んだ後に華やかに旨みが立ちあがり、すうっと切れるのではなくふわあっとフェードアウトしていくバランスがいいね。さすが金賞受賞酒ですが、旨みはしっかりしていると思いました。酵母は18系と9号系の組み合わせだそうです

1.七田 夏吟 純米酒

Dsc00880佐賀県産の山田錦60%精米の純米酒で、加水してアルコール度数を14%にした夏向けの純米酒で、加水する前のお酒の旨みと酸味をしっかり造ったお酒だそうです。

飲みやすくて辛みを感じないでさらっと飲めてしまいますが、水ぽくはありません。鯉料理の梅肉にピッタリでした。

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2.七田 純米大吟醸 火入れ 原酒

Dsc00885佐賀県産の山田錦45%精米の純米大吟醸の24BYの火入れ原酒ですがアルコール度数は16%とそれほど高くありません。 

飲んでみると結構酸味を感じるお酒でした。それは佐賀の山田錦は溶けにくいので硬めの味になるからだそうです。これならもう少し熟成させてから飲んでみたいです。でも油が乗った魚には合うと思いました。さごちとはピッタリでした

3.七田 純米吟醸 雄町 火入れ 23BY

Dsc00891岡山県産の雄町50%精米の純米吟醸の火入れです。この雄町は23BYから始めた野心的なお酒ですが、数量が少ないので直ぐ売れてしまうそうです。このお酒はかねゑ越前屋さんがお店の冷蔵庫で氷温で約1年貯蔵していたものだそうです。

熟成の香りは少しするけど気になりません。新酒のときの香りが残っていて旨みが柔らかく膨らみ、広がってきます。新酒の生と比較してみたかったな。

4.七田 純米 滓がらみ

Dsc00894麹米が佐賀県産の山田錦65%精米、掛米が佐賀県産レイホウ65%精米の純米酒を春先に滓絡みで瓶詰めしたものです。

瓶貯蔵しているときに瓶内発酵が進むので、ピリピリ感があります。口に含んだときに酒の旨みを感じるけど、べたっとしたした感じがしません。上手く造っているなという感じでしたね。

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5.七田 純米 7割5分磨き 山田穂 生原酒

Dsc00897山田錦の母方である兵庫県の山田穂の75%磨きの純米酒です。低精米の酒造りは10年前に山田錦で始めたのですが、2年前から山田穂も使い始めたのです。

良い酒米を敢えて磨かないお酒にチャレンジしたもので、無ろ過生の原酒です。かなり個性のある味で、酸味が強いけど奇麗な酸味ですね。この酸味は低精米からくるものと、佐賀県の9号酵母のF酵母からくるものだそうです。

6.七田 純米 7割5分磨き 山田錦 生原酒

Dsc0090275%磨きの山田錦の純米酒の生原酒で、10年前から始めた低精米純米酒の原点になるお酒です。

山田穂に比べると、非常に近いバランスですが、こちらの方が締った味で、緩やかな波を感じるように思えました。でも山田穂の幅の広さというか、藤井社長の言葉をを借りると、母体のような柔らかさがるのがおもしろいね

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7.七田 純米 7割5分磨き 山田錦 火入れ 14BY 

Dsc00907このお酒は10年前に始めた75%低精米の純米酒を蔵の地下室で常温で貯蔵していたお酒だそうです。

確かに少し黄色の色がついています。飲んでみると熟成香はあるけど意外に軽い感じでした。シェリー酒のようとも言えますね。

常温でこの程度なら凄いことだと思いますね。

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<七田の心>

Dsc009057割五分の肩ラベルを良く見てください。無濾過の濾の一部が赤い色にになっています。生だけに適用しているそうですが、謙介さんの遊び心でしょうね。

見つけてみてください

<かねゑ越前屋の社長さんの藤井さんの秘密>

この会のお酒をサポートをしていただいたのは、かねゑ越前屋の社長さんの藤井さんですがお久しぶりにお会いしたら凄くスマートになっておられました。御病気でもなさったのですかと聞いたら、みなさんにそう言われるけど、そんなことはないですよ。でも体重が16kgも減ったことは事実だそうです。

ちょっと見てください。左の写真は今回の会の藤井さんで、右の写真は2年前の阿櫻の会の時の写真です。

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明らかに違いがわかるでしょう。体重が16kgも落ちたようには見えないけど、かなり痩たことは事実です。藤井さんは6年前に脳こうそくで一度倒れたことが有ったのですが、去年担当医からこのまま何もしなければ必ず倒れるよ。その時は命は保証しないからと脅かされたそうです。それで、痩せる努力をしたそうです。その方法を教えていただきました

まずは、日曜日以外は炭水化物を取らないようにして、日曜日だけは大食いすることにしたそうです。そのうえで下記のような運動を毎日しているそうです。

1.ロングブレスをくりかえし行う
2.200回の腹筋トレをする(膝を立てた軽い腹筋運動です)

3.30回のスクワットを行う

これだけだそうです。ほんとうにそれだけでそんなに痩せられるのでしょうか。だまされたと思って僕もやってみることにしました。結果が出るのはいつごろになるでしょうか

<お料理>

鯉の洗い、有明のりの佃煮  かんぱち、さごちの刺身
(小城市は鯉料理で有名)   (さわらの小ぶりのもの)

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だご汁(すいとん)        くちぞこカツレツと夏野菜
(団子汁)              (舌ヒラメ)

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かけ和え             鯨の龍田揚げ

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醇のマジェンバ

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越前・若狭の地酒と蛍の夕べの会に参加して

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6月26日水曜日に椿山荘の4階ジュピターで福井県酒造組合主催の地酒の会として「越前・若狭の地酒と蛍の夕べの会」が開かれましたので、参加してきました。福井県の17の蔵元が参加しての会ですが、福井県には35ぐらいの蔵があるので、約半分の蔵鹿参加していません。特に人気蔵の加藤吉平商店が参加していないのは、拍子抜けという感じですね。

今まで福井県は表参道のふくい南青山291でこじんまりやったことはありますが、ホテルの会場を借りて、やるのは初めてのようです。でも椿山荘の蛍の時期にやるのは凄いなという思いで、どんな会になるのか楽しみにして参加しました。

2009年に南青山で行われた会については下記のブログを見てください。http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-eb23.html

会場は200名が着席で出来る広さでそれほど、広くはなかったのですが、挨拶の舞台もなく、地域の特産品の展示もなく非常に簡素な会のように思えました。

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その中でもちょっと変わった趣向がありました。それは芦原温泉旅館協同組合の女将の会が協力していて、司会進行はその方の一人がしていました。 

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この人達がこの会でどんなことをされていたのかよくわかりませんが、全員利き酒師の資格を持っているとのことですから、お燗コーナーでお酌をするとか、もっとこの方と会話できるような企画があっても良かったのではないでしょうか。そうしたらもっと盛り上がったかもしれませんね。

蔵の展示は写真のように会場の側面に1列ずらっと並んでいるだけで、蔵の名前はテーブルのところに名札が置かれているだけでした。凄い手抜きですね。しかも各蔵とも試飲できるお酒は3本しか用意されていませんでした。きっと主催者側で制限したのでしょう。本数が少ないだけに全てのお酒を飲むことができたのは良かったけどね。

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本数が少ないと宣伝したいお酒が限られるということもあるので、宣伝したい蔵にとっては不本意だったのではと思います。来年からはもう少し検討してください。

今回はどんな蔵人が参加していたかをご紹介することを主体としながら、僕が気に入ったお酒を1本だけ持ってもらうという形で紹介しますが、今回は会場の案内のお酒のリスト表を落としてしまったようで、多少の間違いがあるかもしれませんので、お許しください。

1.常山酒造 常山

Dsc00947常山(とこやま)酒造は福井駅から歩いて10分くらいのところにある蔵ですが、全国新酒鑑評会でしばしば金賞を受賞している蔵で、今年もめでたく受賞したようです。

写真の方は蔵元の専務取締役の常山晋平さんです。常山といえば栗山杜氏が有名ですが、晋平さんは蔵に入って12年目として新しい酒造りをしております。

持っていただいたのは常山(じょうざん)純米吟醸無濾過生原酒で、山田錦60%精米です。しっかりした味わいですが、すっきり飲めるお酒でした。

2.田嶋酒造 福千歳

Dsc00948この蔵も福井市にある蔵で、創業は江戸時代の後期なので、老舗の蔵と言えます。この蔵が得意としているのは山廃仕込みのお酒です。ちょっと前までは山廃仕込みしかしていなかった珍しい蔵です。

写真の方は蔵元の奥さまの田嶋智恵さんです。持っていただいたお酒は山廃純米無濾過生です。酸味があるけどスキットしたお酒です。さくら酵母仕込みと書いてありましたので、農大出身ですかと聞いたら、隣にいた息子さんが農大出身で今蔵人見習をしているそうです。この蔵はこれから変わってきそうな気がします・・・・・・

 

3.毛利酒造 越の桂月

Dsc00949この蔵は昭和18年に創業した新しい蔵です。蔵ができた経緯が変わっていて、当時税務署の職員をしていた毛利淳吉さんが蔵が売りに出されているのを知り、酒造の免許を取って買い取って始めたといいます。いずれ毛利さんが杜氏になることを前提に平成20BYから梵の杜氏をしていた熊谷さんが杜氏として指導していただいているようです。

写真の方は3代目の蔵元の毛利徹郎さんです。持っていただいた酒は桂月 純米吟醸で福井県産の山田錦50%精米のお酒です。酸味があるけど奇麗に膨らむお酒でした

 

4.美川酒造場 舞美人 

Dsc00950この蔵は福井駅から南東に数km離れた足羽川のほとりに位置し、蔵の周囲は米の産地であり、昔は蔵がいくつかあったようです。

写真の方は蔵元の代表兼杜氏をしている美川欽哉さんです。この方は大学を卒業してから蔵に入り、蔵の杜氏であった越後杜氏に酒造りを学んで、現在に至っていますが、今ではほとんど一人で酒造りをしているそうです。奥様の久美子さんは蔵人兼店長として活躍されています。

持っているお酒は山田錦85%精米の特別純米無ろ過生原酒で、独特の旨みにそれを支えている奇麗な酸のバランスが良く、お勧めです。

 

5.舟木酒造 北の庄

Dsc00951当蔵は福井市東部に位置し、北に白山を源泉とする九頭龍川の清流があり、その伏流水の清らかな水を蔵の地下150mから汲みとって仕込み水としています。

写真の方は蔵元の専務取締役の舟木修さんです。持っていただいたお酒は長命酔という純米酒で、麹米が五百万石60-65%精米、掛米が日本晴れです。 

飲んでみると米の旨みは感じますが、とりわけピークがあるわけでないけど、最後に熟成香がすると思ったら、これは新酒と熟成酒のブレンドなんですと隣の息子さんが教えてくらました。息子さんは東京農大そうだそうです。

6.黒龍酒造 黒龍

Dsc00952黒龍といえば、福井県を代表する有名蔵です。場所は永平寺の近くの松岡にあり、創立は1804年ですから、もう200年以上の歴史があります。 

写真の方は経営企画部の黒田宏史さんです。黒龍は高級なお酒を出している蔵なので、本日は特撰の吟醸を持ってもらいました。500万石50%精米のアル添の吟醸酒です。メロンのような香りがたつけど、味わいは奇麗で柔らかく、バランスの良いお酒です。さすが上手く作っているなというお酒ですね。

720mlで1682円はチョット高いけど仕方がないかもね。

7.田辺酒造 越前岬

Dsc00953この蔵も永平寺の近くの松岡にある蔵ですが、この辺りは山を源とする九頭竜川の下流にある土地なので、酒造りに適した地域で、昔はたくさん蔵があったと聞きました。

写真の方は若き蔵元杜氏の田邊丈路さんです。前杜氏は南部杜氏の鷹木さんですが、その方から引き継いだようです。この蔵の酒は直ぐには旨みを出さない造りで、最低半年寝かせて出しているそうです。

持っているお酒は五百万石60%精米の純米酒です。今年の新酒なので、まだ早いけど、飲ませていただきましたが、柔らかな酸と柔らかな旨みでバランスしたお酒でした。癒し系の純米酒と言えます。

8.吉田酒造 白龍

Dsc00954この蔵も永平寺の近くにある蔵ですが、松岡より九頭竜川を上ったところにあります。九頭竜川の泡立つ激流を白い龍になぞらえてつけられた名前だそうです。

写真の方は蔵元の奥さまではありません。蔵元の奥さまは吉田由香里さんです。はっきりはお話してくれませんでしたが、蔵人の奥さまなのでしょうか。

持っているお酒は山田錦と五百万石を使った純米吟醸です。しっかりした味わいのお酒ですが、常温で飲むと柔らかさが出て、お酒の良さがでてきますね。

 

9.伊藤酒造 越の鷹

Dsc00963伊藤酒造は九頭竜川の海に近い方の中流の江上町にある蔵です。

写真の方は蔵元の伊藤抵治(やすはる)さんで、杜氏も兼務しておられます。長く勤められた杜氏が亡くなってからは抵治さんが杜氏として仕切っているそうですが、それは26歳の時だったそうです。

持っているお酒は五百万石50%精米の辛口純米吟醸です。辛口といっても辛くはなくシャープな味わいでした。これは良い酒ですね。この蔵の代表格の酒だそうです

10.久保田酒造 富久駒

Dsc00962この蔵は九頭竜川の北側の竹田川と丸山城の間にあります。ここは地下量が豊富なところで、地下200mの水をくみ上げて仕込み水として使っているようです。

写真の方は蔵元の久保田直邦さんです。直邦さんは3年前に地元の酒を造ろうということで「鬼作左」というお酒をつくた人で、地元を愛した酒造りをしています。

持っていただいたのは本醸造の丸山城です。日本酒度が+9以上あるけど飲んでみると辛くなく、旨いのに切れがありしっかりしている酒でした。心をこめて造っているのがよくわかります

11.真名鶴酒造 真名鶴

Dsc00961この蔵はJRの越美北線の筑前大野駅の近くにあり、九頭竜川の上流の四方を1000m級に山々に囲まれたところです。

写真の人は蔵元の社長兼杜氏の泉恵介さんの息子の泉るいさんです。恵介さんは東京農大の醸造学部を卒業後、蔵に入り、1998年より杜氏をしています。るいさんは今東京農大の学生だそうです。

持っていただいたのは50%精米五百万石の純米吟醸の奏雨です。ワイングラスで美味しい日本酒の2012年の金賞を取った酒です。口の中でぱあっと旨みが広がり、酸味で切ってくれるお酒でした。この蔵は色々な味のお酒を造っていますので、将来が楽しみに思えます。

12.南部酒造場 花垣

Dsc00960この蔵もJRの越美北線の筑前大野駅の近くの街中にあります。創立が1733年ですが、最初は金物やで、お酒造りをしたのは明治34年だそうです。大野市は城下町で且つお米のとれる盆地だったので、昔から造り酒屋は多かったようです。

写真の方は販売課長の前田秀夫さんです。持っていただいたのは麹米が五百万石、掛米が日本晴で60%精米の純米酒のにごり酒です。

普通のにごり酒とは違ってクリーミーなな味がヒューと広がる今まで飲んだことのないお酒でした。大吟醸は優等生タイプだし、色々なタイプのお酒を造っているようです。

 

13.一本義久保本店 一本義

Dsc00959この蔵は生産高が1万石を超えるほどの、福井県では最も大きな蔵の一つです。でも場所はえちぜん鉄道の終点の勝山市にありますが、便利さを考えると、越前大野からタクシーの方がいいかもしれません。

写真の方は営業担当の道林徳雄さんです。いつもにこやかに迎えてくれます。この蔵は一本義と伝心があり、伝心は柔らかく飲みやすいのに対して、一本義は辛口で最後に苦みと渋みが来るものが多いようです。

持っていただいたのは一本義の五百万石60精米の純米吟醸です。確かに最後に苦みを感じますが、これが食中酒に合うのだそうです

14.畠山酒造 雪きらら

Dsc00958この蔵はJR北陸本線の今庄にある蔵で、福井県を南北に分ける中央にある豪雪地帯のようです。でも昔から宿場町として栄えた町です。

写真の方は蔵元の畠山拓也さんです。持っていただいたお酒は五百万石60%精米の純米酒です。優しい味のお酒で飛び出たもののないバランスの良いお酒です。冷より常温がいいと思いました。

この蔵は山田錦系の大吟醸は雪のしずく、五百万石系は智慧の水などがありますが、いずれも優しいスイスイ飲めるお酒のようです。

15.白駒酒造 白駒

Dsc00956この蔵も今庄にある蔵です。創業は1696年ととても古く、宿場町なので旅人に好まれる酒造りとして昔からコクの深いお酒造りをしているそうです。

写真の方は蔵元の京藤和夫さんの奥さまの京藤禎子さんです。僕がこの蔵と出会ったのは2009年の南青山の会です。その時飲んで感激したお酒を持ってもらいました。

500万石50%精米の純米大吟醸原酒です。五百万石とは思えないほどのコクがあり、とろっとした味わいがあり、ぱあっと口の中に広がり最後に奇麗な酸味で整えてくれるお酒です。720ml2500円ですから飲んでみる価値はあります。

16.佐々木酒造 華燭

Dsc00955この蔵は福井駅の南の鯖江市にある蔵です。この蔵も創業は古く、1753年らしいので、とんでもなく歴史のある蔵なのですね。

写真の方は蔵元の佐々木宗利さんです。もう8年くらい前に蔵を訪問したことがあったのですが、覚えておられませんでした。

持っていただいたのは麹米が山田錦、掛米が五百万石45%精米の大吟醸です。五百万石は熟成に向かないといわれていたのを、最初に味を載せないように造れば熟成が上手くいきことがわかったそうです。そうやって生まれたお酒だそうです。

 

17.三宅彦右衛門酒造 早瀬浦

この蔵は最後に行きついたので、お酒がほとんどありませんでしたので、紹介しません。ごめんなさいね。

以上で蔵の紹介を終わりますが、こんなにさらっと飲んだだけで蔵の味がわかるわけはありませんが、多少の参考にはなるでしょう。

今回の会で感じたのは蔵の数も少ないし、あまり演出らしいものはなかったけれど、結構蔵元の方が来ていたのは救いでしたね

会が終わってからお庭に出て蛍を見に行きましたが、雨のためか蛍はほとんど見ることができませんでした

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小江戸鏡山酒造ってどんな蔵なの?

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先日神田の醇さんのところで小江戸鏡山酒造さんを囲む会がありましたので、参加してきました。この会は鏡山酒造を応援している地酒屋こだまさんと醇さんのコラボレーションで生まれた会です。鏡山酒造からは蔵人兼営業部長の五十嵐昭洋さんが参加されました。また、この会にはわっしょいを主催している兵道俊美さんも参加されていました

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この方が五十嵐さんです。後ろに醇さんのお姿も見えますね。五十嵐さんは埼玉県の飯能市にある五十嵐酒造(天嵐山)の蔵元の次男ですが、色々あって新しく生まれた小江戸鏡山の創設に尽力されて、現在鏡山を引っ張る聞企画営業部長として活躍されています

この会はこの五十嵐さんの熱い語りから始まりましたが、その会を通してわかった小江戸鏡山酒造がどんな蔵であるかをまず整理してご紹介します。

埼玉県川越には昔から鏡山酒造という蔵があり、この蔵のお酒は日本航空のファーストクラスでふるまわれたほどの品質の高いお酒を造っていたのですが、平成12年(2000年)に急遽廃業することになったようです。この蔵の敷地は3000m2もあるので、川越市が中心になってその跡地利用が検討され、川越市産業会館の小江戸蔵里の名前で新しいモールとして利用されているようです。この検討会では酒蔵の再建の考えななかったようです。でも昔の蔵の雰囲気を残している場所なので一見の価値はあります

下の地図のURLを拡大して航空写真をを見てもらうと蔵のレイアウトがわかりますよ。

http://www.machikawa.co.jp/access/

一方蔵の再建は川越に住む多くの人たちの支援と協力があり、平成19年(2007年)小江戸鏡山酒造が誕生しましたが、再建にはいろいろ苦労があったようです。まずは場所選びです。川越市の地下には秩父からの伏流水が流れているようですが、新たにそれを掘り出すのは資金もいるので、困っていたところ川越市にある松本醤油さんが自分の水と土地の提供をしてくれることになったそうです。

ところが醤油と酒は一緒に作っているところは他にはないそうです。それは醤油と日本酒の麹菌は全く違うので、一緒にすると悪い影響が出るからだそうですが、それを乗り越えてきたのも凄いことですね。

 
場所は川越の中央通り(蔵の町として有名なところ)を北に進み、仲町の十字路を左折すると右側に松本醤油が見えますので、その敷地の中にあるのだと思います。蔵見学はしていないそうですが、上のURLの地図を動かしてみるとわかりますよ

次の課題は酒造の免許だったそうです。今の日本はお酒の消費量が減っているので、国税局としては新たな酒造免許は許可しないそうです。そこで、色々検討した結果、群馬県の酒蔵の廃業をする機会を利用し酒造免許を取ることができたようです

次が従業員の確保です。最初は前の鏡山酒造のの杜氏のお力もお借りしたようですが、色々な経過があって、今では平均年齢30歳の若い4人で造っているようです。4人のそろい踏みの写真を見つけました。

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右から蔵人の国分さん、営業の五十嵐さん、杜氏の柿沼(36才)さん、女性蔵人(東京農大出身)の4人のようです。頑張っていますね。この蔵は9月から6月までの三季醸造なので、1年中大変忙しいそうです。

蔵の大きさは普通のコンビニ2件分だそうで、狭いけど生産高は400石あるそうです。そんな狭いところで400石も作れるのか不思議な感じです。酒造設備をどのように調達したかは説明はなかったけど、タンクは最大で600KG仕込みで、搾り機は薮田もなく人力による槽搾りのようです。全てを手作りでやっているようなので、大変つらい作業の連続らしいのですが、ここまで来たのは造り手の心意気なのでしょうね。頭が下がる思いです。

この蔵の酒造りのモットーがホームページに書いてありましたので、まず最初にそれを紹介します。

① 品質第1の少量仕込みに限る

② 麹は丁寧に箱麹・蓋麹に限る

③ 醪はふくろによる上槽に限る

④ 火入れの際には瓶火入れに限る

⑤ 純米酒以上の特定名称酒に限る

このようなモットーを造ることは大変良いことだと思います。個人的な意見ですが、③はこれから作業の効率を考えるとこれにこだわることはないかなと思います。薮田でも無圧でやれば質の高い酒が取れると聞いていますし、直汲みも可能となるので、酒の幅も広がるのではと思います。どうでしょうか・・・・・

この蔵は小さいだけに、他と違った酒質のお酒を造ることにこだわっています。一言でいえばお米の味をしっかり出したお酒、淡麗辛口ではなく味わいのある酒造りをしているとのことでした。どんなお時のお酒なのか飲んだお酒を紹介します。

この蔵はお米の種類と精米度、アルコール度数は表示していますが、日本酒度、酸度、アミノ酸度などの酒質は一切表示していませんし、オープンしないそうです。飲む人が感じとってくださいということのようです。それから原酒が多いそうです。

それでは飲んだお酒をご紹介します。会の運営の都合でお酒を1本一本写真を撮る機会がありませんでしたので、わかりにくいかもしれませんがお許しください。また事前に飲んだお酒のリストがなかったので、間違いがあるかもしれません(ないと思ういけど)。

飲んだお酒の一覧は下記の通りです。

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0.鏡山 純米吟醸 おりがらみ
1.鏡山 純米 夏向けの生酒
2.鏡山 純米吟醸 生酒
3.鏡山 生酛造り
4.鏡山 純米大吟醸

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5.鏡山 純米原酒 さけ武蔵
6.鏡山 純米原酒 雄町
7.鏡山 純米原酒 秋あがり 1年熟成
8.鏡山 生酛造り 1年熟成

このほかにも特別のお酒が出ましたが、それは別途紹介します。

0.鏡山 純米吟醸 おりがらみ

  美山錦50%精米の純米吟醸でアルコール度数17.5%の原酒のお酒です。パワのある旨みと辛みが炭酸によるピリピリ感を伴いながらひろがり、余韻を残しながらゆっくり消えた行きますが、余韻の中には辛みはありません。もしかしてこの蔵の代表的な味のお酒かもしれません。

 
1.鏡山 純米 夏向けの生酒

  鏡山としては珍しい加水してアルコール度数を15%にした夏向けのお酒です。お米は埼玉県の酒造好適米で改良八反の若水を交配して作ったさけ武蔵60%精米の純米酒です。確かの飲みやすいけど、しっかりお酒の旨みは残っています。余韻もしっかりあるお酒でした。香り系の18系の酵母を使っているそうです

2.鏡山 純米吟醸 生酒

  これもさけ武蔵50%精米の純米吟醸です。純米酒に比べて旨みはパット広がりますが、後味はさっと消えていくバランスでした。でも、消えてしまうのではなく、味わいが薄くゆっくり残っているように思えました。でもこれの方が飲みやすいかな。酵母は埼玉F酵母だそうです。

3.鏡山 生酛造り

  説明はなかったけど去年はさけ武蔵で造ったのに対して今年は食料米の彩のみのりをつかって、酵母も普通の9号酵母から高酸性の9号酵母に変えたようです。発売は8月の予定だそうです。食料米でも美味しいお酒が作れることにチャレンジしたかったそうです。こんな小さな蔵でも生酛造りができるなって凄いなと思いました。確かに酸味があって旨みの厚みが違うけど、僕にとっては好みが合う酒でした。

  
4.鏡山 純米大吟醸

  山田錦40%精米の純米大吟醸で、酵母は1801酵母でのお酒です。奇麗なうまみがあり、すうっと消えていくけど、後味はしっかり残るようなバランスです。確かに旨くて、奇麗だけど金賞受賞酒狙いのお酒ではないですね。それでいいと思います・・・・

6.鏡山 純米原酒 雄町
5.鏡山 純米原酒 さけ武蔵

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右側がさけ武蔵で、左が雄町ですが瓶の違いがわかりますか。ラベルはまったく同じで瓶の色が違います。さけ武蔵が水色で、雄町が緑色です。よく見るとわかるでしょう。こうなったのには理由があったのです。

5番のさけ武蔵の特別純米酒は雄町の入荷が遅れたので臨時に造ったお酒だそうで、来年は製造予定のないお酒です。酵母は同じ18号酵母で、お米の差を楽しむことができそうです。それでは比較して飲んでみましょう。 

さけ武蔵は口に含んだときにバナナチョコのような味がしますが、少し酸が強くて辛みのある味でした。一方雄町は他の鏡山に比べると優しい旨みを感じました。後味に雄町らしい余韻の伸びを感じました。僕は今日のお酒の中では一番気に入ったお酒でしたね。

7.鏡山 純米原酒 秋あがり 1年熟成

  このお酒はさけ武蔵60%精米の純米原酒の秋あがりをこだま酒店で1年間熟成したお酒です。酵母はさいたまC酵母と9号酵母のブレンドだそうです。熟成して既に黄色に色づいていました。熟成香がプンとするお酒なので、チーズと合わせるのがよさそうです

8.鏡山 生酛造り 1年熟成

  このお酒は3番の生酛を1年熟成したものです。それほど熟成香はせす、丸みが出て旨みが引き出されていた感じでした。これはなかなか行けます。お燗もよさそうです

以上で9種類のお酒の紹介は終わりますが、このほか2本追加がありましたのでご紹介します。

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左のお酒が1段仕込み特殊なお酒で、右が今年の秋あがりのお酒です。一段仕込みとは通常は3段仕込みでアルコール度数を上げていきますが、1段で終わらせるとアルコール度数が低く、甘さと酸味のある酒になりますが、確かにそんなお酒でした。五十嵐さんのお話では最終的にはもっと違った味を狙うそうです。随分チャレンジ的な試みをしているのですね。

今年の秋あがりはやはりもう少し寝かせたいといった感じでした。そのほか写真はありませんが、貴醸酒もいただきました。一杯に貴醸酒は価格が高いのが普通ですが、1升3000円くらいのお酒を販売したいそうです。素晴らしいことですね・・・・・・

もう一度五十嵐さんに登場してもらいます

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この会では五十嵐さんはいつもこんな感じでにこにこしながら、熱い心でずっとしゃべりぱなしでした。でも見かけによらずにシャイな方だそうで、緊張を解くために、この日も会の始まる前にお酒を飲んで準備したと聞いています。

でもこの熱い心がなければ、今の小江戸鏡山はなかったのでなないかと思われます。この蔵は小さいながら自分の蔵の味をしっかりおさえたうえで、さらに新しいお酒造りにチャレンジしていることが彼の説明でよくわかりました。

そのことをさらに予感することがありました。それがこの写真です。

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何だかわかりますか。これは小江戸鏡山の仕込み水です。Well Water と書いてありますからわかるでしょう。このラベルちょっと変わっていますね。HEALTHと書いてあります。これはビートルズのヘルプのパクリのようです。パクリといっても同じデザインではありません。手に酒造りに必要な色々な道具を手に持っていますから。比較のために本物を下に示します。

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これなら問題ないでしょう。こんな心を持って、酒造りをしていることに未来を感じますね頑張ってください・・・・・・

<お料理編>

すっぽん煮凝り、さつま芋密煮    かつお醤油麹和え

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はつかり醤油糀

Dsc00976かつおの醤油麹和えに使った醤油麹は松本醤油で売っている醤油糀だそうです。

この麹ははつかり松本醤油と小江戸鏡山酒造の米麹方作ったもので、松本醤油のインターネットにはでてきませんが、市販価格は430円のようです。

お醤油の代わりにこれを混ぜるだけでいいそうですから、これならだれでもできそうですね。

和風酸辣湯             鱧と冬瓜の吉野煮

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夏野菜のバーニヤカウダ    ポークソテーマンゴーソース

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冷や汁うどん           川越お菓子

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愛媛の酒を楽しむ会に参加して見つけた新しい蔵

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7月の25日に愛媛の酒を楽しむ会2013が椿山荘で行われましたので、参加してきました。今年で5回目の開催です。僕は去年参加できなかったので、2年ぶりの参加です。

前回の会のことは下記のブログに書きましたので、ご覧ください。

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-7b97.html

愛媛のお酒は東京では意外と知られていません。大手の梅錦や最近名前が出てきている石鎚、川亀、賀儀屋くらいでしょうか。ですから2年前は東京では知られていない、もっと小さな蔵を探してみようということで下記の蔵をご紹介しました。

1. 初雪盃・協和酒造
2. 山丹正宗・八木酒造部 (この蔵は小さくないかも)
3. 日本心・武田酒造
4. 寿喜心・首藤酒造
5. 酒仙栄光・栄光酒造
6. 宮の舞・松田酒造
7. 城川郷・中城本家酒造

石鎚と賀儀屋は蔵元さんと楽しむ会があったのでそれについては下記のブログを見てください。

石  鎚: http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-930a.html

賀儀屋: http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/bardining-99d6.html

この愛媛の酒を楽しむ会は去年から開催場所を椿山荘に移し、参加募集350名と少し多めの設定になっていますが、壁際に蔵元のブースがあって、開催内容はほとんど同じでした。

Dsc01036

今年は今までに紹介していない蔵に焦点を当ててみようと、まわっていくうちに飲み過ぎてどの蔵のお酒を飲んだのかわからなくなってしまいましたが、記憶がのこる蔵を紹介しましょう。大丈夫かな・・・・・

1.酒六酒造 京ひな

Dsc01070この蔵は愛媛県でも西寄りの伊予市の南にあるうち小町にあります。内子町にあった5つの蔵を統合してできた喜多酒造を買い取って酒井繁一郎さんが1920年に創業した蔵だそうです。京ひなの命名は京都の名僧が好んで飲んだことからつけられたそうです。

先代の社長さんの酒井冨士夫さんが2010年に急遽お亡くなりになり、娘の武智美佳さんが後を継ぐことになったそうですが、その旦那様が写真の方で武智直之さんです。

この蔵には伊予杜氏として有名な梶谷幸三郎が高齢で辞められ、今は東中さんが後ついで現在に至っていますが、大変な時を乗り越えられたのですね。知りませんでした。

この蔵は吹毛剣とか隠し剣とか一刀両断等の刀の銘柄が多いですが、それはお酒の切れを表した名前だそうです。今回展示された日本酒は6種類ありましたが、僕は2つのお酒を持ってもらいました。 

右手に持っているのが隠し剣で、麹米が山田錦、掛米が松山三井50%精米のお酒ですが、複雑な味をもちながら程よい切れのあるお酒でした。左手のお酒は夏限定のお酒の「深山」で、全量松山三井60%精米で7号酵母を使ったちょっと変わったお酒でした。甘さが最初に来て後で強い酸味で切ってくるバランスのお酒でした。

この蔵は先代の社長がなくなり、新しい杜氏と一緒に立ち上げてきたばかりの蔵なので、そう言う意味ではまだ過渡期かもしれませんが、頑張って良いお酒を造ってもらいたいと思います。

2.亀岡酒造 千代の亀

Dsc01071この蔵も内子町の五十崎地区にある蔵で、創業300年の歴史を持つ蔵だそうです。この蔵を支えてきたのは亀岡家の米造りだそうで、それが良いお酒を造る源になっているようです。

この蔵は歴史があって日本名門酒会に参加しているだけあって、旨い造りをしているなと思いました。写真の方は造りを担当している河村英充さんです。持っていただいた酒は吟醸羽衣です。

松山三井55%精米の吟醸酒ですが、最初に旨みがパットひろがるけど、すうっと消えていくのできりっとした飲みやすさがあり、いくらでも飲めてしまうお酒でした。松山三井の良さをうまく引き出していると思います。

ここのホームページ情報によると8月1日から近くに新工場ができ、名前も亀岡酒造から千代の亀酒造になるようです。社長は変わらず、佐伯猛さんがなるとのことです。いつ亀岡さんから変わったのでしょうか。 

3.島田酒造 小富士

Dsc01073この蔵は松山市の東にある東温市にある蔵で、「小富士」という酒名は、蔵からかなたに見える松山沖の興居島「伊予の小富士」にちなんで命名されたそうです。

写真の方は社長の島田達也さんです。持っていただいたお酒は小富士しずく媛です。愛媛の酒造好適米のしずく媛55%の純米吟醸の火入れです。 

味がしっかり出ていていて、バランスが良くしずく媛の良さを旨く引き出しているように思えました。この蔵は全量瓶燗火入れのようですが、丁寧に酒造りをしている感じが伝わってきました。このような地味な蔵は応援したいですね

4.桜うずまき酒造 さくらうずまき

Dsc01076_2この蔵は松山市といっても松山駅の北にある伊予北条駅の近くの八反地にあります。創業は明治4年ですが、昭和26年に桜うずまき酒造と社名を変え、昭和34年には焼酎の製造免許をとり、焼酎の製造も50年以上の歴史を持っています。この蔵の社長さんが日本酒造組合中央会の会長をしているとは知りませんでしたた。

写真の方は蔵元の専務取締役篠原成昌さんです。持っていただいたお酒は真っ赤な桜のラベルが付いた純米吟醸「桜風(おうふう)」です。愛媛県産の山田錦50%の火入れの純米吟醸です。

このお酒は口当たりの旨みもいいのですが、余韻が奇麗に伸びてくるのが素晴らしいです。今日の一押しかもしれません

これで僕が見つけた新しい蔵の紹介は終わりますが、いつもの蔵とお話して印象に残ったことをちょっとだけ紹介します。

<雪雀>

雪雀はいつもは社長さんが来ることが多いのですが、今回は若手の蔵人さんでした。名刺に製造部と書いてありましたから、この蔵も結構大きな蔵だ思います。

愛媛県の酒造好適米のしずく媛についいて聞いてみました。しずく媛は松山三井を選抜してできた結構高級なお米ですが、しずく媛100%のお酒造りは難しいみたいで、立ちあがりの旨みを出すのが難しいし、後味に雑味が出やすいので、各蔵ともその良さを引き出すのに苦労しているようです。この蔵のように麹米に山田をつかい、掛米にしずく媛をつかうのも一つの方法かなと思うけど、それでは松山三井と同じになってしまう感じもするのは僕だけかな。

<梅錦山川>

社長の山川浩一郎さんとお話ができました。梅錦は愛媛県では一番大手の蔵ですが、酒造りの腕はやはり天下一品です。特徴は酒に角がなくすうっと飲めてしまうお酒が多いですね。逆に角がないのが欠点かもしれません。夏だけしか出さない純米吟醸生の大吟醸を飲みましたが、さすが、造りがうまい美味しさでしたね。

社長はそのことを十分意識していて、最近杜氏が変わったので、少しは角が出るかなと思ったけど、なかなかそうはならないそうです。でも愛媛の大手の蔵として愛媛県を愛して、この蔵を踏み台にして、どんどん成長してもらいたいと思っているそうです。 

その山川さんにも悩みがありました。それは自分の後継者がいないことだそうです。早く後継者を見つけたいそうですが、若い後継者に代わるとどんな蔵に変化するのか期待しています。でも焦らないでくださいね・・・・・

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今日渋谷の道玄坂に米心がオープンします

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今日渋谷の道玄坂に地酒の専門店の米心がオープンします米心は野崎総店長が池袋北口の酒菜家からスタートさせ、新橋の野崎酒店、神楽坂の醸蔵、南池袋の裏や続く5店目のお店として開店したものです。

昨日開店の前夜祭として、昔の酒菜家グループの仲間が声を掛け合って急遽集合することになり、参加してきましたので、どんなの店かをご紹介したいと思います

まず住所をお教えしましょう。

東京都渋谷区道玄坂2-10-12道玄坂スヤマビル地下1階
電話番号:03-3464-1644

Dsc01232_2渋谷お降りて109の見える道玄坂に向かいます。道玄坂の左側を歩いていくと中ほどにドコモショップが見えてきます。

その上の看板に米心という字が見えるでしょう。その下には米心の説明看板が見えます。

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Dsc01235米心の説明看板には8月20日グランドオープンをかいてありますね。

マンガインターネットがあるビルの地下になります。ここを曲がってみましょう。そうすると地下に行く階段が見えてきます。

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Dsc01237米心のメニューの看板が目に入ってきます。アップしてみてください。200種類以上の地酒が用意されていると書いてあります。

お酒は小(0.5合)中(0.7合)大(1合)が用意されていますので、安い値段で多くの種類のお酒が飲めます。ここには書いてありませんが、お通しがありませんので、黙っていると何も出てきませんから。

階段をさかると本当の入口が出てきます

Dsc01231入口には店長の竹市浩大さんが迎えてくれました。竹市さんはこれまで新橋の野崎酒店の店長をしてきており、酒匠でもあります。

お酒のことをよく知っており、特にお燗のことならこの人の右に出る人はいないのではないでしょうか。

ここの入口は酒菜家の入口と同じように腰を曲げて引き戸を引きながら入ります。

 

さて中には行ってみましょう。ドアを開けると右側が板前の前に6-7人が座れるカウンターとその後側は4人掛けのテーブルと奥には6人ぐらいが座れるテーグルがありました。

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それを反対側からみるとこんな感じですね。

Dsc01241

このカウンターの奥が日本酒談義ができるコーナーがあります。日本酒冷蔵庫を前に常連さんが居座る姿が眼に映ります。この日は若手の蔵元さんが大勢おられたので、写真が撮れませんでしたから、うえもさんのお写真をお借りしました。

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これはいい眺めですね。野崎総店長のお姿が見えますね。そしてその奥が25人から30人が座れるテーブルが並んでいる宴会コーナーがありました。ここなら蔵元をお呼びして一般のお客に迷惑をかけないで、酒の会ができますね。

Dsc01247

この部屋の飾りを良く見てください。壁に掛けてあるのは蔵で使う櫂棒ですよ。どこから手に入れたのでしょうか。これも竹市さんのアイデアでしょう

僕らは右奥にたむろしていたのですが・・・・・・・・、

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広島からお店の開店をお祝いして旭鳳の杜氏の土居亨さんがいらっしゃいましたので、合流しました。土居さんは野崎さんが出したお店には手作りの看板をいつも寄付されております。今回もその看板を持って写真を撮りましたが、ちょっと竹市さんの手に隠れてしまったのが残念ですね。

これでお店の紹介は終わりますが、最後に竹市さんのお酒にかける執念をご覧いただきましょう。

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左から満寿泉本醸造18BY熟成、悦凱陣純米酒神力24BY、義侠純米吟醸原酒13BY 村重酒造8号酵母21BYというラインアップです。

さらにこの後とっておきの酒が2本でました。

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これを見て驚かない人はいないでしょう。左が神亀本醸造昭和54年、右が純米大吟醸駿1996年です。どれも管理が良くて素晴らし味でしたが、味わってみたい人はブログを見たと竹市さんに言ってください。残っていれば飲ませてもらえると思います。値段はよくわかりませんが・・・・・

さらに竹市さんのこだわりの凄さをお見せします。常温保管のお酒が棚にずらりと並んでいます。悦凱陣が何種類もあるらしいのですが、わかりますか。

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このラインアップを見ただけだけで、竹市さんの凄さがわかるでしょう。野崎総店長もお酒は全部竹市に任せてあるそうです。

気になる人はぜひ足を運ぶしかないですよ竹市ガンバレ・・・

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2013年雄町サミットの優秀賞はどこ?

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今年で第5回の雄町サミット賀8月1日木曜日に椿山荘の1階で行われました利き酒会の前に小泉武雄さんの日本酒の謎を解くという講演を聞きました。小泉先生のお話はとても面白いのですが、先生がついつい熱演してしまうので、お話が終わりに行かないうちに途中で終わってしまうのは残念に思います。いつか時間制限なしでまとまったお話を聞いてみたいですね。そんな企画をしてくれませんか。

さて、講演会の後に午前中に行われた優秀賞の審査委員の紹介と審査の講評が行われました。審査委員をご紹介します。

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審査委員のお名前は良くわかりませんが、常連の審査委員として日本酒造組合中央会の方や、岡山県工業試験所の方がいますが、僕の知っている方としては山形県工業試験センターの小関敏彦さんや日本酒輸出協会会長で日本酒ジャーナリストの松崎晴雄さんがおられえました。

今年は昨年より出品数が増えて、吟醸部門が80点、純米酒部門が40点、計120点の出展があったそうです。その優秀賞も含めて全てのお酒の試飲ができます。その状況をお見せします。

 

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この写真は試飲場の一番奥のテーブルでこの混み方なら仕方がないかなという風にも見えますが、この手前のテーブルの方は試飲を待っている人が行列になっています。

出展数の割には試飲会場が狭すぎます。来年はもっとゆったりできる場所を選んでもらいたいです。参加人数は150人と書いてありますが、どう見ても200人はいる感じですね。一般の人よりはお酒の関係者か多く参加されているような感じがします。この写真を良く見ると誰か知っている人かもしれませんよ。

このような状態ですから、お酒をゆっくり試飲するというよりは、優秀賞のお酒の写真を撮るのに精一杯でしたので、優秀賞のお酒の味の批評はしません。お酒の名前と写真だけをお見せします。でも急いで取っているので写真がかなりぶれていますが、ご容赦願います。

1.吟醸の部

<秋田 日の丸酒造>       <山形 出羽桜酒造>   
純米大吟醸 まんさくの花     出羽桜 純米吟醸 雄町

PhotoPhoto_2

<秋田 高木酒造>        <秋田 寿虎屋酒造>
十四代 純米吟醸          大吟醸 雄町

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<福島 玄葉酒造>        <群馬 竜神酒造>
あぶくま 純米吟醸 雄町     尾瀬の雪どけ 純米大吟醸

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<三重 瀧自慢酒造>       <広島 相原酒造>
瀧自慢 純米吟醸          雨後の月 純米吟醸 雄町

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<岡山 室町酒造>        <岡山 利守酒造>
櫻室町 極大吟醸 室町時代   赤岩雄町 純米大吟醸 生

Photo_9Photo_10

<岡山 宮下酒造>        <岡山 白菊酒造>
極聖 純米大吟醸 雄町米    純米大吟醸 雄町

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<佐賀 富久千代>
鍋島 純米吟醸 雄町

Photo_13去年選ばれなかった赤岩雄町の純米大吟醸が復活していたので、良かったと思いましたが、生酒なのでちょっと味のバランスが違うかなと思いました。

の好みでは宮下酒造の極聖の純米大吟醸が良かったと思いました。口に含んだときの柔らかさと、雄町らしいきれいな余韻が素敵だと思いました。

僕の好きな雄町のお酒の得意な美の川酒造は越の雄町の純米吟醸を出ていましたが、入選ししませんでした。どうせなら大吟醸を出してもらいたかったな。新潟の雄町が入っているからだめなのかな

2.純米の部

<山形 酒田酒造>         <山形 秀鳳酒造場>
上喜元 特別純米 雄町       秀鳳 無濾過 雄町

Photo_14Photo_15

<宮城 川敬商店>         <静岡 磯自慢酒造>
山廃特別純米 橘屋 雄町     磯自慢 雄町 特別純米

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<奈良 葛城酒造> 
百楽門 純米古酒 1992年度醸   百楽門 純米

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<岡山 十八盛酒造>        <岡山 辻本店>
雄町純米 備前蒼海          御前酒 純米 美作

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<岡山 室町酒造>          <岡山 菊池酒造>
櫻室町 純米酒 瀬戸雄町      燦然 特別純米 雄町

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純米の部では磯自慢の雄町の特別純米が断トツに良いように思えました。

以上で優秀賞の紹介を終わりますが、去年はどうだったのでしょうか。下記のブログをご覧ください。

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-116b.html

去年と比較して2年連続で優秀賞をとっている蔵を紹介しましょう。

吟醸の部:櫻室町、瀧自慢、あぶくま、雨後の月、白菊、鍋島、十四代

充米の部:備前蒼海、橘屋、燦然、百楽門古酒

結構続けて取っている蔵が多いですね。今年は岡山のお酒が多かったのは偶然なのか、努力のたまものなのかは、また来年行って調べてみます。この会は毎年参加したいイベントの一つです。

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岐阜で見つけた気に入った岐阜の地酒

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8月11日日曜日に岐阜で開催された「岐阜の地酒に酔う」に参加してきました。岐阜の地酒に酔うの会は毎年如水会館で行われ、今年で5回目になるのですが、僕は初回から毎年参加していたのですが、去年は参加できず、今年は是非参加しようと6月には申し込みが終わっていました。

そんなときに入江亮さんから岐阜で開催される岐阜の地酒に酔うの会に参加しませんか。翌日はどこか蔵見学をしようと思っているのだけど、どうしますかといわれて、一つ返事でOKを出したというわけです。

その後、亮さんが他の参加者も含めて全員の参加予約をしていただいたのですが、東京のイベントとより早く満杯になったとのことでした。東京は300名に対して岐阜は350名と多めなのですが、蔵の参加数が30蔵と多いので人気だったのでしょうか。

結局亮さんの努力のおかげで、初日は「岐阜の地酒で酔う」会に4人で参加し、翌日は栄一や百十郎のブランドをもつ林本店と長良川のブランドを持つ小町酒造を見学するスケジュールとなりました。でも僕にはちょっとショックなことがありました。僕は普段JRで旅行するときは大人の休日クラブで30%割引で行くのに、8月のお盆の時期、具体的には11日から割引が効かない時期だったからです。でもこだまのプラットプランがあることを亮さんから教えてもらい、こだまのグリーン車で出かけました。さすが旅慣れしている亮さんですね。

「岐阜の地酒に酔う」会は岐阜駅の近くのじゅうろくプラザで行われたのですが、ちょっと会場が狭くて、これで350人はちょっと厳しかったです

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これが会場の風景です。どこにどんな蔵があるのかわからないでしょう。レイアウト表ぐらい造ってほしいよね。この中で新しい蔵を見つけるのは大変なことです。あいさつ回りをしているうちにどんどん時間がなくなってしまいました。

過去に行われた会のブログで紹介した蔵は今回は紹介から外すことにしました。ですから以前に取り上げた蔵がどんな蔵だったかを明確にするために、過去ブログを調べてみました。それを下記に示しましたので、参照ください

第1回PART1 http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/in-tokyo-35c0.html

     長良川、房島屋、初緑
     

第1回PART2 http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/in-tokyo2-4501.html

     鯨波、女城主、美濃天狗、達磨正宗

第2回 http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/20102-3071.html

     醴泉、御代櫻、花美蔵、天領、玉柏、小左衛門

第3回 http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-1930.html

     日本泉、蓬莱、百春、若葉 

三千櫻については別途詳しい紹介ブログがありますので、次のURLを見てください。

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-87ee.html

というわけで今回は今まで全く紹介していなかった蔵の中で、僕が気に入った蔵だけを紹介することにしました。

1.久寿玉(くすだま) 平瀬酒造

Photoこの蔵は飛騨の高山駅から歩いて15分くらいにある蔵ですが江戸時代の1600年半ばから酒造りをしている老舗の蔵のようです

写真の方が15代目の当主の平瀬克祐さんです。持っていただいたのはひだほまれ60%精米の純米生酒です。今年の新製品で未だ販売していないお酒です。今日の会で皆さんの意見を聞きながら販売を考えるそうなので、300ml瓶しかないそうです。

さっぱりしているけど米の味がしっかり出ていて、適度な酸があって後味の余韻も良かったので、気に入りました。ぜひ販売したら良いですとお願いしておきました。

Dsc01137この蔵は今年の岐阜県の新酒鑑評会の純米吟醸の部で岐阜県の知事賞を取ったそうですから、造りには自信があるのでしょうね。

ここに、ひだほまれ40%精米の純米大吟醸がありました。奇麗に仕上がったお酒ですが、最初に旨みがあまり出ないので、後味にひだほまれのにがみと辛みがでしまったけど、3日間もかけて、精米したのには感心しました。努力賞ですね・・・・・・・

自社精米をしているそうですから、大きな蔵なのかもしれませんね

2.四つ星 舩坂酒造(ふなさか)

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この蔵も飛騨の高山にある蔵で、創業200年以上の歴史を持つそうです。飛騨の高山は城下町なので、風情ある蔵が多いようですね。観光地の中にあるので酒造り以外にカフェなど色々なことをしている蔵のようです。

写真の方は営業課長の髙嶋達也さんです。営業の人が対応するとは大きな蔵ですかと聞いたら500石くらいの小さな蔵との話でしたが、しっかりした商品知識を持った人でした。

この蔵の銘柄は深山菊や甚五郎ですが、今回は特別大吟醸の四つ星をいただきました。兵庫の山田錦40%精米の大吟醸で、とてもバランスの良いお酒でした。

あまり香りが強くなく、口に含むと入口で直ぐには膨らまなく、後からゆっくり膨らんで来るお酒で、1回呑んだだけではこのお酒の良さはわかりません。何回か飲んでいくうちに良さがわかってきます。なんと酵母は香り系の1801だそうです。これでこの味を造るのですか。きっと素晴らしい杜氏さんなのでしょうね。

3.はなざかり 花盛酒造

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この蔵は日本ラインの上流の木曽川のそばの八百津町にある蔵です。八百津町はダムができるまでは木曽川の船荷物の集積地として栄えたところでお酒や味噌、醤油等の醸造業が盛んだったそうです。

この会で偶然に見知らぬ人からマイ日本酒探しの人ですかと声をかけられました。その方は岐阜に住んでおられる方で、僕のブログのフアンだそうで、レマコムの日本酒冷蔵庫を買いましたよと言っておられました。その方が紹介していただいたのが花盛酒造だったのです。

写真の方が社長の可児武雄さんです。持っていただいているのは純米吟醸のはなざかりのあらばしりです。ひだほまれ50%精米の純米酒ですが、香りと甘みのあるとても奇麗なイメージのお酒でした。大吟醸のしずくの生もいただきましたが、しっかりとした味がありながら、バランスの良いお酒でした。

この蔵のお酒は岐阜のお酒にはあまり感じられないきれいさを感じるので、どうやって作られているのですかと聞いたら、杜氏が奥さまだからですと言われました。どうして奥さまが杜氏なのですかと聞いたら、お料理が上手で味の感が鋭いので、杜氏に向いているかなと思い勉強してもらったそうです。奥さまの舌を信じて杜氏に選ぶなんて社長も凄いですよね。やさしい感じの社長ですが、見る目があるのですね。奥が深い、まいった・・・・・・

4.竹雀 大塚酒造

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この蔵は大垣から養老線に乗って北に5つ目の駅の池野にある蔵です。この蔵は初代の大塚清太郎さんが花街だった池田町に立ち上げたそうですが、終戦後大手酒造メーカーの桶買いの酒造りをしていたのです。それが昭和65年ごろに大手酒造メーカーから打ち切りの話が出たそうで、5代目社長大塚清孝さんはもう廃業しようかと思ったそうです。

そこで助け舟を出してくれたのが丹波杜氏の原田利治さんだったそうです。今でも酒の仕込み時期に来ると現れてしそうしてくださるそうです。人生には人のつながりが大切ですね・・・・・

写真の方は6代目の大塚誠一郎さんです。誠一郎さんは父と同じ東京農大の醸造学部を卒業後、大学の先輩の三重県の元坂酒造に5年間修業し、2010年の造り(22BY)から杜氏となって酒造りをやっている人です。

誠一郎さんと初めて会ったのは2009年の岐阜県地酒を酔う会でした。その時は同じ酒造組合地区にある房島屋のブースでした。髭がなければ、一見所さんと間違えてしまいそうになったので、良く覚えています。その時は房島屋で修業していたのでしょうね。

蔵に戻ってから立ち上げたブランドが竹雀だそうです。雀の名前がついているブランドは山口県の金雀、愛媛県の雪雀などがありますが、竹雀は大塚家の家紋にちなんで付けたそうです。その証拠をお見せしましょう

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確かに竹と雀が見えますね。この蔵には初霜というブランドもあります。岐阜県の特産米のハツシモで醸造した酒です。ハツシモは晩稲の米で岐阜県の西濃地方だけで造られている飯米ですが、酒米としては取り扱いにくい点が多くて今では大塚酒造だけがお酒用として使っているそうです。頑張っているな・・・・・・

竹雀のお酒は、山田錦や五百万石、雄町などを使った純米酒ですが、この会では山廃純米が多く出展されていました。飲んでみると山廃らしくない奇麗にまとまったお酒で、その中でも山廃純米無濾過生原酒、山田錦+五百万石のお酒が膨らみがあって良いと思いました。雄町はちょっとまだ固かったかな?この山廃の技術は元坂酒造の山廃の技術、もっと遡れば杉錦の杉井さんの技術の流れでしょうね。

蔵の大きさはまだ200石以下と小さいですが、親子夫婦の家族で頑張って造っているので、応援したいですね。しかも、しっかりしたコンセプトを持っているのが素晴らしい。頑張ってください。

5.元文(げんぶん) 布屋 原酒造

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この蔵はJR高山線の美濃太田から長良川線に乗り北へ美濃白鳥駅のある白鳥町にあります。江戸時代の元文5年(1740年)に創業した蔵で、現社長の原元文さんは12代目の当主になるそうです。

写真の右手の方が社長で左手の方が息子さんです。お二人とも東京農大の醸造学部を卒業され、花酵母のお酒を造っています。元文さんは花酵母研究会の元会長だそうです。そんな偉い人だったのですね。

さくら酵母、カトレア、月下美人、菊のお酒を持ってもらいました。いずれも奇麗なお酒ですが、その差を口で説明するのは難しいので止めておきます。花酵母のお酒は確かにちょっと華やかで奇麗にまとまるけど、何か特徴を出しにくい気がします。今度9月13日に行われる花酵母研究会に参加して勉強してみます。

息子さーん(名前を聞くのを忘れました)、まだ蔵は200石と小さいけど、早くおやじを超えて新しい酒造りに頑張ってくださーい

6.三千盛(みちさかり) 三千盛㈱

Photo_2この蔵は多治見市にある創業200年以上の歴史ある蔵です。地域に密接した蔵でもともと御神酒やお祝い事などに使われていたようですが、甘口が主体だった時代に、辛口のお酒を求めて造られたのが三千盛のようです。

写真の方は蔵の従業員の方でお名前をお聞きするのを忘れましたが、蔵元を代表するようなこことの熱い方でした。後で調べてみたら生産高は2000石以上の大きな蔵だったようです。

持っていただいたのは超特からくちです。香りや甘みを抑えた軽い味わいできりりとした呑み飽きしないお酒でした。麹米が美山錦と掛米があきたこまちで精米度が45%とは驚きましたね。大吟醸レベルだったのですね。この蔵は純米表示はあるけど、辛口を狙った酒は大吟醸表示はしないのですね。その理由をもっと聞いてみればよかったですね。大気な蔵ではあるけど、狙いのはっきりした味を持っていますね

7.白川郷 三輪酒造

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この蔵は大垣駅から南に1km行った船町にあります。創立は1837年ですから江戸末期です。従業員20名の蔵ですから大きな蔵だと思います。

写真の方は社長の三輪研二さんで、最近社長になったばかりのようです。ホームページを見ると父親の高史さんがまだ社長として載っています。

今回は全てにごり酒をいただきました。酒米は全てあけぼの70%精米ですが、にごりと言ってもいろいろあるのですね。最初に飲んだのは炭酸純米にごり酒で、瓶内発酵させたスパークリングにごりです。ワイングラスで美味しい酒でアワードの金賞を取った酒です。ここのにごりは一番甘みが出たところで発酵を止めて直ぐ火入れをして搾りたてのにごりを造るそうです。

社長に持っていただいたのは純米にごり酒ですが、まるで乳酸を飲むみたいでちょっと変わったにごりでした。社長に将来の方向性をお聞きしたとところ、夢は世界一のにごり酒を造ることで、オンリーワンを目指すそうです。それでいて今年は全国新酒鑑評会で金賞を取るのですから、驚きです。そのお酒も飲んでみたかったな。

8.光琳 千代菊

Photo_7この蔵は羽島市にある創業元文3年という歴史のある蔵です。木曽川と長良川の間にある街で、地下128mから汲みだした清流の長良川の水だそうです。

写真の方が杜氏の片野義人さんです。持っているお酒は特別純米の無ろ過生原酒ですが、お米の種類はわかりません。この蔵のお酒は凄く素直なお酒で、口に含むと香りはあるけど嫌みがなく、飲んだ後に余韻が揺れて消えていく。全体にはフラットだけど、奇麗な揺れを感じるお酒でした。

岐阜のお酒にはないオンリーワンのお酒のように思えましたが、この会の最後にかなり酔ってから飲んだので、味については自信はありません。

今回8蔵の紹介をして、結局今までで25蔵紹介したことになります。今までこんなに多くの蔵を紹介した県はありません。最初の出会が良かったからここまで続いたのでしょうね。頑張ったね・・・・・

<番外編>

会場の突然自民党の野田聖子が会場に現れ、挨拶した後会場をぐるり回っていました。日本泉で試飲している時に来て、この蔵のお酒は良いよと言ったので、こんな小さな蔵のお酒知っているですかと聞いたら、蔵がビルになる前から、お爺ちゃんの時から知っていると言いました。小さい時岐阜市にいたんだ。それは知らなかったな。

その後房島屋の所さんと会話していたので、写真を撮りました。

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所さん 良く映っているでしょう。使ってくださっても良いですよ。

さて最後にそば法師人の綱島さんへ 小左衛門からのラブコールです。

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綱島さん お二人とも良く知っているでしょう。渡辺さんと鬼頭さんですよね。二人とも綱島さんは凄い有能な人だと褒めていましたよ。近じかお店におそばを食べに行くと言っていました。もう行っちゃったでしょうね。

以上で岐阜の地酒で酔う会の紹介を終わります。大変だった・・・・・ おわり。

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岐阜の林本店のお酒は将来が楽しみです

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岐阜の地酒に酔うの会の翌日の朝、榮一や百十郎のブランドを持つ林本店の蔵見学に行きました。林本店は岐阜県の各務原市にある蔵ですが、1920年(大正9年)創業の比較的新しい蔵です。昔は軍御用達のお酒を作っていたそうですが、先代の社長が特定名称酒の榮一を誕生させ今に至っています。現在の社長はこの蔵元の娘さんの林里榮子さんで5代目になるそうです。

この蔵に見学に行くきっかけを作ってくださったのは、今回の企画をした入江亮子さんです。入江さんと林さんはイギリスで偶然に出会ったのが初めてで、それ以来親しくされているそうです。日本ではなくイギリスと言うのが凄いですね。里榮子さんは日本酒の普及と亮子さんは日本の和食のPRで行かれたものと思いますが、お互いにその才能を認め合って瞬間に心が通じたのではないでしょうか。

お二人がどんな方か知らない方もおられると思いますので、FaceBookから拾ってみますね。詳細はFBをご覧ください。

林里榮子さん(林本家社長)   入江亮子さん(温石会主宰)

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お二人とも素敵な方でしょう。

そんなお二人の仲の良さの表れなのか、今回の蔵見学里榮子さんの対応のされ方にはものすごい心配りを感じました。

まずは岐阜の地酒に酔う会の夜に、岐阜駅の近くの居酒屋喰快をご紹介していただき、ご一緒させていただいた上に、翌日の朝には車でホテルまで迎えに来ていただいたのです。

その上、朝食に美味しいコーヒーとトーストが楽しめるお店にまで連れて行ってくれました。

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店は優香里珈琲店という夫婦でやっている喫茶店で、昔懐かしい雰囲気を持ったお店でした。各務原市にはこのようなお店が色々あるそうですが、優香里珈琲店は里榮子さんのお気に入りのお店だそうです。こんなお店は東京ではすっかり姿を消してしまったのに、良い環境が残っている町ですね。

Dsc01154_14その後、蔵に直ぐ行かずに、車で各務原市内を案内していただきました。各務原市には整備された広い公園が二つもあり、その一つは韓国ドラマの「冬ソナタ」のロケ地である春川市と姉妹都市の関係を持ち、冬ソナストリートも作ったそうです。

町の真ん中を流れる新境川には桜の名所があり、川の両岸にさくら並木がずーっと並んでいます。昭和の初めにここに染井吉野を寄附した歌舞伎役者市川百十郎の名を取って、「百十郎桜」と名付けられたそうです。里榮子さんのお話によるとこの名前はいつかお酒の名前にしたいなと常々思っていたそうです。

桜が咲いた時の様子をご覧ください。水辺に映った桜が素敵ですね。この写真は2009年に撮ったもののようです。

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各務原市を見学しながら、車で走っているうちにいつの間にか蔵についてしまいました。蔵は各務原の住宅街の中にありました。外見は近代的な店構えで、とても蔵には見えません。ここは展示室と事務所があります。

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この建物の奥には昔ながらの建屋がありそこで酒造りが行われています。お店の右側の通路をはいっていきますと中央に大きな木とそれを取り囲むような庭木が見えてきます

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この庭木を囲むように建屋が配列されているのが見えますが、それがお酒をつ造っている蔵です。蔵の中は後藤杜氏に案内してもらいました。

Beart02_2後藤克伸さんの写真は林本店のホームページより拝借しました。なかなかかっこいいですね。後藤杜氏はこの蔵に入社し、新潟杜氏の下で修業した後、2005年に杜氏になったそうですが、自らは杜氏としての流儀はないと言われています。

昔は2000石以上のお酒を造っている時代もあったそうですが、今では400石弱の生産量ですから、蔵の広さは十分にあり、広い蔵の中をゆったりと使っている感じに見えました。

仕込み水は地下70から汲み上げた長良川の伏流水で、硬度3の軟水だそうです。

それでは簡単に蔵の中をご紹介します。

<洗米および浸漬>

固定された洗米機は見ませんでしたが、大吟醸と純米酒以上の麹米は手洗いをしているそうです

<蒸し>

Dsc01172_3総米が600kg以下は小型の甑で、それ以上の量になると連続蒸米機を使うようです。この写真はそれを上から見た写真です。

緑の機械が連続蒸米機で、手前の白い丸いものが甑です。

<麹室>

2階に上がると麹室ありました。左が入口で、右がその中の写真です。

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箱麹と天幕式自動製麹の二つを使っているそうです 。ステンレス製が天幕式自動製麹機です。この麹室の前はとても広いフロアになっていて、今は蒸米の冷却に使っているとのことでした。

<仕込みタンクと貯蔵タンク>

Dsc01183_2仕込みタンクと貯蔵タンクがずらりと並んだ部屋がありました。仕込みタンクが壁際に並び、中央に貯蔵タンクが配置されていました。

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写真のように仕込みタンクには7度の冷水が流れるジャケットがまかれていましたが、貯蔵タンクはなにもされていませんでした。

だから貯蔵タンクの中身が減ってくると、ジャケット付きの小型タンクに移動して温度制御するようです。これは合理的かもしれませんね。

<酒母用タンク>

Dsc01188酒母用タンクは完全空調のできる冷房用の部屋の中に置かれていました。ここでは少量仕込みの吟醸酒も造るようです

この蔵は生酒は寒い時期の特別な時だけで、ほとんど火入れの瓶貯蔵のようです。ですから、瓶保管は冷蔵に力を入れていますが、他のところは、要所抑えた温度管理をしているようの思えました。

<この蔵ならではの面白いものを見つけました>

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七宝焼きのタンクがある部屋です、ここは年に2回蔵開放をやる時に使うイベントの部屋でお客様が使う机や椅子が見えます。

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この部屋の片隅にホワイトオークの樽を見つけました。12年熟成させている純米古酒だそうです。このお酒が試飲できるそうです。楽しみですね。

次に試飲したお酒を紹介する前に林里榮子さんのことをご紹介します。

里榮子さんは1993年に東京農大の醸造学部を卒業された後、キリンビールに5年間勤めてから蔵に戻って酒造りの修業をしていたのですが、2007年に突然この蔵の社長になるように言われたそうです。もともと家を継ぐつもりでいたのですが、事前に話もなかったので、ただびっくりしてしまったそうです。その後は手探りの状態で今までやってきたそうです。

社長になると、お酒造りだけでなく、お酒の販売にも気を使わなくてはなりません。この蔵は蔵元の名前をつけたお酒の榮一は岐阜の地元向けに扱っていたのですが、これをそのまま首都圏の酒屋に出すと、酒屋によっては嫌がることろもあり、首都圏向けに造ったブランドが百十郎のです。このお酒は2年前の春に出したのが初めてだそうですが、歌舞伎役者の顔をイメージしたデザインがユニークで一躍注目されるようになってきたと思います。

その里榮子さんにお酒の紹介をしていただきながら試飲をしました。なんとつまみまで付いていたのには驚きです。素敵な試飲室でしょう。これも里榮子さんのセンスですね。

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<試飲したたお酒はこんなにありました>

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右から
百十郎 純米大吟醸の黒面(秋田酒こまち50精米、日本酒度+3)

百十郎 純米大辛口の赤面(五百万石70%精米、日本酒度+12、酸度1.4)

百十郎 山廃純米酒の紫面(五百万石60%精米、日本酒度+0、酸度1.9)

百十郎 山田錦純米吟醸の茶面(山田錦60%精米、日本酒度+0、酸度1.7)

榮一  純米大吟醸(山田錦40%精米、日本酒度-1、酸度1.7)

榮一  純米酒(五百万石60%精米、日本酒度+2、酸度1.5)

金時  琥珀の熟成酒(日本晴70%精米日本酒度+0、酸度2.2

百十郎は原酒のままで(加水の量は1度以下なら原酒と言えるようです)アルコール度を15~16度に抑えたお酒です。榮一に比べて酸味を強くして切れを良くしたお酒のように思えました。特に説明はなかったのですが、百十郎の黒面でも1升3150円で、価格的にもあまり高くならないように考えられていると思いました。、

僕は百十郎の中では黒面と茶面が好きだったね。茶面は口に含むと奥に広がってくる感じですが、さわやかな酸味ですっきりさせてくれます。黒面はすっきりとした旨みの中で飲み飽きしないお酒でした。

百十郎のデザインは単に色を変えるだけでなく、バックのデザインもお酒にあわせて考えられています。全て里江子さんのインスピレーションで決めているそうです。一度気に入れば、デザインからお酒が連想出来るようになってきますね。たとえば、酒販店で百十郎山田錦と言わないで、茶面をくださいというだけで、通じてしまうのがかっこいいですね。

榮一は昔からのブランドで、百十郎よりアルコール度数が高く、やや甘めで、酸味も少なめですね。純米大吟醸は凄くうまい酒でどっしりした旨みがあるけど、優しさもあり、口の中での消え方がきれいで飲みやすい酒でした。純米酒もしっかりした味が出ていて、柔らかさを感じる酒でした。

榮一の味は地元のお料理に合わせて造られているそうですが、僕個人は榮一の味が好みですね。榮一の味を東京でも楽しめるようになったらうれしいです。この純米酒の価格が1升2835円は仕方がないにしても4合瓶が1733円は高過ぎます。どうしてそんな価格になるのかな・・・・・・・

Dsc01212金時というお酒ですが、日本晴70%精米の純米酒をホワイトオーク樽で12年熟成させたお酒で、紹興酒のような熟成香はなく、ウイスキーのような香りがして、優しい感じの琥珀いろの甘酸っぱいお酒でした。

IWCのSILVER賞を受賞したお酒で、甘いけど酸味が強いので外国人には好まれるのかもしれません。だからラベルに富士山にしたのでしょうね。4合瓶で3800円と高額でしたが、希少価値を考えて購入しました。

Dsc01209_3このお酒はTERAというお酒です。アルコール度数は8%で、日本酒の半分ですが、焼肉に会うお酒として開発したものです。原酒でありながらさわやかな香りと甘みと強い酸味で肉料理の脂身を切ってしまうお酒でした。

その命名も凄いのですが、このデザインもとてもユニークです。鳥獣戯画をモチーフにしたデザインです。これも里榮子さんのアイデアだそうです。

里榮子さんのチャレンジはこれだけではありません。何しろユニークです。

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これは何だかわかりますか。これは日本では売られていないお酒 FeelColor!です。カタログは全て英語です。アルコール度数は5.3度、日本酒度-100、酸度4.9というとんでもないお酒です。ワインのような酸っぱさと、貴醸酒のような甘さを持つお酒のようですが、外国だけでの販売で日本では販売できないそうです。ですからラベルに葛飾北斎の富士山のイメージを使ったのでしょうね。

もっと期待できるお酒も見つけました。名前も中身も決まっていませんが、海をも超える躍動的なイメージでデザインしたお酒の瓶です。確かにウサギが海を飛び越えているように見えます。この瓶がお店に展示されていました。

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お酒を造る前にお酒のデザインを決めるなんて、聞いたことはありません。日本酒の販売ルートは僕には良くわかりませんが、問屋や酒販店の意向が強いので、そのルートに乗っているお酒を、他のルートで売ることはできないようです。だから、販売拡大のためには名前を変えて出す必要があるのでしょうね。このうさぎさんがどこに、どんな味で、いつ現れるかが楽しみです。

新しいデザイン、新しい販売ルートを見つける林里榮子さんと蔵で腕を磨いた熟練の後藤杜氏のコンビが、これからの新しい方向性のお酒造りに発展することを大いに期待しています。

これからも注目していきますので、頑張ってください。

最後にお店の前で全員で写真を撮りました。太陽が燦々と降り注ぐ真夏の暑い日で、汗だくだくでしたが、何かすっきりさわやかな感じがしたのは、里榮子さんのさわやかなおしゃべりのせいだったのでしょうね。

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長良川の小町酒造はこだわりの酒造りをしています

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各務原の林本店の蔵見学のあと、里榮子さんの推薦の鰻屋さんで昼食をとってから、小町酒造まで車で送ってもらいました。小町酒造は高崎本線の蘇原駅より北に2-3kmほど上がったところにありますが、林本店と同じ各務原市にあるので、車で10分くらいで着いてしまいました。

この蔵の創業は明治27年で、金武吉兵衛さんが酒造免許をとり、酒造りを始めたそうです。小町酒造の名前は小野小町と関係があるらしいのです。小野小町の伝説は色々あるようですが、この地の近くにある延算寺には、皮膚病を患った小野小町がこの寺の水を付けて治ったという伝説があるようです。創業者が寝ているときに枕元に小野小町が現れたというので、小町酒造と名付けたようです。創業者はきっと小野小町が好きだったのでしょうね。

蔵は現在5代目の蔵元で常務取締役兼杜氏の金武直文さんが蔵を取り仕切っておられます。金武さんは東京農業大学の醸造学部を卒業された後、東京の有楽町の西武百貨店に勤務した後、八海山で有名な八海醸造で修業して、小町酒造に入ったそうです。当時は雪の松島の宮城酒類㈱の南部杜氏として有名な小田島さんの弟子が小町酒造の杜氏をしており、その杜氏の下修業重ねて、8年前から杜氏をしているようです

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この方が直文さんです。この日は僕のカメラの電池が容量不足となって、カメラが使えず、スマホの写真となったので、ピンボケになってしまいました。ごめんなさい。直文さんは農大同期に石鎚の越智浩さんがいて、先輩には十四代の高木顕統さん、後輩には南部美人の久慈浩介さんがいて、皆に色々いじられて大変なんだそうです。確かにそのメンバーに色々言われると対抗するのが大変でしょうね。でも彼らの良いところは学ぶけども、自分は自分とわが道を進むのが彼の凄いところです。

それでは蔵をご紹介します。

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ここが蔵の土蔵ですが、この黒塗りの板と丸い敷石が国の登録有形文化財となっているそうです。土蔵の奥に母屋がありますがその黒塀も全て文化財だそうです。確かに伝統を感じる趣があります。

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この母屋は木造2階建、切妻造桟瓦葺とし、建築面積は154m2もあります。外壁は黒漆くい仕上げで、軒は出桁造(でげたづくり)です。入口には杉玉を飾ってあり大変趣のある建物でした。でも住んでいるところが文化財になると大変ですよね。

酒造りをしている蔵は土蔵の隣に別棟で建っています。下の写真がその外観です

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蔵の中はオフシーズンなので、酒造りの道具はかたずけられていて、お酒の貯蔵庫として使われているので、どこに何があるのかが良くわからない内に終わってしまいました。判ったことは昔は最大3000石の生産量があり、大きなタンクもたくさんあったそうですが、今ではタンクの大きさ小さく、数も少なくしているそうで、生産高は500石くらいだそうです。設備投資は効率を考えて、サーマルタンクや冷蔵庫に集注しているようなので、製造設備として新しいものはあまりないようです。

お米
酒造好適米は岐阜県産の飛騨ほまれ、岡山産の山田錦、長野県産の美山錦の3種類でその他は一般米のあさひの夢です。

洗米
洗米は昔からの洗米機を使っていますが、50%精米以上の大吟醸は手洗いだそうです。

蒸し
昔は連続蒸米機をつかっていましたが、今は移動式の甑を使っているそうです。

仕込
この蔵ではお米を溶かしめで味が出ることを狙っていますが、そこで雑味を出さない工夫をしているそうです。

搾り
搾りは薮田だけです。

火入
東北の試験所の先生は火入れまでに期間はできるだけ短い方が良いと指導しているようですが、この蔵では2-3日から1週間熟成させて火入れしているようです。

貯蔵
零度レベルサーマルタンクと、10度レベルのタンクと15度レベルのタンクの3種類を使用して熟成度度合いを調整しているいるそうです。最近は瓶貯蔵専用の冷蔵庫を購入したそうです。

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貯蔵用のサーマルタンクのある部屋ですが、この壁際を見てください。ここにスピーカーが見えます。この蔵でが25年前から自然音楽酒造の考え方で、音楽を響かせています。これを始めたのは先代の蔵元で、音楽家の宮下富実夫さんが奏でるヒーリング音楽に興味を持ったことから始まります。ヒーリング音楽とは自然界の癒しの音を取り入れた音楽で、人間をリラックスさせる効果があるそうです。お酒も自然の生き物が醸し出すものであるから、微生物にも良い環境作りになるという考えで、昭和62年より始めたものです。それから25年になるそうですが、ずっと続けているので眼に見えないけど何か良い結果を出してくれているのかもしれませんと、直文さんはおっしゃっていました

直文さんが目指すお酒造り

最近のお酒の好みの傾向は香りが適度にあって、旨みもあるけれども奇麗に広がって、適度な酸味とともに奇麗に消えていくお酒が好まれているようですが、この蔵の目指すお酒はお米の旨みをしっかり出してさわやかな後味のある旨い酒造りを目指しているそうです。ですから生の状態でタンクで熟成してちょうど良いタイミングで出すことを狙っています。他の蔵がいやがる生熟に敢えてチャレンジしているようです

蔵人の人数は専属が2人で、他に地元の人がひとり応援と女性のパートが3人でやっているそうです。造りに入るのは11月からですが、熟成期間を見るので、年内には新酒は出さないそうです。

試飲させていただいたお酒です

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1.純米吟醸 無ろ過生酒

20130812_135928飛騨ほまれ55%精米の純米吟醸を3月から生で氷温熟成したお酒です。酵母が去年までは9号酵母を使っていたのですが、今年から岐阜県のG酵母を使ったそうです。

口に含むと直ぐに膨らまないで、じっくりと柔らかく広がり、余韻を持ちながら消えていくお酒です。軽い酸味が切れを良くしているのでしょうね。この酒が蔵の味を象徴するものだそうで、地元で一番出ているお酒だそうです。

2.純米吟醸 別囲い

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これも飛騨ほまれ55%精米の純米吟醸ですが、酵母は1801系を使っていて、0℃の氷温貯蔵庫に貯蔵したものです。

飲んでみたらバターのような香りがしましたが、これが生塾で出てくる香りらしいんですが、これ以上熟成させない方が良いぎりぎりかもしれません。いずれにしても夏までに出荷する特別のお酒だそうです。酸味が適度に会って、僕は良いなと思いました。

別囲いという名前は特に意味がないようです。

3.純米大吟醸 無濾過滓絡み 生原酒

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岡山県産の山田錦50%精米の大吟醸で無濾過滓がらみの生原酒です。滓を入れたまま生で熟成している試験品のようなもので、たまたま蔵に5本あった中の1本で、市販していないそうです。

候補が1601系ですが、香りはほとんど感じません。(入江さんによれば、うっすら朝鮮ニンジンの香りがあると言っていました)滓を入れたまま熟成させると、香りが滓に吸着してしまうからだそうです。

味としては甘酸っぱい感じでしたが、おししいお酒になっていました。滓を入れての生熟成はこれからだそうです

4.季節限定 夏吟醸

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夏限定の夏吟醸で、飛騨ほまれ50%精米のアル添している吟醸酒で、常温で生で熟成させて、火入れしてから瓶内でさらに熟成した吟醸酒です。

常温で熟成しているので、熟成香が強いので、僕にはちょっと熟成が進んでいる感じがしました。ラベルが長良川の花火をイメージしたもので、ラベルの色とお酒の味のミスバランスが面白いかも。

5.超辛口+20 限定滓酒

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このお酒は宮城酒類の小田島杜氏の技術を受け継いでいるお酒です。お米は麹米が飛騨ほまれ65%、掛米があさひの夢65%です。超辛口にするには麹から出る甘みを酵母にしっかり食べさせなくてはいけないのですが、それを急ぐと雑味の多い酒になるそうです。ですから醸造期間を40日から45日かけて、適度な割水をしながら発酵させるそうです

このような造りをすると、目の細かい滓が沢山出てしまうので、あらかじめ細かい滓だけをとったお酒にアル添して調整したものを商品として出していたのですが、地元で滓がたくさん含んだお酒を出したら、大変評判が良く直ぐ売れてしまったお酒だそうです。

滓がない場合は1年半くらい熟成させないと飲みにくいのですが、滓を入れるとあまり熟成させなくてもバランスが良くなるそうです。この滓酒もアル添していますが、搾る前の日本酒度+24もあるそうです。次には純米の日本酒度+20のお酒にチャレンジしたいそうです。

東京でこのお酒を一番扱っているのは池袋の升新商店だそうですから、お近くの人は買いに行ってみたらどうですか。価格は1升2580円とリーズナブルです

6.美酸純米

20130812_143320このお酒は岐阜県技術センターが開発した多酸系のG酵母を使ったものです。お米は飛騨ほまれ60%精米の純米酒です。この酵母はリンゴ酸系の酸を良く出すので、少し低アルコールにしてもおもしろいかなと考えて作ったものだそうです。アルコール度数は14-15度です。

このお酒は3年前に作ってその時は奇麗な酸でしたが、熟成させたので、熟成香が強くなって、酸の良さが引き出されていないのかもしれません。今年も同じものを造ったそうですが、酸の出方が変わったので、ここには持ってこなかったそうです。今後この酵母をうまく使ったお酒を研究していくとのお話でした。

僕としては奇麗なリンゴ酸味を引き出すのであれば、あまり熟成させない方がいいのかなと思いました。

以上で試飲したお酒の紹介は終わります。もう一度直文さんに出てもらいましょう。

直文さんは可愛い奥さまとお子様に恵まれて、幸せそうな感じが良くでていまして、僕たちにも丁寧な言葉使いをする一歩下がった感じのする人で、その優しから、先輩、同期だけでなく後輩からもいじられやすいタイプの人だそうです。

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口では一歩下がった言い方はしますが、お酒に対する思いははっきりしていて、誰が何と言おうと生熟の良さを引き出した旨い酒を追求する強い心があることが良くわかりました。これからも周りの人に引きずられず、

これを追及して日本一の生熟酒を作ってください

前の日の岐阜の地酒に酔う会で奥さまのちかこさんとお話しした時に、家では私が主人にいじられているのですよとおっしゃっておられました。確かにこの日も僕たちの前で、「ちかこ」と呼び付けていましたので、家庭では意外にワンマンな人なのかしれませんね。ちかこさん!それは彼のストレス解消だと思ってあげてね。

最後に皆で集合写真をとりました。

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佐久の花酒造はひとごこち一筋の蔵です

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佐久の花酒造の蔵元を囲む会が8月末に神楽坂の居酒屋「恒」で開かれましたので、参加してきました。飯田橋の神楽坂通りの坂を上がりきった神楽坂上を右に曲がると直ぐのところにありますが、とても小さな居酒屋です。

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そのお店の名前は旬彩料理「恒」と言います。写真が入口で黄色いオートバイは店の御主人が仕入れに使っているもののようです。ご主人のお名前は新海恒雄さんで佐久の出身で、自分が住んでいたところから蔵がみえるほど近くだったそうですが、佐久の花酒造との交流は最近のことだそうです。

僕は日本酒カレンダーの情報で知って初めての参加でしたので、お店が見つからず探しているうちに、恒という看板を見つけました。この店でいいのかなと思いドアを開けてみると、既にかなりのお客さんがおられたものの、随分狭いお店でしたので驚きました。会の開始のころになると、12畳くらいしかない部屋に20人ほどがぎっしり入る寿司詰めの感じでしたが、部屋中に色々な飾り物があり、何か温かい雰囲気を醸し出していました。

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入口から奥を撮った写真ですが、狭いので全体は撮れていませんが、お店の雰囲気はわかるでしょう。水色のバンダナをまいているのが御主人で、中央で腕組みをしているのが佐久の花酒造の社長の高橋さんです。何か色々なものが所狭しと飾ってありますし、関係なさそうなものもいっぱいありそうです。これは御主人の感性でしょうね

まずお店の御主人を紹介しましょう

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カウンター奥でお料理をしている新海さんです。ちょっと太り気味で、貫禄があるのでお料理人には見えないから、シェフといういうよりはマスターと呼んだ方がいいかな。でも出てきたお料理の味はお酒にピッタリで、とても美味しかったです。狭い厨房の中で20人分の料理をするのは大変だと思います。この会があるときは前の日から泊まり込みで準備をするそうで、この会に対する想いが伝わってきます

次に佐久の花酒造の社長兼杜氏の高橋寿知さんを紹介します。

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高橋さんは佐久の花酒造の5代目の蔵元で、最初は蔵を継ぐつもりはなく、東京農大には行かずに、普通の大学を出て会社勤めをしていたそうです。18年前に蔵に戻ってからは、蔵の杜氏から学ぶ一方、長野県の先生に指導を受けて勉強したそうです。その甲斐あってか、3年後には杜氏になっています。

蔵に戻った当時は普通酒が主体だったので、これではだめだと、美味しいお酒を造って新しい販路拡大を目指したそうです。でも最初はなかなか認められず大変苦労したそうですが、次第に評価してくれる酒販店が増えて、今では首都圏で認められるブランドになっています。現在はベテラン杜氏として色々なところで公演されるなど活躍されています。

飲んだお酒を紹介する前に、佐久の花酒造の蔵をご紹介します。蔵は長野県佐久市にあり、軽井沢の南側、八ヶ岳の北側の盆地にあり、千曲川が流れ米どころとして知られており、八ヶ岳の伏流水(やや軟水)が使えるので、酒造りに向いている土地だそうです。近くの駅は小海線の臼田駅から数百mのところだそうですから、蔵の近くに来られたら是非およりくださいとのことでした。

それではこの日にいただいたお酒をご覧ください。一本一本写真を撮ることができませんでしたので、まとめてご覧いただきます。

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お酒の種類は下記に示しましたが、ご覧の通り使っているお米は地元産のひとごこちです。ひとごこちは溶けやすくて味の出やすいお米なので、これをうまく使うと良いお酒ができるそうで、ですから経験を積むためにこれにこだわって酒造りをしているそうです。

全部このお米だけでもいいんですが、リスクを考え別のお酒を造る経験を積むために、1シーズンに1回か2回山田錦のお酒も作っているそうです。地産地消のためですかと聞いたら、もともと農家で造ったお米の価値を高めるために始めた酒造りですから、地元のお米にこだわっているだけですとシンプルに答えていただきました。

1.純米吟醸 活性にごり酒 ひとごごち 55% 長野酵母D
  このお酒は開栓の時に吹き出すことが多いので、現在は販売を止めているけど、乾杯のために持ってきたそうです。炭酸のピリピリ感の強いそれほど甘くないお酒でした。

2.純米吟醸 無濾過生酒 ひとごこち 55% アルプス酵母
  口に含んだときに、ドンと旨みが来るのではなく、奇麗なうまみがすうっと広がって、さわやかな酸を感じるお酒でした。新しい酒造りにチャレンジしていて、最初に東京の酒屋さんが認めてくれたお酒だそうです。この蔵の定番となっています

3.純米吟醸 無濾過原酒 ひとごこち 55% 長野酵母D
    口に含んだときの香りはカプロン酸エチル系だけど、ちょっと独特な香りがたち、旨口のあまり酸を感じないお酒でした

4.純米吟醸 原酒火入れ ひとごこち 55% 協会7号酵母
  香りは少なめで、口に含むと直ぐに膨らまないで、ゆっくり旨みが広がってくる。そして奇麗な酸を感じて消えるので、じっくり飲むには適したお酒かもしれない。香りの種類としては酢酸イソアミル系のバナナ系ですね。  

5.辛口吟醸 無ろ過アル添 ひとごこち59% 長野酵母D+901号
  アルコール添加してあるので、さわやかで飲みやすいお酒。2つの酵母を混合して発酵させています。酵母が生きている醪にアルコール添加する時に、変な発酵することがあるので、アル添のタイミングが意外と難しいそうです

6.大吟醸 袋搾り 麹米がひとごこち39%、掛米が美山錦 協会1801号+14号
  やはり大吟醸の袋搾りは旨い。きれいさがある旨みが広がってきます。今までは1801系でやってきたけど、今年は14号をブレンドしたそうですが、このブレンドはなかなか難しく、勉強中とのことでした。色々チャレンジしているのですね

7.純米大吟醸 ひとごこち 45% 長野酵母D+901号
  6の大吟醸とは違い、穏やかな旨みを感じるお酒でした。お酒の味としては7号酵母のお酒の味を強めにしたように思えました。長野酵母Dよりは901号の影響が出ているのではないかな。

8.秋の純米吟醸 ひとごこち 55% アルプス酵母+長野酵母D

Dsc01287このお酒だけは後で出てきたので、写真が取れましたので、掲載します。

火入れした後、蔵で半年熟成したもので、旨みの角が取れて柔らかくなっているにもかかわらず、リンゴのようなさわやかな香りが残っていて、あまり酸を感じないお酒でした。きれいさを思い出させるすうっとした香りなので、ひやおろしとは思えないすがすがしさを感じました。

紅葉のラベルが特徴です。飲んだことのない人はぜひ飲んでください。

以上で飲んだお酒の紹介は終わりますが、高橋社長が説明される落ち着いた口調が酒造りに対する想いがとてもよく出ていると思いました。じっくり狙い通りのお酒を造りながら、その中でもチャレンジされている姿勢を感じました。これからもひとごこちのお酒造りを造り続け、ひとごこちのお酒造りを極めてください。 期待しています・・・・・・・

<高橋社長からのプレゼント>

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全員に佐久の花の柄ついた盃をいただきました。社長のお話では昔はぐい飲みはなくて、皆盃だった。それには理由があって盃の方が美味しく飲めるということで、飲み比べてみたのですが、確かに盃の方が優しさが出て、粗さがなくなうよな気がしたのは僕だけでしょうか。

インターネットで舌の味覚を調べたのですが、昔は舌の部位により感じる味覚が違って、舌先が甘みで、舌脇が酸味で、舌奥が苦みという説があったようです。今はこの説は完全に否定されていて舌のどこでも5つの味覚を感じる受容体があるそうです。それでは盃とぐい飲みの味の差はどうして起こるのでしょうか。僕の勝手な推測ですが、盃はお酒が幅広に口に注がれるのに対してぐい飲みは中央に集中的に注がれるので、単位面積あたりのお酒の少ない盃の方が優しく感じるのではないかと思いました。 間違っているかな・・・・・

<珍しいお燗器>

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これはこのお店で使っていたお燗器です。ガスコンロでお湯をわかして、右の写真のようにチロリを差し込んで、お燗温度を測定しながらお燗します。電気式ができる前の形態だったのでしょう。今でも合羽橋に行けば、売っているようです。いくらするのかな。

<お料理>

お料理は鯉料理のほかにもたくさんでましたが、ここでは鯉料理の写真で紹介します。鯉料理がこんなに食べやすいとは思いませんでした。

鯉の洗い             鯉の旨煮

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鯉のうろこせんべい       鯉こく

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最後に記念写真をとりました。このお店に来た方は常連ばかりで、一緒に旅行したりして、とてもまとまりのよい心の熱いメンバーばかりでした。初めての参加にもかかわらず、暖かく迎え入れてくれましたので、とても楽しかったです。また参加していいかな?

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数馬酒造は今変わろうとしています

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夏の終わりに神田の醇さんのお店で、数馬酒造さんを囲む会が開かれました。数馬酒造って知っていますか。能登半島の輪島とは反対側の東側の海岸にある鳳珠郡能登町宇出津(うしつ)にある蔵です。江戸時代より味噌醤油の醸造を生業としてきましたが、その仕込み水が酒作りのふさわしいことから明治の初めに酒屋を創業した蔵です

仕込み水は笹川(笹谷川)の上流で笹が生い茂るところにあり、その笹の葉にちなんで竹葉」(ちくはというブランドのお酒を醸造しています(曾祖父が竹藪に住んでいる虎が好きだったからという説もあるそうです)が、ほとんどが飲食店への直接販売が多く、東京では有楽町の加賀能登金沢江戸本家でしか買えないようです。

その数馬酒造から社長の数馬嘉一郎さんをお呼びしての蔵元の会です。お会いして驚きました。現在27歳の若い社長です。酒造業界では伝統ある蔵が多いので、この世界でこの若さで社長になるのは大変珍しいことです。3年前の24歳の時に、前社長の数馬嘉雄(よしお)さんから突然社長になれと言われたそうですが、何も分からないまま社長になり、当時は何か特徴はないかと考え、日本一若い蔵元社長と言っていたそうですが、今ではちょっと恥ずかしいとのことでした。

どうして嘉雄さんがそんなに早く社長をバトンタッチしたかは、嘉一郎さん自身も良くわかっていない面もあるようですが、それなりに理由があるはずですから、僕なりに考えたことを後で説明したいと思います。

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嘉一郎さんは蔵元の息子ですから、蔵を継ぐことは意識していたと思います。普通なら東京農大の醸造学部に行く人が多い中、彼は玉川大学の経営学部に行って、経営を勉強したそうです。それはきっと父の影響があると思いました。そして卒業後は人材コンサルタント会社に就職し、グループ会社の立ち上げなどの仕事をしていたそうです。その後24歳の時に蔵に戻ったと聞いています。

嘉雄さんは蔵元の前社長で、蔵を取り仕切ってきたことは当然のことですが、石川家の酒造組合の副会長をするだけでなく、能登の地域活性化に大変尽力された方なのです。地域全体を元気にすることが大切と実践されておられます。それをちょっとまとめてお話しましょう。

2003年に開港する能登空港に連携して、能登と都心を結びつけて活性化するための能登空港ネットワーク協議会を1998年に設立して、その中心的人物として活動されました。具体的な活動としては、首都圏と能登をつなぐ居酒屋「のとだらぼち」を東京の銀座に1999年に開設したり、能登の特産である「いしり」をジャパンブランド化する企画(能登漁醤フォーラム開催、ニューヨークの展示会開催、料理コンテスト開催、いしりドレッシング開発など)を立ち上げたりされていました

2003年には、能登空港ネットワーク協議会のにかわるNPO法人「能登ネットワーク」の初代理事長に就任されました。NPO法人としての活動の理念として醸しの里・能登構想という概念を打ち出し、地酒列車(上野から7両編成の特別列車を仕立てて、日和倉温泉で楽しんだ後、九市町村にわかれて交流するもの)や能登定住を狙い珠州市(すずし)の農家民宿で農業体験をする「珠州のくらし体験」ツアーを実施しています。また、最近では「能登人」という雑誌を出して能登の人材のPRをしています。

このような活動が評価されて、2010年に地域つくり総務大臣表彰されており、その後の2011年に興能信用金庫の理事長になって、なお一層高い立場から地域活性化のために活躍されております

詳細は下記のYoutubeをご覧ください。ここから得られたことをまとめてみました。
http://www.youtube.com/watch?v=16IPePVFY9U

数馬嘉雄さんも若いころは大学を出た後、4年間サラリーマン生活をした後、蔵に戻って26歳の時に社長になったといういきさつがあるそうです。そう意味では息子の嘉一郎さんに24歳で社長を渡してもおかしなことはないですが、信用金庫の理事長の仕事は片手間でやれることではないので、これを機会に社長の座を降りたというのが真相ではないでしょうか。それが僕の推察です。もっともその裏には酒作りの肝となる杜氏の四宮裕(しやけゆたか)さんがおられることで、安心しておられたこともあると思います。

最後に嘉雄さんの写真をお見せしましょう。昔の社長の時の写真です。

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嘉雄さんはお写真のとおり、ふくよかで人当たりの良い人でありながら、発想が斬新で、能登の魅力を発信する数々のアイデアを率先して出して自ら行動する人なので、この人の周りには自然と人の輪が広がるそうです。だからこそ、息子に社長を譲っても、酒作りのことは何も言わないそうです。そうやって人を育てたのでしょうね。  見習わなければ・・・・・・。でももう遅いか。

では早速この会で呑んだお酒を紹介します。でもその前に新社長が新しく生み出したお酒を紹介しましょう。そのお酒は「閃」というブランドです。数馬酒造は能登のお米と能登の水、能登の杜氏が仕込むことにこだわっている蔵ですが、それを守りながら新しいブランドのお酒を作ったそうです。

閃は石川門を酒米として作ったお酒です。酵母は数馬酒造が得意としている14号酵母だけでなく、香り系のM310を使ったりしていますが、最初に作ったのが昨年ですから、まだ味が固まっているわけではないようです。でも酒作りには難しいと言われる石川門にチャレンジしたのは評価できますね。この蔵のお酒は直接飲食店に卸しているので、東京ではあまり買えないみたいですが、閃は小山商店で扱うようです。

石川門は石川県が長年改良を重ねてきた結果生まれた酒造好適米で、次のような特徴があるそうです。

・ 石川県での栽培に適している
・ 早生で、短稈なので倒れにくい
・ 粒が大きく心白発生率が高い
・ 醸造適性は山田錦並みで吟醸酒作りに向いている

でも、お米がとけやすいので、今まで数馬酒造では扱っていなかったので、初めてのチェレンジだったそうです。閃というのは一筋の光であり、嘉一郎さんの自分で決めた道をまっすぐ突き進むという思いからつけたようです。

それでは早速呑んだお酒を紹介します。これは今回試飲した全種類のお酒です

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0.閃 純米吟醸 生

Dsc01312_6このお酒は石川門55%精米、M310酵母を使った初めての試みのお酒です。日本酒度はー4、酸度は1.6、アルコール度は16度の純米吟醸の生酒です。

呑んでみると甘い小さな固まりが、ゆっくりと口の中に広がり、後味はスパッと切れるのではなく、ゆっくり余韻を持たせながら消えていきます。今風の味かもしれません。

会の終わりに温度が上がった状態で呑んでみると、温度が低い時の味を残しながら、すっきり飲めるお酒に変わっていました。なかなか面白いお酒だと思いました。

1.竹葉 能登上撰

Dsc01315_3このお酒は竹葉の代表的なお酒です。五百万石65%精米の本醸造のお酒ですが、全国燗酒コンクールで金賞を取っただけでなく、能登杜氏の賞も取っている人気ブランドだそうです。

スイット飲んでしまえるお酒で、本醸造とは思えない良いバランスのお酒です。パッとした旨みがあるわけでないけど、味わい深いので、確認して飲んでいるうちにいつの間にか飲んでしまうようなお酒です。旨みを感じたと思ったら、もう消えている感じです。

これはすごい。

2.竹葉 能登純米

Dsc01318_2このお酒は能登産の山田錦55%精米の純米酒で、日本酒度は+1、酸度2.0、アルコール度15度です。

この山田錦は杜氏が自分で作っている山田錦だそうです。飲んでみると、甘みはあるけど酸があるのであまりそれを感じないうちに消えていくお酒でした。甘みと酸味のバランスがとても良いお酒でした。

海外、特に中国で好まれているそうです

3.竹葉 純米吟醸

Dsc01321_2このお酒は富山県産五百万石50%精米の純米吟醸で、酵母は14号酵母です。日本酒度は+0、酸度2.2、アルコール度15%です。

純米よりは味がしっかりしていて酸味もあり、食べ物に合わせやすいお酒でした。最初に旨みを感じた時に少し酸味を感じながら、最後にすっと消えていく感じです。

料理評論家の服部幸應(ゆきお)先生の一押しのお酒です。飲んでない人は是非飲んでください。

この後は閃の特別純米の3種類を比較して飲みました。
最初の二本は24BYの特別純米で石川門60%精米、日本酒度+2、酸度2.1、アルコール度17%のお酒です。

4.閃 特別純米 生      5.閃 特別純米 秋あがり

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閃の生は純米吟醸より香りは少ないけど、旨みがしっかりしていて酸もしっかり感じるけど、すうと消えるのではなく味が適当に残る感じが良いね。しっかりした酸に最初驚くけどすぐ慣れてしまいます。

秋あがりは1回火入れして半年寝かせたものです。生らしさがなくなっているけど、旨みはしっかりあって、後まで余韻を残して消えていく感じでした

6.閃 特別純米 23BY

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瓶の裏側だけをお示しします。このお酒は昨年作った閃の特別純米ですが、麹は同じ14号でもお酒の質はちょっと違っていました。日本酒度は+2、酸度1.0、アルコール度16%で、酸が少なめです。

5℃の冷蔵庫で1年半熟成したもので、熟成香は少あって、色も少しついているけど、そんなに強くはありません。味は角が取れて丸みを帯びているけど、口に含むとずうっと広がっていく感じでした。

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7.竹葉 能登大吟

Dsc01334_2このお酒は能登山田錦50%精米の大吟醸で、日本酒度は+6、酸度1.4、アルコール度15度です。

ラベルの色が茶色くて何か大人の雰囲気がありますね。瓶も艶消しの高級感があります。

とてもすっきりしてすっと入ってきて、旨みはそれほど強くはないけど、味はしっかりしているように感じました。バランスの良いお酒です。

海外のシェフに人気だそうで、のど越しが良く、口の中を洗い流してくれる感じが良いそうです

最後には能登の梅酒を飲みましたが、写真を撮りそこないましたので、省略します。能登の梅を70%精米の純米酒で2年間付けたもので、それほど甘くない、独特の酸味を感じる梅酒でした

最後に嘉一郎君と一緒に飲んだ郷さんとのショットをお見せします。何か皆にこやかですね。お酒を飲んだ時は皆良い笑顔になります。

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嘉一郎さん これからも新しいお酒作りにチャレンジしてください。でも竹葉の味は絶やさないようにしてください。個人的な意見ですが、閃は中身のお酒に合わせて色やデザインを変えたりして、お酒のイメージを視覚的に感じさせる工夫もあったらいいと思いました。林本店の取り組みを参考にしたらどうですか。下にURLを書いておきます。
http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-39ca.html

<お料理>

小糠鰯白酢和え        真鯛と甘エビのカルパッチョ
打ちまめトマト煮 茄子の煮浸し

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いしりもずく汁          わらさのカレームニエル

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赤烏賊の辛し酢味噌       鶏の治郎煮

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さざえの炊き込みご飯

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新政の特別領布会のお酒から何が見えるか

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新政では社会見学的な位置づけで毎年特別なお酒を作って飲んでいただく特別領布会を行っています。この企画は昔から行われてきたそうですが、現社長の佐藤祐輔さんが蔵に戻ってきてから、テーマを決めてやるようになったのが2008年からであり、今年はそれから6年目にあたります。その中身を下に示します。

・ 2008年は「新政物語」と称して新政酒造の歴史の解説をした
   新政の歴史がわかるラベルを付けたお酒の紹介

・ 2009年は「蔵人からの便り」と称して酒造りの各工程を理解してもらう
   各担当者に説明してもらうラベルと付けたお酒の紹

日本酒の奥の深さや多様さを理解していただくために、2010年からは少し趣向を変えています。

・ 2010年は「素晴らしき酒米の世界」と称して秋田産の酒米の飲み比べ
   酒こまち、美郷錦、深山錦、秋の精などの酒米使用のお酒の紹介

・ 2011年は「流派対決in新政」と称して製造者の流儀の違いの飲み比べ
   杜氏・鈴木隆(山内流)、副杜氏・古関弘(能登流)、佐藤祐輔(独学蔵元流)がそれぞれ淡麗/濃厚/芳醇の3タイプを作り、しかも生と火入れの差を知ってもらう

・ 2012年は「素晴らしき純米酒の世界」と称して製法の違う純米酒の飲み比べ
   珍しい作りの純米酒(微発泡純米酒、貴譲酒)、自然な作りの純米酒(白麹純米酒、山廃純米酒)、精米違いの純米酒(低精米90%の純米酒、高精米35%の純米酒)の差の紹介

こんなに色々と面白い企画が良く出来るなと思いますが、これは祐輔さんの単なる思いつきではないと思います。僕の勝手な推測ですが、その年に祐輔さんが一番関心を持っていることから出ていると思います。その状況を考えてみました。

・ 2008年 ここはまだ蔵に戻ったばかりで蔵をよく知ろう
・ 2009年 蔵の組織改革として蔵人の若手化を計る
・ 2010年 秋田産のお米に切り替えた年
・ 2011年 祐輔さんが造りに自信ができた時のチャレンジ
・ 2012年 全部純米酒に切り替える寸前だった

こういった背景があったものと思われます。では今年はどんな企画だったでしょうか。今年は「微生物の世界」と称して、お酒の工程で使われる色々な微生物(菌)の違いによるお酒の違いを飲み比べようという企画でした。日本酒の製造工程の中には微生物が使われている工程が色々あります。最初にお米を糖化するためにに使われる麹菌、雑菌を防いで安全に酒作りをするための乳酸を出す乳酸菌、最後に米の糖分からアルコールを生み出す酵母の3つがあります。これらの微生物の違いによりお酒がどのように変わるかを知ってもらうものです。

こんなユニークな企画はとても面白いと思ったので、今年の2月に池袋の升新商店に申し込み、予定通り5月には6本のお酒が手に入りました。でも、まとめて全部飲まないと感想も書けないなと思い、延び延びになっていたのですが、10月になってやっと試飲しましたので、まとめてみることにしました。お酒の味の違いをきちっと表現する自信はないけど、この企画も過去に祐輔さんが取り組んできたことから生み出されたものなので、その辺をご紹介しならが、お酒の印象を述べてみたいと思います

1.麹の世界

麹菌はお米の中の澱粉を糖化してお酒の元を作る役割を持っています。麹菌には色々ありますが、日本で使われているものとしては黒麹菌、白麹菌、黄麹菌があります。黒麹菌は沖縄の泡盛の醸造に使われていた麹菌で、クエン酸発酵が強く、もろみを比較的強い酸性に保つことができるので、雑菌の繁殖を防ぐ効果があり、気温の高い地方でのアルコール発酵に適していると言われています。白麹菌は黒麹菌から比較的クエン酸の少ない突然異変株を培養して出来た菌で、今では広く焼酎の醸造に使われています

黄麹菌は味噌、醤油、日本酒、味醂などに使われている日本に昔からある菌です。日本酒の醸造には殆どこの黄麹菌が使用されており、白麹菌は使われていませんが、新政では数年前から白麹の使用を研究してきて、最近になってやっと商品化できるようになって来たそうです。その代表的なものが「亜麻猫」で、黄麹と白麹を半々で使ったもので、酸度は2.2から2.5くらいあるそうです

今回の領布会では、

・ 白麹100%の純米酒
・ 黄麹の量を多めにした純米酒

の2種類のお酒を作ったそうです。

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左の黒っぽいラベルが白麹、右の薄黄色ラベルが黄麹です。お米は酒こまちで、酵母は当然6号酵母です。酒質を下記に示しておきます。

・ 白麹のお酒はものすごく酸っぱいお酒で、きれいなクエン酸を飲んでいる感じです。お酒を飲んでいるにもかかわらず、唾液が出るような気がしますが、後味はすっきりしています。もっと甘みがあったら面白いかも。

・ 黄麹のお酒は小さな甘みが塊のまま口の上あごの方に広がったと思ったとたんに消えてしまう感じでした。最初の旨みの中にも酸味を感じ、後味にも軽い酸味が残るけど、意外に良いバランスの味でした。

    精米度 日本酒度 酸度  アミノ酸 アルコール度
白麹  60   -15   4.7   1.1     12
黄麹  60     +1    1.7   1.3     15

2.乳酸菌の世界

酒母を作る工程において、乳酸は他の雑菌を抑えることにより酵母を安定して増殖させることができる重要な役割があることはよく知られています。その乳酸は昔は乳酸菌を使って生成していました。乳酸菌には色々なタイプがあり、どんな乳酸菌でも使えるわけではありません。お酒を腐敗させてしまうものもあるようです。酒母を作るために最適な乳酸菌を発生させる方法として「菩提酛」「生酛」「山廃酛」が昔ながらの製法として確立されています

菩提酛は室町時代に奈良県の正暦寺で生まれた日本酒の原点といわれる酒母製造法です。その特徴は生米を使うことにあります。生米には微量ながら糖化酵素を含んでいますので、生米と蒸米と水を30℃くらい温度で数日保存しておくと、微量の糖分ができます。それを餌として乳酸菌が増殖してきます。その乳酸菌を含んだ水に、麹と蒸米を加えて発酵させ、それと同時に酵母を投入し酒母を作っていく方法です

生酛は江戸時代にできた酒母の製造法です。蒸米と麹を水に入れ粥状になるまですりつぶし(山卸という)、酒母作りを始めます。最初にに硝酸還元菌が繁殖し、細菌や野生酵母を淘汰し、次に乳酸菌が繁殖するので、その時に酵母を入れるとその乳酸菌に守られて酵母が増殖するが、それによって造られたアルコールで乳酸菌が淘汰されて目的の酒母ができるというわけです

最初に行う山降ろし作業が重労働なので、その作業をやめる方法が明治時代に開発されたのが山廃酛です。生酛も山廃酛も乳酸ができた後の工程で蔵に住み着いている酵母の中でも一番生命力が強い酵母を育てて生き残すのが特徴です。そうすることにより重厚な旨みと程よい酸味があるお酒ができるのですが、酒母を作るのに1カ月くらいかかるのが欠点とされています。

それに対して現在作らてているお酒のほとんどは、乳酸菌から乳酸を作る方法ではなく、酒母を作る最初の段階で乳酸を投入して、雑菌が育成しにくい乳酸性にして酵母だけを増殖させる速醸法が使われています。これですと酒母を作る時間を半分以下にすることができます。

生酛や山廃酛では程よい乳酸を造る過程が重要ですが、この工程はかなり難しく、その上、蔵付き酵母をうまく育てるのはもっと難しいと言われています。ですから、現在使われている生酛や山廃酛では最後に酵母を添加している方法を採用している蔵が多いと思われます(このことをはっきり表明してい蔵は少ないです)。

速醸法は人工的に造った乳酸を添加するのであるから、アルコール添加をしない純米酒を志向する祐輔さんにとって、乳酸を投入する方法をやめたい気持ちが強かったのです。それで、酒母を作る最初の段階で、乳酸菌を投入する方法を研究してきました。NEXT5でパッションを造るころだと思います。でも乳酸菌を投入すれば簡単に適切な乳酸ができるわけではないことがわかったそうです。乳酸には多種多様な乳酸菌がいますので、種類によってはアルコール発酵に適さない乳酸菌がいるらしいのです

そうやって完成したのが新政流山廃酛です。具体的には適切な乳酸菌だけを培養して、それを最初に投入して、乳酸ができたころに酵母を投入してアルコール発酵させる方法です。こうしてできた山廃はすっきり系のお酒になるそうです

味わってみたいでしょう・・・・・

今回の特別領布会では菩提酛のお酒造りに初めてチャレンジして作った

・ 菩提酛の純米酒
・ 新政流を山廃酛の純米酒

を選んだそうです。どんな味かな・・・・・・・

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青いラベルのお酒が菩提酛の純米酒で、黄色いラベルのお酒が山廃酛の純米酒です

・ 菩提元の方が少し香りがたちます。香りはややセメダインぽいすうっとした香りです。口に含むと渋みと酸味を含んだ甘みを感じてから溶けるように味が広がります。後味に軽い苦みを感じますが、そんなには気になりませんね。

・ 山廃酛は香りは少なめで、口に含むと酸味を含む甘みを感じます。苦みや辛みは感じないで、きれいに消えていきます。後味に酸味を感じながら消えていきます。なかなか飲みやすいです。

      精米度 日本酒度 酸度  アミノ酸 アルコール度
菩提酛  50~90   +0   2.0   1.3     15
山廃酛  60        +1    2.3   1.3     15

3.酵母の世界

こ新政はすべてのお酒を6号酵母で行うことを宣言しました。それは祐輔さんの先代への感謝の気持ちがあるからだと思います。6号酵母は昭和5年に国税局技師により新政酒造から採取し、昭和10年に全国に協会6号酵母として販売されたのです。それまであった協会1号から5号とは遺伝子的にも全く違ったもので、吟醸酵母として初めて世に出た酵母のようです。

その後の研究で、それから出てきた協会7号、9号、10号は多くの性質が同じで区別しにくいとか、6号酵母が親株となって変異してきたものだとの説があるようです。秋田の片田舎にそのような酵母が存在したというのはすごいことです。これは5代目の佐藤卯兵衛の功績といえます。それだけに祐輔さんはこれを大切にしたい気持ちが強いのだと思います。

今夏うの特別領布会への酒はこの6号酵母にこだわったお酒になっています。

・ 協会6号の純米酒
   醸造協会から領布していただいた最新の「きょうかい6号」を用いて醸したお酒です

・ 原株6号の純米酒
   80年前の発見当時に近い保存株を東京農大より分けていただいたのが10年前で、その後一部使用していたが今回の領布のために再びこの酵母を用いて醸したお酒
です。

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橙色のラベルが「きょうかい6号」の純米酒で、水色のラベルが「原株6号」の純米酒です。

・ きょうかい6号は酸味は感じるきれいな旨みの塊が上あごへと上って行き、余韻を残して消えていきます。後味にすこし甘みを感じるところが良いです

・ 原株6号は旨みの中に酸味を感じるし、旨みの塊は感じないで、口の中で酸味を感じながら、横に広がっていく。後味にも酸味を感じながら消えていくお酒でした

       精米度 日本酒度 酸度  アミノ酸 アルコール度
協会6号  60     +1   1.6   0.9     15
原株6号  60     +3   2.1   1.0     15

上で新政の特別領布会の紹介は終わりますが、彼がこの企画を毎年行っているのは、自分が酒造りを深めていくための自分への挑戦の表れだと感じました。

これからも毎年新しい企画を立て続けてください。チャレンジです・・・・・・

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写楽が最近旨くなった秘密はなにか?

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先日用賀のなかむらやで、写楽と出雲富士の蔵元をお呼びして、杜氏と美味しいお酒を楽しむ会が開かれたので、参加してきました。なかむらやの会は時々参加して、ブログに書いてきましたが、この会は蔵元と親しくお話しする時間が十分に持てることが特徴です。こんなにゆっくりお話をする時間が持てる会はここぐらいしかないかもしれません。

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この写真は会が始まる前の写真ですが、右にカウンターがあって、椅子席は24~25人くらい座れる縦長のレイアウトです。この写真でおわかりのように、いつも開会の挨拶は中央でされるのですが、飲みが始まって盛り上げってくると、端の方ではなかなかお話が聞こえにくくなります。

そこでこのお店では各テーブルに蔵元や酒販店の人がまわってお話をする形式をとっています。しかも各テーブルで十分時間が取れるようにいるも2人以上の蔵元をお呼びしているからで、それが特徴になっていますなかなか考えていますね・・・・・・・

僕たちは手前の一番奥の席が定席になっていますが、ここはちょっと離れているので、蔵元とじっくりお話しできるのがいいのです。これからもお願いしますね・・・・

今回は写楽の宮森義弘さんと出雲富士の今岡稔昌さんが来られました。遠くから望遠で撮った写真なのでボケていますが、お見せしましょう。

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左の方が出雲富士の今岡さんで、中央の方が写楽の宮森さんです。一番右端の方は写楽の製造部長の山口佳男さんです

今回は内容が充実していたので、写楽と出雲富士の2回に分けてブログにまとめてみたいと思います。最初は宮森酒造の宮森義弘さんのお話を踏まえながら、写楽のお酒を紹介します。

Dsc01534_2 
このお写真は僕たちの席に来られて、熱い心をお話している時のものです。福島なまりですが、熱い語りをしているところです。昭和51年生まれの37歳の若者?です。若者の心を持った中年というイメージかな。

写楽は宮泉銘醸で造っているお酒ですが、昔から造られていたわけではありません。その辺を整理しておきたいと思います。

宮泉銘醸は義弘さんの父の宮森啓治さんが昭和29年に、会津若松氏にある花春酒造から分家して創業した蔵です。花春酒造は社長が宮森泰介さんですから、親戚関係にあることが容易にわかりますが、現在花春酒造が3500石の大きな蔵に対して、宮泉銘醸は現在700石の比較的小さな蔵です。

しかし、蔵は歴史的有名な鶴ケ城の直ぐ北の観光地としてにぎやかなところにありますが、この蔵の井戸水は磐梯山からの伏流水で、灘の名水といられた宮水にきわめて近い水質を示すので、古くから宮泉と呼ばれていたそうです。これに由来して蔵の名前を宮泉銘醸と名付けたそうです。

蔵の写真をインターネットから拝借しました。この写真は通りに面した会津酒造記念館の入り口の写真のようです。この記念館は約30年前に前社長が蔵を開放して見学できるようにしたもので、大型バスが20代も駐車できる当時としては画期的なもので、多くの人が訪れたようです。通りは城下町の風情がありますね。この通りの前で毎年鶴ケ城桜祭りが行われるみたいです。

Cbk

裏にある宮泉銘醸の蔵の入り口の写真も見つけました。下の写真がそのようです。

Sharaku_2

この蔵は2年前の東日本大震災で、蔵の倉庫が崩れるという大きな被害を受けたようですが、この写真がいつのものかはわかりません

この蔵では宮泉という日本酒と玄武という焼酎を作っていて、写楽を世に出したのは平成20年のことです。平成19年に同じ会津若松市にあった東山酒造が廃業することになり、その銘柄を引きついで写楽を醸することになったのがきっかけですが、このお酒は義弘さんを抜きにしては語ることはできません

義弘さんは大学を出て、富士通でシステムエンジニアをしていたそうですが、父親から蔵の立て直しを依頼され、10年前に蔵に戻ったのです。酒造りについては全くの素人だったので、蔵に戻って3年間福島県の醸造試験所で通いで、酒造りの研修を受けたそうです。研修所で学んだ酒造りは吟醸の酒造りで、米の洗い方、吸水方法、酒の搾り、貯蔵の仕方、火入れ等当時の造りとは異なる点が色々ありました。蔵の杜氏はその作りは鑑評会用の造りで、普通のお酒をそのような作りにするのは手間がかかりすぎると、反対されたようです。7年前から酒造りを始めていた彼は何とかこの方法を定着したいと思っていたけど、中なか思うには行かなかったようです。

こんな時に写楽を醸造することになり、この酒は自分が学んできた方法でやることを決め、前述の山口さんと二人で試行錯誤をして造り上げてきたのが写楽なのです。そして3年前に今までいた杜氏が辞めて、義弘さんと山口さんとの2人製造管理体制が確立したそうです。僕たちが写楽が変わってきたなと思ったのが3年前ですから、丁度その時期と会うのですね。これで写楽の酒造りの秘密がわかった気がしました。でももっと奥が深かったのです ・・・・・・ これについては最後にお話しましょう

それではなかむらやで飲んだ写楽のお酒を紹介することにします。

1.純米大吟醸 しずく取り

Dsc01527兵庫県産山田錦40%精米の純米大吟醸の1回火入れで、酵母はM310です。アルコール度数16%で、価格は720mlで4200円する写楽の最高峰のお酒です。

M310にしては香りは強い方ではなく、おとなし目の香りですが、果実のようn甘みがきれいに膨らみ、全くいやらしいところがない旨みのお酒です。

このお酒なら文句を言う人はいないでしょうが、ちょっと高いね

2.純米吟醸 備前雄町 

Dsc01530岡山県産雄町50%精米の純米吟醸の1回火入れで、酵母はF701で、半年瓶貯蔵したものです。

雄町と言えばどっしり味と酸味を感じるものが多いけど、口あたりは柔らかく軽い感じだけど、余韻がきれいに伸びるところが雄町らしいと思いました。生を飲んでみたかったな。

雄町サミットには出さなかったけど、福島の酒販店の会では雄町部門で1位になった酒だそうです。価格は1升3675円です。

3.純米 羽州譽

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山形県産羽州譽60%精米の1回火入れの純米吟醸です。酵母はF701で、真澄の7号酵母を福島県で改良したものです。羽州譽は山形県の高木酒造が開発したお米で美山錦と玉龍F10を掛け合わせたものです。

最初に果実のような軽い甘みがあって、後で酸味が後味を切ってくれるお酒で、まるで新政の祐輔のお酒を飲んでいる感じでした。旨みと酸味のバランスが良いと思いました。ちょっと寝かせてもいいかな。 価格は1升2835円です。

4.純米吟醸 酒未来

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酒未来も山縣の高木酒造で開発したもので、美山錦と山酒4号を交配してできた酒米です。酒未来50%精米の1回火入れの純米吟醸です。酵母は同じくF701です。

最初に含んだ時に今までお酒とはちょっと違う味わいが感じられました。僕にとっては茶色い味という感じです。これはお米から来るのでしょう。でも全体のバランスは良く、酸味は少ないものの、後味に切れがあるお酒です。酒未来をうまく引き出しているのかもしれませんね。

価格は升3150円です

5.純米酒 夢の香

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夢の香60%精米の1回火入れの純米酒です。夢の香は福島県が五百万石に代わる米として開発したもので、出羽燦々とと八反錦1号を交配して作ったものです。

飲んでみると、華やかではないが丸く固まった甘みがそのままするっと入ってきて、あまり広がらないですうっと消えていく感じでした。全体には厚みを感じるけどさらっと飲めるので、淡白なお魚に合うかもしれません。価格はちょっと不明です。

今までのお酒とはちょっと次元が違うけど、定番のお酒だそうです

6.純米吟醸 なごし酒

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麹米が山田錦50%精米、掛米が夢の香55%の1回火入れの純米吟醸で、1年半熟成したお酒です。通常のなごし酒は春先に造ったお酒を夏を越して出すお酒(夏越し酒)のことを言い、冷おろしの前に出す酒ですが、それを1年熟成したお酒です。

熟成香はないが、口に含むと甘みが上あごの方にすうっと広がって行くお酒で、 Uさんの言によると飛露喜のようなお酒だそうです。

以前は夢の香の代わりに華吹雪を使ったそうですが、夢の香りの方が米の旨みが良く出ているとのことでした

以上で試飲したお酒の紹介は終わりますが、全体には果実のようなきれいな旨みを売りにしているお酒だと思います。

写楽が最近旨くなったと言われるのは、試験所で研修を受けて学んできた吟醸作りの基本を着実に実施し、400石ほど貯蔵できる冷蔵設備を作るだけでなく、減農薬栽培にも取り組んでいくなど、出来ることなら何でもやるスタンスがあるからではないかと感じました。でもそれだけではないようです。もっと重要なことがあることがわかったので紹介しましょう。

会社を辞めて蔵に戻る時に、送別会で用意してくれたお酒が、14代と 飛露喜だったそうです。そのお酒を飲んだ時は26歳だったそうですが、こんなうまい酒があることを知り、今まで淡麗辛口しか知らなかったので、大いに刺激されたそうです。酒造りにはこんな酒を作りたいというイメージを適確に持つのが大切だと思っているそうです。どこかで同じような話を聞いたことがあるな。それは鍋島の飯盛さんの酒造りに似ていますね・・・・・・。味も近いかもしれません。

味を維持するのはそれだけではないと思っているそうです。お酒の好みは時代に酔っても変わるものですから、絶えず飲み手の消費者の声を聞くこと、その人たちに感謝の気持ちを持ってお酒を作ることをモットーとしているそうです。ですから僕らのようなマニアックな飲み手と会話することを大切にしているそうです。良い酒を作れば売れると考えるのは間違いで、売れるだけではだめで飲んでくれる人に感謝をして造ることが大切だと熱っぽく語った姿が印象的でした。

お酒が売れるようになると、ややもすると生産量を増やすことに心が進み、飲み手の気持ちを見失ってしまう蔵があるように聞いていましたが、義弘さんは絶対そんなことがないようにしてもらいたいと思います。

最後に義弘さんの心を示すエピソードを紹介します。それは東日本大震災の時に自分の蔵も大きな被害を出したにもかかわらず、宮城県の平考酒造で蔵が被害を受けて仕込みができないで残っていた蔵の華」のお米を買い取って、宮泉醸造で純米酒を仕込んだそうです。今後も大震災で被災を受けた蔵を復興支援して行きたいという気持ちを持った気がいのある人です。

是非今後も頑張って新しい日本酒の道を開いてもらいたいと思いました。

最後の最後に面白い写真を見てもらいます。

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二つとも店長の中村さんが持ってきたものです。この二つがどう違うかはわからないけど、右側の東山は昔の写楽を作っていた時の前かけで、左の前掛けは東山の蔵元のお孫さんが社長をしている今井商店からもらったものだそうです。こっちの方が古そうだけど。

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出雲富士の富士酒造は今伸び盛りの蔵です

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なかむらやで行われた杜氏と美味しいお酒を楽しむ会写楽と出雲富士の蔵元とご一緒させていただき、第一弾として写楽編を書きましたが、その第2弾として出雲富士編を書くことにしました。

出雲富士の富士酒造の蔵は島根県の出雲大社のおひざ元の出雲市にあります。この地は日本海と中国山脈に囲まれた出雲平野は新鮮な海の幸と山の幸に恵まれた食の宝庫と言われているところです。日本酒の造りの盛んなところで、今でも5件の造り酒屋があるそうです出雲杜氏の技術でお酒を作っているそうなので、出雲杜氏は出雲市から生まれたのかと思ったら、松江市の秋鹿で生まれたそうです。知らなかったな・・・・・・

蔵の創業は1939年で、創業74年ですからそんなに古い蔵ではありません。出雲富士の名前は創業者の今岡正一さんが名付けたそうで、近くにそんな山があるのかなと思ったらそうではありません。この辺の独立峰といえば大山(だいせん)ですが、大山は鳥取県ですから違いますね。富士さんといえば、日本の象徴の山ですから、出雲の地で富士山のように愛されたいという思いでつけたそうです。

蔵は山陰線の出雲市駅からすぐの街の中にあります。これがインターネットから拝借した蔵の入り口の写真です。蔵の生産高は300石だそうですから、まだまだ小さな蔵です

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なかむらやさんには杜氏兼専務取締役の今岡稔晶さんが来られました。現在富士酒造は合資会社ですから社長とは言わずに代表社員と言いますが、現在は父親の今岡一朗さんがなっていますが、造りはすべて杜氏の稔晶さんが行っています。稔晶さんはまだ31(もしかしたら32歳かもしれません)歳の若者ですが、杜氏になってまだ8年だそうです。

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この方が杜氏の今岡稔晶さんです。とてもそんなに若い方のようには見えませんんね。どう見ても30代後半しか見えない、貫禄がありますね。2008年の島根県の地酒の会の時にお会いした稔晶さんの写真がありますので、比較してみましょうか

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たった5年前なのですが、雰囲気が随分違いますね。おでこが広くなったのと、髭をはやされただけですが、随分貫禄が出た感じです。

このなかむらやの会でお話を聞いたところ、この間色々と苦労されていたようですので、その辺のご苦労話をご紹介しましょう。

稔晶さんは若くから家業を継ぐために、自ら東京農大の醸造学部を受験し酒造りを勉強したそうです。当時は卒業したら3年は酒販店で飲み手のニーズがどのように変化しているかを勉強して、さらに酒蔵で4か所ぐらい造りを勉強してから30歳くらいで蔵に帰り、40歳で杜氏になる夢を持っていたそうです。

ところが卒業して東京の酒販店に就職した1年半後に、蔵の杜氏が急に亡くなられて、急遽蔵に戻ることになったそうです。ですから最初の年は杜氏がいない状態で、父親と以前からいた蔵人と4人でお酒を造ったそうです。でもお酒を造る責任者は必要だということで、翌年から自分が杜氏になったそうです

でも二人いた蔵人の一人が翌年から急にやめてしまったので、ハローワークで人を雇ったのですが、仕事がきついのですぐやめてしまうことが続いたようです。これではだめだと、蔵人に優しく対応することで、今の蔵人2人と自分の体制がやっと確立したそうです。

それからもう7年ほどたっていますが、最初は目の前にある造りの作業をこなすのが精一杯で、それから少しずつ各工程の作業の意味合いがわかるようになり、こんなお酒を造るためにはどの工程をどのようにしたらよいかということが少しずつわかってきた段階だそうです。

ここ数年は米の出来が安定しなかったので、毎年米の処理はゼロから考えなけれなならないことが続いたそうです。ですから自分の本当に狙った通りのお酒を造るのはこれからだと言われていました。本当に苦労されたのですね。

この蔵は和釜蒸し、手造り麹、木槽搾りなど昔からの酒造りの技術を大切にしており、その上でその工程の意味を大切にして新しい酒造りを狙っているそうです。

現在はこの蔵に合った造りはどんなものかを、お米の仕上げ方、麹菌の違い、麹の作り方、酵母の選択など、毎年少しずつ変えて、蔵に最適な酒造りを現在模索中だそうです。ですから毎年同じものを造っているわけではないけど、味は落とさないように工夫しているそうです。随分慎重にトライしているのですね。

これからが楽しみな蔵といえます・・・・・・

では早速なかむらやでいただいたお酒を紹介しましょう

1.大吟醸 生酒 
このお酒は乾杯酒だったため写真を撮ることを忘れてしまいましたので冷蔵にあったものを載せます

Dsc015191_edited1兵庫県の山田錦35%精米の大吟醸ですが、実は中身は純米大吟醸のようです。純米であっても純米と書かないのは表示違反ではないようですが、いずれにしても市販されていないお酒のようです。

米の旨みのしっかりしたおさけで、口に含むとふわっと旨みが広がった時の味がびっしりある感じがしました。それでいて嫌みのない美味しいお酒でした。酵母は島根酵母だそうです

友人のUさんがなかむらやで初めてハマった記念すべきお酒だそうです。

2.純米吟醸 無ろ過生原酒 改良雄町

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改良雄町55%精米の純米吟醸の生原酒ですが、麹米が山田錦(6%)掛米が改良雄町(94%)です。酵母は香露さんより直接購入した9号酵母と島根酵母のブレンドだそうです

飲んでみると優しい味のするおさけで、こんなに柔らかい雄町は初めてでした。それでいて甘みの質が良くて飽きない甘みを感じます。この味はお米や造りのせいだけでなく、超軟水の水の効果もあるのかもしれません。写楽の雄町がきれいなスレンダーなのに対して、優しく味わいのある女性でしょうか

このお酒は1升2950円でとてもお買い得です。

3.純米吟醸 無ろ過火入れ 改良雄町

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このお酒は2番の改良雄町のお酒と全く同じつくりの純米吟醸酒の火入れです。

火入れしてしまうと全体におとなしくなってしまうので、生の方がパワーを感じるというのが皆さんの意見でした。

<改良雄町とはどんなお米>

雄町は山田錦の父親側にある古い品種で各地で色々栽培されていくうちに、色々な名前の雄町ができたそうですが、大きく分けると2種類になるそうです。赤磐雄町、備前雄町、比婆雄町等は雄町を純系淘汰して出来た雄町です。それに対して純系淘汰品に別の品種を掛け合わせて出来たのが改良雄町や兵庫雄町になるそうです。改良雄町は比婆雄町と近畿33号を掛け合わせてできたもので、耐倒伏性は雄町より高く、心白は大きいけどと溶けやすいので扱いが難しいそうです。広島雄町は改良雄町の一つだそうです。

4.純米吟醸 無ろ過生原酒 佐香錦

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このお酒も麹米が山田錦で掛米が佐香錦で、精米歩合が55%の純米吟醸の無ろ過生原酒です。10月の23日に発売予定のお酒だそうです。

佐香錦は改良八反流(島根県で昔栽培していた八反流の交配改良品種)と金紋錦と交配して造った品種で、改良八反の短稈化と早生化を目標に島根県が開発した酒造好適米です。

さわやかですっと入るお酒で後味に生の味がするけど、半年熟成してある割には全く生だれしていないのが良いね。お燗にして飲むと良くなるね。特に盃で飲むといいね。

5.純米 冷おろし 秋雲

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島根県産の山田錦70%精米の純米酒のひやおろしです。火入れしたものを常温で約半年熟成したお酒なので、熟成香がかなりします。

ラベルは秋の紅葉を思い出させる瓶ですが、飲むと熟成の香りとともに枯れた旨みがすっと入ってきますが、結構余韻を残しながら消えていきます。

僕個人としてはこの香りは嫌いなので、お燗にして飲みたいお酒でした。

6.大吟醸 23BY 秘密の1本

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1番と同じ純米大吟醸にアルコール添加した大吟醸を1年半熟成したお酒です。

口に含むと旨みが舌の上でバーアッと横に広がって上の方に消えていくお酒で、パワーがあるにもかかわらず嫌みのないお酒でした。

これに合わせていただいたのが、和牛のランプステーキでした。これがめちゃめちゃに旨かった。このお店の店長が昔洋食屋のシェフをやっていたので、彼ならではのこだわりの味です。普通の居酒屋ではこのステーキは造れないと思いました。

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以上でお酒の紹介は終わりますが、出雲富士のお酒は香り系のものから香りを抑えたものまで色々と造っていますが、共通して言えるのは米の旨みをしっかりと出ところにあるような気がしました。

稔晶さんは蔵の味を大切にしている人で、現代の麹作りはきれいな味を出すためにつき破精が多くなっているようですが、島根県の気温を考えると乾燥をあまりさせない総破精系の造りが適しているとお話しされていました。しっかりと自分の味を追求しようとする姿を見ていると、将来どんなお酒ができるのか楽しみです。稔晶さんがどこかで10年後には1000石の生産量を目指すとお話されましたが、味だけは絶対に落とさないで、良いお酒を造り続けてください。

最後にここの店長の珍しいお写真をお見せしましょう

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この男どSにつき・・・・・・・ 何んでしょうね。声がガラガラなのと、風情からどSに見えるのかもしれませんが、にこにこ顔からは想像できませんね

また蔵元と楽しむ会があったら声をかけてください。

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JOY OF SAKE 2013 の金賞受賞酒(大吟醸編)

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JOY OF SAKE 2013が今年も11月の第1週に五反田のTOCビル13階のホールで開催されました。この会は毎年ハワイで行われる全米日本酒歓評会に出品された日本酒を、ホノルル、ニューヨーク、東京の3会場で一般に公開し、人気レストラン自慢の料理とともに美酒を楽しむことができる、全米最大の日本酒イベントです。

この会は2001年に米国で開催されましたが、JOY OF SAKEの10周年を記念して日本で開催されるようになって以来、今年で4回目の日本開催になります。今年度は172蔵元から384銘柄が出品され、今年の8月の13,14日にホノルルで全米日本酒鑑評会が開催され、審査されました。審査は1次と2次に分かれ、1次で全体の約半分を選出し、2次で高い評価を受けたものが金賞、残りが銀賞としているようです。

お酒は大きく4つの部門に分かれています。精米度40%以下の大吟醸A、精米度50%以下の大吟醸B、吟醸酒、純米酒の4部門でしたが、吟醸酒の中に純米吟醸があるので、純米酒と吟醸酒の分類は精米度(60%)で分けたのかもしれませんが、明示されていません

下の写真が試飲している状態ですが、吐きはないので、こんなに多種類のお酒を飲むことはできません。試飲会というよりはお祭りといった方が良いでしょうね。でもどんなお酒が賞を取っているかは興味があります

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ここでは大吟醸Aと大吟醸Bの中で金賞を取ったものだけ結果をお見せしましょう。金賞を取ったのは大吟醸Aで35種類、大吟醸Bで20種類でした。その中から最優秀のものがグランプリー賞、次点が準グランプリ賞として表彰されています

<グランプリ賞>

大吟醸A               大吟醸B

「出羽桜 大吟醸酒」        「桃川大吟醸」
出羽桜酒造              桃川酒造

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<準グランプリ賞>

大吟醸A

「大吟醸 幻宰」         超特選 純米大吟醸 白鶴錦
末廣酒造             白鶴酒造

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それでは金賞を受賞した全部のお酒を紹介します。急いで写真を撮ったので、写真がぼけていたり、抜けがあったりしていますが、ご容赦ください。皆様がお酒をたしなむときの参考にしていただければ、幸いです。

<大吟醸A> 35件

梵・特選 純米大吟醸 大吟醸 香梅  出羽鶴 純米大吟醸
加藤吉平商店       窓の梅酒造    秋田清酒

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大吟醸 九六位    竹 大吟醸       純米大吟醸
久家本店        清水清三郎商店    奥の松酒造

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A23

大吟醸 秘伝    純米大吟醸 紫紺  刈穂大吟醸 耕雲
菊勇         小泉酒造       秋田清酒  

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超特選 純米大吟醸  越の寒梅・金無垢  大吟醸 飛天山
白鶴酒造         石本酒造       天山酒造

A38_2A39_2A40_2

北雪 純大 越淡麗  伝心ファースト  青雲 純米大吟醸
北雪酒造        一本義久保本店 後藤酒造場

A43A50A51

越前岬 大吟醸   富寿純大黒ラベル 水芭蕉 大吟醸プレミア
田辺酒造 吟の雫   神戸酒心館    永井酒造

A52A53A54

酔心 究極大吟醸  燦爛 大吟醸雫酒 北雪 大吟醸YK35
酔心山根本店      外池酒造店     北雪酒造

A56A57B03_2

大吟醸 東の麓   大吟醸 幻宰  東光 純大 袋吊瓶囲
賀茂泉酒造      末廣酒造    小嶋総本店

B05_3B12_3B13_3

蒼天伝 大吟醸    純米大吟醸     出羽桜 大吟醸
男山本店        鈴木酒造店     出羽桜酒造 

B15B17B18

真澄大吟醸 夢殿 桜正宗大吟醸     超特選大吟醸
宮坂醸造      
桜正宗 桜花一輪   白鶴酒造 山田錦

B20B22B25

超特選大吟醸 白鶴錦  白壁蔵 大吟醸  聖徳 大吟醸
白鶴酒造          白壁蔵       聖徳銘醸

B26B31B39

古伊万里 前 純大
古伊万里酒造

B42

-

-

-

-

-

<大吟醸B> 20本

純米大吟醸 日下無双  梵GOLD    出羽桜純大 愛山
村重酒造         加藤吉平商店  出羽桜酒造

C04C08C19

純大 くどき上手愛山 作 雅乃智中取り  雪の茅舎大吟醸
亀の井酒造       清水清三郎     斉弥酒造

C25C26C27

さくら大吟醸      千代寿 虎乃子    桃川大吟醸
奥の松酒造      千代寿虎屋       桃川

C38C40C42

越前岬 大吟醸    花垣 大吟醸   特選大吟醸 稲田姫
田辺酒造        南部酒造場    稲田本店

C46C47D06

豊の秋 大吟醸  純米大吟醸 妙高山 千代むすび 大吟醸
米田酒造      妙高酒造        千代むすび

D07D08D10

鶴齢 大吟醸     鳴門鯛 大吟醸   初孫 祥瑞大吟醸
青木酒造       本家松浦酒造場   東北銘醸

D12D14E05

 

大吟醸のクラスででは下記の3本については写真を撮りそこないましたので、お詫びします。あれだけ並んでいて照明が暗いので、金色か銀色かを見間違えてしまいました。

・ 獺祭 純米大吟醸 磨き39 朝日酒造 A10
・ 松竹梅 純米大吟醸     米国宝酒造 C35
・ 出羽桜 純米大吟醸 一路 出羽桜酒造 C43

以上で大吟醸クラスで金賞を取ったお酒の紹介を終わりますが、これがお酒好きな人に参加になれば幸せです。

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JOY OF SAKE 2013 金賞受賞酒 吟醸・純米編

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JOY OF SAKe の第2弾として、吟醸・純米の金賞受賞酒を紹介したいと思います。この会のイベントは賞を取ったお酒を楽しめるということもありますが、有名レストランの美味しいおつまみを食べることができるのも特徴です。

最初にレストランの情報をまとめて紹介しますが、残念ながら全部は食べることはできませんでした。でもどんなお店か知りたいでしょう。調べてみると、色々な場所のレストランが選ばれているのですね。お店の載っているサイトを調べて関連記事を掲載することにしましたが、食べログ情報を避けて、出来るだけお店の特徴がわかるものを選んだつもりです。でもふさわしいものが見つからないところもありましたので、ご容赦ください

1.アルポルト 西麻布
  http://www.alporto.jp/

2.越の寒梅 新潟
  http://doctor-s.cocolog-nifty.com/kansyokunobigaku/2010/06/manjia-579b.html

3.重慶飯店 横浜
  http://e-shop.jukeihanten.com/shop-list.html

4.Danlo 長野
  http://www.danlo.net/index.html

5.福うちわ 白金
  http://pro-recipe.nikkeibp.co.jp/chef_detail.php?cd=17

6.人形町今半 人形町
  http://www.imahan.com/guide/shop/ningyocho_shop.html

7.駒八 田町
  http://www.komahachi.com/

8.白金 バル 白金
  http://vinoespanol.com/link/bar1.html

9.Capolavoro 高田の馬場
  https://www.facebook.com/capolavoro.kessaku

10.Passo a Passo 深川
  http://pro-recipe.nikkeibp.co.jp/chef_detail.php?cd=32

11.酉玉 白金
  http://shoku.otoshu.com/4827/7452/7457.html

12.霞町301-1 西麻布
  http://www.opentable.jp/rest_profile.aspx?rid=15311

13.地酒遊楽 裏や 池袋
  http://manoa2.blog19.fc2.com/blog-entry-937.html

14.すずや 溝口
  http://www.suzuya-group.com/

僕が勝手に選んで美味しかったものを二つほど載せておきます。すべてのお店のおつまみを食べれたわけではありませんので、悪しからず。

地酒遊楽 裏や           人形町今半
玉手箱(柿の中に色々なもの)  ローストビーフとすき焼きいなり

Dsc01823_2Dsc01825_2

裏やの人に聞いたけど、前の日から徹夜で柿をほじくって造ったそうです。非常に手間がかかったと思いました。来年も頑張ってください。

写真はないけど、霞町の味噌仕立てのすいとんと、すずやのカブの風呂吹きも良かったと思いました。

次にこの2つの部門でグランプリ賞と準グランプリ賞の結果を紹介します。

<グランプリ賞>

吟醸部門                純米部門

古伊万里 前 純米吟醸   辯天 特別純米原酒白鶴錦

G09_4L33_3

<準グランプリ賞>

吟醸部門

純米吟醸 越乃雪月花       出羽桜 桜花吟醸酒

F83G08

純米部門

七田 純米            春鹿 旨口4段仕込み 純米酒

K05L08

それでは金賞受賞酒の紹介に入ります

<吟醸> 29件

梵ときしらず      七田 純米吟醸   秀よし 純米吟醸
加藤吉平商店     天山酒造       鈴木酒造店

F03F05F08

イセノハナ      雪の茅舎 純米吟醸  純米吟醸 雄町
清水清三郎商店  斎弥酒造店        出羽桜酒造
 
F11F15F16

酔心特選純米吟醸 白鶴超特選純米吟醸 六十餘洲純米吟醸
酔心山根本店    白鶴酒造 山田錦   今里酒造 山田錦

F19_3F25_6F32_4

惣誉 純米吟醸    純米吟醸 山田錦  純米吟醸 杉玉
惣誉酒造        亀泉酒造       桃川株式会社

F34F36F51

春鹿 純米吟醸原酒 松の司純米吟醸  純米吟醸 善き哉
今西清兵衛商店   松瀬酒造 AZOLLA 名倉山酒造

F54F65F69

あだたら吟醸     常山 純米吟醸   純米吟醸 金鵄正宗 
奥の松酒造      常山酒造        キンシ正宗

     F72_2F75F76

純米吟醸月山の雪 純米吟醸 越乃雪月花 純米吟醸 龍力
月山酒造        妙高酒造         
本田商店

F82_2

F83_5G04_2

飛騨乃吟醸 白真弓  出羽桜 桜花吟醸  前 純米吟醸
蒲酒造           出羽桜酒造     古伊万里酒造

G06G08G09

吟醸 七冠馬     越乃寒梅 特選   東光 純米吟醸原酒
簸上清酒        石本酒造      小嶋総本店

G10G15G17

真澄 吟醸 家伝手造 雪の茅舎 秘伝山廃
宮坂醸造         斎弥酒造店

G19H01

-

-

-

-

-

-

<純米酒>30件

南部美人の特別純米も金賞を取りましたが、写真を撮りそこないましたので、ご容赦ください。

大山 特別純米十水   七田 純米    作 玄乃智
加藤喜八郎酒造      天山酒造    清水清三郎商店

K03K05K06

東一山田錦純米酒  出羽の里三十六人衆  龍勢 龍花
五町田酒造       菊勇酒造         藤井酒造

K07K12K13

梵 純米55     六十餘洲 純米酒   春鹿 旨口四段純米
加藤吉平商店     今里酒造        今西清兵衛商店

K15L07L08

白嶺 特別純米    誠鏡 純米たけはら  純米酒 浦霞
ハクレイ酒造      中尾醸造        佐浦

L11L23L25

燦然 純米山田錦 特別純米 妙高山  辯天 特別純米原酒
菊地酒造        妙高酒造    後藤酒造店 出羽の里

L26L31L33

松の司 純米酒    特別純米     ねぶた淡麗純米酒  
松瀬酒造        奥の松酒造      桃川

L34L37L42

特別純米一耕       福寿 純米酒御影郷     やわらか純米
出羽桜酒造       神戸酒心館        宮坂醸造

L46L50M04

特別純米極上吉乃川 特別純米橘屋  特別純米蒼田山廃
吉乃川酒造       川敬酒造      喜多屋

M07M08N04

雪の茅舎山廃純米 惣誉生酛特別純米 鳴門鯛純米阿波踊り
斎弥酒造        惣誉酒造       本家松浦酒造場

N06N08N13

初孫 生酛純米酒  白壁蔵 生酛純米酒
東北銘醸        白壁蔵

N14N16

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